先生の言うとおりB
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#301 [あお☆まる]
「…なんでもないの。ゴメンね!」
「そう…。ならイイ」
そう微笑む
遊馬くんの顔は
大人っぽかった…
きっと、嘘に気付いてる
けど無理に聞いてこない
そんな遊馬くんの
優しさが心地いい。
:09/03/14 01:46 :812SH :☆☆☆
#302 [あお☆まる]
「アコ」
「…達也。どうしたの?」
「ん。
ちょっと出てくるから店宜しくな。…あ、これ厨房置いといて」
そう言うと、
腰に巻いていたエプロン を愛子に渡す
:09/03/14 01:50 :812SH :☆☆☆
#303 [あお☆まる]
「分かった。いってらっしゃい」
「おう」
達也は軽く手を挙げると、店を出て行った
「ちょっと、
中に行ってくるね」
私はエプロンを置きに
厨房に向かう
:09/03/14 01:54 :812SH :☆☆☆
#304 [あお☆まる]
中に入ると
美幸ちゃんが一人
ケーキの下準備をしていた
どこと無く
気まずい気分になる
「…お疲れ様。」
「お疲れ様です。」
:09/03/14 01:57 :812SH :☆☆☆
#305 [あお☆まる]
とりあえず、
エプロン置こう…
厨房にある一角に
荷物を置く
スペースがある
愛子はそこに足を向ける
荷物置場が近づき
荷物が目視出来るまでになった所で
愛子の足が止まる
:09/03/14 02:01 :812SH :☆☆☆
#306 [あお☆まる]
これは……
愛子の目線の先には
美幸ちゃんのかばん
かばんの中には、
あの、オレンジ色のファイルが入ってあった
:09/03/14 02:04 :812SH :☆☆☆
#307 [あお☆まる]
その光景は
愛子に、
麗子さんの言っていた事が事実だと
そう言っていた
達也はやっぱり
あの日
美幸ちゃんに会ってたんだ。
だって達也
このファイルを持って帰って来なかった
:09/03/14 02:06 :812SH :☆☆☆
#308 [あお☆まる]
身動きが取れなくて
立ち尽くす
「…何、見てるんですか?」
:09/03/14 02:08 :812SH :☆☆☆
#309 [あお☆まる]
いつの間にか後ろにいた
美幸ちゃんに
思わずビクッと体を揺らす
「…あ。このファイル達也が持ってたやつだよね。中身は何なの…?」
思い切って聞いてみる
:09/03/14 02:11 :812SH :☆☆☆
#310 [あお☆まる]
美幸ちゃんは
目でファイルを確認すると、目線を愛子に戻す
「…教えられません」
「…た、達也に渡されたんでしょ?」
「……」
動悸が体ぜんたいを揺らす。
:09/03/14 02:14 :812SH :☆☆☆
#311 [あお☆まる]
「達也が…好き?」
何で…
何で聞きたくない事ばっかり…
でも言葉が止まらない
:09/03/14 02:15 :812SH :☆☆☆
#312 [あお☆まる]
「愛子〜?何サボってんだよ−……ん?」
遊馬くんが
厨房に入ってくる
遊馬くんの存在にホッとする自分がいた
「あ…ごめ…ん。今、戻るから」
:09/03/14 02:18 :812SH :☆☆☆
#313 [あお☆まる]
そう言って
体を翻そうとした時
美幸ちゃんの声が響いた
「…ですよ」
その言葉に振り向くと
美幸の瞳と出会う
:09/03/14 02:20 :812SH :☆☆☆
#314 [あお☆まる]
「達也さんの事、
私好きです。」
:09/03/14 02:22 :812SH :☆☆☆
#315 [あお☆まる]
:09/03/14 02:35 :812SH :☆☆☆
#316 [あお☆まる]
「あ…」
声が出ない
気付いてた事だった
けど、
改めて形にされると
酷く動揺する自分が居た
「お前っ!何言ってんだよ!!!」
:09/03/16 00:28 :812SH :☆☆☆
#317 [あお☆まる]
遊馬くんが
美幸ちゃんに掴み掛かる
美幸ちゃんは
顔色ひとつ変えずに
冷静に遊馬くんの腕を払いのける
「…別に。聞かれたから答えただけよ」
:09/03/16 00:30 :812SH :☆☆☆
#318 [あお☆まる]
「だからって!!」
美幸ちゃんは
遊馬くんの事を気にするそぶりもなく
じっと愛子を見据える
「…愛子さんは、達也さんを信じられないんですか?」
:09/03/16 00:32 :812SH :☆☆☆
#319 [あお☆まる]
達也の事、信じてる
でも…
100%信じてるか?
