囚われの姫君
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#1 [新]
前の小説「年下の彼」↓

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⏰:08/10/11 00:46 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#2 [新]
出逢ってしまったあの瞬間から



あたしはもう既に



あなたに囚われていたのかもしれない────

⏰:08/10/11 01:50 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#3 [新]
ピンポーン・・・


「結衣ー!ママちょっと手が放せないから出てくれるー?」


「はぁーいっ!」


パタパタと玄関まで走り、ドアを開ける。

⏰:08/10/11 01:52 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#4 [新]
「こんにちはー…あらっ、可愛らしいお嬢さんねぇ!お母様はご在宅かしら?」

お化粧品のいい匂いをさせた綺麗な女の人…と、あたしと同じ年くらいの男の子。


「結衣、どちら様〜?」

後ろからママが顔を出した。

⏰:08/10/11 01:55 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#5 [新]
「お母様ですか?初めまして〜隣に越してきた五十嵐です。これ、つまらないものですが…」


「ご丁寧にありがとうございます〜」


ママ同士が喋っている間あたしは男の子とじぃっと見つめ合っていた。

⏰:08/10/11 02:02 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#6 [新]
「蓮、新しいお友達の結衣ちゃんよ。挨拶は?」

ママに促され男の子は一歩前に出た。

「初めましてっ!これから仲良くしてねっ!」

少し照れながら男の子は言った。

これが、五十嵐 蓮(いがらし れん)との出逢いだった。

⏰:08/10/11 02:06 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#7 [新]
それからというものあたし達は毎日のように一緒に遊んで、
幼なじみのような存在になった。


蓮といる毎日が当たり前だった。


けれど、十四歳の春、あたし達の関係は変わり始める。

⏰:08/10/11 02:12 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#8 [新]
「蓮!また同じクラスだねっ」


「ん、…あぁ。」


中学生になった頃から
蓮があたしのことを避けるようになった。

話しかけても素っ気ない返事。

⏰:08/10/11 02:15 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#9 [新]
何故だかわからなかったけど、
冷たい反応が怖くてあたしは蓮に話しかけなくなった。


廊下ですれ違っても何も話さない。


そんな状態のまま高校生になった。

⏰:08/10/11 02:17 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#10 [新]
そんなある日のこと。


「結衣、ちょっといいか?」


「何?パパ。」



夕飯の後パパに呼ばれた。

⏰:08/10/11 02:19 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#11 [新]
「五十嵐さんのお宅で働いてみる気はないか?」


「えっ?」


全く話が読めない。


「五十嵐さんに頼まれてな。もちろんちゃんと給料も出る。」

⏰:08/10/11 02:22 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#12 [新]
「パ…パパ。ちゃんと説明して?」


「五十嵐さん夫妻は仕事でしょっちゅう家をあけることがあるから、家の掃除や庭の手入れをしてほしいとのことなんだ。」


「でっ…でも何であたし!?」

⏰:08/10/11 02:26 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#13 [新]
「家も隣だし蓮くんとも仲がいいだろ?」


「あたし困るよ!バイトなら他でする!」


「や〜、それが…もう承諾してしまったんだよ。」

ははは〜とのんきに笑うパパ。

⏰:08/10/11 02:29 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#14 [新]
「蓮くんとは高校も一緒だし丁度いいだろ。
五十嵐さんも結衣のために部屋を一つあけてくれるそうだ。」


う……嘘っ………


「それって…住み込みってこと!?」


「まぁ、そうだな。はははっ」

はははっ……じゃなーい!!!

⏰:08/10/11 02:31 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#15 [新]
「明日早速挨拶に行きなさい。」


そ……そんなー………


蓮の家のお手伝いさんとして働いて……


しかも蓮の家に住む……!?


考えらんないよー………

⏰:08/10/11 02:34 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#16 [新]
次の日

「粗相のないようにな〜!」


最後までパパはのんきだった。


あたしは蓮の家へ向かう。

って言っても隣だけど。

⏰:08/10/11 02:37 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#17 [新]
「結衣ちゃん!いらっしゃい!さっ、あがって!」

おばさんがリビングへ案内してくれた。


大きな家だとは思ってたけどすごい広いな…


「ごめんなさいね〜急にこんな話になっちゃって!」

⏰:08/10/11 02:40 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#18 [新]
おばさんは紅茶をいれながら言った。

「いえ、あの、あたしはいつからここに…」


「あぁ!明日からお願いできる?キッチンも自由に使ってくれていいから!」


明日…!?
これまた急だなぁ……

⏰:08/10/11 02:43 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#19 [新]
「はい、わかりました。頑張ります。」


あたしは紅茶を頂いてから家に帰った。


もうこうなったからには頑張るしかない!


