【特別企画】1日限りの恋愛短編祭り!【投下スレ】
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#46 [◆BBhDve0Trg]
俺の顔を見て、へへっと笑って見せる。
「えっと、じゃぁ先入るね!!」
そう言って美穂は、そそくさと店の中に戻っていった。
俺は頭にハテナマークを浮かべたまま、その場に立ち尽くす。
(・・・ま、いっか)
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:08/09/14 13:44 :D904i :☆☆☆
#47 [◆BBhDve0Trg]
俺も、来てよかった。
話せてよかった。
・・・もう、大丈夫だ。
もう一度空を見上げて、店のドアを開けた。
「わわっ!!」
その瞬間、声がした。
(・・・この間抜けな声は)
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:08/09/14 13:46 :D904i :☆☆☆
#48 [◆BBhDve0Trg]
下を向くと、案の定中井がいた。
俺と目が合うと、やばいといった顔をして不自然に目をそらす。
「・・・何してんだよ」
俺は呆れながら言った。
「いや!!たまたま偶然、ね!!」
明らかに怪しい身振り手振りを交えながら、中井が言う。
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:08/09/14 13:47 :D904i :☆☆☆
#49 [◆BBhDve0Trg]
『・・・優子に感謝しなきゃな』
その時、さっき美穂の言っていたことが頭をよぎった。
(・・・こいつ)
中井が俺の顔をちらりと見て、観念したようにひひっと笑った。
「美穂とはちゃんと話せた?」
そして、心配そうに言う。
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:08/09/14 13:48 :D904i :☆☆☆
#50 [◆BBhDve0Trg]
(あぁ・・・中井のお陰なのか)
俺は、中井を見て笑った。
「・・・ありがとな」
言いながら俺は、部屋に向かって歩き始める。
そんな俺を見て、中井は少し驚いた顔をした後、嬉しそうに笑った。
「どういたしまして!!」
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:08/09/14 13:49 :D904i :☆☆☆
#51 [◆BBhDve0Trg]
――――――――
ガラッ
部屋のドアを開けると、みんな一斉にこっちを見た。
「サンタと中井どこ行ってたんだよー!!遅刻コンビ!!」
「何かゲームやるぞ!!」
そんな言葉に、俺は手を合わしながら謝る。
向こうの方で、美穂が笑っているのが見えた。
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:08/09/14 13:50 :D904i :☆☆☆
#52 [◆BBhDve0Trg]
「・・・ふ」
(・・・ふ?)
小さく笑い声のした方を見ると、中井が肩を震わせて笑っていた。
「・・・何そんな笑ってんの?」
俺が聞くと、中井は自分の口元で手招きした。
俺はかがんで、自分の耳を中井の口元に近付ける。
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:08/09/14 13:51 :D904i :☆☆☆
#53 [◆BBhDve0Trg]
「あのね・・・サンタと中井、だって!!」
中井が俺の耳元に手を添えてこそっと言った。
「・・・?」
言った後また中井は笑ったが、俺にはさっぱり何のことか分からない。
そんな俺に気づいて、中井は少しすねたような顔をした。
「だーかーらー」
そう言って、もう一度口を近づける。
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:08/09/14 13:52 :D904i :☆☆☆
#54 [◆BBhDve0Trg]
「サンタ・トナカイ!!」
そして、今度は分かりやすく、区切って言った。
(・・・あ)
本当だ。
言われて初めて気づいた。
サンタとトナカイなんて・・・今日にぴったりだな。
嫌だったはずのそのあだ名が、急にくすぐったく感じた。
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:08/09/14 13:54 :D904i :☆☆☆
#55 [◆BBhDve0Trg]
なんだか可笑しくて、俺も笑えてきた。
中井も満足げに笑う。
「何こそこそ話してんだよー!!早く座れ!!」
さっき「サンタと中井」と言った奴が言って、俺たちは顔を見合わせてまた笑った。
この様子だと、周りの奴らも言った本人も気づいてないようだ。
「行こっ!!」
中井が自分の席に向かって歩き出す。
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:08/09/14 13:54 :D904i :☆☆☆
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