先生の言うとおりB
最新 最初 全
#1 [あお☆まる]
:08/11/28 04:18 :812SH :☆☆☆
#2 [あお☆まる]
:08/11/28 04:33 :812SH :☆☆☆
#3 [あお☆まる]
:08/11/28 04:39 :812SH :☆☆☆
#4 [あお☆まる]
俺は必死に必死に
勉強して来た
あいつを信じて
日本を飛び出た…
けど本当は…
心配だったんだ
あいつが…
俺を忘れちゃわないかって…
:08/11/28 04:49 :812SH :☆☆☆
#5 [あお☆まる]
愛子から受け取った手紙を見つめる
返事を返せなかった
愛子を日本に置いて行ってしまった
罪悪感があったからだ
そのうち返事をする
タイミングを見失った
:08/11/28 04:53 :812SH :☆☆☆
#6 [あお☆まる]
「だっせぇーの…俺」
もう愛されてないんじゃないかって言う
不安が襲う
怖くて「帰る」とも
とおとお言えずにいた
「もう…五年もほったらかしか……」
:08/11/28 04:55 :812SH :☆☆☆
#7 [あお☆まる]
「お客さん、着きましたよ。」
タクシーの運転手の声で
我にかえると
お金を支払いタクシーを降りる
車を降りると
懐かしい風景が広がる
:08/12/01 18:17 :812SH :☆☆☆
#8 [あお☆まる]
「少し…変わったかな?」
懐かしい風景に並び
久しぶりの我が家が姿を見せる
鍵を開けるのも
少し緊張する
「…あれ?」
:08/12/01 18:20 :812SH :☆☆☆
#9 [あお☆まる]
鍵が開いていた
もしかして…アコが?
緊張する気持ちを抑えて ドアに手を伸ばす
ドアを開けると
懐かしい愛しい香が
胸を締め付ける
:08/12/01 18:26 :812SH :☆☆☆
#10 [あお☆まる]
部屋を進んで行くと
ベットの上で
丸まって寝ている
愛しい人
ベットの横に腰を下ろし
部屋を見渡す
五年も帰って来なかった
我が家は、五年も
人が居なかったとは思えないほど
綺麗に掃除されていた
:08/12/03 03:58 :812SH :☆☆☆
#11 [あお☆まる]
きっと愛子が、定期的に
掃除していたんだろう
目線を愛子に戻すと
まだ夢の中の
愛子の頭を撫でる
「…ただいま。アコ」
:08/12/03 04:00 :812SH :☆☆☆
#12 [あお☆まる]
愛子の髪に
優しく触ると
愛子は寝返りを打って
嬉しそうに笑う
「…たつ…や」
久しぶりに聞いた
愛子の自分を呼ぶ声
心の中がじんわりと暖かくなるのを感じる
:08/12/03 04:03 :812SH :☆☆☆
#13 [あお☆まる]
そっと布団に入って
愛子を抱きしめる
プニプニして気持ちイイな…
寝ちゃいそうだ…
…………………………………………
:08/12/03 04:07 :812SH :☆☆☆
#14 [あお☆まる]
「……つや……。た……つ…や。」
ん…?
アコ……?
:08/12/03 04:08 :812SH :☆☆☆
#15 [あお☆まる]
「達也ってば!」
目を開けると
目の前には愛子の姿
「あれ?俺…」
「寝ぼけてないで、用意しないと!今日はお母さん所に挨拶いくんでしょ?」
:08/12/03 04:10 :812SH :☆☆☆
#16 [あお☆まる]
「…夢か…しかし…懐かしい夢みてたなぁ……」
あれから一年
達也と愛子は同棲している
今日は、愛子のお母さんに結婚の許しを貰いに行く予定だ
:08/12/03 04:14 :812SH :☆☆☆
#17 [あお☆まる]
「?何か言った?」
「……」
愛子の腕を掴むと
ベットに
引きずりこむ達也
「きゃっ」
:08/12/03 04:16 :812SH :☆☆☆
#18 [あお☆まる]
気付いた時には
達也は愛子に跨がる体制になっていた
「お姫様、目覚めのキスは?」
「なっなっ!///そっそんな事よりっ用意を…」
戸惑う愛子をよそに
一向に
退ける気配のない達也
:08/12/03 04:21 :812SH :☆☆☆
#19 [あお☆まる]
「…アコからキスしてくれなきゃ用意しねぇー。早く…」
なっなんて
タダッコなの……?汗
…恥ずかしいよ……
けど…
約束の時間もあるし…
:08/12/03 04:24 :812SH :☆☆☆
#20 [あお☆まる]
……チュ
軽く
唇に触れるキスをする
「…達也?ちゃっちゃんとしたよ?用意しよ?」
赤くなりながら
達也を見て促す愛子
:08/12/03 04:27 :812SH :☆☆☆
#21 [あお☆まる]
「…しまった…逆効果だったな…。キスしてもらったら起きるかと思ったけど…」
そう言って
愛子の寝巻の中に手を入れる達也
「たったっ達也!?」
「お前が悪い。お前が可愛いすぎるから、襲いたくなっただろ?」
:08/12/03 04:31 :812SH :☆☆☆
#22 [めぇ]
むっちゃ!!
