砂粒の確率
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#72 [az]
:


#episode 14

実は


:

⏰:08/11/10 00:28 📱:F905i 🆔:pOKJ8L6Y


#73 [az]
「――と言うわけで、来週までにアンケートを提出すること!自分の将来だからな〜、真剣に考えてこいよ!」

解散、といつものように学校が終わる。

将来か…
大学、専門、就職…

やっぱり就職、か?

ぼーっとしながら、家までの近道である公園を歩いていた。

⏰:08/11/10 00:36 📱:F905i 🆔:pOKJ8L6Y


#74 [az]
そしたら、バイトも辞めるんだ…、お気に入りなんだけどな。

いっそこのまま就職!
いや、…ないない。

来週までって…ハァ

思わずため息が出る。



「――クスッ」

⏰:08/11/10 00:42 📱:F905i 🆔:pOKJ8L6Y


#75 [az]
「!?」

びっくりして声の主を探すと、ベンチに座る女性だった。

思わず見とれてしまう、
整った顔立ちに
優しいオーラ。

「ふふ、ごめんなさい。笑うつもりはなかったんだけど。」

⏰:08/11/10 00:49 📱:F905i 🆔:pOKJ8L6Y


#76 [az]
「え、あ、いや、大丈夫です…けど。」

ほんとに急だったので、しどろもどろになる。

「深い意味はないんだけどね、おっきいため息ついてたから。
可愛い女の子にも悩みはあるんだなぁ、って。」

そう言うあなたの笑顔は、例えるなら女神。
それほど、キレイ。

⏰:08/11/10 09:15 📱:F905i 🆔:pOKJ8L6Y


#77 [az]
「そう思ったら、なーんか自分の悩みがちっぽけに思えて来ちゃって。笑っちゃったわ。」

どんな、悩みか気になった。こんな美人さんに、悩みなんてあるんだ。

「…悩み、って?」

また、クスッとキレイに笑った。

「内緒!」

⏰:08/11/10 16:08 📱:F905i 🆔:pOKJ8L6Y


#78 [az]
品の良さそうな腕時計、わたしの顔。

ふたつを交互に見たかと思えば、一声、唸る。

「…ねぇ、今って、6時過ぎじゃない?」

…は?

慌てて携帯のサブディスプレイで時間を確認する。

6時12分

「そう、ですけど…?」

⏰:08/11/11 02:16 📱:F905i 🆔:vJv3C7qQ


#79 [az]
「…これから、ひま…じゃない、よね?」

誘われてる…
イタズラに笑う彼女も、またキレイだった。

「ひま…、っちゃヒマです、けど…。」

特に予定も、ないし。

「お茶でも、どう?」

初めてお茶に誘われた。
正直、会ったばかりだと言うのにも関わらず、
彼女に興味を持った。

⏰:08/11/11 11:06 📱:F905i 🆔:vJv3C7qQ


#80 [az]
「…えと、あの、わたしで良ければ…!」

にこ、と笑って、わたしの手を引いた。



なんだか、変なの。

すごい、心が勝手に開かれる感じ。

そう考えながら、口元が綻んだ。ほら、やっぱり。

⏰:08/11/11 22:28 📱:F905i 🆔:vJv3C7qQ


#81 [az]
小さなカフェで、くだらない話しをした。

26歳だということ、
このあたりに住んでいるということ、
O型だということ、
旦那がいること。

なんでも話す彼女に、怪しむ気持ちなんてちっとも生まれなかった。

「あ、ごめんなさい!まだ名乗ってなかったわよね?」

確かに、自己紹介がまだ済んでいなかった。

「わたし、伊織。よろしくね!」

⏰:08/11/13 09:34 📱:F905i 🆔:OA/6HyHQ


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