春の希望と・・・【BL】
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#851 [コロ]
 
「今から俺の部屋に来い」

短文だがいつもの事だったので、石田もいつもの様に一言・・・

「わかりました」

とだけ返信して部屋を出た。
 
 

⏰:09/05/12 00:20 📱:SH700i 🆔:toh08Wv6


#852 [コロ]
 
今は、北本 望の存在を忘れよう・・・。

そんな奴はいない。

石田はそう思う事で、自分の思考を独占する望を頭の中から追い出した。
 
 
――――
――
 

⏰:09/05/12 00:24 📱:SH700i 🆔:toh08Wv6


#853 [コロ]
 
 
―――・・・ 

勇気と付き合い始めて
一週間がたった。

僕達は、お互いの体に
触れたり愛撫したりは
するけれど、清い関係を
続けていた。
 
 

⏰:09/05/12 08:11 📱:SH700i 🆔:toh08Wv6


#854 [コロ]
 
体の繋がりはまだだけど、それでも心は満たされている・・・。


勇気と想いが通じ合った翌日の夜、石田の呼び出しを思い出した僕は、一人で焦っていた。

けれどその後、石田に再び呼び出されることは今日の今まで無い。

⏰:09/05/12 08:18 📱:SH700i 🆔:toh08Wv6


#855 [コロ]
 
石田の姿も寮内で見掛けないけど、馬鹿みたいに広い寮だからなのか・・・?

無視してもよかったのなら、過去2回の呼び出しも無視すればよかったな。

なんて最近、望は思っていた。
 

⏰:09/05/12 08:23 📱:SH700i 🆔:toh08Wv6


#856 [コロ]
 
勇「望?何ボーっとして
 んだよ?」

望「ぁ、別にボーっと
 なんてしてないよ!」

勇「ふーん・・・なぁ?
 今日から5日間、俺
 実家帰るんだからさ」

 ぎゅッ――・・・
 

⏰:09/05/12 08:27 📱:SH700i 🆔:toh08Wv6


#857 [コロ]
 
そう、今日は土曜日。

勇気はお父さんに同席するように言われた今夜のパーティーと、4日後のお母さんの命日のために5日間だけ実家に帰る。

勇気に抱き寄せられて
キスをする体制になったから、僕は唇を少し開けて目を閉じた。
 

⏰:09/05/12 08:32 📱:SH700i 🆔:toh08Wv6


#858 [コロ]
 
すぐに柔らかい感触が
触れ、勇気の舌が僕の唇をペロっと舐めてから咥内に差し込まれる。

歯列をなぞられ、僕の舌を絡め取り、チュクっといやらしい水音を鳴らして吸われた。

望「ふッ・・ぁ///」
 

⏰:09/05/12 08:39 📱:SH700i 🆔:toh08Wv6


#859 [コロ]
 
勇「クス・・・苦しい?笑
 しばらく会えないから
 いっぱい充電☆」

望「ん・・・///僕も・・・」

勇「望も? いいよ。笑」

そしてまた
深い口付けをした。
 
 

⏰:09/05/12 08:43 📱:SH700i 🆔:toh08Wv6


#860 [コロ]
 

勇気と次会う時・・・

僕は勇気と体を繋げるための心の準備が出来てるんだろうか?

きっと、大丈夫。

今、こんなに勇気と
離れたくないって思ってるんだもん。
 

⏰:09/05/12 08:48 📱:SH700i 🆔:toh08Wv6


#861 [コロ]
 
もうすぐ勇気は出発しないといけないから、今は無理だけど・・・

帰って来たら時間はたくさんあるから、その時。

その時こそは、勇気と一つになりたいな。

望「勇気・・・」
 

⏰:09/05/12 08:53 📱:SH700i 🆔:toh08Wv6


#862 [コロ]
 