早く読みたい!ですッ★
こんなドSな☆MEN's★いなぃかなぁ。。。
ッと思ぅ今日この頃。。。
:08/12/06 15:17 :911SH :Y4n5tORg
#23 [あお☆まる]
……………………………………
【めぇ 様】
わぁー!嬉しいですぅヽ(≧∀≦)ノありがとうございます♪
ぜひ、感想板にも遊びに来て下さいね( ´艸`)
……………………………………
:08/12/07 00:14 :812SH :☆☆☆
#24 [あお☆まる]
「へぇ?……んっ!ちょっとっ!たっ達也っっ」
愛子の制しも虚しく
達也の手は
愛子の服の中に
どんどん侵入していく
「っ!〜〜〜先生ったらぁ!!!」
:08/12/07 00:47 :812SH :☆☆☆
#25 [あお☆まる]
達也の手が止まる
「……懐かしいな、その呼び方。……はぁ何かなぁ〜…分かったよ。用意すればいーんだろ」
愛子の上から退く達也
ほっとしてベットに座った状態の愛子
:08/12/07 00:51 :812SH :☆☆☆
#26 [あお☆まる]
達也は、そんな愛子の
背後にまわり
後ろから抱きしめながら
「今夜、覚えてろよ?」
と怪しく笑うと
愛子から離れ
スーツに着替える
:08/12/07 00:54 :812SH :☆☆☆
#27 [あお☆まる]
「!!!」
…今夜寝れないかも…
「アコも早く着替えろよ。なんなら、手伝ってやろうか?」
:08/12/07 01:05 :812SH :☆☆☆
#28 [あお☆まる]
「だっ大丈夫!」
勢いよく扉を閉めて
用意を始める
今日は特別な日だから
念入りに…
そう今日、
私のお母さんに結婚の許しを貰いに行く
:08/12/07 01:09 :812SH :☆☆☆
#29 [あお☆まる]
お母さんだけじゃなくて
本当はお父さんにも
認めてもらいたい……
だから思い切って
お父さんの事聞いたけど
…お母さんも
お父さんの
居場所どころか
安否すらしらないらしい
なんか…寂しいな
お父さんにも
祝って欲しいって思うのは贅沢なのかな?
