「好き」と言いたい。2
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#1 [あんみつ]
:08/09/06 14:22
:D904i
:4GM.ZowQ
#2 [あんみつ]
:08/09/06 14:24
:D904i
:4GM.ZowQ
#3 [あんみつ]
:08/09/06 19:46
:D904i
:4GM.ZowQ
#4 [あんみつ]
23、「好き」と言いたい。
ずっと、ずっと一緒にいた。
絶対に失したくない、大切な存在。
これからもずっと、ずっと変わらないと思ってた。
……………健二's side…
.
:08/09/06 19:48
:D904i
:4GM.ZowQ
#5 [あんみつ]
「あの子、健二の彼女??」
高校に入学したばかりの頃、よく聞かれた。
「いや、ただの幼なじみ」
俺は、決まってこう答える。
.
:08/09/06 19:49
:D904i
:4GM.ZowQ
#6 [あんみつ]
本当は、「ただの」なんて言葉はふさわしくない。
ねこは「大切な」幼なじみだ。
クサいようだけど、本当にそう思う。
恥ずかしくて言えないけど。
.
:08/09/06 19:51
:D904i
:4GM.ZowQ
#7 [あんみつ]
「健二、帰ろー」
「おう」
今日もねこが教室に来た。
お互いに用事のない日は、一緒に登校して、一緒に帰るのが当たり前みたいになってる。
小学校の時から、ずっとそうだった。
.
:08/09/06 19:52
:D904i
:4GM.ZowQ
#8 [あんみつ]
ねこといると楽しい。
ねこのいない世界は考えられない。
大袈裟みたいに聞こえるけど、本当にそうなんだ。
けど、それはきっと家族愛みたいなもの。
いや、家族愛よりも上かもしれない。
それでも、今更それが恋愛感情に変わることなんてないと思ってた。
ねこにとっても、それは同じだと思ってた。
.
:08/09/06 19:54
:D904i
:4GM.ZowQ
#9 [ちゅん
]
あげ〜っ(

_・。)
:08/09/10 22:49
:SH905i
:3E4EFBfw
#10 [あんみつ]
:08/09/13 11:32
:D904i
:fhhtH2K2
#11 [あんみつ]
――――――――
幼なじみだからって、知らないことや、言いたくないことはある。
それは分かってる。
けど、実際にそれをねこに態度で見せられたとき、ひどくショックだった。
.
:08/09/13 11:34
:D904i
:fhhtH2K2
#12 [ちゅん
]
まぢこの小説ずっと
読んでました


:08/09/13 11:34
:SH905i
:8DNfMBaU
#13 [あんみつ]
あの七夕の日。
ねこが少し遠くなった気がした。
何か悩んでいることは分かった。
だから、聞いてやりたかった。
少しでも、心を軽くしてやりたかった。
.
:08/09/13 11:35
:D904i
:fhhtH2K2
#14 [あんみつ]
:08/09/13 11:39
:D904i
:fhhtH2K2
#15 [あんみつ]
誰にも言えなくても、俺になら話してくれると思ってたから。
聞いてやれるのは俺だけだって、自惚れていたから。
・・・結局、ねこは泣くだけで何も話してはくれなかった。
.
:08/09/13 11:41
:D904i
:fhhtH2K2
#16 [あんみつ]
――――――――
佐古と二人で出かけた日、俺は洋平といたと嘘をついた。
なぜだかよく分からないけど、本当のことをねこに言うのは気が引けたから。
なぜだか分からないけど、言いたくなかったんだ。
.
:08/09/13 11:43
:D904i
:fhhtH2K2
#17 [あんみつ]
『・・・ねこには関係ねーじゃん』
本心じゃない。
けど、俺の言った一言に、ねこは今にも泣き出しそうな顔をした。
.
:08/09/13 11:45
:D904i
:fhhtH2K2
#18 [あんみつ]
今思えば、俺はすねていたのかもしれない。
すねていた、なんて言うと子供みたいだけど。
ねこが何も言ってくれないことが寂しくて。
自分ばっかりが、ねこを大切に思ってる気がして寂しくて。
とにかく・・・ねこが離れていく気がして、寂しかった。
.
:08/09/13 11:46
:D904i
:fhhtH2K2
#19 [あんみつ]
けど、それが原因で喧嘩したんじゃ意味がない。
『健二には・・・関係ない!!』
俺が言ったのと同じ意味のねこの言葉は、俺の心に重くのしかかった。
.
:08/09/13 11:48
:D904i
:fhhtH2K2
#20 [あんみつ]
俺たちは幼なじみ。
それだけ。
分かっていたはずなのに、俺は何を求めてたんだ?
・・・何かなんて分からない。
けど、俺と同じようにねこも傷ついたのかと思うと胸が痛んだ。
ねこの泣きそうな顔が忘れられなくて、死ぬほど後悔した。
.
:08/09/13 11:49
:D904i
:fhhtH2K2
#21 [ぷぅ子]
:08/09/15 08:27
:F906i
:2v/oUYGs
#22 [ゆん]
:08/09/15 08:46
:SH706i
:Nz2.6DXo
#23 [あんみつ]
ぷぅ子さん

