砂粒の確率
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#1 [az]
俺、藤堂 拓真。
【トウドウ タクマ】
って読むからね。
カッコイイんだよね、
名前だけは。
:08/11/03 02:30
:F905i
:zDEPRsJE
#2 [az]
:
#episode 1
噂の可愛い子ちゃん
:
:08/11/03 02:34
:F905i
:zDEPRsJE
#3 [az]
どうも、名前だけイケてる藤堂です。
やかましいわ。
最近出来たばかりのカフェに、可愛い子がいるという噂を耳にしたので今から調査に向かいます。
いやいや、下心とかはないですよ。あくまで調査ですので、はい。
:08/11/03 02:39
:F905i
:zDEPRsJE
#4 [az]
まぁ俺も19歳と年頃なわけでして、しかも10代最後という貴重な時期でありまして、ちょっと調査して来ます。
まぁ、興味津々といいますか、ねぇ?
ていうことで
レッツゴー。
:08/11/03 02:44
:F905i
:zDEPRsJE
#5 [az]
:
#episode 2
今はまだ
:
:08/11/03 02:45
:F905i
:zDEPRsJE
#6 [az]
カラン カラン
「いらっしゃいませぇ!」
鬱陶しい客に、営業キラキラスマイル&可愛い声。
正直だるいけど、嫌いではないこの仕事。
おっと、若者ふたり。
:08/11/03 02:52
:F905i
:zDEPRsJE
#7 [az]
ん〜…
ふたり合わせて35点。
不細工でもないけど、
なんか微妙〜…。
とっとと済ませて帰ればいいのに。
愛嬌のある顔からは想像できない腹黒さ。
確信犯です(ハート)
:08/11/03 02:58
:F905i
:zDEPRsJE
#8 [az]
「アキちゃん、あそこのオーダーお願いね。」
めちゃめちゃ若い店長。
整った顔に、ちょっと髭が生えててダンディなんだけど、優しい人。
ちょっぴり片思いしちゃってます、私。
なんて、
誰にも言えない秘密。
「はーい!」
:08/11/03 03:03
:F905i
:zDEPRsJE
#9 [az]
:
#episode 3
一方通行
:
:08/11/03 03:05
:F905i
:zDEPRsJE
#10 [az]
ふむふむ、えぇと…
┏━━━━━━━━┓
┃ cafe*sarry'z ┃
┃ akiho.m ┃
┗━━━━━━━━┛
アキホちゃん、か。
ふむふむ、
胸は推定Dカッ…って違う違う、ふぅ、危うく脱線するとこだった。
:08/11/03 03:15
:F905i
:zDEPRsJE
#11 [az]
俺の明確な調査によると、顔は可愛い・声も可愛い・仕草も可愛い・スタイルもいい・髪はさらさら・もうサイコー、アキホ様。
完璧っすよ、
噂が流れても不思議じゃないっすよ。
:08/11/03 03:28
:F905i
:zDEPRsJE
#12 [az]
ん〜…
コンビニ店員の美菜ちゃんは2位に格下げかなぁ
ダントツ可愛いもんなぁ
まぁ、俺みたいな不細工相手にされるはずないけど。
…なんか虚しくなってきた、帰っか。
:08/11/03 16:50
:F905i
:zDEPRsJE
#13 [az]
:
#episode 4
とりあえずさよなら
:
:08/11/03 16:55
:F905i
:zDEPRsJE
#14 [az]
カロン カロン
あ、帰った帰った。
――って携帯忘れてるしアイツバカドジシネ!
「お客さんの忘れもの、届けて来ます。」
憎らしい携帯を握りしめ、外に出ると随分遠くにヤツはいた。
「――ハァハァ、お客さま!」
:08/11/03 17:00
:F905i
:zDEPRsJE
#15 [az]
ヤツは一瞬驚いた顔をして、私の手の中のそれを確認してやっと状況を把握したようだ。
ゴメン、と走ってくる。
ゴメン、じゃないわよ。
「あ、りがと。」
指の先が触れる。
ゾクッと寒気がした。
:08/11/03 17:05
:F905i
:zDEPRsJE
#16 [az]
思わずパッと手を離してしまった。
「ハハハ…」
笑っとけ笑っとけ。
じゃあ、と言って大急ぎでお店に戻った。
「どうしたの?」
よほどひどい顔をしていたのだろうか、クスクス笑っている。そんな店長にまた、キュンとする私。
「なんでも…ありません」
:08/11/04 04:50
:F905i
:/ohz7YD2
#17 [az]
:
#episode 5
違います
:
:08/11/04 04:54
:F905i
:/ohz7YD2
#18 [az]
帰ろうとしたら、なんとアキホちゃんが追っ掛けて来る。
え?え?
