【特別企画】1日限りの恋愛短編祭り!【投下スレ】
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#294 [◆SjNZMOXdWE]
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青虫は
空に恋をし
蝶になる
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:08/09/14 20:45 :SH706i :☆☆☆
#295 [◆SjNZMOXdWE]
木枯らし吹きすさぶこの季節‥
万年遅刻魔のこの俺、今日も軽快に裏門の奥にあるフェンスを越える。
間宮 翔 17歳
よく“ショウ”って間違えられるけど正しくは“カケル”
その名の通り、いつかこの大空を翔けるようなデッカイことをやらかしたいと思ってる。
鼻唄まじりに昇降口までスキップする。
冬の匂いって何か好き。
:08/09/14 20:46 :SH706i :☆☆☆
#296 [◆SjNZMOXdWE]
深呼吸するとキンッて冷たい空気が肺いっぱいに広がって、五感が鋭くなる感じも大好き。
上履きをパタパタ鳴らして誰もいない廊下を歩く。
俺のクラスは2−C、3階のグラウンド側。
このタイミングだとHRとかぶるなぁ‥
なんて考えながら窓の外を眺める。
枯れた木の枝に三羽の雀。
昔、ひな太圭太郎と誰が一番高いとこまで登れるか競ったっけなぁ‥
:08/09/14 20:46 :SH706i :☆☆☆
#297 [◆SjNZMOXdWE]
ガキの頃からふざけたことしか言わない圭太郎。
それに比べて寡黙で男気溢れるひな太。
二人とも俺の幼なじみなんだけど‥
ひな太は小学校に上がると同時に転校しちゃってそれっきり。
圭太郎はまぁいいとして、ひな太‥元気でやってっかなぁ‥
なんてセンチに物思いに耽っていると
:08/09/14 20:47 :SH706i :☆☆☆
#298 [◆SjNZMOXdWE]
「間宮あぁ!お前はまぁた遅刻かあぁ!?」
学年主任の武田先生、通称ハゲ先が首にぶら下げたホイッスルをカチャカチャ振り回しながら怒鳴ってきた。
その音量ったら半端ない。
思わず飛び跳ねちゃった俺。
するとハゲ先の陰から長い巻き毛を細かく揺らしてクスクス笑う女の子が見えた。
!?
幽霊!!?
ビビりな俺はまたもやビックリ。
:08/09/14 20:48 :SH706i :☆☆☆
#299 [◆SjNZMOXdWE]
だけどよく見るとちゃんと足だって付いてるし、ちらっと見えた笑顔が‥
笑顔が‥‥
か‥
「わいい‥」
は?
俺今何つった!?
「何だ間宮?わけわからんこと言ってないで、はよ教室入れ!」
:08/09/14 20:49 :SH706i :☆☆☆
#300 [◆SjNZMOXdWE]
ハゲ先に首根っこをつかまれ、半ば強引に教室に放り込まれた俺。
何だ何だと駆け寄ってくる圭太郎を無視して、さっきの彼女を目だけで追う。
真っ白な肌に栗色の巻き毛。
化粧っ気はなくてナチュラルな感じ。
だけど唇はぷるんぷるん‥
「もぅガッとしてギュッとしてチュウゥゥゥってしたい‥」
:08/09/14 20:49 :SH706i :☆☆☆
#301 [◆SjNZMOXdWE]
!!
耳元でいきなり聞こえた圭太郎の声のせいで、背筋に気持ち悪い心地が走る。
「なっななな何言ってんの?バッカじゃねぇ!?ぶぁーか!ぶぁーあぁか!」
変な汗をかきながらうろたえまくる俺を、鼻で笑う圭太郎。
「ストライクゾーンどんぴしゃってとこですか!」
至って冷静に俺の感情を逆なでする。
「だぁかぁらぁ!」
ハゲ先にも負けないくらいの怒鳴り声で圭太郎にかみ付く。
:08/09/14 20:52 :SH706i :☆☆☆
#302 [◆SjNZMOXdWE]
教室中がしんとしたところでHR終了のチャイムが鳴った。
もちろん俺は担任から呼び出し。
こってり説教をくらって教室に戻ると、ニタニタと嬉しそうに圭太郎が駆け寄って来た。
「女の子のケツばっか追っかけてるからこんな目に合うんだぜ〜?んっとしょうがねぇなぁ、翔ちゃんは」
「翔ちゃん言うな」
頭を撫でようとしてくる圭太郎の手を思い切りよく振り払う。
:08/09/14 20:52 :SH706i :☆☆☆
#303 [◆SjNZMOXdWE]
「はぁぁ‥昔は可愛かったのになぁ‥‥俺の翔ちゃんを返せ!!」
そう言って今度は首を絞めてくる。
「やめとけって!今じゃ俺のが10センチは背ぇ高いんだぜ?」
いつまでもガキのイメージ引きずられてちゃ困る!
そう思ってわざと襟を正しながら、ぴんと背筋を張って見せた。
「くっそぉ!正確には9.8センチだけどな!!もぉいいや‥せっかく聞いてきてやったのに、転校生情報‥お前には教えてやんないっ」
:08/09/14 20:55 :SH706i :☆☆☆
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