望は、勇気を見上げて
しばしの別れを惜しむ様に名前を呼んだ。

勇「///・・・もっかい
 キスしよっか・・・」

望「うんッ」

望の上目使いにクラっときた勇気は、理性を押さえながら最後にもう一度望の唇を塞いだ。
 

⏰:09/05/12 08:58 📱:SH700i 🆔:toh08Wv6


#863 [コロ]
 
感触を忘れない様に

長く、深く・・・

時間ぎりぎりまで

お互いを求め合った。
 
 
――――
――
 

⏰:09/05/12 09:00 📱:SH700i 🆔:toh08Wv6


#864 [コロ]
●きります●

[感想板]
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2722/

⏰:09/05/12 09:04 📱:SH700i 🆔:toh08Wv6


#865 [コロ]
 
 
勇気が寮を出発して間もなく、望はこんなに静かな部屋は久々だと気付いた。

寮生は今週中に帰郷する者が多く、大半は昨日(金曜)に寮を出発した。

光輝と直也も昨日の朝、実家に帰り、寮に戻るのは直也が1週間後の予定で光輝は10日後だ。

⏰:09/05/15 08:17 📱:SH700i 🆔:KBxPeVyY


#866 [コロ]
 
直也はただ実家に帰るだけだと言ってたけど、光輝は海外旅行にも行くらしい・・・・・。

やっぱりお金持ちが多いよな、ここの生徒は。

僕は8月に入ってから実家に帰る事にした。
 

⏰:09/05/15 08:23 📱:SH700i 🆔:KBxPeVyY


#867 [コロ]
 
一応、予定は1週間ぐらい帰ってから、後は寮でのんびりしようと思ってる。

望「司も7月末まで
 帰って来ないしな。」

もしかして、かなり暇?
こんな事なら自分も皆に合わせて、この期間に帰郷すればよかった。
 

⏰:09/05/15 08:32 📱:SH700i 🆔:KBxPeVyY


#868 [コロ]
 
望「ぁ゙〜・・失敗したな」

これから当分寂しい毎日だけど、仕方ない。

仲良い友達が、みんな同じタイミングで居なくなるとは、想像してなかった。

せめて入れ代わり立ち代わりならよかったのに・・・
 

⏰:09/05/15 08:40 📱:SH700i 🆔:KBxPeVyY


#869 [コロ]
 
もう暇すぎて何をしたらいいかわからなくなり、望は結局いつもの様に窓の近くに座り、漫画の本を読むことにした。

夏休みの宿題は、これが終わってからにしよう・・・。

いつも宿題を見てくれる、光輝先生も直也先生も居ないから、やる気が出ない。

⏰:09/05/16 06:51 📱:SH700i 🆔:DcS26Ufg


#870 [コロ]
 
どうしてあんなにチャラいのに2人とも頭いいんだろうか・・・?

勇気に関しては、期末テストで学年3位だった。

その下に光輝が並び、直也は確か12番あたりだった記憶がある・・・。
 

⏰:09/05/16 07:00 📱:SH700i 🆔:DcS26Ufg


#871 [コロ]
 
一学年で大体250人居るこの学園で僕は100番以内に入った事は無かったが、光輝と直也と同室になって、少しずつ成績が上がりはじめた。

そしてこの夏休み前の期末テストで、初めて92番という快挙を遂げたが、同室の先生方にはまだまだ遠い。
 

⏰:09/05/16 07:13 📱:SH700i 🆔:DcS26Ufg


#872 [コロ]
 
去年、司と同室だったころは、司に勉強見てもらってたけど・・・もう一人の同室の奴が自分より馬鹿だった為に、安心感が芽生えてしまったから、あまり勉強しなかった;
イイ奴だったけど。

ちなみに、司は今回7番だったな・・・つくづく素晴らしい友人ばかりだ。

⏰:09/05/16 07:23 📱:SH700i 🆔:DcS26Ufg


#873 [由利]
面白いです

⏰:09/05/16 11:12 📱:F703i 🆔:jkIiaa5I


#874 [コロ]
由利様

ありがとうございます☆
お言葉を励みに、これからも頑張ります(^0^)/

⏰:09/05/17 19:15 📱:SH700i 🆔:I782AUoA


#875 [コロ]
 