もしかして(ドキドキ)
――って携帯!
ですよねぇ…
「あ、りがと」
:08/11/04 12:40
:F905i
:/ohz7YD2
#19 [az]
俺…、情けねぇ。
受け取るときほんの一瞬手が触れた。
「ハハハ…」
お?笑った?
照れ笑い?
って事は…
脈あり!!?
:08/11/04 13:01
:F905i
:/ohz7YD2
#20 [az]
アキホちゃんは逃げるようにお店に帰って行った。
わかりやすいなぁ…
まったく可愛いんだから。
呑気に鼻歌なんて歌いながらその場を後にした。
:08/11/04 13:13
:F905i
:/ohz7YD2
#21 [az]
:
#episode 6
0%
:
:08/11/04 15:17
:F905i
:/ohz7YD2
#22 [az]
「アキちゃん、今日もお疲れさま。片付けは、やっておくよ。」
時計を見ると、9時を指していた。
「いえ、片付けくらい手伝わせて下さい。」
小さい店内を、ふたりで片付けた。
「どうもありがとう、帰りは送らせてね。」
:08/11/04 15:22
:F905i
:/ohz7YD2
#23 [az]
「…え?
いや、大丈夫です…っ」
きっと顔は真っ赤になっている。熱っぽいから。
チャンスだけど、いざこういうシチュエーションになると緊張しちゃう…。
優しい笑顔、吸い込まれてしまいそう。
:08/11/04 15:25
:F905i
:/ohz7YD2
#24 [az]
「もう12月だよ、外だって真っ暗だし。それに寒いから。ね?」
目が合わせられない。
胸の音が、うるさい。
「お願い…します。」
優しくしないで、
見てるだけじゃ足りなくなっちゃうから。
これ以上、好きになったらどうすればいいかわからないから。
:08/11/04 15:30
:F905i
:/ohz7YD2
#25 [az]
店長の車の中、
あったかくて、いい匂いで、心地良くて。まるで夢を見ているようだった。
「――たよ、着いたよ、アキちゃん。」
ぱち、と目を開けると、目の前には大好きな人の顔。唇と唇がくっついた。
――…
「――うわっ!?
ゴメン!ほんとゴメン!」
:08/11/04 15:37
:F905i
:/ohz7YD2
#26 [az]
ぽーっとする頭が、だんだんはっきりしてくる。
――////!
キス…された。
「ごめん、さっきの、忘れて。ごめん…」
予想外の言葉に、頭が無駄に冷静になる。
:08/11/04 15:42
:F905i
:/ohz7YD2
#27 [az]
気にしてません、と強がって、車を降りた。
あなたの困った顔、見たくないから。
知っていたけど、
見たくなかった。
認めたくなかった。
左手の薬指に光る、
店長と誰かの愛のしるし。
:08/11/04 15:47
:F905i
:/ohz7YD2
#28 [az]
どうしてキスしたの、なんて聞かない。
ぐっと堪える。
彼の車が見えなくなって、ようやく一粒の涙が頬を流れた。
私、失恋したみたいです。
:08/11/04 15:50
:F905i
:/ohz7YD2
#29 [az]
:
#episode 7
天秤にかけても
:
:08/11/04 16:00
:F905i
:/ohz7YD2
#30 [az]
赤信号、頭を抱え込む。
なんてことを、してしまったのだろう。
カフェにバイトにやって来た君。面接の時から、心を奪われていた。
心の和む笑顔、
動く度に靡く髪。
だけど、薬指にはめたそれで、なんとか抑えていた。
:08/11/04 16:11
:F905i
:/ohz7YD2
#31 [az]
7年培って来た愛を、みすみす壊すわけにはいかなかったから。
妻を、伊織を、ほんとうに愛しているから。
プロポーズしたら1時間くらい泣き続けた伊織。
キスをするとにこにこ笑ってくれる伊織。
子供が出来ない体質を悔やんで、私のせいで、と泣きながら謝ってきた、伊織。
愛している。
:08/11/04 16:39
:F905i
:/ohz7YD2
#32 [az]
可愛いバイトの子、で済めば良かったのに
まさか夜道をひとりで帰すわけにも行かなくて
君の無垢な寝顔に