ゆんさん

ありがとうございます

今から少し更新します

よかったら感想板の方にも来てください


:08/09/18 13:13
:D904i
:kSAZvkfA
#24 [あんみつ]
――――――――
・・・ねことは、あれから話していない。
チャンスは何度もあったはずなのに、俺は何度もそれをやり過ごした。
多分、俺は待っていたんだと思う。
ねこから話しかけてくれるのを。
.
:08/09/18 13:16
:D904i
:kSAZvkfA
#25 [あんみつ]
やっぱり健二がいなきゃダメ。
そう言って欲しかった。
こんなに大切に思ってるのは、俺ばっかりだと思いたくなかった。
.
:08/09/18 13:17
:D904i
:kSAZvkfA
#26 [あんみつ]
(・・・あ、ねこ)
大掃除の時、渡り廊下を歩いていた俺の視界の端に、ねこが映った。
たとえ視界の隅でも、ねこだというのはすぐに分かる。
太陽の照りつける裏庭で、なんでか一人、花に水をやっている。
.
:08/09/18 13:18
:D904i
:kSAZvkfA
#27 [あんみつ]
今?
今なんじゃないのか?
心の中で誰かが言った。
変な意地をはってるって分かってる。
ねこがいないとダメなのは自分だってことも。
だけど・・・かける言葉が見つからない。
.
:08/09/18 13:19
:D904i
:kSAZvkfA
#28 [あんみつ]
俺は、前を向いたまま渡り廊下を歩き続ける。
(・・・?)
バッ!!
視線を感じて、俺はねこの方を見た。
が、ねこは相変わらず、黙々と水やりを続けている。
(・・・気のせい、か)
太陽の光で、髪が茶色がかって見える。
.
:08/09/18 13:22
:D904i
:kSAZvkfA
#29 [あんみつ]
そんなねこの姿だけが、色とりどりの花の中でとても綺麗に見えて、思わず目を細めた。
俺はもう一度、頭をフル回転させて仲直りの言葉を探す。
けど、やっぱり見つからない。
ごめん、悪かった、そんな言葉じゃないんだ。
俺は、ため息を一つ残してその場を去った。
.
:08/09/18 13:24
:D904i
:kSAZvkfA
#30 [あんみつ]
戻りたい。
戻りたいに決まってる。
ずっと一緒だったんだ。
16年間一緒に過ごしてきて、こんな終わり方はない。
こんなんでダメになるような、もろい関係じゃないはずだろ?
.
:08/09/18 13:26
:D904i
:kSAZvkfA
#31 [あんみつ]
「・・・竹本先輩!!」
廊下を歩いていると、呼び止められた。
部活に入っていない俺のことを、先輩と呼ぶのは一人しかいない。
振り向くと、思った通りの顔。
「先輩、どこの掃除ですか?」
一年の佐古。
一ヶ月ほど前、俺は佐古に告白された。
.
:08/09/22 12:49
:D904i
:kAr3NuZA
#32 [あんみつ]
「昇降口。もう済んだけどな」
俺が答えると、それだけで佐古は、とても嬉しそうに笑う。
(・・・かわいいじゃん)
そんなことを思った自分に驚いた。
.
:08/09/22 12:51
:D904i
:kAr3NuZA
#33 [あんみつ]
正直、俺は初め、佐古のことがうっとうしかった。
断っても断っても、懲りずにまとわりついてくる。
いつも、俺に素直な気持ちをぶつけてくる。
俺の目に映る佐古は、いつだって真っ直ぐだった。
.
:08/09/22 12:53
:D904i
:kAr3NuZA
#34 [あんみつ]
うっとうしかった、はずなのに。
いつしか、俺の中で佐古は、しつこい奴から真っ直ぐな女に変わっていた。
俺を見つけては駆け寄ってきて、必死で会話を繋げようとする佐古を愛しくも感じたし、話してて楽しいとも思った。
・・・好きだと思ったんだ。
.
:08/09/22 12:57
:D904i
:kAr3NuZA
#35 [あんみつ]
思えば、今まで俺は、ねこばっかりだった。
彼女が欲しくなかったわけじゃないし、かわいいと思う子がいなかったわけでもない。
けど、いつもかわいいと思うだけで終わりで、付き合いたいと思う子はいなかった。
俺のかわいいと思う気持ちは、いつも、大切な幼なじみへの気持ちより下だった。
.
:08/09/22 13:52
:D904i
:kAr3NuZA
#36 [あんみつ]
けど、今。
佐古に対しての俺の気持ちは、今までのとは違う。
