春の希望と･･･【ＢＬ】

　
きっと今、目の前に
そいつが現れたら

たとえ望が止めようと
自分はそいつを
殺してしまうだろう。

望｢ぁ、勇気ｯ！｣

勇｢！？･･･ぇ？｣
　

　
勇気は自らの拳を、血が滲むほど握りしめていた。

それをみた望はあわてて
勇気の拳を開かせ、持っていたハンカチをかぶせた。

望｢なんでｯ･･･痛い？｣

勇｢大丈夫っ、ごめん
　ありがと･･･｣
　

　
望は消毒したほうが
いいと言って薬を取りに
部屋を出て行こうとした

勇｢･･･望ｯ！｣

　グイｯ――･･･

望｢！？････///｣
　
　

　
薬なんかどうでもいい

怪我なんてどうでもいい

ただ、望をずっと抱きしめていたい･･･

　ギュウｯ―――！
　
　

　
　
望｢ゅぅ･･･き･･///｣

勇｢望･･･聞いて？｣

望｢･･ぇ？･･･｣

勇｢･･･無理すんな。｣
　

　
ゆう･･き････。

勇｢俺が居るから･･･
　お前が安心するまで
　ずっとこうしてるｯ｣

望｢ｯ･･･―――｣

勇｢だから、無理して
　笑顔作らなくていいよ｣
　
　

　
僕･･･無理してる？

そう見える？

違う、普通だよ･･･

無理なんてｯ

　

　
望｢無理なんて
　してないｯ･･･違う！｣

勇｢望っ･･･ずっと
　泣きそうな顔してる
　もぅ無理だろｯ？
　お前、見てらんないっ｣
　ぎゅっ･･･

望｢違うｯ･･ﾋｯｸ･･･嫌だ
　ふぇっ･･―――ｯ｣
　

　
勇気が何度も何度も
ギュッて抱きしめてくれるから･･･涙がどんどん
溢れてくる･･･ｯ

望｢ぅｯ･･･ふぇぇｯ
　ふっ･･わぁぁあんｯ･･｣

勇｢ごめんな･･･助けて
　やれなくてｯ･･･
　気付いてやれなくて｣
　

　

この後、勇気は望が泣き止んでも抱きしめ続けた。

自分の愛する人を守る

ただこれだけを強く
思いながら･･･。
　
　