歯止めが利かなくなった。
ふたりに、悪いことをした。なんて悔やんだってもう戻れない。
正直に、話そう。
:08/11/04 19:48
:F905i
:/ohz7YD2
#33 [az]
「ただいま…」
静かに、ドアを閉める。
「お帰りなさい。
なにか、あったの?」
目も合わせてないのに
察してくれる。
大好きだ。
壊したくない。
やっぱり、言えないよ…
「っ何にも…ないよ。」
涙を我慢したから、声が詰まった。
:08/11/04 19:54
:F905i
:/ohz7YD2
#34 [az]
:
#episode 8
それぞれの
:
:08/11/04 20:07
:F905i
:/ohz7YD2
#35 [az]
「拓真ー!」
いきなりのデカい声に思わず顔が引きつる。
「しーっ、しーっ!」
大急ぎで人差し指を口に当て、静める。
空気を読んで、今度は小さな声で話す。
「まぁーーた見にきてるわけ?飽きないねぇ。」
:08/11/04 20:47
:F905i
:/ohz7YD2
#36 [az]
「うっせーよ…」
ボソッと言うと、なおきはからかうように笑った。
「よーし、こんなとこでこっそり見てないで、店行っちゃおうぜ!」
めちゃめちゃ楽しそうにしている。
「え…ちょっ」
なかば強引に引きずられ、二度目の来店。
:08/11/04 20:57
:F905i
:/ohz7YD2
#37 [az]
「ん〜、やっぱり可愛いね!噂の天使ちゃん。」
親指を突き立てて、いちいち俺に感想を述べてくるなおき。
「…うん。」
可愛いのは変わらないんだけど、なんだか元気がないみたいだ…。
いつもの笑顔だけど、無理して作ってる。
:08/11/04 21:12
:F905i
:/ohz7YD2
#38 [az]
俺らのテーブルに来た時も、俺と携帯を交互に見て
「あ、あの時の…」
くらいで終わったし。
どうしたんだろう…。
まぁ、見ず知らずの男が心配する事じゃないよな。
どうする事もできないし。
:08/11/04 21:20
:F905i
:/ohz7YD2
#39 [az]
「なんだよ〜せっかく来たのに、元気ねぇぞ?」
だって、好きな人が元気なかったら俺だって落ち込むわ。
「…なおきんち、行きたいんすけど。」
その後、彼のベッドを占領して2時間程塞ぎ込んでたなんて、誰にも内緒だ。
:08/11/04 23:49
:F905i
:/ohz7YD2
#40 [az]
:08/11/04 23:51
:F905i
:/ohz7YD2
#41 [az]
:
#episode 9
変わらない。
変えたくない。
:
:08/11/05 16:54
:F905i
:WnR9fl2I
#42 [az]
カラン カラン
「…おはよう、ございま…――っくしゅ!」
外は寒かったのだろう、君のふわふわした髪に、白いコートがよく似合う。
入れ立てのコーヒーを君に差し出す。
「おはよう、風邪?」
鼻を噛みながら、気まずそうにしながら、ヘヘ…と笑って見せた。
:08/11/05 17:01
:F905i
:WnR9fl2I
#43 [az]
いただきます、とコーヒーを啜る君。
「おいしい」
満足げな君の顔。
君は甘いのが好きだから、砂糖もミルクもいっぱい入れてある。
もちろん、体に悪くない程度にね。
カウンター越しに君の前に立つ。
「…アキちゃん、ほんとうに、ごめんね。」
:08/11/05 17:05
:F905i
:WnR9fl2I
#44 [az]
本題に入る前に、大丈夫です、なんて言われてしまう。大丈夫なわけないのに。
「…謝って済む問題じゃないけど、こんな事言っていいのかわからないけど」
相変わらずコーヒーを啜りながら、潤んだ目線は隠しながら、
うん、うん、と頷く。
「軽い、気持ちなわけじゃないんだ。」
:08/11/05 17:09
:F905i
:WnR9fl2I
#45 [az]
一瞬、君の動きが止まる。怒っている?軽蔑している?表情は見えないけど、ちゃんと言わなきゃ。
「君のこと、ずっと好きだったんだ。」
君は、小さく頷く。
「だけど、妻のことも愛しているんだ…っ。」
こくこく、と頷く。