:08/12/07 01:15 :812SH :☆☆☆
#30 [あお☆まる]
「アコ?用意出来た?」
「あ…うん。」
「…どうした?」
達也は愛子に近づくと
優しく頭を撫でる
:08/12/07 01:17 :812SH :☆☆☆
#31 [あお☆まる]
化粧台の前の
椅子に座りながら
達也に抱き着く愛子
「…お父さん…どこに居るだろう?って…ちょっと沈んじゃった」
達也はより一層強い力で愛子を抱きしめる
「どこかに居るお父さんに分かるくらい、アコを幸せにするよ。」
:08/12/07 01:22 :812SH :☆☆☆
#32 [あお☆まる]
「うん…」
「だから、俺から離れんなよ?」
と言うと
優しく優しくキスをする
「じゃ、行くか!」
「うん!」
:08/12/07 01:25 :812SH :☆☆☆
#33 [あお☆まる]
>>1 -*感想板*-
見てる人いたら
良かったら感想や
意見等下さい
:08/12/07 01:28 :812SH :☆☆☆
#34 [あお☆まる]
達也の車に乗り込む
付き合う前に初めて達也の車に乗った時は
高そうなアメ車でビックリしたっけ…
でも、最近じゃ
右の助手席に違和感なく座れる自分がいる
先生が…旦那様かぁ…
なんか…くすぐったいな
:08/12/08 09:58 :812SH :☆☆☆
#35 [あお☆まる]
「ね…達也、緊張する?」
「んー…どうだろ。」
「…何よぉ…その気のない返事……」
すると達也は、得意げに笑う
「だって、親御さんに反対されたとしても、俺の嫁さんは…アコしかいないから」
:08/12/08 10:02 :812SH :☆☆☆
#36 [あお☆まる]
“俺の嫁さん”
なんか
そのフレーズが
嬉しくて新鮮で…
余計私の心をくすぐった
「よし。着いた。行くか」
差し出された
その手を迷う事なく取る
:08/12/08 10:07 :812SH :☆☆☆
#37 [あお☆まる]
玄関まで行くと
達也は玄関前で立ち止まる
「…さっきはあんな事言ったけど…流石に緊張してきたな……」
そう言って
苦笑いする達也も
久々に見る
スーツ姿の達也も
全てが特別で…
緊張よりも嬉しい気持ちが勝っちゃうよ
:08/12/08 10:11 :812SH :☆☆☆
#38 [あお☆まる]
「…よしっ。」
気合いを入れなおして
チャイムを鳴らす
ピーンポーン
「…………」
「…………」
:08/12/08 10:14 :812SH :☆☆☆
#39 [あお☆まる]
「……あれ?」
全然出て来る気配がない
どうしたんだろう……
ドアを開ける…と
:08/12/08 10:15 :812SH :☆☆☆
#40 [あお☆まる]
「………え?」
………………………………………………
…どうなってんだ?
目の前には
キスをする男女の姿
:08/12/08 10:17 :812SH :☆☆☆
#41 [あお☆まる]
女の方は…
多分アコの母親……
アコの方を見ると
口を金魚みたいにパクパクさせてる
無理ないよな…
いきなり親のまさかのラブシーンだもんな
:08/12/08 10:19 :812SH :☆☆☆
#42 [あお☆まる]
しかし……
相手のおっさんは誰だ?
「…パパ…」
あぁー…
親父さんかぁ……………
………………
…………………パパ?!
:08/12/08 10:22 :812SH :☆☆☆
#43 [るん☆]
気になるーーーっ
!!
頑張って下さいッ
:08/12/09 20:28 :SH903i :UR1uelUs
#44 [あお☆まる]
……………………………………
【るん☆ 様】
気になっちゃった感じですか?( ´艸`)嬉しいです!更新がんばりまぁす☆良かったら感想板にも遊びに来て下さいね
……………………………………
:08/12/10 01:28 :812SH :☆☆☆
#45 [あお☆まる]
「愛子…!!」
見事なキスシーンを披露したお父さんらしい男の人が愛子に抱き着く
………本当にお父さんだろうな……?
違ってたら殴るな…
「パパぁ!!」
:08/12/10 01:32 :812SH :☆☆☆
#46 [あお☆まる]
嬉しそうに愛子は抱き返す
そんな愛子の頭を撫でる
「大きくなったな…」
……抱き着き過ぎじゃねーか?…お父さんだとしても長すぎだろ…
:08/12/10 01:34 :812SH :☆☆☆
#47 [あお☆まる]
少しイラっとしながら
二人を見ていると
お父さんと目が合う
「……誰?君…」
「初めましてお父さん。アコ…いえ愛子さんとお付き合いさせて頂いております、達也と申します」
:08/12/10 01:36 :812SH :☆☆☆
#48 [あお☆まる]
「…君のお父さんじゃないし。」
「…鈴木達也です。お父さん。」
そう言って笑う達也
しかしその笑顔は引き攣っていて
二人の間に火花が散った様に見えた…
:08/12/10 01:40 :812SH :☆☆☆
#49 [あお☆まる]
:08/12/10 01:43 :812SH :☆☆☆
#50 [めぇ]
気になるぅ〜★
頑張って
:08/12/10 11:56 :911SH :oROULVFs
#51 [あお☆まる]
……………………………………
【めぇ 様】
わぁーー嬉しいです!ありがとうございますヽ(≧∀≦)ノ是非、感想板にも遊びに来て下さいなぁ♪
……………………………………
:08/12/13 03:41 :812SH :☆☆☆
#52 [あお☆まる]
そんな不穏な雰囲気を掻き消してくれたのは
愛子のお母さんだった
「もぉ!クロ!大人げないこと言ってないの!達也さん、とりあえず中にどぉ〜ぞ」
「……クロって…懐かしいな、マリエ」
:08/12/13 03:44 :812SH :☆☆☆
#53 [あお☆まる]
「あ…つい……。」
そうやって言い合う二人は、とても離婚した夫婦には見えなかった
身内じゃない俺から見ても仲がイイ二人だ
なんで離婚したんだ?