そう聞かれたら
素直に頷けない…
真っすぐ見据える
美幸ちゃんの瞳に、
嘘が付けない
ただ、私は
黙る事しか出来なかった
:09/03/16 00:36 :812SH :☆☆☆
#320 [あお☆まる]
「…達也さんに愛子さんは釣り合わないと思います」
突然はっせられた
その言葉に
頭が割れる様な衝撃がはしった
“釣り合わない”
:09/03/16 00:39 :812SH :☆☆☆
#321 [あお☆まる]
ずっと、ずっと、
心の中で抱いていた
私は、達也に相応しくないんじゃないかって
それを言い当てられ
息が苦しくなる
:09/03/16 00:41 :812SH :☆☆☆
#322 [あお☆まる]
ガンッ!!!
遊馬くんが壁を蹴る
「おい…。いい加減にしろよ?」
遊馬くんの低い声が
部屋に響く
「…遊馬くん、止めて」
「愛子、けど!」
:09/03/16 00:43 :812SH :☆☆☆
#323 [あお☆まる]
「美幸ちゃんの…言うとおりだよ。」
「はぁ?!」
「私…ずっと
心の中で思ってた。
私は達也に
必要なのか…とか、
達也だったら私なんかよりイイ人がいるんじゃないか…
私じゃない…
誰かとの方が幸せになれるんじゃないかって」
:09/03/16 00:48 :812SH :☆☆☆
#324 [あお☆まる]
「なんだよ…。
アコ、それ本気で言ってんの?」
:09/03/16 00:55 :812SH :☆☆☆
#325 [あお☆まる]
後ろから響く
低い声
振り向くと
1番聞いて欲しくなかった相手が立っていた
「た…つや…」
:09/03/16 00:56 :812SH :☆☆☆
#326 [あお☆まる]
「本気かって聞いてんだよ」
怒鳴る訳でもなく
ただただ低い冷静な声に威圧されて
何も答えられない
「…今日はもう店閉めるわ。」
:09/03/16 00:58 :812SH :☆☆☆
#327 [あお☆まる]
いたたまれなくなって
思わずその場から
逃げてしまった
「愛子!」
「…じゃあ私帰ります」
:09/03/16 01:01 :812SH :☆☆☆
#328 [あお☆まる]
■訂正■
「じゃあ私帰ります」
って台詞は無かった事にして下さい!
すみませぬ
:09/03/16 01:04 :812SH :☆☆☆
#329 [あお☆まる]
“本気で言ってんの?”
そう言った達也の顔は
怒りと悲しさにみちてた
私は何も言えなかった
ただこうして
走って逃げるしか…
:09/03/16 01:08 :812SH :☆☆☆
#330 [あお☆まる]
「きゃっ…!!」
愛子は足がもつれて
その場に倒れこむ
「愛子!!」
うずくまったまま
振り向くと
駆け寄る遊馬くんの姿
:09/03/16 01:10 :812SH :☆☆☆
#331 [あお☆まる]
「…大丈夫か?」
そう言って
目の前でしゃがみ込む
その声色は
どこまでも優しくて
涙が零れた
「…足、血が出てる。手当しに俺の家おいで」
:09/03/16 01:14 :812SH :☆☆☆
#332 [あお☆まる]
「…でも」
遊馬くんは
頬を伝う涙を
指ですくい上げると
「何心配してるの?こんな泣き虫には何もしないよ。だからおいで」
そのどこまでも
優しい笑顔に
私は
すがる様に頷いていた
:09/03/16 01:21 :812SH :☆☆☆
#333 [あお☆まる]
……………………………………………
「追い掛けなくて良かったんですか?」
「……。」
「…店、午後休みなんですよね?私帰ります」
「アコに…言った?」
:09/03/16 22:44 :812SH :☆☆☆
#334 [あお☆まる]
「言ってません。」
「そ…か。」
その言葉に
ホッとする達也
「今日予定あるのか?」
