【特別企画】1日限りの恋愛短編祭り!【投下スレ】
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#290 [◆1y6juUfXIk]
家に帰る気がせず、花子はいつもの喫茶店に1人でいた。
落ち着こうとコーヒーを1杯頼んだが、頭の中はこんがらがって何を考えればいいのか分からなかった。
「これから、どうしよう……」
あの男は恐らく警察に捕まるだろう。
もう逃げる意味もなくなった。
かといってやる事も何もなかった。
これから、どうすればいいのか。
それを考えたとき、太郎の顔が頭に浮かんだ。
それ以外には、何も思い浮かばなかった。
窓の外はすでに明るくなってきている。
花子はコーヒーを飲み干し、支払いを済ませて喫茶店を後にした。
:08/09/14 19:44 :P903i :☆☆☆
#291 [◆1y6juUfXIk]
もし、あの人が死ぬつもりなら、その時は自分が止めないといけない。
先にその場所に着くために、足は自然と早くなる。
太郎は始発に乗って、林の中を続くハイキングロードから。
花子はタクシーに乗って、子供の頃に見つけた秘密の抜け道から。
2人は、共にあの木へ向かっていた。
自分はやっぱり、あの人と一緒にいたいから。
─それって、どう転んでもバッドエンドじゃない?─
─さぁな。万一のハッピーエンドが、あるかもしれないだろ?─
....お し ま い
:08/09/14 19:45 :P903i :☆☆☆
#292 [◆1y6juUfXIk]
>>217-291自 殺 志 願 者 -太郎と花子の最後の2週間-
投下終了でーす
次の方どうぞ!
:08/09/14 19:46 :P903i :☆☆☆
#293 [◆SjNZMOXdWE]
それでは投下させていただきます!
:08/09/14 20:43 :SH706i :☆☆☆
#294 [◆SjNZMOXdWE]
■■■■■■■■■□
青虫は
空に恋をし
蝶になる
□■■■■■■■■■
.
:08/09/14 20:45 :SH706i :☆☆☆
#295 [◆SjNZMOXdWE]
木枯らし吹きすさぶこの季節‥
万年遅刻魔のこの俺、今日も軽快に裏門の奥にあるフェンスを越える。
間宮 翔 17歳
よく“ショウ”って間違えられるけど正しくは“カケル”
その名の通り、いつかこの大空を翔けるようなデッカイことをやらかしたいと思ってる。
鼻唄まじりに昇降口までスキップする。
冬の匂いって何か好き。
:08/09/14 20:46 :SH706i :☆☆☆
#296 [◆SjNZMOXdWE]
深呼吸するとキンッて冷たい空気が肺いっぱいに広がって、五感が鋭くなる感じも大好き。
上履きをパタパタ鳴らして誰もいない廊下を歩く。
俺のクラスは2−C、3階のグラウンド側。
このタイミングだとHRとかぶるなぁ‥
なんて考えながら窓の外を眺める。
枯れた木の枝に三羽の雀。
昔、ひな太圭太郎と誰が一番高いとこまで登れるか競ったっけなぁ‥
:08/09/14 20:46 :SH706i :☆☆☆
#297 [◆SjNZMOXdWE]
ガキの頃からふざけたことしか言わない圭太郎。
それに比べて寡黙で男気溢れるひな太。
二人とも俺の幼なじみなんだけど‥
ひな太は小学校に上がると同時に転校しちゃってそれっきり。
圭太郎はまぁいいとして、ひな太‥元気でやってっかなぁ‥
なんてセンチに物思いに耽っていると
:08/09/14 20:47 :SH706i :☆☆☆
#298 [◆SjNZMOXdWE]
「間宮あぁ!お前はまぁた遅刻かあぁ!?」
学年主任の武田先生、通称ハゲ先が首にぶら下げたホイッスルをカチャカチャ振り回しながら怒鳴ってきた。
その音量ったら半端ない。
思わず飛び跳ねちゃった俺。
するとハゲ先の陰から長い巻き毛を細かく揺らしてクスクス笑う女の子が見えた。
!?
幽霊!!?
ビビりな俺はまたもやビックリ。
:08/09/14 20:48 :SH706i :☆☆☆
#299 [◆SjNZMOXdWE]
だけどよく見るとちゃんと足だって付いてるし、ちらっと見えた笑顔が‥
笑顔が‥‥
か‥
「わいい‥」
は?
俺今何つった!?
「何だ間宮?わけわからんこと言ってないで、はよ教室入れ!」
:08/09/14 20:49 :SH706i :☆☆☆
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