春の希望と･･･【ＢＬ】

　
　
いつまでそうしていたのか、直也が僕の所まで来て
帰ろうと声をかけた。

望｢･･･うん、へへっ｣

普通にしないと･･･
ちゃんと笑顔でいないと

また心配させてしまう。
　

　
直｢･････。｣

望｢今日ね、勇気が僕に
　ＣＤ貸してくれるの！
　楽しみだなぁ♪｣

望が笑顔でも、心は悲鳴を上げてる･･･一目でわかる嘘の笑顔。

直也は隣を歩く望のそんな姿を、ただ見つめる事しか出来ないでいた･･･。

　
　
―――･･･

　勇気の部屋

望｢じゃあＣＤ借りるね｣

勇｢他も持ってって
　いいから｣

望｢ほんと？わーぃ♪｣
　
　

　
勇気もまた、望の不自然な明るさを心配していた。

それに、嫌な予感がする

勇気の勘が鋭いのは自分自身わかっているからこそ、余計に望をほっとけない。

それに･･･
　

　
今まで、自分がこんなに
一途に誰かを好きになれる人間だとは思わなかった。

望に対する気持ちは
大切に育んで行くと
決めていたのに･･･

そこまで愛しく思う望を
汚した奴が憎くてたまらない。
　

　
きっと今、目の前に
そいつが現れたら

たとえ望が止めようと
自分はそいつを
殺してしまうだろう。

望｢ぁ、勇気ｯ！｣

勇｢！？･･･ぇ？｣
　

　
勇気は自らの拳を、血が滲むほど握りしめていた。

それをみた望はあわてて
勇気の拳を開かせ、持っていたハンカチをかぶせた。

望｢なんでｯ･･･痛い？｣

勇｢大丈夫っ、ごめん
　ありがと･･･｣
　

　
望は消毒したほうが
いいと言って薬を取りに
部屋を出て行こうとした

勇｢･･･望ｯ！｣

　グイｯ――･･･

望｢！？････///｣
　
　

　
薬なんかどうでもいい

怪我なんてどうでもいい

ただ、望をずっと抱きしめていたい･･･

　ギュウｯ―――！
　
　

　
　
望｢ゅぅ･･･き･･///｣

勇｢望･･･聞いて？｣

望｢･･ぇ？･･･｣

勇｢･･･無理すんな。｣
　