「よしっ!がんばろっ!」

あたしは自分に気合いを入れた。

⏰:08/10/11 02:49 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#20 [新]
次の日学校から帰ったあたしは荷物をまとめた。


「こんなもんでいっか…」

忘れてもすぐ取りにこれるしね。

「いってきまーす」

「蓮くんによろしくね〜!」

キッチンの方からママの声が聞こえた。

⏰:08/10/11 03:04 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#21 [新]
五十嵐家のインターホンを押す。


………


あれ?蓮いないのかな。

ピンポンピンポーン


すると勢いよくドアが開いた。

⏰:08/10/11 03:06 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#22 [新]
「っせーな…聞こえてるっつー…の……」

蓮があたしの顔を見て驚いた。


「あ…久しぶり…」


蓮はあたしと、あたしの持ってる荷物を交互に見る。

⏰:08/10/11 03:08 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#23 [新]
「え……まさか、お手伝いってー…お前?」


「うん…。よ、よろしくお願いします。」

ぺこりと頭を下げた。


「あー…まぁ、上がれよ。」

蓮は中に入るようにくいっと顎で促した。

⏰:08/10/11 03:11 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#24 [新]
何か不機嫌そう……

制服のまま寝てたのかな…

「─で、お前が今日から住み込みで働くお手伝い?」

ドサッとソファに座る蓮の向かいにあたしはちょこんと座った。

「うん。パパに頼まれて。」

⏰:08/10/11 03:14 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#25 [新]
「あんのババァ…結衣が来るなんて一言も……」


「えっ?」


「─いや、何でもない。適当に掃除とか洗濯してくれりゃいいから。」


やっぱり…何か怒ってる……?

⏰:08/10/11 03:16 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#26 [新]
「それと、俺の部屋は何もしなくていい。むしろ部屋に入るな。」


「う…うん。わかった。」


「あとお前の部屋、一番奥だから。じゃ、俺もっかい寝るわ。」

そう言って頭をぽりぽりかきながら部屋に戻っていく蓮。

⏰:08/10/11 03:19 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#27 [新]
あたしはその背中を見つめていた。

背、また少し伸びたのかな。


子供の頃はあたしより小さかったのにな。

いつの間にか抜かされて、

いつの間にか“男の子”から“男の人”になってた。

⏰:08/10/11 03:23 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#28 [新]
あたしは荷物を持って自分の部屋になる場所へ行った。


「うわぁ…広いっ!」

大きなベッドに壁掛けのテレビ。


女の子らしい箪笥にピンクを基調としたドレッサー。

⏰:08/10/11 03:31 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#29 [新]
お姫様みたいな部屋。


本当にあたしが使っていいのかな…
なんて思いながらも、
ふかふかのベッドへ思い切りダイブした。


「あっ!」

こんなゆっくりしてられない。

ご飯の支度しなくちゃ!

あたしは働きにきてるんだから。

⏰:08/10/11 03:33 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#30 [新]
ガバッと起き上がりキッチンへ向かう。


「何作ろう…」



冷蔵庫を開けると新鮮な食材や高級な食材が…


うっ、冷蔵庫の中がきらきら輝いて見える…。

⏰:08/10/11 03:52 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#31 [新]
ママが作っていた料理を思い出しながら試行錯誤のうえ何とか完成。


「蓮…?ご飯できたけど、食べる?」


控えめにノックをする。


「ん、今行く。」

⏰:08/10/11 03:55 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#32 [新]
リビングに来た蓮はあたしの作った料理を見て口をポカンとあけた。


「これ……食いもんか?」

「なっ!必死に作ったのにっ」


そりゃあ、見た目は悪いけど……味はおいしい…はず!!

