春の希望と・・・【BL】
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#651 [コロ]
:09/03/12 00:04 :SH700i :GtaHMn5E
#652 [コロ]
―――・・・
司がこの日、望に会いに来たのには理由があった。
最近生徒会で忙しかったため、ただ会いたいってのもあったが、望に関する気になる噂を耳にしたからだ。
望「なに?司;
人の顔ジロジロ・・・」
:09/03/12 00:26 :SH700i :GtaHMn5E
#653 [コロ]
その噂が本当ならば
自分は望の支えにならなければと思っている。
司「ねぇ、望。最近さ、
元気ないよね?
何か僕に言う事ない?」
望にとって、司の質問は
心臓を掴まれたような
衝撃をあたえた・・・。
:09/03/12 00:30 :SH700i :GtaHMn5E
#654 [コロ]
司「ね、あるんでしょ?」
ドクドクと感じる鼓動。
体は熱いのに、手の先から冷えていくような感覚。
司「あのさ、少し前に
望が熱出して学校
休んだ日あるよね?」
望「・・・うん・・」
:09/03/12 00:36 :SH700i :GtaHMn5E
#655 [コロ]
司「あの日・・・」
直「・・・・・。」
司「どうしてトイレで
泣いてたの?」
:09/03/12 00:39 :SH700i :GtaHMn5E
#656 [コロ]
――
――――
――・・・
望「・・・熱で・・・体が
しんどくて・・・。」
:09/03/12 00:42 :SH700i :GtaHMn5E
#657 [コロ]
司「本当に?あの日ね
青山君も学校休んで
たんだって、そしたら
トイレから望の泣き声
が聞こえたらしいよ?
普通の泣き声じゃ
なかったって・・・。」
望「・・・――。」
:09/03/12 00:47 :SH700i :GtaHMn5E
#658 [コロ]
直「・・・・・。」
司「のぞ・・」
望「ごめん、それね
吐いてたの・・・」
司「ぇ・・・?」
望「気分悪くて・・・
本当にしんどくて」
:09/03/12 00:51 :SH700i :GtaHMn5E
#659 [コロ]
僕は今、自分を一番大切に思ってくれる友人に
嘘をついている・・・・・。
自分がどんどん最低の
人間になって行く。
自分なんか消えて無くなればいいのに・・・
:09/03/12 00:56 :SH700i :GtaHMn5E
#660 [コロ]
司「ねぇ望?僕さ、望と
一緒で身長低い女顔
じゃん?だからわかる
んだ・・・。」
望「―――・・・」
司「尋常じゃないほど
泣かなきゃならない
理由がなんなのか・・・」
:09/03/12 01:04 :SH700i :GtaHMn5E
#661 [コロ]
それって―――・・・
その理由は僕が石田に
された事と同じ事?
それとも別の事?
司「僕が言いたい事
わかる?ねぇ望。」
望「わ・・かんない・・・」
:09/03/12 01:09 :SH700i :GtaHMn5E
#662 [コロ]
司「ねぇッ、僕の目見て?
望本当の事言って・・・」
コンコンッ――・・・
カチャ
直「!・・・」
司「誰かに・・・服
脱がされるような事
されなかった・・・ッ?」
:09/03/12 01:16 :SH700i :GtaHMn5E
#663 [コロ]
ちょうどその時、この部屋の扉をノックして入って来たのは、タイミングが良いのか悪いのか・・・
勇気だった。
僕は、すでに溢れ出る涙を止める事なんて出来なくて、ただひたすら司の胸の中に顔を埋めて泣いた。
:09/03/12 01:20 :SH700i :GtaHMn5E
#664 [コロ]
―――――
―――それでも
僕はまだ――
嘘をつく・・・―――
:09/03/12 01:31 :SH700i :GtaHMn5E
#665 [コロ]
だって―――
石田に言われたから
言うなって・・・
――言ったらきっと
:09/03/12 01:33 :SH700i :GtaHMn5E
#666 [コロ]
殺される。
:09/03/12 01:35 :SH700i :GtaHMn5E
#667 [コロ]
――――――
――・・・・
終業式。
明日から夏休みになる
校長の話しは長いけど
その分、ギリギリまで
学校の皆と居られる。
:09/03/12 01:39 :SH700i :GtaHMn5E
#668 [コロ]
あの後、泣き崩れる僕を
司が涙を堪えなが抱き留めてくれた。
勇気が僕に、誰に何をされたのか問い詰めるように
聞いてきたが、それを直也が必死に止めていた。
