【特別企画】1日限りの恋愛短編祭り!【投下スレ】
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#11 [◆BBhDve0Trg]
 
「俺はみた!!てか、お前がサンタって呼ぶせいで、他の奴らにも呼ばれるんだけど!!」

背の低い中井を見下ろして怒鳴る。

「・・・そんな怒鳴んなくてもいいじゃん。サンタって、この時期いっつも機嫌悪いよね」

中井は、フンッとそっぽを向いた。

(・・・誰のせいか分かってんのか)

「お前に、俺の気持ちは分かんねーよ。てか、何か用??」
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⏰:08/09/14 13:09 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#12 [◆BBhDve0Trg]
 
「あ!!そうそう・・・」

言いながら、中井はカバンの中をゴソゴソとあさる。

そして、1枚の紙切れを取り出した。

「はい!!これ」

そう言って、紙を俺に渡す。

「・・・クラス会??」

紙の1番上に、「☆平成18年度宮川中3Bクラス会☆」と、大きく書いてある。
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⏰:08/09/14 13:10 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#13 [◆BBhDve0Trg]
 
「そう!!中3の時の!!私と絵美が幹事なんだけど、来れる??」

俺は、紙にザッと目を通した。

「は??てか、わざわざクリスマスイブにやるの??」

イブって言ったら、恋人達の聖夜だろ。

「あ、そっか。サンタは、イブはプレゼント配りで大忙しだもんね」

「・・・おい」

俺が睨むと、中井は無邪気に笑った。
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⏰:08/09/14 13:11 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#14 [◆BBhDve0Trg]
 
「大丈夫だよ!!調べたところ付き合ってるのは、元3Bカップルの美穂と進藤君だけだから。2人一緒に来れるらしいし」

笑顔で言う中井の手元には、Vサイン。

(・・・お前、自分で言ってて虚しくならないか??)

なんて思った事は、口には出さない。

(・・・あいつら来るのか)

「サーンタ!!で、来るの??来ないの??」

ぼーっとしていると、中井が言った。
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⏰:08/09/14 13:13 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#15 [◆BBhDve0Trg]
 
「・・・行くよ」

「んー分かった!!忘れないでよ!!」

中井はメモをとると、回れ右して走っていった。

俺は、もう一度紙をじっくり見る。


『・・・ごめんね』


忘れたはずの声が聞こえた気がして、俺は頭を左右に振った。

(・・・もう、一年か)

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⏰:08/09/14 13:13 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#16 [◆BBhDve0Trg]
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中二の秋から中三の冬まで、俺には彼女がいた。

それが美穂。

告白したのは俺から。

美穂は、明るくて頭も良くて綺麗で・・・自慢の彼女だった。

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⏰:08/09/14 13:14 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#17 [◆BBhDve0Trg]
 

『・・・他に好きな人ができたの』


中三の冬、十二月の初め。

そう、ちょうど今頃の時期。

美穂が別れ話を切り出した。

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⏰:08/09/14 13:16 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#18 [◆BBhDve0Trg]
 

美穂の進路希望は、県内で五本の指に入る進学校。

一方俺は、そことは比べ物にならない普通の県立高校。

美穂が好きになったのは、美穂と同じ高校を目指す進藤。

まぁ、よくある話。

その後、二人は無事志望校に合格し、進藤からの告白で付き合い始めた。

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⏰:08/09/14 13:17 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#19 [◆BBhDve0Trg]
 

『・・・ごめんね』


別れる時、本当につらそうに美穂は言った。

きっと、俺のことを嫌いになったわけじゃない。

それはよく分かった。

なのに・・・

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⏰:08/09/14 13:17 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#20 [◆BBhDve0Trg]
 

『もう、いーよ』


俺の口から出たのは、ひどく冷たい一言。

・・・あの時の美穂の泣きそうな顔が、瞼の裏に焼き付いて離れない。


何度も、何度も後悔した。

あの時、もっと優しい言葉をかけてやれたなら。

あんな顔、させずにすんだのに。

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⏰:08/09/14 13:18 📱:D904i 🆔:☆☆☆


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