鬼が哭くよるに
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#5 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
だ、だ、旦那!
いくら旦那でも勝手な事はしねえでくだせえ
だ、だから、その人形はもうすぐ人形寺に供養に出すつもりなんですから、いくら頼まれても…
……!
あんた、どうしちまったんだいその眼は、まるで何かにとり憑かれてるみてえな…
主人を斬る
>>5
:08/08/13 15:04
:L704i
:Fm6tqpd2
#6 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
なんですか、その刀をどうするおつもりで?
おおーい! 誰でもいい、早く誰か来てくれ、旦那が人形にとり憑かれちまったあ!
あ、そこのあんた、同心の御方かい?
あの刀を振り回す気違いと不気味な人形をどうにかしてくれ!
人形と逃げる
>>7
:08/08/13 15:05
:L704i
:Fm6tqpd2
#7 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
よし、有難うよ、同心の御方と通りすがりの皆さん
ああ、人形はそのまま縛ったままで、旦那の目の届かないところに…
まったく、寿命が縮んだよ
さあ旦那、正気にお戻りくだせえ、ほら、水を飲んで目を閉じて…
水を飲む
>>8
:08/08/13 15:07
:L704i
:Fm6tqpd2
#8 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
旦那、眼が正気に戻ってますぜ
ああ良かった、良かった
へえ、これは梅さん、どうしたんだい?
はあ、あの不気味な人形を知ってるって、それは本当かい?
主人と皆に謝る
>>8
:08/08/13 15:10
:L704i
:Fm6tqpd2
#9 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
そんな、いいんですよ、わたくしも悪かったんだ
無事で何より
なんだい、先程のいざこざもあって人だかりができちまったねえ
こんな暑い日だ、皆で怪談話と洒落込もうかい
梅さん、頼むよ…
梅の話を聞く
>>9
:08/08/13 15:11
:L704i
:Fm6tqpd2
#10 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
その昔のこと、偉大な帝を亡くした京の町は人も物も全てが荒れ果てた
そんな時代に、源川秋吉は生きていた
妻子には流行り病で先立たれ親族は誰一人いない
埋まらぬ虚無をただひたすら満たそうとするかの如く身寄りの無い女を漁るように抱き
不味い酒や掛け金すらない博打に溺れる日々
希望などない
生きる意味さえ解らない
そんな時、秋吉は偶然薄汚れた桐箱を拾う
その中には息を飲むほど美しいおなごの姿をした人形がいた
そこから、その人形をめぐる輪廻は始まったのだ
:08/08/13 15:13
:L704i
:Fm6tqpd2
#11 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
:08/08/13 15:40
:L704i
:Fm6tqpd2
#12 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
辺りが濃霧におおわれ、朧月が妖しく煌めく夜、その男、源川秋吉(みなみがわあきよし)は焦点の定まらぬ目を光らせ林の中を駆けていた。
草鞋(わらじ)は鼻緒が両方とも千切れ、もはや草鞋としての役割を成してはいない。
着物は胸元がはだけていた。
:08/08/13 15:59
:L704i
:Fm6tqpd2
#13 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
けれども、そんなことを気にしてはいられない、否、気にならないほど秋吉は先を急いでいたのだ。
「まだ着かぬか、まだ着かぬのか。ええい、この足を切り落としてやりたい。すぐに疲れたと泣き寝入りする、この心臓を一突きしてやりたい」
:08/08/13 16:28
:L704i
:Fm6tqpd2
#14 [神崎もえ子◆Hi9o8eIXuA]
水気を含んだ生温い風が木々を撫でて、木の葉の擦れあう音が不気味に絶え間なく響いている。
秋吉にはその音が、お宮の泣き声に聞こえていた。
やがて秋吉の前に小汚ない小屋が現れた、と同時に秋吉は足を止めた。
:08/08/13 16:30
:L704i
:Fm6tqpd2
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