春の希望と･･･【ＢＬ】

　
望｢･･･そーだね｣

ここで反論すると
めんどくさいから、反論しません。

亀｢ガキだもんな。｣

望｢まだ16歳だしね｣

亀｢なぁなぁ体もガキ
　なわけ？笑｣
　

　
こいつマジしつこい。

亀｢･････。｣

　グイｯ ――

反論しない僕が気に喰わなかったのか、いきなり腕を引っ張られた。

望｢ぅわｯ；｣
　

　
亀｢触らせろよ。笑｣

勇｢カメちゃん、やめろ｣

勇気の声を無視して
亀井は望の腰や胸の辺りを触った。

その瞬間、望の体が
ビクリと揺れる。
　

　
　
湿った空気、暗い部屋と
軋むベッド･･･

あの恐ろしい夜が
脳裏に浮かぶ。

望｢ふ･･ぇ･･･ｯ｣

望が泣きそうに顔を
くしゃりと歪ませて、勇気が亀井から奪うように
望を引き戻した。

　
石田の皮肉な笑い声が頭にガンガン響いているような錯覚を望は感じている。

男の人に触られるのが
怖い。

それでも今、勇気の腕の中だけは安心できる。
勇気だけは自分を酷い扱いにしたりしない･･･。
　

　
勇｢望、大丈夫だから
　泣くなよ？｣

望｢ｯ･･･――泣かなぃ｣

勇｢･･･カメちゃん｣

亀｢なんだよ。ちょっと
　触っただけじゃん！｣

亀井の反省してない
様子に、勇気は溜め息を
吐くのだった。

　
●きります●

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―――･･･

ここは･･･ぁ、そーだ

勇気の部屋だった･･･

勇｢望？･･･へーき？；｣

望｢ン･･･へ？｣
　

　
ほんの１時間前。

勇気が部屋の冷蔵庫から
お酒の缶を取り出し
すすめられるまま飲んだ
アルコール５%の酎ハイ。

梅酒ソーダ。

甘く、ほんのり酸っぱい
まろやかな喉越しは、若者からお年寄りまで幅広い層で人気を誇っている･･･。

　
そんな美味しい飲み物
僕に与えないで下さい。

望｢ぁたぇなぃでぇ･･･｣

勇｢は？｣

亀｢コイツたった２本
　の梅酒で酔うの！？｣

勇｢そう、たった２本
　で酔うから経済的だろ｣
　