:08/12/13 03:46 :812SH :☆☆☆
#54 [あお☆まる]
愛子お母さんの
フォローお陰でやっと
家に入る事が出来た
「はい。お飲みになって?」
そう言って
ちょっとしたお菓子とお茶が出される
:08/12/13 03:54 :812SH :☆☆☆
#55 [あお☆まる]
「あの…これ、つまらない物なんですが…」
菓子折りを、お父さんに向かって差し出すが
こっちを見ようともせず
ただお茶を飲んでいる
「…やっぱり、マリエの入れたお茶はうまいな」
:08/12/13 03:56 :812SH :☆☆☆
#56 [あお☆まる]
……無視ですか?
見兼ねたお母さんが
呆れた顔をしながら、変わりに受け取ってくれる
「…しょうがないんだから……達也君ごめんなさいね?菓子折りわざわざありがとう。」
:08/12/13 03:59 :812SH :☆☆☆
#57 [あお☆まる]
「……本当にパパなんだよね……?」
「うん。…寂しい思いさせて…ごめんな?」
…喋れるじゃんか…
…でも本当に
なんで…今まで一度も
愛子に会いに来なかったんだ……?
:08/12/13 04:02 :812SH :☆☆☆
#58 [あお☆まる]
こんなに
親バカ丸出しなら
例え離婚したとしても、
会いに来てても変じゃないのに…
ってか…二人さっき
キスしてたよな?
なんで…離婚した二人が久しぶりに会ってキス?
俺の頭にハテナマークが無数浮かんだ時
その話しを始めたのは
ずっと口をつぐんでいた
愛子だった
:08/12/13 04:06 :812SH :☆☆☆
#59 [あお☆まる]
:08/12/13 04:11 :812SH :☆☆☆
#60 [あお☆まる]
「パパ……愛子とお母さんの事…愛してる?」
愛子は弱々しく
手に力を入れて一言、一言丁寧に問い掛ける
「あぁ…。お前達の事、心から愛してる」
そう答えた瞳には
嘘は一つもなかった
:08/12/14 13:24 :812SH :☆☆☆
#61 [あお☆まる]
「じゃあ…なんで…」
「愛子、その話しは…」
と母親が言うのを
父親が止める
「いいんだ。マリエ…ちゃんと話さなきゃな」
:08/12/14 13:28 :812SH :☆☆☆
#62 [あお☆まる]
「俺の両親はな、二人共癌でなくなった。そして人を愛する事に臆病になってた俺の前にマリエが現れた。そして愛子が生まれた。そんな時…俺は癌に犯されたんだ」
「え……」
言葉を失う愛子
愛子はその事実を知らなかったらしい
:08/12/15 03:12 :812SH :☆☆☆
#63 [あお☆まる]
少し震えている…
俺は、
そんな愛子の小さい手を
両親にばれないように
テーブルの下で
そっと握った
「俺はお前達に…俺が苦しむ姿を見せたくなかった。死ぬ…姿も。だから、一人家を出て必ず病気を治して戻ると約束したんだ。」
:08/12/15 03:17 :812SH :☆☆☆
#64 [あお☆まる]
「マリエさえよければ、又夫婦としてやり直したい。…いいかな?」
「勿論よ…。だって私は又、クロのお嫁さんになるって信じて待ってたんだから。」
「お母さん…良かったね」
愛子の瞳に涙が溢れる
達也は握った手に力を込めると、愛子も握り返して、そっと微笑む
:08/12/15 03:22 :812SH :☆☆☆
#65 [あお☆まる]
良かった。
愛子が笑ってる
けど…
俺らの結婚話は…?