そう感じた自分を、その気持ちを、信じてみようと思った。
8月の初め。
俺は、佐古と付き合うことを決めた。
.
:08/09/22 13:54
:D904i
:kAr3NuZA
#37 [のあ
]
:08/09/26 09:38
:SH905i
:.l6w8O7w
#38 [あんみつ]
:08/09/26 14:30
:D904i
:7xTSTCD.
#39 [あんみつ]
――――――――
洋平が、ねこのことを好きだと言った。
驚いたけど、洋平がねこを好きになったことには、何も疑問を感じなかった。
ねこはいいやつだ。
ずっと一緒にいた俺が言うんだから間違えない。
洋平もいいやつだと思う。
ねこが好きになろうと、不思議はなかった。
.
:08/09/26 14:34
:D904i
:7xTSTCD.
#40 [あんみつ]
だから、祭りの日。
洋平からかかってきた電話の内容は、洋平がねこのことを好きだと知った日から、心のどこかで予感していたんだと思う。
{ねこちゃんと付き合うことになった}
佐古を駅まで送って、家に帰る道。
いつになく嬉しそうな声で、電話越しに洋平が言った。
.
:08/09/26 14:35
:D904i
:7xTSTCD.
#41 [あんみつ]
「おめでと。よかったな」
口ではそう言ったけど、すんなりと受け入れられない自分がいるのを、俺は否定できなかった。
俺の隣には佐古がいて、ねこの隣には洋平がいる。
こんな風に、俺とねこは離れていくんだ。
そう思ったら、胸が痛んだ。
.
:08/09/26 14:37
:D904i
:7xTSTCD.
#42 [あんみつ]
ねことは相変わらずで、時間だけがむなしく過ぎていた。
壊したのは、俺。
電話を切って空を見上げると、綺麗な月が見えた。
まん丸ではないけれど、黄色く光る綺麗な月。
のどの奥からこみ上げてくる熱い何かを振り切るように、俺は目線を前に戻した。
.
:08/09/27 18:05
:D904i
:3imYfts6
#43 [あんみつ]
家への最後の曲がり角を曲がる。
(・・・あ)
ねこだ。
俺の家より少し手前にあるねこの家。
その門の前にねこが座っていた。
今?
今なんじゃないのか?
心の中で、いつかと同じように誰かが言った。
.
:08/09/27 18:06
:D904i
:3imYfts6
#44 [あんみつ]
それでもやっぱり、俺の足は止まらない。
俺は前を向いたまま歩き続ける。
ねこがこっちを見たような気がした。
けど俺は、そのままねこの前を通り過ぎる。
「っ・・・健二!!」
ねこが俺の名前を呼んだ。
瞬間、俺の足は止まる。
.
:08/09/27 18:08
:D904i
:3imYfts6
#45 [あんみつ]
(・・・ねこ)
久しぶりに聞くその響きは温かかった。
「・・・おせーんだよ、たこ」
ねこの方を振り向いて言った。
それは、素直にはまだ程遠いセリフ。
だけど、泣き出したねこを見て、今なら俺も素直になれるような気がした。
.
:08/09/27 18:10
:D904i
:3imYfts6
#46 [あんみつ]
「俺・・・ねこには、幸せになってほしいって、思ってるから」
照れくさいけど、本当の気持ち。
他にも伝えたいことはたくさんあるけど、全部言い出すと俺まで泣きそうな気がして止めた。
それに、上手く言葉にする自信もなかった。
.
:08/09/27 18:11
:D904i
:3imYfts6
#47 [あんみつ]
「・・・私もだよ!!」
ねこの言葉、本当に嬉しかった。
ねこも、俺と同じなんだ。
そう思ったら、なぜだかすごく安心できた。
.
:08/09/27 18:56
:D904i
:3imYfts6
#48 [あんみつ]
なぁ、ねこ。
ごめんな。
素直になれなくて、傷付けて。
ありがとな。
変な意地ばかり張ってしょうもない俺のこと、見捨てないでいてくれて。
ありがとな。
もう一度、俺の名前を呼んでくれて。
.
:08/09/27 18:58
:D904i
:3imYfts6
#49 [あんみつ]
強めのデコピンは照れ隠し。
だけど、たくさんの気持ちがこもってる。
まだまだ素直にはなれそうにないけど、こんな風に、少しずつ伝えていけばいい。
なぁ、ねこ。
俺たち、もう大丈夫だよな?
.
:08/09/27 18:59
:D904i
:3imYfts6
#50 [リな
]
あげ〜っ(。・_・。)ノ

