【特別企画】1日限りの恋愛短編祭り!【投下スレ】
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#41 [◆BBhDve0Trg]
 

やっと言えた。

謝ったからって、傷つけた事実が変わる訳じゃないし、ただの自己満足かもしれない。

けど、言わずにはいられなかった。


「一輝・・・顔上げて」

美穂に言われて、俺はゆっくりと顔を上げる。

それを確認して、美穂は口を開いた。
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⏰:08/09/14 13:39 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#42 [◆BBhDve0Trg]
 
「・・・よかった。私、一輝に嫌われたかと思ってたから」

美穂の言葉に、俺はブンブンと首を横に振った。

そんな俺を見て、美穂は微笑んだ。

「自分勝手だけと・・・一年以上付き合って、嫌われて終わるのって悲しいから・・・ずっと、聞きたかったの」

言った後、今度は美穂が頭を下げる。
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⏰:08/09/14 13:40 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#43 [◆BBhDve0Trg]
 
「・・・今まで、本当にありがとう。一輝と付き合って、すごく楽しかった」

美穂が言った。


心が軽くなった気がした。

ずっと胸につっかえていたものが、すーっと消えていくのが分かった。

あぁ・・・美穂も同じだったんだ。

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⏰:08/09/14 13:41 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#44 [◆BBhDve0Trg]
 

「・・・美穂」

美穂が顔を上げる。


俺も、ずっと言いたかったことがある。

あの時言えなかった言葉。

今度こそ、伝えたい。


美穂の顔を見て、自然に笑えた。

「俺も・・・今までありがとう・・・幸せになってな!!」
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⏰:08/09/14 13:42 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#45 [◆BBhDve0Trg]
 
ずっと言いたかった言葉。

それを聞いて、美穂は大きくうなずいた。

そして、照れたように笑う。

「今日、来てよかった。一輝と話せてよかったよ。・・・優子に感謝しなきゃな」

「へ?中井?」

俺が言うと、美穂はしまったという風に口を押さえた。
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⏰:08/09/14 13:43 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#46 [◆BBhDve0Trg]
 
俺の顔を見て、へへっと笑って見せる。

「えっと、じゃぁ先入るね!!」

そう言って美穂は、そそくさと店の中に戻っていった。

俺は頭にハテナマークを浮かべたまま、その場に立ち尽くす。

(・・・ま、いっか)

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⏰:08/09/14 13:44 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#47 [◆BBhDve0Trg]
 

俺も、来てよかった。

話せてよかった。

・・・もう、大丈夫だ。


もう一度空を見上げて、店のドアを開けた。

「わわっ!!」

その瞬間、声がした。

(・・・この間抜けな声は)
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⏰:08/09/14 13:46 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#48 [◆BBhDve0Trg]
 
下を向くと、案の定中井がいた。

俺と目が合うと、やばいといった顔をして不自然に目をそらす。

「・・・何してんだよ」

俺は呆れながら言った。

「いや!!たまたま偶然、ね!!」

明らかに怪しい身振り手振りを交えながら、中井が言う。

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⏰:08/09/14 13:47 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#49 [◆BBhDve0Trg]
 

『・・・優子に感謝しなきゃな』


その時、さっき美穂の言っていたことが頭をよぎった。

(・・・こいつ)

中井が俺の顔をちらりと見て、観念したようにひひっと笑った。

「美穂とはちゃんと話せた?」

そして、心配そうに言う。
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⏰:08/09/14 13:48 📱:D904i 🆔:☆☆☆


#50 [◆BBhDve0Trg]
 
(あぁ・・・中井のお陰なのか)

俺は、中井を見て笑った。

「・・・ありがとな」

言いながら俺は、部屋に向かって歩き始める。

そんな俺を見て、中井は少し驚いた顔をした後、嬉しそうに笑った。

「どういたしまして!!」

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⏰:08/09/14 13:49 📱:D904i 🆔:☆☆☆


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