春の希望と・・・【BL】
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#878 [コロ]
 
望「ぁ・・・え・・石田」

石「――・・ついて来い。」

凍りつく様な瞳で
見下ろしながら
石田はそう告げた。

まさか石田が来るとは
思ってもみなかった。
 

⏰:09/05/18 09:15 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#879 [コロ]
 
伝言を無視した形のままだったので、早く謝らなければ、酷い目に合う。

謝った所で、もう遅いんだろうけど・・・少しはマシかもしれない。

しかし、謝罪の為に開きかけた唇は石田の鋭い視線に固まったまま動く事を忘れてしまった。

⏰:09/05/18 09:19 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#880 [コロ]
 

先に歩き出した石田の後を縮こまりながら着いていくしかなく、望は完全に謝るタイミングを逃し、目の前がどんどん暗くなっていく様な錯覚がした。

まるで貧血を起こしたみたいな感じがする。
 

⏰:09/05/18 09:24 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#881 [コロ]
 
石田の歩みは遅くもなく、速くもない。

均等に運ばれる歩幅は
後ろから見ていて
綺麗な歩き方だと思う。

逆に自分は、余裕が無く
ギクシャク変な歩みをしているんだろう・・・
なんだか歩きにくい。
 

⏰:09/05/18 09:33 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#882 [コロ]
 
視界も暗いし、指先もしびれた感覚がする。

ふらふらと体が揺れて
なんだか地に足が着いてないって言うのかな・・・

体が重い。

石田の歩くスピードに、だんだん着いていけなくなって来た。
 

⏰:09/05/18 09:39 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#883 [コロ]
 
何にも考えられなくなり、ふわふわと体が壁の方へ傾きはじめた時、不意に何かに支えられた。

少し意識がはっきりして、見ると すぐ近くに壁があり、ぶつかる寸前のところだった。

望「ぁ・・・」
 

⏰:09/05/18 09:44 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#884 [コロ]
 

見上げると、石田が支えてくれたらしい。

眉間にシワを寄せて呆れてるのか、怒ってるのか・・・よく解らない表情。

僕がごめんと一言だけ謝り、再び歩みは再開するが、今度は石田に二の腕を掴まれた状態だ。
 

⏰:09/05/18 09:51 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#885 [コロ]
 
なんだか、本当に逃げ道が無くなってしまった。


相変わらず体はふらふらするけど、掴まれてるのが支えになってくれて、真っ直ぐ歩けている。

きっと、今自分の顔は蒼白しきって情けない表情なんだろうな・・・。
 

⏰:09/05/18 09:55 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#886 [コロ]
 
―――
――

一体どのくらい歩いたのかわからない。

寮内は静かで、人気がほとんど無くて、遠くから微かに笑い声や話し声が聞こえる程度だ。
 

⏰:09/05/18 09:59 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#887 [コロ]
 
広い寮内は廊下も長い。

いくつか角を曲がり、
数分して着いた先は
同じ階の一番最奥の部屋。
つまり同学年の誰かの
部屋だが、扉の横に付いてるネームプレートを見て、目に涙が溜まるのがわかった・・・。
 

⏰:09/05/18 10:13 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


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