:08/11/05 17:23
:F905i
:WnR9fl2I
#46 [az]
「勝手しといてこんな事言える立場じゃないけど、妻を傷つけられない…。」
うん、とまた首を振る。
「君のことだって…傷つけたくはなかった。弱い自分のせいだった。」
今日初めて、首を横に振った。違う、違う、と呟きながら。
:08/11/05 17:29
:F905i
:WnR9fl2I
#47 [az]
「働きにくい、でしょ?アキちゃんが嫌ならやめても、いいんだよ?」
イヤイヤ、と首を振る。
「…このままで、前のこと、忘れるから…このままで居たいです…。迷惑は、かけないから、…っ。」
僕は、黙ってしまう。
:08/11/05 18:12
:F905i
:WnR9fl2I
#48 [az]
ぱっ、と顔をあげる。
「ここ、気に入ってるんです。お願いします!」
ちっとも曇ってない、明るい笑顔。
アキちゃんの、笑顔。
着替えて来ます、と急いで奥の部屋に駆け込んで行った。
:08/11/05 19:01
:F905i
:WnR9fl2I
#49 [az]
:
#episode 10
お願いだから
:
:08/11/05 20:09
:F905i
:WnR9fl2I
#50 [az]
更衣室の扉にもたれかかって、静かに泣いた。
あんなに優しい人、責められるわけがない。
私を好きっていうのは、正直舞い上がったけど
奥さんを愛してるのも十分伝わってきた。
このままで居られれば、
私は満足。
:08/11/06 01:54
:F905i
:VDIEfVNE
#51 [az]
もしも私がもっと早く生まれていたら。
私のほうが早く出会っていたら。
なにもかもが違ったら。
だけど…、
そしたらあなたとはきっと出会えなかった。
:08/11/06 15:28
:F905i
:VDIEfVNE
#52 [az]
:
#episode 11
愛
:
:08/11/06 15:33
:F905i
:VDIEfVNE
#53 [az]
多少ぎこちなかったが
いつも通りテキパキと仕事をこなす彼女。
無理をしてるのだろうか?
胸が痛かった。
僕も、いや、僕こそハッキリしなければいけない。
今日は、
ちゃんと言えるかな?
:08/11/06 21:11
:F905i
:VDIEfVNE
#54 [az]
目を閉じる。
暖房のおかげで暖まった空気を感じる。
壊したくない、じゃないだろ?自分の過ちだ。
甘ったれるな、僕。
ぱち、と目を開ける。
本当は弱いであろう、強がりの彼女が目に映った。
:08/11/07 08:02
:F905i
:6BViXyZM
#55 [az]
:
episode 12
そして愛
:
:08/11/07 09:05
:F905i
:6BViXyZM
#56 [az]
今日はやけに旦那の帰りが早い。
だけど、前みたいにそわそわしていない。
きっと、なにかを決心したんだわ。
女の勘はなめちゃダメ。
目をつぶって、ふぅ、とため息をついた。
:08/11/07 09:08
:F905i
:6BViXyZM
#57 [az]
「伊織。」
まっすぐこっちを見る。
その真面目なところに惚れたんだから。
「なぁに?」
余裕ぶって、目を瞑ってみたりする。
「伊織、俺――」
言うより早く、彼の唇を抑えてしまう。
:08/11/07 18:33
:F905i
:6BViXyZM
#58 [az]
驚いて、目をぱちくりさせている。
「誰にでも、秘密ってあるものだと思うの。
たとえ、それが夫婦でも。ね、そう思わない?」
つらそうな顔しないで。
困らせてしまうけど、
つらい顔は見たくない。
我が儘だけど、そばに居れればそれでいいから。
:08/11/08 07:37
:F905i
:ei.wNbGs
#59 [az]
:
#episode 13
ふたり
:
:08/11/08 07:44
:F905i
:ei.wNbGs
#60 [az]
きっと、今にも泣き出したいはずだ。
慰めることも出来ない俺は、なんてひどい旦那なんだろう。
君は強い。
本当は、誰よりも弱いはずなのに。
伊織、愛しています。
:08/11/08 12:16
