「=Cross」★☆
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#6 [神谷那智]
「南ちゃん、ごめんね。
こうなったらもう魁ちゃんを止められない。」

佐倉先輩が溜め息を吐き苦笑いで俺の肩を軽く叩く。

「南、お前はもう…
ここから脱け出せない。」

阪井先輩が明後日の方向を見て言った。
そして桜井先輩までもが…

「ご愁傷様…」


嬉しいけど、嬉しいけど!
どうか神様仏様、俺に平穏を。

アーメン。

.

⏰:08/09/21 20:23 📱:SO903i 🆔:aHPdPYyw


#7 [神谷那智]
「ようこそ、黒騎士へ。」

どうやら黒騎士とはこの、【聖十字架学園】の吹奏楽部打楽器のことを指すらしい。
巷でも有名な都市伝説だとか。
手の平に光る黒い指輪。
これは黒騎士の証。卒業するまで絶対に外しちゃいけないのだとか。
怖くてまだはめていないのだけど。

そして、軽音楽部に掛け持ち入部。
その理由は、桜井先輩曰く…

「…黒騎士の義務ってやつ。
定期的にやってる黒騎士ライヴが超絶大な人気を誇っててね。」

だそう。
さっきの横見先輩の顔は俺がギター出来ると知ったから。
と、言うのが妥当な理由だろう。

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⏰:08/09/21 20:27 📱:SO903i 🆔:aHPdPYyw


#8 [神谷那智]
「…とか言う意味のわからない理由で俺、打楽器に入部できたんだよね。」

「理由は何にせよ、希望通って良かったじゃん。
私もサックス、なんだかんだ言って合格できたし。」

この長い黒髪を高い位置で一つにまとめてる女の子は宮本ありす。
同じ中学校で、唯一の親友。
勿論同じ音楽科で同じクラス、腐れ縁?(笑)

「まあ、確かにな。
今日は歓迎会だとかで学校の第三校舎に集合だって(泣)」

「へえ…良いなあ。
第三校舎って確かもう使って無い廃校舎だよね?
私も一緒に行っちゃ…ダメ?」

⏰:08/09/21 23:01 📱:SO903i 🆔:aHPdPYyw


#9 [神谷那智]
何を言い出すのかと思えば…

「ダメだ。夜外出歩くのは危険だし、第一パートも違うだろ」

「沙羅がいるから平気だもん。
…ねえ、お願い?(上目遣い」

「…///し、かたねえな…」

「やたっ!有難う!沙羅大好き!」

俺はありすに何故か弱い。
と言うか、なんだよ「沙羅がいるから平気だもん」って!どんだけだ…

「…じゃあ7時前に迎えに行くから用意して待ってろよ。」

「うん!」

そう言って俺は足早に家に帰った。
既に時計は6時半を差していた。
流石にやばいと思い急いでバイクを出した。
5分程度でありすん家に着き、ありすは家の前で待っていた。
ヘルメットを投げ渡しありすを急いで乗らせた。

「沙羅、免許は…?」

「持ってるよ。」

「確か、二人乗りは免許取って約一年経たないと…」

「良くご存知で。
流石、警視総監の娘。」


「い、い、いやあぁぁああ!」

真ん丸三日月出てた夜。
その日は断末魔の叫びが住宅街に響き渡りましたとさ。

⏰:08/09/21 23:03 📱:SO903i 🆔:aHPdPYyw


#10 [神谷那智]
「はあ、はあ…」

学園に着き、ありすはげっそりとした顔で息を切らす。

「単車でニケツ転がすぐれー良いじゃん。」

「…いやー!何か言い方が不良!」

「悪かったな…不良で。」

こんな会話を交えながらも第三校舎へと足を向ける。
すると、グラウンドの方に人の気配がした。
ふ、と顔を上げてみると…そこには制服を着た男が立っていた。
黒に白と言うかメッシュがとても印象的だった。