:09/03/12 01:49 :SH700i :GtaHMn5E
#669 [コロ]
あまりにも泣き続ける
僕を見て、一体どこまで
されたのか・・・どこまで
奪われてしまったのか・・・
みんな想像できただろう。
その日、勇気はずっと
僕と一緒に居てくれた。
:09/03/12 01:54 :SH700i :GtaHMn5E
#670 [コロ]
こんなに僕を思ってくれる人達ばかりなのに
皆、こんなに優しいのに
僕は石田の名前を口には
しなかった・・・。
夜中トイレに行った帰りに襲われて、暗くて誰だかわからなかったと言った。
:09/03/12 01:59 :SH700i :GtaHMn5E
#671 [コロ]
一応この事は、翌日に帰って来た光輝にも伝わり
司の口から磯矢さんにも
「望が襲われかけた」と言う言葉に直して伝えられた。
司は望がレイプされたと、はっきり磯矢さんに言いたかったが、大事にしないでほしいと望に泣きつかれたため、司はしぶしぶ事を軽くして言ったのだ。
:09/03/12 02:16 :SH700i :GtaHMn5E
#672 [コロ]
もうこれ以上、望が酷い目に合わないように・・・
辛い思いをしないように
みんなが望を守ろうとする姿勢に・・・
望自信はどんどん心を
閉ざして行くのだった。
:09/03/12 02:21 :SH700i :GtaHMn5E
#673 [コロ]
嘘をついてしまった
後ろめたさ・・・
自分がさらに醜くなる。
もう勇気を好きになる資格も、愛する資格も無い。
皆と友達のままいる事
さえも許されないだろう。
:09/03/12 02:27 :SH700i :GtaHMn5E
#674 [コロ]
もぅ・・・望の精神は
限界に近かった。
―――
――――
――
:09/03/12 02:31 :SH700i :GtaHMn5E
#675 [コロ]
キーンコーンカーンコーン・・・
橋野先生の「ハメ外すなよ」と言う言葉で締め括られた今学期最後のHR。
元気に皆が返事する中
僕だけぼんやり机の角を
眺めていた。
:09/03/12 02:42 :SH700i :GtaHMn5E
#676 [コロ]
いつまでそうしていたのか、直也が僕の所まで来て
帰ろうと声をかけた。
望「・・・うん、へへっ」
普通にしないと・・・
ちゃんと笑顔でいないと
また心配させてしまう。
:09/03/12 02:46 :SH700i :GtaHMn5E
#677 [コロ]
直「・・・・・。」
望「今日ね、勇気が僕に
CD貸してくれるの!
楽しみだなぁ♪」
望が笑顔でも、心は悲鳴を上げてる・・・一目でわかる嘘の笑顔。
直也は隣を歩く望のそんな姿を、ただ見つめる事しか出来ないでいた・・・。
:09/03/12 02:59 :SH700i :GtaHMn5E
#678 [コロ]
―――・・・
勇気の部屋
望「じゃあCD借りるね」
勇「他も持ってって
いいから」
望「ほんと?わーぃ♪」
:09/03/12 03:01 :SH700i :GtaHMn5E
#679 [コロ]
勇気もまた、望の不自然な明るさを心配していた。
それに、嫌な予感がする
勇気の勘が鋭いのは自分自身わかっているからこそ、余計に望をほっとけない。
それに・・・
:09/03/12 03:16 :SH700i :GtaHMn5E
#680 [コロ]
今まで、自分がこんなに
一途に誰かを好きになれる人間だとは思わなかった。
望に対する気持ちは
大切に育んで行くと
決めていたのに・・・
そこまで愛しく思う望を
汚した奴が憎くてたまらない。
:09/03/12 03:23 :SH700i :GtaHMn5E
#681 [コロ]
きっと今、目の前に
そいつが現れたら
たとえ望が止めようと
自分はそいつを
殺してしまうだろう。
望「ぁ、勇気ッ!」
勇「!?・・・ぇ?」
:09/03/12 03:28 :SH700i :GtaHMn5E
#682 [コロ]
勇気は自らの拳を、血が滲むほど握りしめていた。
それをみた望はあわてて
勇気の拳を開かせ、持っていたハンカチをかぶせた。
望「なんでッ・・・痛い?」
勇「大丈夫っ、ごめん
ありがと・・・」
:09/03/12 03:34 :SH700i :GtaHMn5E
#683 [コロ]
望は消毒したほうが
いいと言って薬を取りに
部屋を出て行こうとした
勇「・・・望ッ!」
グイッ――・・・
望「!?・・・・///」
:09/03/12 03:38 :SH700i :GtaHMn5E
#684 [コロ]
薬なんかどうでもいい
怪我なんてどうでもいい
ただ、望をずっと抱きしめていたい・・・
ギュウッ―――!