早く続きみたーいっ

:08/10/05 12:37
:SH905i
:0/5iKk5M
#51 [我輩は匿名である]
あたしも
はよ見たい

:08/10/10 19:19
:P905i
:0a7Vkxqs
#52 [あんみつ]
りな

さん

匿名さん

ありがとうございます(´;ω;`)
更新遅くて申し訳ないです

明日少しですが更新予定です

よかったら感想板にも来てくださいね


:08/10/12 23:01
:D904i
:LF3Hmpos
#53 [あんみつ]
――――――――
俺は、まわりが見えていなかった。
ねこといると、あまりに楽しかったから。
ねこの手が、あまりに温かかったから。
・・・俺にとって、ねこの存在は絶対だった。
.
:08/10/13 11:08
:D904i
:/.29.oE.
#54 [あんみつ]
――――――――
俺は、間違っていたのかもしれない。
借り物競争で、お題の紙を開いて中の文字を見た途端、ねこの顔が浮かんだ。
ゴールして洋平を見た時、初めて自分のしたことに気付いた。
「大丈夫だよ」
ねこはそう言って笑ったけど、その笑顔は不安げで、俺は胸が締め付けられる気がした。
.
:08/10/13 22:19
:D904i
:/.29.oE.
#55 [あんみつ]
その日佐古は、ねこのことには触れなかった。
当たり障りのないことを話す佐古の笑顔は、どこか無理をしているようで俺は何も言えなくなった。
そんな俺に気付いて、佐古も口を閉ざす。
『ねこはただの幼なじみだ』
今まで何度も言ってきた言葉が、その時はどうしても言えなかった。
.
:08/10/13 22:20
:D904i
:/.29.oE.
#56 [あんみつ]
ねこの顔が浮かんだから、ねこのもとに走った。
ねこの手を引いて走った。
けど、俺の考えなしの行動は周りの人を傷付けた。
それでも、その時はまだ、ねこと離れるなんて選択肢は俺の中にはなくて、どうしたら佐古に分かってもらえるか、どうしたら洋平に分かってもらえるか、そればかり考えてた。
.
:08/10/13 22:21
:D904i
:/.29.oE.
#57 [あんみつ]
けどいくら考えても答えなんかでなくて、佐古とは気まずい日々が続く。
どうしたらいいか分からなかった。
だからせめて、佐古に自分の正直な気持ちを伝えようと思った。
できる限りのことをしてから、ねこと話そうとも。
.
:08/10/13 22:23
:D904i
:/.29.oE.
#58 [あんみつ]
ねこもきっと、洋平に分かってもらおうとしているだろう。
責任は俺にあるのだから、何か少しでも俺にできることがあれば。
そんなことを考えていた。
ねこと、ずっとこのままでいたかった。
いられると思ってた。
.
:08/10/13 22:24
:D904i
:/.29.oE.
#59 [あっちゃん
]
:08/10/23 13:15
:SH905i
:vlW07cX2
#60 [§柚§]
ぁげ