:F905i
:ei.wNbGs
#61 [az]
頼れる筈のあなたは、
たまに弱々しくて。
そんなあなたを見ているのは、なんだか苦しいけど、
なんだかとっても愛おしく感じてしまう。
今回は許すから、
もう絶対しないでね。
:08/11/08 19:23
:F905i
:ei.wNbGs
#62 [az]
:
#episode 13
巡り巡る
:
:08/11/08 20:10
:F905i
:ei.wNbGs
#63 [az]
『2番線〜、丘川行き〜発車いたします。』
プシュ〜
「ギリギリセーフ!!―――…あ。」
学校に行くために毎朝乗るいつもの電車。
いつもと違うのは、
見覚えのある人が乗ってきたこと。
タタン タタン――…
電車は走り出す。
:08/11/09 18:43
:F905i
:/QSBjVcg
#64 [az]
目があって、3秒間の沈黙。それを破ったのは、彼だった。
「――アキ、ちゃん?」
指さすな、バカ。
しかも馴れ馴れしい。
苦い笑いを帰す。
:08/11/09 19:19
:F905i
:/QSBjVcg
#65 [az]
:08/11/09 19:46
:F905i
:/QSBjVcg
#66 [az]
「…はは、…はい。そうです。…えっと〜―…」
って名前知らない。
別に知りたく――「俺っ、たくま!藤堂拓真!!」――なかったんだけどなぁ。
「いや〜アキちゃんがこの電車乗ってるなんて全然知らなかったぁ〜っていうか俺いつも次の電車なんだけどね、いやなんていうか偶然だね〜――ペラペラ」
…一人で喋りすぎでしょ、声でかいし。
:08/11/09 19:54
:F905i
:/QSBjVcg
#67 [az]
「――!ていうか…アキちゃんって高校生だったんだ…?!」
見ればわかるでしょ
「ははは、そんな老けてますかね」もはや棒読み
そんなわたしに慌てて訂正を入れ、再びぶつぶつ言い始める。
「年下かぁ〜これって罪かなぁ〜」
:08/11/09 20:02
:F905i
:/QSBjVcg
#68 [az]
いやいや、あなたと罪を犯すことは絶対ナイから。
「罪って言ってもまだ19だけどね〜、ちなみに専門学生。」
聞いてない聞いてない、
ピースすんな、ピース。
はぁ、朝から鬱陶しい奴と鉢合わせしてしまった。
:08/11/09 20:06
:F905i
:/QSBjVcg
#69 [az]
「…あのさ、アドレスとか、教えてくれたり…しないよね…?」
げ…
「…はぁ、…?」
メールっすか…
「あ、もちろん無理にとは言わないよ!」
ん〜気乗りしないけど、気を紛らわす意味でなら…
「…いい、…ですよ。」
:08/11/09 21:59
:F905i
:/QSBjVcg
#70 [az]
最近、いろいろ考え過ぎてぶっ詰まってたとこだし。
店長のこととか、
店長のこととか、
あと、
店長のこととか。
:08/11/09 23:54
:F905i
:/QSBjVcg
#71 [az]
とりあえず、赤外線でアドレスを送る。
〜♪〜♪
パカッ
―――――――――――
受信メール


2008/12/10 08:42

taku-14@docomo.ne.jp
-本文-
藤堂拓真です!
090-1128-XXXX
よろしく。
―――――――――――
早すぎ、まだ目の前にいるのに。タイミングを学べ。
キモイ、にやにやすんな。
電車の時間を早めることを誓い、学校へと向かった。
:08/11/10 00:25
:F905i
:pOKJ8L6Y
#72 [az]
:
#episode 14
実は
:
:08/11/10 00:28
:F905i
:pOKJ8L6Y
#73 [az]
「――と言うわけで、来週までにアンケートを提出すること!自分の将来だからな〜、真剣に考えてこいよ!」
解散、といつものように学校が終わる。
将来か…
大学、専門、就職…
やっぱり就職、か?
ぼーっとしながら、家までの近道である公園を歩いていた。
:08/11/10 00:36
:F905i
:pOKJ8L6Y
#74 [az]
そしたら、バイトも辞めるんだ…、お気に入りなんだけどな。
いっそこのまま就職!
