「=Cross」★☆
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#21 [神谷那智]
皆も気心を知れたようで、段々と先輩たちが乗り気になってきた。
「せっかくの歓迎会だし、一曲披露しようよっ☆」
「お、じゃあ…」
「アレな!アレ!」
「またっすか〜?
ドラムきついんだから勘弁して下さいよ…」
桜井先輩が渋々、と言う感じでドラムをセットしている。
そういえば、黒騎士でバンドを組んでると言ってたような気がする。
見る限り…
ギター&ヴォーカル>>阪井先輩
ギター>>横見先輩
ベース>>佐倉先輩
ドラム>>桜井先輩
と、いう具合に編成が組まれていた。
:08/09/24 00:58
:SO903i
:.ZPUoxFY
#22 [神谷那智]
桜井先輩の合図で曲が始まった。
曲を聞き、俺はびっくりして立ち上がってしまった。
―…「BUMP OF CHICKEN」だ。
このバンドは俺が大好きなバンドで、まさかこのグループのコピーをしてるとは思わなかった。
終わって、阪井先輩に近付いた。
「あ、南。俺等の演奏どうだった?」
「…先輩歌に集中しすぎです。サビに入るとこ、コード間違ってましたよ。」
阪井先輩はその言葉にキョトンとし、横見先輩は笑い出した。
「くっくっ…南、お前最高。」
:08/09/24 00:59
:SO903i
:.ZPUoxFY
#23 [神谷那智]
「先輩、ギター貸して下さい。
先輩たち、もう一回お願いできます?」
「お、バンプ弾けんの?」
「ファンですよ(笑)」
そう言って俺は合図で体を反り返らせた。
重いサウンドに響きを聞かせ。
とにかく歌にも力をいれたが何より…コード進行を間違えないよう必死だった。
やっと演奏が終わり額の汗を拭うと周りから拍手が飛んできた。
「…やーっぱ、南ちゃんは俺等と運命共にしなくちゃねっ☆」
「もはや強制だな」
「当たり前だろ」
「だとさ、南。
お前の演奏良かったぜ。」
…先輩たちの言葉に嬉しくなり、思いっきりはにかんだ。
「はいっ!」
:08/09/24 01:14
:SO903i
:.ZPUoxFY
#24 [神谷那智]
幸せな時間だった。
だけど―
ガタンッ…
いきなり後ろから物音がして、急いで振り向くと…
そこにはピアノに向かって座るありすがいた。
いきなり、その白く細い指は激しく鍵盤を叩いた。
聞き覚えがある…
「エリーゼのために」だ。
しかし、何故か心地よいはずのその演奏は…
『ゔ、あ、あぁぁあああっ…!』
鼓膜を破壊するような攻撃的な演奏―
狂気じみた音だった。
まるで超音波のような。
俺は鼓膜が破られそうな痛みに耐え、ありすの肩に手を置いた。
:08/09/24 01:42
:SO903i
:.ZPUoxFY
#25 [神谷那智]
その手は振り払われ、返ってきた返事は…
「キャハハッ♪僕は"ポーン"。
この子の駒、いただくよ☆」
明らかありすとは違う口調に驚きつつも、理解はした。
こいつはありすじゃない誰かであることを。
しかし、"駒"を奪うだと…?
ポーンって、もしかしてチェスのことか?
そんなことを考えていると、は窓に立ってニヤリと笑った。
「危ねっ…」
俺が止めようとして窓の方に走った。
すると、ありす(ポーン)はふわりと飛んだ。
:08/10/03 00:17
:SO903i
:c.OFPYRQ
#26 [神谷那智]
俺は勢いを止められずに窓から外へと飛び出した。
『南っ!』
先輩たちが俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。
そして真っ逆さまになり、聞き覚えのない誰かの声がした。
そこには先ほどのメッシュの不思議な青年。
「…っリング!」
リング?はめろってことか?
もうなりふり構ってられねえ。
俺はポケットの中の、黒騎士の証を取り出し…
はめた―…
:08/10/03 00:17
:SO903i
:c.OFPYRQ
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