⏰:08/10/11 03:58 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#33 [新]
あたしは一口食べてみた。


うっ……お、おいしくない…。


「ごめんっ…すぐ作り直すー…」

片づけようとするあたしを蓮がとめた。

⏰:08/10/11 04:01 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#34 [新]
「いや、いい。食う。」



「でも本当に美味しくないよっ…」



蓮は無言で食べ始めた。


もしかして、気つかってくれたのかな。

⏰:08/10/11 04:04 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#35 [新]
たまに蓮の口からゴリッてありえない擬音が聞こえてくるんだけど……

蓮は顔色一つ変えず完食した。


「ごちそーさん。」


「ごめんねっ…料理勉強するね。」


はぁ…女として情けないなぁ…。

⏰:08/10/11 04:09 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#36 [新]
「よく俺の好きなもん覚えてたな。」


ふっと蓮が笑った。


「それは何ていうか…その、幼なじみだから…」


小さい頃は家族ぐるみでご飯食べたりしてたし…。

⏰:08/10/11 11:58 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#37 [新]
「なんかこんな風にゆっくり話すの久しぶりだねっ」


「あぁ、そうだな。」


まともに口聞いてくれなかったから


嬉しかった。

⏰:08/10/11 12:06 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#38 [新]
「明日も学校だろ。風呂入って早く寝ろよ。」

そう言って蓮は席をたった。


「あ…うん。」



もう少し話せると思ったんだけどな…

⏰:08/10/11 13:03 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#39 [新]
蓮って…

あたしと同じ十七歳なのに


落ち着いてるというか
大人っぽいというか…


あたしがまだまだ子供っぽいだけなのかな─…

⏰:08/10/11 13:07 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#40 [新]
「お風呂入っちゃお…」


食器を片づけてお風呂場へと向かった。


「広い!サウナまである…」


湯船で泳げるんじゃないかってくらい広い。

⏰:08/10/11 13:11 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#41 [新]
「あっつーい!」


お風呂場ではしゃいでいたら危うくのぼせそうになってしまった……



リビングでお茶を飲んでいると蓮が入ってきた。

⏰:08/10/11 13:16 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#42 [新]
「明日の学校ー……って、おまっ、なんてカッコしてんだよ…」


「え?だって暑いんだもん」



キャミソールとホットパンツ姿のあたしを見て蓮は目を背けた。

⏰:08/10/11 13:20 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#43 [新]
「そんなカッコでこの家をうろちょろすんなっ」


「なんでそんなに怒るのよっ!小さい頃はお風呂だって一緒に入ってたじゃん」


「あのなぁっ…小さい頃と今じゃ話が違うだろーが…」

⏰:08/10/11 13:26 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#44 [新]
蓮は薄手のシャツをあたしの肩にひっかけた。


「いらないっ。もう部屋戻るから!おやすみなさいっ」


あたしはシャツを突き返して部屋に戻った。

⏰:08/10/11 13:28 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#45 [新]
何よ何よ何なのよーっ!!!!

そんなムキになって怒ることじゃないじゃん!


確かにあたしもムキになっちゃったけどさっ!


あ、そういえば蓮何か言いかけてたけど…

何だったんだろ。

⏰:08/10/11 13:31 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#46 [新]
まっ、いいや。


「ふんっ!もう寝てやるっ!」



あたしはバフっと頭から布団をかぶった。

⏰:08/10/11 13:33 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#47 [新]
───……

…………衣……


……結衣………


「結衣!!!!」


耳元で蓮の声が聞こえて飛び起きた。

⏰:08/10/11 13:36 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#48 [新]
「遅刻すんぞ。」


「ん、えっ…もうそんな時間!?」


慌ててベッドから出る。

「あのなぁ、普通は先に起きて飯とか作るのがお手伝いの仕事じゃねーのかよ。」

⏰:08/10/11 13:39 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#49 [新]
カチンときたけど蓮の言うとおりだ。


「ごめんなさい…」


リビングに行くと朝ご飯ができていた。


「これ蓮が作ったの?」


「他に誰がいんだよ。」

⏰:08/10/11 13:41 📱:F902i 🆔:☆☆☆


#50 [新]
食べてみるとあたしが作ったものよりも百倍おいしかった。


く…悔しい。


「食ったら早く用意しろ。」


「は、はいっ。」

⏰:08/10/11 13:45 📱:F902i 🆔:☆☆☆


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