この小説ぉもしろぃッャ
頑張って

ャ
:08/10/24 18:14
:911SH
:MuS8I66w
#61 [匿名]
次いつ更新ですか?
:08/10/27 18:10
:SH906i
:gvjyGuek
#62 [あんみつ]
あっちゃん

さん

§柚§さん

匿名さん

ありがとうございます


更新遅くてすみません


基本は少しずつの遅更新になります

暇ができたら大量更新しようと思います

長い目で見ていただけると嬉しいです

:08/10/27 21:03
:D904i
:xxLSfJCY
#63 [あんみつ]
――――――――
佐古のことを好きかも。
そう思ったから、付き合うことに決めた。
佐古と付き合っても、ねことはずっと一緒にいられると思ってた。
けど俺は、本当のことなど何も分かってなかったんだ。
周りの人の気持ちも、自分の気持ちでさえ。
.
:08/10/27 21:05
:D904i
:xxLSfJCY
#64 [あんみつ]
真剣に向き合ってるつもりだった。
けど、そんな曖昧な気持ちだったから、つもりだけで、本当は目をそらしていただけなのかもしれない。
俺はいつも、甘くて、弱虫だった。
.
:08/10/27 21:07
:D904i
:xxLSfJCY
#65 [§柚§]
ぁげ??
頑張って

:08/12/11 02:35
:911SH
:AuB6OZlQ
#66 [あんみつ]
§柚§さん


あげありがとうございます

!
少しですが更新します

:08/12/30 22:32
:D904i
:0WToEP8A
#67 [あんみつ]
――――――――
待ち合わせは十一時半。
佐古の家の近くの公園。
俺は柄にもなく、三十分前にはそこにいた。
待ち合わせの時間は守る方だけど、普段は5分前がいい方。
三十分前とか・・・ほんと柄でもない。
.
:08/12/30 22:34
:D904i
:0WToEP8A
#68 [あんみつ]
佐古が来るまでの間、何度も頭の中でシミュレーションした。
けど、やって来た佐古はすでに泣きそうな顔をしていて、シミュレーションのかいなく、俺は上手く笑えなかった。
.
:08/12/30 22:35
:D904i
:0WToEP8A
#69 [あんみつ]
「ねこのこと・・・すげー大事なんだ」
佐古に、俺のねこに対する気持ちを伝えた。
これだけじゃなんの解決にもならないのは分かってる。
それでも、どうしても分かってほしかった。
.
:08/12/30 22:35
:D904i
:0WToEP8A
#70 [あんみつ]
「けど・・・ねこは幼なじみで、それだけだよ」
幼なじみ。
言い慣れた言葉のはずなのに、なぜか少し、胸が痛んだ。
佐古の顔を見れない俺は、意気地なしだ。
.
:08/12/30 22:36
:D904i
:0WToEP8A
#71 [あんみつ]
「・・・根宮先輩なの?」
沈黙の後、佐古が消えそうな声で言った。
ねこの名前。
「え?」
ちゃんと聞こえたにもかかわらず、俺は反射的に聞き返す。
その時、話しを始めてから初めて、佐古の方を見た。