一瞬の出来事だったので、目の錯覚だったのか?と、首を傾げた。

⏰:08/09/22 21:57 📱:SO903i 🆔:hWTHKvVo


#11 [神谷那智]
「沙羅、どうしたの?」

「あ、いや…ほら、早く入ろうぜ。」

いつの間にか玄関に着いていた。
さっきの男は誰だったんだろう、こんな時間に何をしていたんだろう。
そんな考えが頭をかすめたが、ありすに"早く行こ?"と、手を引かれそんな考えはどっかいってしまった。
暗い廊下、手から伝わる温もり。
不覚にもドキドキしてる自分に気付き煩悩を振り払うように頭を左右に振る。
二階の一番奥の古い音楽室のドアノブに手をかけた。

⏰:08/09/22 22:30 📱:SO903i 🆔:hWTHKvVo


#12 [神谷那智]
使われていない割に中は綺麗だった。
何個かのギターケースにドラム一セット。
真新しいキーボードにシンセサイザー。
まるで…

「軽音楽部が使ってるみたいだね。」

俺が言いたかったことをありすが言い、少し驚いた。
しかし、月明かりでしか見えないので少し足場に困る。
少し肌寒いと思ったらいつの間にか雨が降っていた。
一瞬、音楽室全体が照らされた。
次の瞬間とてつもない音が聞こえた、雷だ。
ありすは光った瞬間ビクッと震えて音と同時に…

「っひゃ!…」

抱きついてきた。

多分、いま俺の心臓の音は半端じゃない。
ありすに聞こえるんじゃないかと言う不安と体温が混ざり合い頭がおかしくなりそうだった。


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⏰:08/09/22 22:33 📱:SO903i 🆔:hWTHKvVo


#13 [神谷那智]
俺の心臓音が聞こえるんじゃないかと言うくらい音楽室は静かで、時が止まったようだった。

雨の音が微かに聞こえる中、俺はゆっくりと腕をありすの背中に回そうとした。

その瞬間―





パチッと言う音と共に部屋全体が明るくなった。
恐る恐る振り向くと…
勿論、そこには先輩たちが居た。

「おいおい南…
女連れ込むのは良いけど避妊はしろよ、避妊は。」

阪井先輩の言葉に、何てことを言うのかと思い反論する。

「ち、違います!
コイツはサックスの子で…」

「あ、見たことある…1−A宮本ありす。
警視総監"宮本賢士"、の娘。」

『…え?』

横見先輩の言葉に先輩3人は聞き返した。

⏰:08/09/23 01:13 📱:SO903i 🆔:GTlNTF0s


#14 [神谷那智]
「…何で私のこと…」

「先月、新聞に載ってたろ?
"連続通り魔を警視総監の娘が撃退"って見出しで。」

「あ…なるほど。」

そう、先月―



「…この道通り魔出るらしいよ?」

「お前なー…なにをワクワクして、って危ね!」

「はあー、はあー…
動くと余計に痛いぜえ?」

「まさか、連続通り魔!?」

「お、まずはそっちの可愛子ちゃんから殺るかあ…♪
…うらぁ!」

「殺らせるかよ!
…小手っ面!胴ー!」

「…沙羅、有難う…
けど、その傘わたしの。」

「げっ、ごめん!
なんでもするから許して…?」

「じゃあ…」


と、言うわけだ。

⏰:08/09/23 03:06 📱:SO903i 🆔:GTlNTF0s


#15 [神谷那智]
通り魔撃退した時のでありすの傘を折ってしまい、ありすのお願いで撃退したのは俺じゃなく"ありす"と、言う条件で許してもらったってわけ。
つまり、見出しにはありすが折れた傘を持ってピースしてた写真がドデカく載ってたってわけ。

「す、すいません…
私が沙羅に頼んで無理矢理来たんです。」

「いやいや!大歓迎だよ☆
ねっ、魁ちゃん?俺は佐倉優!よろしくねっ」

「まあ、良いが…
阪井が何もしなければな。」

⏰:08/09/23 03:19 📱:SO903i 🆔:GTlNTF0s


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