春の希望と･･･【ＢＬ】

　

―――・・・

０時、望は少し遅れて
重い体を動かした。

５階の談話室にはすでに
石田がソファーに座り
待っていた。

石｢・・・行くぞ｣
　

　
とくに遅れた事には
触れず、石田は静かに
立ち上がると
昨夜入った部屋へと
向かった。

望の瞳にはすでに
涙が溜まり始めている

まだ痛い体
まだ痛い心
　

　
全てが限界で、悲鳴を
上げてしまいそうな
口を押さえた。

何をされる？
昨日と同じこと？

イヤダ･･･

望｢ぅｯ･･･ふぇ｣

石｢････。｣
　

　
部屋へ入れられて、望の
精神は壊れそうだった

ベッドに押し倒すと
過呼吸になりはじめ、
石田もさすがに手を出す
のをためらう･･･

望｢ひｯ･･･く･･ぅ｣

石｢･･････はぁ。｣
　

　
酸欠の金魚のような
状態の望を見ていて
石田は、このまま望が
死んでしまいそうだと
思った。

いっそ、その方が
望にとって楽なのかも
しれない･･･。

小さい体のせいなのか
必死に空気を求める姿に
手を差し延べそうになる

　
石｢――･･･ｯ｣

石田は苦し気な望の
唇に、そっと自分の
指を這わせた。

柔らかい感触･･･

きっとキスをすると
気持ちいいんだろうな

中西はこの感触を味わった事があるんだろうか？

　
望｢くｯ･･･あぁ･･ぃき
　息できなっ･･･｣

石｢――･･･｣

しばらく石田は望を
眺めていた。

だんだん意識を失う
ように、瞼が落ちていく
　

　
あえて何も処置はしない

力なくベッドに
横たわる望が、余りに
艶やかで、ずっと
見ていたいと思った。

望｢は･･･ぁ･･――。｣

石｢･･･北本｣
　

　
　
―――･･･

朦朧とする意識の中
石田に体を開かされた
事は分かった。

力が入らなくて
ろくに抵抗出来なくて
悔しくて涙がたくさん
流れた･･･
　

　
　ｸﾞﾁｭｯﾊﾟﾝｯﾊﾟｼｯ

石｢･･ｯ――｣

望｢ぃゃｯ･･はひっ･･ぅ｣

石｢――･･･くｯ｣

望｢ぅぁｯ･･･ゃあぁぁｯ｣

　どくｯ･･･ドクンｯ
　