「いえ…でも、達也さんが帰りたいのかと…」
:09/03/16 22:46 :812SH :☆☆☆
#335 [あお☆まる]
苦笑いを
浮かべる達也
「気ぃつかわせたな。
その、良かったら今日も付き合えない?」
「…分かりました」
「ありがと、な。」
達也は
美幸の頭をポンポンと軽く手の平でたたく
:09/03/16 22:49 :812SH :☆☆☆
#336 [あお☆まる]
……………………………………………
「はい。愛子」
差し出されたのは
温められた
コーヒー牛乳
一口飲むと
温かさが広がる
それはまるで
遊馬くんの優しさの様な
甘くて包みこむ
そんな優しさ
:09/03/16 22:53 :812SH :☆☆☆
#337 [あお☆まる]
「美味しい。…けど、甘いね」
「俺、甘党だから」
遊馬くんはいつもの
太陽の様な笑顔を見せる
「じゃーはい。こっち向いて。」
遊馬くんに肩を持たれ
体の向きを
変えさせられる。
:09/03/16 22:56 :812SH :☆☆☆
#338 [あお☆まる]
「あ…のっ」
思わず口ごもる
すると、遊馬くんは
消毒液をちらつかせて
膝を指で指す
「これ、手当てしなきゃね。」
:09/03/17 00:10 :812SH :☆☆☆
#339 [あお☆まる]
「あっ、自分で…」
手を出す私の手を
遊馬くんが止める。
「まぁー任せてって!
…けど滲みるよ?痛いって泣かないでねぇ〜」
からかう様に言うと
消毒液を
傷口にふきかける
刺激が伝わり
傷口がヒリヒリする
:09/03/17 00:14 :812SH :☆☆☆
#340 [あお☆まる]
「…痛っ……」
「うん。ごめんね」
「…痛いよ……」
愛子の目からは
大粒の涙が零れる
遊馬くんは手当てをし終わると
静かに愛子を抱き寄せる
:09/03/17 00:17 :812SH :☆☆☆
#341 [あお☆まる]
そして
何も言わずに
優しく背中をポンポンと叩いてくれる
「愛子は泣き虫だな」
そう言って
いつもの笑顔を見せる
:09/03/17 00:20 :812SH :☆☆☆
#342 [あお☆まる]
その笑顔は
いつかの達也の様で
胸が小さくときめいた
“愛子は泣き虫だな”
:09/03/17 00:22 :812SH :☆☆☆
#343 [あお☆まる]
よく達也に言われた
けど、
いつの間にか
それじゃダメだって
大人にならなきゃ
そう……
達也を支える為に
:09/03/17 00:42 :812SH :☆☆☆
#344 [あお☆まる]
小さなヤキモチも
泣き虫だって
卒業しようって
頑張ってきた
でも…
いつだって不安だった
:09/03/17 00:44 :812SH :☆☆☆
#345 [あお☆まる]
私には
あなたは眩しいから
:09/03/17 00:45 :812SH :☆☆☆
#346 [あお☆まる]
:09/03/17 01:44 :812SH :☆☆☆
#347 [あお☆まる]
遊馬くんはずっと
何も言わないで
肩を貸してくれた
ずっと我慢して
溜めていた涙
ひととおり流し終えると
少し心が軽くなった
:09/03/18 02:30 :812SH :☆☆☆
#348 [あお☆まる]
いつまでも
肩を借りてる訳にいかない
そう思って顔を上げる
「…ごめんね。」
「いいよ。コーヒー牛乳冷えちゃったね!温めなおすよ」
:09/03/18 02:32 :812SH :☆☆☆
#349 [あお☆まる]
「ありがとう。」
温めなおしてくれた
コーヒー牛乳
やっぱり甘くて
少し笑えた
「え?何、何?」
そんな私を
不思議がる遊馬くん
:09/03/18 02:34 :812SH :☆☆☆
#350 [あお☆まる]
「ううん。…遊馬くんって優しいね。」
「……」
黙る遊馬くん
どうしたのだろう?