いや、…ないない。
来週までって…ハァ
思わずため息が出る。
「――クスッ」
:08/11/10 00:42
:F905i
:pOKJ8L6Y
#75 [az]
「!?」
びっくりして声の主を探すと、ベンチに座る女性だった。
思わず見とれてしまう、
整った顔立ちに
優しいオーラ。
「ふふ、ごめんなさい。笑うつもりはなかったんだけど。」
:08/11/10 00:49
:F905i
:pOKJ8L6Y
#76 [az]
「え、あ、いや、大丈夫です…けど。」
ほんとに急だったので、しどろもどろになる。
「深い意味はないんだけどね、おっきいため息ついてたから。
可愛い女の子にも悩みはあるんだなぁ、って。」
そう言うあなたの笑顔は、例えるなら女神。
それほど、キレイ。
:08/11/10 09:15
:F905i
:pOKJ8L6Y
#77 [az]
「そう思ったら、なーんか自分の悩みがちっぽけに思えて来ちゃって。笑っちゃったわ。」
どんな、悩みか気になった。こんな美人さんに、悩みなんてあるんだ。
「…悩み、って?」
また、クスッとキレイに笑った。
「内緒!」
:08/11/10 16:08
:F905i
:pOKJ8L6Y
#78 [az]
品の良さそうな腕時計、わたしの顔。
ふたつを交互に見たかと思えば、一声、唸る。
「…ねぇ、今って、6時過ぎじゃない?」
…は?
慌てて携帯のサブディスプレイで時間を確認する。
6時12分
「そう、ですけど…?」
:08/11/11 02:16
:F905i
:vJv3C7qQ
#79 [az]
「…これから、ひま…じゃない、よね?」
誘われてる…
イタズラに笑う彼女も、またキレイだった。
「ひま…、っちゃヒマです、けど…。」
特に予定も、ないし。
「お茶でも、どう?」
初めてお茶に誘われた。
正直、会ったばかりだと言うのにも関わらず、
彼女に興味を持った。
:08/11/11 11:06
:F905i
:vJv3C7qQ
#80 [az]
「…えと、あの、わたしで良ければ…!」
にこ、と笑って、わたしの手を引いた。
なんだか、変なの。
すごい、心が勝手に開かれる感じ。
そう考えながら、口元が綻んだ。ほら、やっぱり。
:08/11/11 22:28
:F905i
:vJv3C7qQ
#81 [az]
小さなカフェで、くだらない話しをした。
26歳だということ、
このあたりに住んでいるということ、
O型だということ、
旦那がいること。
なんでも話す彼女に、怪しむ気持ちなんてちっとも生まれなかった。
「あ、ごめんなさい!まだ名乗ってなかったわよね?」
確かに、自己紹介がまだ済んでいなかった。
「わたし、伊織。よろしくね!」
:08/11/13 09:34
:F905i
:OA/6HyHQ
#82 [az]
:
#episode 15
奇妙なふたり
:
:08/11/13 10:49
:F905i
:OA/6HyHQ
#83 [az]
¨伊織¨と名乗った女性は、26には見えない程に若々しく、キラキラと輝いたオーラを纏っていた。
――こんな人でも、悩みなんてあるんだぁ…
キリッとしつつも、どこかほんわかしていて。
素敵、な女性。
「あ、わたし、アキホ。松本アキホです。」
:08/11/13 10:55
:F905i
:OA/6HyHQ
#84 [az]
「…なんだかおしゃべりしてたらスッキリした!アキちゃん、ありがとう。」
あっという間に時計の針は8時を回り、外は一層暗くなっていた。
結局彼女の¨悩み¨が明かされる事はなかったが、充実した時間だった。
白い息を吐きながら
ふたりは別れ道に立つ。
「また、わたしで良ければ誘ってください!」
ヒラヒラ手を振りながら、彼女はにこやかに去って行った。
:08/11/13 18:36
:F905i
:OA/6HyHQ
#85 [az]
:
#episode 16
奇妙なふたり
〜男女編〜
:
:08/11/13 21:01
:F905i
:OA/6HyHQ
#86 [az]
土曜日の朝、不快な音で目覚める。
〜♪〜♪〜♪
乱暴に携帯を開く。
―――――――――――
受信メール


2008/12/10 08:42

たくま
-本文-
おはよう!