:09/03/12 03:40 :SH700i :GtaHMn5E
#685 [コロ]
望「ゅぅ・・・き・・///」
勇「望・・・聞いて?」
望「・・ぇ?・・・」
勇「・・・無理すんな。」
:09/03/12 03:46 :SH700i :GtaHMn5E
#686 [コロ]
ゆう・・き・・・・。
勇「俺が居るから・・・
お前が安心するまで
ずっとこうしてるッ」
望「ッ・・・―――」
勇「だから、無理して
笑顔作らなくていいよ」
:09/03/12 04:06 :SH700i :GtaHMn5E
#687 [コロ]
僕・・・無理してる?
そう見える?
違う、普通だよ・・・
無理なんてッ
:09/03/12 04:08 :SH700i :GtaHMn5E
#688 [コロ]
望「無理なんて
してないッ・・・違う!」
勇「望っ・・・ずっと
泣きそうな顔してる
もぅ無理だろッ?
お前、見てらんないっ」
ぎゅっ・・・
望「違うッ・・ヒック・・・嫌だ
ふぇっ・・―――ッ」
:09/03/12 04:14 :SH700i :GtaHMn5E
#689 [コロ]
勇気が何度も何度も
ギュッて抱きしめてくれるから・・・涙がどんどん
溢れてくる・・・ッ
望「ぅッ・・・ふぇぇッ
ふっ・・わぁぁあんッ・・」
勇「ごめんな・・・助けて
やれなくてッ・・・
気付いてやれなくて」
:09/03/12 04:20 :SH700i :GtaHMn5E
#690 [コロ]
この後、勇気は望が泣き止んでも抱きしめ続けた。
自分の愛する人を守る
ただこれだけを強く
思いながら・・・。
:09/03/12 04:35 :SH700i :GtaHMn5E
#691 [コロ]
:09/03/12 04:55 :SH700i :GtaHMn5E
#692 [コロ]
――――
―――
――
宮下学園に入って
何度目の夏休みだろう
翌日、夏休み初日を望と勇気は同じベッドの上で迎えた。
:09/03/12 23:22 :SH700i :GtaHMn5E
#693 [コロ]
ただ一緒に、ずっと
手を繋いで眠った・・・
勇「んッ・・・――。。。」
先に目を覚ましたのは
勇気で、望の寝顔を
つかの間 鑑賞する。
小さな寝息をたてながら
眠る望は、まるで猫のようだ。
:09/03/12 23:26 :SH700i :GtaHMn5E
#694 [コロ]
そんな時、勇気の視界の
端の方で何かが動いた。
勇「・・・・・・おはょ。」
その何かは、ジーっと
勇気の顔を見た後に
ふと望の方へと視線を
下げた。
テ「・・・夏休み早々。」
:09/03/12 23:32 :SH700i :GtaHMn5E
#695 [コロ]
テツだった。
勇「やっ;違うから
なんもしてねーよ;」
テ「でもベッドに誘い込
んだんだろ?」
・・・・はぃ、どうしよう;
この人怒らすと俺でも
少々怖いです。
:09/03/12 23:40 :SH700i :GtaHMn5E
#696 [コロ]
勇気は前からテツには
逆らってはいけない
雰囲気を感じていた。
何故か、逆らえば恐ろしいナニかが待っているような感じがしてならない。
ある意味、勇気をここまで思わせるテツは最強と言える・・・。
:09/03/12 23:44 :SH700i :GtaHMn5E
#697 [コロ]
テ「最近その子ばっかり
だな、勇気。
ほかの子はどうした?」
勇「・・・; もぅ望だけで
充分だから。」
テ「へぇ・・・。笑」
たまに見せるテツの
不適な笑顔が勇気は
苦手だった。
:09/03/12 23:50 :SH700i :GtaHMn5E
#698 [コロ]
時刻は午前8時。
望が目を覚ました・・・
望「――・・・。」
亀「あ〜起きたぁ!」
何も知らない亀井。
なんの罪もない亀井。
:09/03/12 23:54 :SH700i :GtaHMn5E
#699 [コロ]
そんな彼が寝起きの
望に近付いた時、勇気は
あえて何も言わなかった
亀「の〜ぞむ!おはよ」
望「っせーな・・・あ?
ンだ、スッポンか。」
勇「ブッッ〜〜!!!」
テ「?・・・;」
:09/03/13 00:03 :SH700i :WenswzPI
#700 [コロ]
亀井―――・・・涙
数分後
望「なに?///」
勇「なーんでもない!笑」
亀「―――。」
テ「・・・笑」
:09/03/13 00:08 :SH700i :WenswzPI
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