伺う様に
遊馬くんの顔を見る
「…誰にもって訳じゃないよ」
:09/03/18 02:38 :812SH :☆☆☆
#351 [あお☆まる]
「え…」
「俺は愛子だから助けるんだ。愛子が大切だから」
それって…
不意に
麗子さんの
言葉が頭に浮かぶ
“あの子、
愛子ちゃんのこと…”
:09/03/18 02:43 :812SH :☆☆☆
#352 [あお☆まる]
意識しない様に
そう思っても、
言葉はますます頭の中で
大きく主張し始める
それに伴って
愛子の顔は赤く染まる
「あ、の…」
:09/03/18 02:46 :812SH :☆☆☆
#353 [あお☆まる]
言葉が続かず
俯くと
遊馬くんの手が
愛子の頬に添えられる
愛子の心臓は
激しく波打つ…
「…ぷっ。」
:09/03/18 02:48 :812SH :☆☆☆
#354 [あお☆まる]
その笑いと共に
愛子の頬っぺたは
遊馬くんに
添えられたはずの手で
摘まれて伸ばされていた
「…ゆっゆうみゃくん?」
:09/03/18 02:51 :812SH :☆☆☆
#355 [あお☆まる]
「あはははっ!…ご、ごめん、ごめん!!」
遊馬くんは
笑い転げると
涙を拭きながら
いつもの調子で話す
「だって愛子…、俺が愛子の事好きって勘違いしたでしょ?俺が言った“大切”は“大切な友達”って意味だよ。」
:09/03/18 02:54 :812SH :☆☆☆
#356 [あお☆まる]
愛子は頬を
さすりながら
遊馬くんに指摘された
勘違いに気付き
先程より更に真っ赤に
頬を染める
「え…あ、そっそーだよね!あは、私どんだけ自意識過剰……」
:09/03/18 02:58 :812SH :☆☆☆
#357 [あお☆まる]
そして二人で
顔を見合わせて笑った
「…あ、そろそろ帰るね。」
「…大丈夫か?」
心配そうに
見送ってくれる遊馬くん
:09/03/18 03:00 :812SH :☆☆☆
#358 [あお☆まる]
「……うん。帰らない訳には行かないし…。傷口の手当てと、コーヒー牛乳ありがとうね!」
「おう!」
遊馬くんの優しさを
心の中で感じながら、
家を出る
家には達也が居るのだろうか…
:09/03/18 03:06 :812SH :☆☆☆
#359 [あお☆まる]
家に帰ると
暗闇が広がっていて
そこには
人の気配が感じれなかった
部屋に広がる
暗闇の様に
私の心の中にも
黒く深い闇が広がる
:09/03/26 00:09 :812SH :☆☆☆
#360 [あお☆まる]
…また
また、
“美幸ちゃん”と
一緒なの…?
:09/03/26 00:10 :812SH :☆☆☆
#361 [あお☆まる]
携帯が震える
画面を見ると
達也からのメールだった
:09/03/26 00:13 :812SH :☆☆☆
#362 [あお☆まる]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
件名:無題
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
麗子に捕まった。
中々帰れそうにない
今日は先に寝てて
明日、話ししよう
:09/03/26 00:15 :812SH :☆☆☆
#363 [あお☆まる]
気まずさから
逃れられる安心感と
メールの内容が
本当なのかの
不安感が
同時に押し寄せて
複雑な思いで
メールを見つめた
:09/03/26 00:18 :812SH :☆☆☆
#364 [あお☆まる]
…本当に
“麗子さん”?
追って来てはくれなかった達也
本当は、あのまま
美幸ちゃんと…
:09/03/26 00:20 :812SH :☆☆☆
#365 [あお☆まる]
麗子さんに
メールしてみようか?
でもこれで
麗子さんと居なかったら
そう思い
ディスプレイの中の
“大塚 麗子”
の文字を見つめていた
:09/03/26 00:23 :812SH :☆☆☆
#366 [あお☆まる]
時間が経ち
ディスプレイの
画面の光りが
ちょうど
消えた時に
携帯が震える
画面は
さっきまで
表示していたばっかりの
名前を
再び表示する
:09/03/26 00:27 :812SH :☆☆☆
#367 [あお☆まる]
メールを開くと
【達也ちょっと借りるよぉ!私がビシッ!!と言っておくから(`^´)/】
と言う文章だった
私は
達也の隣に居るのが
麗子さんだと
確信を持ててホッとした
:09/03/26 00:30 :812SH :☆☆☆
#368 [あお☆まる]
けど、
それと同時に
気付く
私、達也を
信用しきれてない…?