佐古はじっと前を向いている。
目尻が少し光って見えた。
.
:08/12/30 22:37
:D904i
:0WToEP8A
#72 [あんみつ]
「先輩の気持ち・・・分かろうとした。大切な幼なじみだって」
言った後、佐古は少しうつむいた。
伸びてきた髪が横顔を覆う。
「けど・・・根宮先輩と一緒にいるのを見る度ほんとは・・・すごく不安だった」
.
:08/12/30 22:38
:D904i
:0WToEP8A
#73 [あんみつ]
風が吹いて髪がなびいた。
佐古の横髪もなびいたが、少し浮き上がっただけで、表情までは読み取れない。
それでも、想像はつく。
佐古の泣きそうな顔が頭に浮かんだ。
俺は何も言えずに、ただ佐古の言葉を待つ。
.
:08/12/30 22:39
:D904i
:0WToEP8A
#74 [あんみつ]
「付き合ってるのは私でも・・・健二先輩にとっての一番は、本当は・・・根宮先輩なんじゃないかって」
膝の上で握り締められた佐古の手に、水滴が落ちるのが見えた。
(・・・あ)
何か言わなきゃ、そう思った。
だけど、その何かが分からない。
考える間もなく、佐古は立ち上がって公園の出口に向かっていく。
.
:08/12/30 22:40
:D904i
:0WToEP8A
#75 [あんみつ]
「待てよ、佐古!!」
俺は追いかけて、佐古の手首をつかんだ。
「っ・・・やだ!!」
佐古は振りほどこうとするが、俺の手には一層力がこもる。
今ここで離したら、ダメだ。
そう思ったから。
.
:08/12/30 22:41
:D904i
:0WToEP8A
#76 [あんみつ]
「健二先輩が根宮先輩といるとこ・・・もう見たくない!!」
佐古が泣きながら言った。
今までため込んでいたものを吐き出すように。
その言葉に、俺の手は一瞬ゆるんだ。
同時に、佐古が力なくしゃがみこむ。
逃げ出してしまうと思っていた俺は、呆気にとられた。
.
:08/12/30 22:41
:D904i
:0WToEP8A
#77 [あんみつ]
何がなんだか分からないまま、しゃがんで佐古の顔を覗き込む。
その顔は、青白かった。
「・・・佐古!?」
俺の声に佐古は、ギュッとつむっていた目を開いた。
「・・・大丈夫です・・・ただの貧血」
そう言って立ち上がろうとする。
が、バランスを崩した。
.
:08/12/30 22:43
:D904i
:0WToEP8A
#78 [あんみつ]
俺は慌てて佐古の肩を支える。
「・・・無理すんなよ」
「・・・すいません」
佐古は小さくうずくまる。
俺は、公園の入り口付近に立つ時計を見上げた。
・・・十一時五十分。
佐古の肩から俺の手に、しんどそうに深く息をするのが伝わってくる。
.
:08/12/30 22:43
:D904i
:0WToEP8A
#79 [あんみつ]
「・・・家まで、送る」
俺が言うと、佐古は顔を上げて、涙のたまった目で俺を見た。
俺は、おぶうために佐古に背を向ける。
『健二!』
ねこの声が聞こえた気がした。
.
:08/12/30 22:44
:D904i
:0WToEP8A
#80 [
]
書かないん