―――――――――――
…彼氏か?
お前は彼氏か?
:08/11/14 09:15
:F905i
:P1JoZ9GM
#87 [az]
とりあえずメールを無視して、顔を洗いに行く。
目が覚めたところで朝食をいただく。
パンを一切れもぐもぐしていると、重要なことを思い出した。
――あ
今日バイト休みじゃん。
:08/11/14 09:18
:F905i
:P1JoZ9GM
#88 [az]
大切な休日。
もっといっぱい寝るはずだった。
もうすでに目は覚めてしまった、イライラの矛先はメールの送り主。
ちくしょう
:08/11/14 09:23
:F905i
:P1JoZ9GM
#89 [az]
部屋に戻り、ベッドに放り投げた携帯を拾う。
メールが一件入っていた。
―――――――――――
受信メール


2008/12/16 09:58

たくま
-本文-
まだ寝てるのかな?
今日暇じゃない?
―――――――――――
:08/11/15 15:30
:F905i
:y5H2oab6
#90 [az]
サーッと何かが引くのがわかる。
さっきよりも断然返事する気が失せた。
ぽすっとベッドに倒れ、携帯を閉じる。
あと10分、
そしたら返事しよう。
…――
暖かいベッドの誘惑に負け、微睡みについた。
:08/11/15 15:41
:F905i
:y5H2oab6
#91 [az]
:
#episode 16
小さな親切、
:
:08/11/18 12:48
:F905i
:xnoNL0kQ
#92 [az]
さっきから、もう15通は送ったはずだ。
時計の針はに1時であることを指していた。
おっかしーなぁ…
よし、
もう一通送ってみよう!
これがあと30回程繰り返されたなんて、俺と彼女だけの秘密だ。
:08/11/18 12:57
:F905i
:xnoNL0kQ
#93 [az]
:
#episode 17
大きなお世話。
:
:08/11/18 17:20
:F905i
:xnoNL0kQ
#94 [az]
あー…
さっきから眠いのに寝れなくて、むしろ気怠い。
どうしてこんなことになったのか?
答えは簡単、
連続で鳴り響く携帯電話。
:08/11/18 23:06
:F905i
:xnoNL0kQ
#95 [az]
電源を切ってしまいたいのも山々なのだが、
届きそうで届かない位置にある携帯電話。
体が懈くて取りに行く気力さえない。
精一杯手を伸ばすと、
ついに携帯に手が届く。
そして何を思ったか壁に思いっきりぶん投げた。
「――あ〜…」
:08/11/18 23:13
:F905i
:xnoNL0kQ
#96 [az]
:
#episode 18
月曜日
:
:08/11/18 23:16
:F905i
:xnoNL0kQ
#97 [az]
朝、白い息を吐きながらあまりの寒さにポケットに手を突っ込んで電車を待つ。
今日は忙しい。
学校が終わったら、携帯を修理に出しに行って、すぐにバイト。
あぁ、忙しい。
:08/11/18 23:19
:F905i
:xnoNL0kQ
#98 [az]
大きな音を立てながら、電車が目の前で停止する。
そこに居るみんなが、我先にと乗り込んで行くのを見届けてから、最後に乗り込む。
いつも決まった場所、ドアの前が好き。
発車の合図が出されたと同時に叫び声。
「うおー!ちょっと、ちょっと待って〜!!」
:08/11/19 00:03
:F905i
:0lDXT8yQ
#99 [az]
なんとなく想像はついた。このパターンは、きっとアイツだ。
「ふぃ〜、危なかった!」
顔面の汗を拭く仕草と満面の笑みがキモさを倍増させていた。
言葉を失っていると、こっちを見て微笑んでいる。
苦笑いを返した。
そして目線を反らした。
:08/11/19 00:09
:F905i
:0lDXT8yQ
#100 [az]
※しばらく更新出来ませんでしたことお詫びいたします。読者様いらっしゃいましたら、これからもよろしくお願いします。
マイペース更新(^-^)v
:08/11/30 04:18
:F905i
:kgpuijy.
#101 [わをん◇◇]
(´∀`∩)↑age↑
:22/11/23 16:40
:Android
:yR7K92nk
#102 [わをん◇◇]
:22/11/23 16:58
:Android
:yR7K92nk
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