:09/03/26 00:33 :812SH :☆☆☆
#369 [あお☆まる]
あんなに
愛を確かめ合って
一生一緒に居ると
誓ったのに
その相手を
私…疑ってる
:09/03/26 00:35 :812SH :☆☆☆
#370 [あお☆まる]
私…
最低だ…
:09/03/26 00:36 :812SH :☆☆☆
#371 [あお☆まる]
……………………………
……………
ふと
時計を見る
厨房の中にある
時計の針は、
19時を指そうとしていた
「…美幸、そろそろ帰るか。送ってく」
:09/03/26 18:46 :812SH :☆☆☆
#372 [あお☆まる]
「はい。じゃあ、お願いします。」
「おう。」
二人で
店を出る支度をする
外に出て
店の鍵を締めていると
ツカツカとヒールの音。
:09/03/26 18:48 :812SH :☆☆☆
#373 [あお☆まる]
その甲高い音の
する方角に目をやる
その目線の先には
すらっとスタイルのいい
シルエットが浮かぶ
「たーつーやー」
その声で
シルエットの正体が
はっきりする
:09/03/26 18:51 :812SH :☆☆☆
#374 [あお☆まる]
「…麗子か」
「麗子か。じゃないわよ!!あんたちょっと顔貸しなさいよね!!」
「…今からか?」
そう言って
ちらっと横目で
美幸を見る
:09/03/26 18:53 :812SH :☆☆☆
#375 [あお☆まる]
その目線を追う麗子
「あ…あなた。達也、その子と今から用事でも有る訳?」
凄むように
達也に問い掛ける
「暗いから、今から送って行く。」
:09/03/26 18:55 :812SH :☆☆☆
#376 [あお☆まる]
「…達也さん、私電車で帰ります。」
「いや、送って行く。
大体俺が美幸にお願いしてるんだし。」
その会話を
聞いていた麗子が
何かを思いついた様に
ポンと手を叩く。
「私、車置いてく。達也!美幸ちゃん送るの付き合うから、その後私に付き合いなさい」
:09/03/26 18:59 :812SH :☆☆☆
#377 [あお☆まる]
「……分かったよ」
軽くため息をつきながら 承諾する
皆で車に乗り込みながら
愛子との事を思う
:09/03/26 19:03 :812SH :☆☆☆
#378 [あお☆まる]
“私じゃない
誰かとの方が−…”
そう顔を
歪ませていた愛子
いつから?
いつからそんな事
思っていたの?
:09/03/26 19:05 :812SH :☆☆☆
#379 [あお☆まる]
あんな顔を
させたい訳じゃない
あんな事
言わせたくないのに
:09/03/26 19:07 :812SH :☆☆☆
#380 [あ]
<<310-<<360
>>310->>360
失礼します。
:09/03/26 23:54 :SO903iTV :enCRVXOA
#381 [あお☆まる]
【 あ 様 】
……………………………………
アンカーありがとうござい
ます(●`・ω・)ノ
……………………………………
:09/03/27 00:14 :812SH :☆☆☆
#382 [あお☆まる]
俺はあいつを…
アコを
幸せにする為に
一人で泣かない様に
側に居ると決めたのに
:09/03/29 18:27 :812SH :☆☆☆
#383 [あお☆まる]
アコは…
俺のせいで
俺と一緒にいるせいで
苦しんでるのか?
:09/03/29 18:28 :812SH :☆☆☆
#384 [あお☆まる]
なぁ…アコ
俺は…
お前から
離れた方が
イイのかな……
:09/03/29 18:30 :812SH :☆☆☆
#385 [あお☆まる]
「ばぁーーーかじゃないのっっっ!!!!!!」
ファミレスに
麗子の怒涛が響き渡る
「…真剣に悩んでる友達に対して言う事…か?」
:09/03/29 18:39 :812SH :☆☆☆
#386 [あお☆まる]
「馬鹿だから馬鹿って言ってんのよ」
「……」
「だいたいさ?そんなに大切ならなんで美幸って子にちょっかい出してるのよ!」
麗子は興奮気味に
頼んだジュースを飲み干す
:09/03/29 18:41 :812SH :☆☆☆
#387 [あお☆まる]
「それは…」
目を伏せがちに
その訳を話し始める
………………………………………
:09/03/29 18:44 :812SH :☆☆☆
#388 [あお☆まる]
「はぁ…」
達也は
深いため息を
つきながら車を降りる
しかし…
麗子のやつ長いんだよ
早く帰って
アコと話し合いたかったのに、朝方じゃないか
:09/03/29 18:47 :812SH :☆☆☆
#389 [あお☆まる]
麗子の説教?は
あれから長時間続き
達也が開放されたのは
外が明るくなってきた
5時頃だった
家の鍵を開ける
静まり返る我が家
:09/03/29 18:52 :812SH :☆☆☆
#390 [あお☆まる]
アコは…寝たかな…?
