【特別企画】1日限りの恋愛短編祭り!【投下スレ】
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#71 [◆EOLHvvAOaU]
 
昔はきっと
答えられたはず…


私達…いつから
こーなってしまったの?



今日は本当なら5年記念日を祝うはずだったのに


私は雨に打たれながら
二人の終わりを
予感していた
 

⏰:08/09/14 14:20 📱:812SH 🆔:☆☆☆


#72 [◆EOLHvvAOaU]
 
きっと二人に溝が出来始めたのは
私が雅也に
プロポーズしたあの日



……………………………



「ね…雅也。私達あと半年で5年だね?」


私はもう通い慣れた
雅也の部屋でくつろぎながら話を切り出す
 

⏰:08/09/14 14:21 📱:812SH 🆔:☆☆☆


#73 [◆EOLHvvAOaU]
 
雅也は夢追い人で
漫画家を目指していた
その為今も
今度応募する為の原稿にペンを走らせながら
私の話しに相槌をうつ



「んー…」



そっけない返事…
いつからかな?
二人一緒にいるのに
一人みたいに感じる様になったのは……
 

⏰:08/09/14 14:22 📱:812SH 🆔:☆☆☆


#74 [◆EOLHvvAOaU]
 
一緒に居ればいるほど
素敵な事が増えてく
そんな時代はもう終わってしまったのかな…?



私も、もう30手前…
正直結婚に焦りを覚えている
けど結婚の『け』の字も出てこない
だから決めた。



「ね、雅也…。
結婚…しよ?」
 

⏰:08/09/14 14:22 📱:812SH 🆔:☆☆☆


#75 [◆EOLHvvAOaU]
 
平然を装って言ったけど
本当は心臓が激しく波打っていて、その心臓音が雅也に聞こえないか
内心ハラハラしていた



でも、私は心の中で安心してたのかもしれない
“四年半も一緒にいるんだから!”とか
“タイミングを計ってるんだ”とか

そんな風に
雅也がプロポーズしない理由を勝手に決め付けていた
 

⏰:08/09/14 14:23 📱:812SH 🆔:☆☆☆


#76 [◆EOLHvvAOaU]
 
だから雅也の言葉は
私を奈落の底へと突き落とした



「ごめん。無理だ」



たった一言で済まされた
私の一世一代の決心

その日から雅也とは
前の様で前みたくない
そんな見えない【溝】が出来てしまった気がする
 

⏰:08/09/14 14:23 📱:812SH 🆔:☆☆☆


#77 [◆EOLHvvAOaU]
 
それから2ヶ月
全く生理が来なかったから産婦人科に来ていた

もともと生理は不順な方だったから2ヶ月来ないのは、ざらだった



「…またストレスかな」



暢気にそんな事を思っていた私に先生は
意外な一言を私に告げる
 

⏰:08/09/14 14:24 📱:812SH 🆔:☆☆☆


#78 [◆EOLHvvAOaU]
 
「妊娠4ヶ月目に入ってますよ。なんでもっと早く来られなかったんですか??」



とその後も注意事項や
中絶するなら早い方がイイなど色々話してくれたけど
私の耳に先生の言葉は全く届かなかった



妊娠…?赤…ちゃ…ん?

⏰:08/09/14 14:26 📱:812SH 🆔:☆☆☆


#79 [◆EOLHvvAOaU]
 
私は直接雅也の顔を見て話すのが怖くて
電話で妊娠の事実と
産む決意を告げた


雅也はただ「そっか」としか答えてくれなかった



産んでくれ。とも、産むな。とも言われなかった

 

⏰:08/09/14 14:26 📱:812SH 🆔:☆☆☆


#80 [◆EOLHvvAOaU]
 
私の中で産む
と、決めていたから
雅也がなんと言おうと
どーでも良かった


けど…本当は
喜んでほしかったんだ
でも、もう無理なんだね




私達はその後一度も会う事もなく
数カ月が過ぎた頃
雅也から一通のメールが届いた
 

⏰:08/09/14 14:27 📱:812SH 🆔:☆☆☆


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