:09/02/02 05:58
:P905i
:/juP43NA
#81 [我輩は匿名である]
書いてほしいです

:09/02/03 17:42
:P905i
:.wAW7Dss
#82 [愛読者]
主さん続き気になりますお時間できたら書いてください~お願いしますx
:09/02/09 15:14
:W53CA
:TdPXJ2KU
#83 [我輩は匿名である]
続き待ってますx
:09/06/22 18:15
:W61T
:5liqgDD2
#84 [あんみつ]
長い間放置ですみませんでした

少しですが更新します

:09/07/22 11:16
:D904i
:e12wLzPk
#85 [あんみつ]
――――――――
佐古をおぶって家まで送る。
徒歩3分の道のりが、ものすごく長く感じた。
背中の佐古は力なくぐったりしている。
『健二先輩が根宮先輩といるとこ……もう見たくない!』
.
:09/07/22 11:17
:D904i
:e12wLzPk
#86 [あんみつ]
佐古の言葉が頭の中にこだまする。
……ここまで追い詰めていたんだ。
その日俺は、「幼なじみ」であるねこより「彼女」である佐古を選んだ。
それが当然で、それが正しいと、その時は思ったんだ。
.
:09/07/22 11:18
:D904i
:e12wLzPk
#87 [あんみつ]
――――――――
ねこの夢を見た。
夢の中で俺たちは、くだらない話をして笑い合った。
話の内容は覚えてないけど、本当にくだらない話だったと思う。
けど、話の内容なんかより、ねこが笑ってくれることが嬉しかった。
一緒にいることが、嬉しかったんだ。
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:09/07/22 11:19
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:e12wLzPk
#88 [あんみつ]
―――――――
次の日、俺はいつもより早く家を出た。
今ねこと顔をあわすわけにはいかない。
会うときっと、流されてしまうから。
一緒にいたいと思ってしまうから。
それだと何の解決にもならないから。
ねこの家の前で足を止めて、玄関を見つめた。
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:09/07/22 11:20
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#89 [あんみつ]
『健二おはよー』
今にもドアが開いて、ねこが出てくる気がしてならない。
そんな思いをかき消して、俺は再び足を動かし始める。
ねことの距離は、近いのに……遠い。
俺は、幼なじみという立場すらなくしてしまった。
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:09/07/22 11:21
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#90 [あんみつ]
――――――――
9月の最後の日、教室を出ようとする俺を、洋平が呼び止めた。
「健二、ちょっと」
それだけ言って歩き出す洋平に、俺は無言でついて行く。
洋平は分かりやすい。
なにか真剣な話があるのだろう。
中庭に着いてベンチに座った洋平の横に、俺も腰を下ろした。
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:09/08/09 08:09
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:wmR599IM
#91 [あんみつ]
……まだ暑い頃、ここでねこを見た。
仲直りのきっかけが欲しくて、振り向いてくれればと切に願った。
今はあの時より、なんとなく花も色褪せて見える。
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:09/08/09 08:18
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#92 [あんみつ]
「……健二」
洋平が口を開く。
「ん?」
「……俺、
……ねこちゃんと別れた」
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:09/08/09 08:30
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#93 [あんみつ]
…………は?
今……なんて……
言葉の意味が分からず、俺は洋平を見る。
洋平は前を向いたままだ。
「うぬぼれんなよ。健二が理由で別れたわけじゃない。……原因は、俺だ」
頭が回らずに呆然としている俺に洋平が言った。
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:09/08/09 08:32
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#94 [あんみつ]
……ワカレタ?
洋平とねこが……
……別れた。
「……なんで」
理解した俺がやっとの思いで口にしたのはその一言。
「俺が振られたんだよ」
洋平は淡々と答えた。
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:09/08/09 08:34
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#95 [あんみつ]
俺はふと洋平の手を見た。
膝の上で固く握りしめられている。
……平気なわけないんだ。
「俺は、ねこちゃんの一番にはなれなかった」
洋平の言葉に、俺は視線を洋平の横顔に戻す。
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:09/08/09 08:46
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#96 [あんみつ]
『付き合ってるのは私でも……健二先輩にとっての一番は、本当は……根宮先輩なんじゃないかって』
佐古の言葉が頭に浮かんだ。
「ねこの……一番って?」
俺が言うと、洋平はこっちを向いて少し不機嫌そうな顔をした。
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:09/08/09 08:49
:D904i
:wmR599IM
#97 [あんみつ]
「自分で考えろよ。以上、報告終わり」
それだけ言うと洋平は立ち上がり、さっさと校舎に向かって歩いていった。
裏庭には、ハテナマークを頭に浮かべた俺だけが取り残された。
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:09/08/09 08:51
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#98 [あんみつ]
――――――――
洋平に、ねこと別れたことを聞いてから一週間。
正直この一週間、俺はねこのことばかりが気がかりだった。
自分から振ったからって、はいさようならって割り切れるようなやつじゃないのは知ってる。
相手を傷つけたら自分も傷つくようなやつなのも知ってる。
なぁ、ねこ……
お前は今、どんな気持ちでいる?
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:09/08/09 08:52
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#99 [あんみつ]
『俺は、ねこちゃんの一番にはなれなかった』
洋平はそう言った。
ねこ、お前の一番ってなんだ?
ハテナマークと共に、ねこの言葉が、表情が、頭に浮かんでは消える。
十六年間一緒にいて、俺はねこの何を見てたんだ?
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:09/08/09 08:53
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:wmR599IM
#100 [あんみつ]
ブーブーブー
ズボンのポケットの中の携帯が震えた。
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10/7 16:35
From 佐古 泉
Sub 無題
一緒に帰りませんか?
昇降口で待ってます。
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メールを見て携帯をポケットに戻し、俺は立ち上がった。
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:09/08/09 08:54
:D904i
:wmR599IM
#101 [あんみつ]
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下駄箱にもたれて佐古は待っていた。
「……悪い」
俺が言うと、佐古は力なく笑った。
佐古といると俺は、すべてを見透かされているような気分になる時がある。
「帰りましょうか」
俺たちは並んで歩き始めた。
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:09/08/09 09:12
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