まぁ、当たり前か
そっと
起こさない様に
静かに寝室の扉を開ける
しかし、そこには
寝ているはずの
愛しい人の姿はなかった
:09/03/29 18:56 :812SH :☆☆☆
#391 [あお☆まる]
「…?!」
急いで家中探すが
アコの姿はない
「アコ?!アコ!!」
不安のせいで
大きくなる声が 虚しく
薄ぐらい部屋に響き
返事もなく消えていく
:09/03/29 19:00 :812SH :☆☆☆
#392 [あお☆まる]
部屋を見渡すと
朝使った食器が洗われていて
朝洗濯して干していた服は
綺麗に畳まれていた
その事で愛子が
あの後
家に帰って来たのは
間違いない事実だった
:09/03/29 19:05 :812SH :☆☆☆
#393 [あお☆まる]
「アコ…
どこに行ったんだよ…」
力無くそう呟くと
ふとテーブルに置かれた
紙が目に止まる
その紙に書かれた字は
まさしく
愛子の字だった
:09/03/29 19:08 :812SH :☆☆☆
#394 [あお☆まる]
呆然とする
達也の手から
するりと紙が落ちる
その紙には
【暫く実家に帰って
これからの事を考えます
勝手な事してごめんなさい。
けど、一人になりたいです。お店の方も暫く休みます。 愛子】
と、綺麗な字で書かれていた
:09/03/29 19:19 :812SH :☆☆☆
#395 [あお☆まる]
達也は呆然と
立ち尽くしながら
麗子に言われた
『事情が事情かもしれないけど、夫婦になるって言う二人にどんな“秘密”も要らない!そのせいで取り返しのつかない擦れ違いになる事だってあるんだからね!!』
と言う言葉を
一人噛み締めていた
:09/03/29 22:47 :812SH :☆☆☆
#396 [あお☆まる]
……………………………………………
「…愛子は寝たのか?」
「ええ。」
愛子の実家では
神妙な面持ちの二人が
テーブルに座っていた
:09/03/29 22:49 :812SH :☆☆☆
#397 [あお☆まる]
「でも愛子、ちゃんと達也さんに言って来たのかしら…?」
「置き手紙して来たってたろ?ほっとけばいい」
「けど…」
「もうアイツになんかやらん!あんな大口叩いてたくせに、結婚前からこんなんじゃ思いやられる」
:09/03/29 22:51 :812SH :☆☆☆
#398 [あお☆まる]
そう言って
マリエの入れた
緑茶をすする
「マリエ、達也って奴が来ても会わせるなよ!」
怒りが
納まらない様子のクロ
「嫌です。」
:09/03/29 22:54 :812SH :☆☆☆
#399 [あお☆まる]
「嫌ですってお前なぁ…。今日の愛子を見ただろ?とても結婚前の幸せな女の顔じゃなかった」
「えぇ。疲れ切った顔だった。」
「ならっ!」
「クロ、けどね、別れる別れないを決めるのは親の私達じゃない。本人達よ?私達は静かに見守るだけでいいの!」
:09/03/29 22:56 :812SH :☆☆☆
#400 [あお☆まる]
その剣幕に敵わず
『俺は最初から気に食わなかった』と呟くと
拗ねたのか
そっぽを向くクロ
「私だって愛子を身篭った時を考えたら、クロに振り回されてた様な気がするけど?」
その言葉に
返す言葉はなく
クロはそそくさと風呂場に逃げ込む
:09/03/29 23:01 :812SH :☆☆☆
#401 [あお☆まる]
「もう…クロは親バカなんだから……」
そう言うマリエは
優しく微笑んでいる
ふと気配を感じ
後ろを振り向くと
愛子が立っていた。
:09/03/29 23:04 :812SH :☆☆☆
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