きっと漫画の本なんて読んでちゃダメなんだろうけど、僕はいつの間にか一冊読み終わってしまい、二冊目に手をつけていた。

部屋には時計の音と、ページをめくる音。
そしてクーラーの機械音が微かに聞こえるだけ。
 

⏰:09/05/18 09:02 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#876 [コロ]
 
場所をベッドの上にかえたら、なんだか眠くなって来た・・・。

瞼を擦りながらうとうとと漫画を読み続けていると、突然ドアがノックされた。
望「はーぃ・・・」

返事は無い。
 

⏰:09/05/18 09:06 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#877 [コロ]
 
だが、もう一度ノックがあったので、しかたなくベッドから出てドアへと向かった。

 ガチャ・・―

望「ん・・・・・?!」

開けた先に居たのは、とても会いたくない人物。
 

⏰:09/05/18 09:10 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#878 [コロ]
 
望「ぁ・・・え・・石田」

石「――・・ついて来い。」

凍りつく様な瞳で
見下ろしながら
石田はそう告げた。

まさか石田が来るとは
思ってもみなかった。
 

⏰:09/05/18 09:15 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#879 [コロ]
 
伝言を無視した形のままだったので、早く謝らなければ、酷い目に合う。

謝った所で、もう遅いんだろうけど・・・少しはマシかもしれない。

しかし、謝罪の為に開きかけた唇は石田の鋭い視線に固まったまま動く事を忘れてしまった。

⏰:09/05/18 09:19 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#880 [コロ]
 

先に歩き出した石田の後を縮こまりながら着いていくしかなく、望は完全に謝るタイミングを逃し、目の前がどんどん暗くなっていく様な錯覚がした。

まるで貧血を起こしたみたいな感じがする。
 

⏰:09/05/18 09:24 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#881 [コロ]
 
石田の歩みは遅くもなく、速くもない。

均等に運ばれる歩幅は
後ろから見ていて
綺麗な歩き方だと思う。

逆に自分は、余裕が無く
ギクシャク変な歩みをしているんだろう・・・
なんだか歩きにくい。
 

⏰:09/05/18 09:33 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#882 [コロ]
 
視界も暗いし、指先もしびれた感覚がする。

ふらふらと体が揺れて
なんだか地に足が着いてないって言うのかな・・・

体が重い。

石田の歩くスピードに、だんだん着いていけなくなって来た。
 

⏰:09/05/18 09:39 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#883 [コロ]
 
何にも考えられなくなり、ふわふわと体が壁の方へ傾きはじめた時、不意に何かに支えられた。

少し意識がはっきりして、見ると すぐ近くに壁があり、ぶつかる寸前のところだった。

望「ぁ・・・」
 

⏰:09/05/18 09:44 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#884 [コロ]
 

見上げると、石田が支えてくれたらしい。

眉間にシワを寄せて呆れてるのか、怒ってるのか・・・よく解らない表情。

僕がごめんと一言だけ謝り、再び歩みは再開するが、今度は石田に二の腕を掴まれた状態だ。
 

⏰:09/05/18 09:51 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#885 [コロ]
 
なんだか、本当に逃げ道が無くなってしまった。


相変わらず体はふらふらするけど、掴まれてるのが支えになってくれて、真っ直ぐ歩けている。

きっと、今自分の顔は蒼白しきって情けない表情なんだろうな・・・。
 

⏰:09/05/18 09:55 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#886 [コロ]
 
―――
――

一体どのくらい歩いたのかわからない。

寮内は静かで、人気がほとんど無くて、遠くから微かに笑い声や話し声が聞こえる程度だ。
 

⏰:09/05/18 09:59 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#887 [コロ]
 
広い寮内は廊下も長い。

いくつか角を曲がり、
数分して着いた先は
同じ階の一番最奥の部屋。
つまり同学年の誰かの
部屋だが、扉の横に付いてるネームプレートを見て、目に涙が溜まるのがわかった・・・。
 

