月の裏側
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#440 [我輩は匿名である]
過去の恋人が、と、ヨースケの名前は伏せたが、お義母さんは「ヨースケくんね」とすぐに悟っていた。

百合の弱さや俺の不甲斐なさ。

美優のこと、これからのこと。

お義父さんもお義母さんも混乱していた。

俺だって、混乱している。

⏰:08/09/23 16:41 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#441 [我輩は匿名である]
きっと百合だって混乱している。

自分でどうしていいのかわからないだろう。

だからって投げやりな気持ちで、妥協しながら俺の元に戻ってきて欲しくない。

だから少し強く言ってしまったのだ。

⏰:08/09/23 16:41 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#442 [我輩は匿名である]
「美優に、ママが家にいないのは少し疲れたから、おじいちゃんとおばあちゃんのお家で休んでると話そうと思っています」

「そうね。それがいいわ」

妥協して帰ってきて欲しくないと思う反面、数日すれば百合も帰ってくるだろうとどこか余裕ぶった気持ちもあった。

⏰:08/09/23 16:42 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#443 [我輩は匿名である]
「じゃあね美優ちゃん」

「美優、また来なさい」

「おじーちゃん、おばーちゃんばいばーい」

「それじゃ、よろしくお願いします」

帰る時、美優はぐずらず一緒に車に乗ってくれた。

いつもは、まだいると泣いてぐずるのに。

⏰:08/09/23 16:43 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#444 [我輩は匿名である]
車に乗って、美優が言った。

「ままは?」

「ママね、今、コホンコホンって風邪ひいちゃったの」

「かぜ?」

「そう。美優もこの前なったでしょ?お薬飲んで、しんどかったでしょ?」

「しんどかったー」

「ママもあれになっちゃったの。だからしばらく、おじいちゃんの家でお休みするの」

⏰:08/09/23 16:43 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#445 [我輩は匿名である]
「おやすみ?」

「美優に移しちゃうといけないから、治すためにお休みするの。元気になったら帰ってくるから、美優は良い子にしてパパとおうちで待ってようね」

「ままいないの?」

「すぐ帰ってくるよ。美優が良い子にしてないと早く治らないかも。だからパパと2人で良い子にしてようね!」

「うん…わかったぁ」

⏰:08/09/23 16:44 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#446 [我輩は匿名である]
美優は納得していないようだ。

我ながら嘘が下手くそ。

昔はもっと上手に女を騙せたのになー、なんて。

⏰:08/09/23 16:44 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#447 [我輩は匿名である]
これからどうしよ。

何も家事のできない俺、どうすればいい?

とりあえず真子に電話をかけ、百合とのことを報告した。

「そっか。でもミナト、美優のこと大丈夫なの?」

「全然大丈夫じゃない」

⏰:08/09/23 17:19 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#448 [我輩は匿名である]
真子は優しいから、俺か百合が弱音を吐くと、すぐに助けてくれる。

俺はそれを知って、わざと甘えた。

本当はもっとしっかりしないといけないのに…。

でも、俺だってどうすればいいのかわかんねーだもん。

ホント、勘弁してよ…百合。

⏰:08/09/23 17:19 📱:PC 🆔:a.07ms/M


#449 [我輩は匿名である]
「明日から3連休だから、そっち行ってあげる」

「まじ助かる。ありがと」

真子が明日から3日間、ママの変わりにお手伝いに来てくれる事を美優に話すと喜んでいた。

真子はよく遊びに来ているから美優も嬉しそう。

⏰:08/09/23 17:20 📱:PC 🆔:a.07ms/M


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