*ドロップラブ*
最新 最初 🆕
#23 [みい]

「腹立つ?」

「あのー、何て言うたらええんやろ、じろじろ見てくるっちゅーか」



ああ、私に好奇の目を向ける人達のことか。
そんなの、私本人は全然気にしてないのに。


「せやから睨みきかせたった」



そんなことを笑いながら言うこの人は、一体何者なのだろう。

⏰:08/11/11 00:00 📱:SH905i 🆔:5HJ58mkI


#24 [みい]


それから毎日と言っていいほど、電車で悠に会った。
私は車両も時間も変えられないから、悠から逃れる術はなかった。



逃れる術はなかった、なんて言っておきながら、実は楽しみであったりもしたんだけど。



たった3駅分だけど、少しの間でも、悠が私といてくれることが嬉しかった。家まで送ってくれる優しさが嬉しかった。

⏰:08/11/11 00:01 📱:SH905i 🆔:5HJ58mkI


#25 [みい]

でも、そんな私のささやかな幸せを崩すのは、神様にとってはたやすいことだった。






いつもの時間、いつもの車両に乗り込む。


「都、座り」


そして今日もいつもどおり、悠は自分が座っていた席を、私に譲ってくれる。

⏰:08/11/11 00:03 📱:SH905i 🆔:5HJ58mkI


#26 [みい]

前に一度、「お年寄りや妊婦さんじゃないんだから、立ってられるよ」と言ったら、「ただのレディーファーストや」って笑われた。
悠的には、目が不自由だからってわけじゃないらしい。



「ありがとう」

「ん。あんな今日なー、」



悠が話しはじめた時だった。


「あっれー!?悠君!?」

⏰:08/11/11 00:04 📱:SH905i 🆔:5HJ58mkI


#27 [みい]

女物のきつい香水の匂いが鼻をつく。



「お、久々やね」

「ほんとだよー!悠君、全然サークルに顔出さないんだもん」



媚びるような女の口ぶりに、嫌悪感を覚えてしまう。



「…この人、知り合い?」

⏰:08/11/11 00:05 📱:SH905i 🆔:5HJ58mkI


#28 [みい]

「うん」



悠の平然とした返事に、彼女は少し間を置いたあと、


「そうなの、大変ねえ」


と、哀れむような声をあげた。


…心から思ってもないくせに。


「色々不便でしょ?少し出かけるにしても、」

⏰:08/11/11 00:06 📱:SH905i 🆔:5HJ58mkI


#29 [みい]

「ごめんまゆちゃん、次で降りるねん。先輩にもよろしゅう言うといて」


甲高い彼女の声を遮るように、悠が切り出す。
口調は優しいけど、私にはわかる。悠は怒っている。


彼女には悪いとは思いながらも、なぜだか少し嬉しい。



けど、次の彼女の言葉が、そんな私の心を切り裂いた。

⏰:08/11/11 00:07 📱:SH905i 🆔:5HJ58mkI


#30 [みい]

「そうなんだー。あれ、でも悠君ってもっと奥の方に住んでるんじゃなかったっけ?」




…え?




「俺んちも、ここの駅やねん」



出会った日の悠の言葉が蘇る。

⏰:08/11/11 00:08 📱:SH905i 🆔:5HJ58mkI


#31 [みい]

確かに悠はここが最寄だと言ったはずだ。



「あー…えっと、」


言葉を濁す悠を無視して、私は腰を上げる。
そして、ドアが開く音と同時に、ホームに飛び出した。



「都っ!?」


後ろから驚いた悠の声が追ってくる。

⏰:08/11/11 00:09 📱:SH905i 🆔:5HJ58mkI


#32 [みい]

人にぶつかり、舌打ちされながらも必死に走った。
が、不意に左手が掴まれる。


「な、にしてんねんっ…!」



悠だった。


「触らないで。嘘つきは嫌い」



そう言い放ち、悠の手を振りほどこうとする。

⏰:08/11/11 00:10 📱:SH905i 🆔:5HJ58mkI


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194