⏰:09/05/18 10:13 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#888 [コロ]
 
「石田 真二」と、そこには記されている。

望「ごめッ・・なさぃ・ふぇ
 ごめんなさいッ」

望が泣き崩れそうになると、石田は部屋の扉を開けて望を抱き上げた。

望「ゃッ・・ヒック、待って」
 

⏰:09/05/18 10:19 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#889 [コロ]
 
そのまま室内へ入られ、扉の鍵は閉められた。

望を抱えたまま石田は部屋の奥へ進み、一つのベッドの前で立ち止まる。

望をそこへ降ろした。

望「ふぇッ・・ヒック・・・」
 

⏰:09/05/18 10:23 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#890 [コロ]
 
望はすぐにでも逃げだしたくて、立ち上がろうとしたが、腰が抜けてしまったのか足に力が入らない。

ベッドの上を四つん這いで移動しようとしたけれど、石田に体を掴まれて、仰向けに押さえ込まれてしまった。
 

⏰:09/05/18 10:29 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#891 [コロ]
 
そのまま用意していたんであろう縄の様な物で両手首をベッドの上部に括り付けられた。

前の時と同じで、どんなに動かしても全然はずれないし、緩みもしない。

涙がどんどん溢れ出すのがわかった。
 

⏰:09/05/18 10:35 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#892 [コロ]
●きります●

ご意見、ご感想お待ちしています☆☆

感想板
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2722/
 

⏰:09/05/18 10:43 📱:SH700i 🆔:p3KcWOMc


#893 [コロ]
 
石田の手が腹の上を這うのがわかるけど、望は自分の体を守る事ばかり考えて、ろくに抵抗も出来ずに、腕の拘束を外す事に気を取られていた。

そんな望の姿を石田は
目の端に捕らえて、眉をよせる・・・。
 

⏰:09/05/20 09:45 📱:SH700i 🆔:603opMAE


#894 [コロ]
 
もっと出来る事が
あるだろ。

暴れるとか、蹴ってみるとか・・・。

そんな事しても所詮、腕の拘束は外れ無いが相手にダメージを与えられる。

運が良ければ、気絶してくれるかもしれない。
 

⏰:09/05/20 09:51 📱:SH700i 🆔:603opMAE


#895 [コロ]
 
しかし望は腕を見上げるばかりだ。

きっと頭が真っ白で
他の方法が浮かばないんだろう。

石「・・・無駄だ。腕が
 傷付くだけだぞ。」

望「ぅッ ヒック・・ふぇぇッ」
 

⏰:09/05/20 09:55 📱:SH700i 🆔:603opMAE


#896 [コロ]
 

―――
――


 ぁ

あぁッ


嫌だ・・・


 

⏰:09/05/20 11:44 📱:SH700i 🆔:603opMAE


#897 [コロ]
 






 ヤメテ


―――・・・
――
 
 

⏰:09/05/20 11:45 📱:SH700i 🆔:603opMAE


#898 [コロ]
 


石「―― はぁッ はッ・・」

望「ヒッ ぅ・・・ はッぁ」


ドクン、ドクンと自分の中に石田の放つ熱いモノが流れ込む。
 

⏰:09/05/20 11:56 📱:SH700i 🆔:603opMAE


#899 [コロ]
 
望自身も体を震わせて
熱を放っていた。

その事実に、どうしようもない罪悪感が襲う。

望「うぅッ ふぇぇッ」

石「・・・・泣いてばっかり
 だな、お前。」
  

⏰:09/05/20 12:06 📱:SH700i 🆔:603opMAE


#900 [コロ]
 
石田は呆れた様な溜め息を最後に一つ吐き出し
シャワー室で望の後処理をしてから、再びベッドへ繋ぎ、そして部屋を出て行った・・・。

望はベッドに戻されてからすぐに意識が遠のき、深い眠りについたのだった。
 
 
 

⏰:09/05/20 12:16 📱:SH700i 🆔:603opMAE


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