「今日、愛子泊まっていくだろ?」
「え…?あの…」
ちらっと
俺の様子を伺う愛子
:08/12/15 03:25 :812SH :☆☆☆
#66 [あお☆まる]
「お父さん、その前にお話が…」
「…聞きたくない。それより今日は帰ってくれないか?親子水入らずで過ごしたい」
オロオロと愛子は
俺とお父さんを交互に見る
……この頑固親父めっ
:08/12/15 03:28 :812SH :☆☆☆
#67 [あお☆まる]
「…分かりました。今日は帰ります。けど、明日またくるのでお話はその時に…」
愛子のお父さんは
返事はくれなかったし
最後まで目が合う事もなかった
「…ごめんね、達也…」
:08/12/15 03:30 :812SH :☆☆☆
#68 [あお☆まる]
帰る達也を玄関まで見送りにくる愛子の頭に
ポンと手をおく
「仕方ない。久々なんだろ?…けど楽しいから、ずっと実家に居るとかはなしだからな?」
「ふふ…なんで?」
茶化す様に笑う愛子を、
自分の腕に閉じ込める
:08/12/15 03:36 :812SH :☆☆☆
#69 [あお☆まる]
「アコがいないと禁断症状でる」
「あはは。なにそれ」
「だから…」
体を離すと
触れるだけのキスをする
:08/12/15 03:38 :812SH :☆☆☆
#70 [あお☆まる]
突然のキスに
顔を赤らめる愛子
「禁断症状になる前にアコの補充完了!」
といつもの
悪戯っ子の笑顔で笑う
「もっもう…//」
:08/12/15 03:41 :812SH :☆☆☆
#71 [あお☆まる]
「じゃあ、明日な?」
「うん…。じゃあね」
その日は久しぶりに
ベットに一人で寝た。
布団が妙に冷たくてなかなか寝れなかった
:08/12/15 03:43 :812SH :☆☆☆
#72 [あお☆まる]
:08/12/15 03:44 :812SH :☆☆☆
#73 [あお☆まる]
「えぇー!じゃあそれから一週間も愛子ちゃん帰ってないのぉ??」
五月蝿く喚くこの女は
俺のダチで大塚 麗子
高校の時にコイツの実家のケーキ屋でバイトしてたんだ
「って麗子、来てんだったら少しは手伝えよ」
:08/12/19 01:58 :812SH :☆☆☆
#74 [あお☆まる]
「えぇーー…。面倒」
「だったら帰れよなぁ…俺、開店準備で忙しいんだよ!」
そう、俺は念願のケーキ屋のオープンを半年後に控えていた
:08/12/19 02:12 :812SH :☆☆☆
#75 [あお☆まる]
「…いよいよだね。」
「おう。半分はお前のお陰だから、オープン記念には呼んでやるよ」
「…結婚式はあと三ヶ月後でしょ?もう、お父さん関係なしで愛子ちゃん奪いにいけば?」
俺は作業を止めて
麗子の向かい側の椅子に座る
:08/12/19 02:18 :812SH :☆☆☆
#76 [あお☆まる]
「…んな事できねーよ。アコが…悲しむ」
きっとアコは
誰よりお父さんに
結婚を認めて欲しいって思ってるはずだ
だから……
俺もちゃんとお父さんに
認めて欲しい
:08/12/19 02:21 :812SH :☆☆☆
#77 [あお☆まる]
「ほぉーんと、達也は昔から“愛子馬鹿”だよねぇ……。」
そう呟きながら
紅茶を飲む
「馬鹿ってなんだよ…。って、結婚式秀じい来れそうだって?」
:08/12/19 02:24 :812SH :☆☆☆
#78 [あお☆まる]
秀じぃは
俺が麗子の実家でバイトしてた時に
でよくしてくれた
バイト先の副オーナーだ
今は、オーナーになったらしいけど
あっ、ちなみに
『秀じぃ』っても
じぃさんって訳じゃない
確か、俺の12歳上だから…42?だったかな
:08/12/19 02:32 :812SH :☆☆☆
#79 [あお☆まる]
麗子を見ると
何やら考え事をしてる様だった
「…んで?麗子、秀じぃはなんて言ってたの?」
その言葉に麗子は
体を反応させる
「ひっひっ秀じぃ?!あっ……うっうん…行くって…」
:08/12/19 02:37 :812SH :☆☆☆
#80 [あお☆まる]
「?何顔赤くしてんだ?」
「え?あっ…紅茶のせい…かな…」
「ふぅーん。」
:08/12/19 02:45 :812SH :☆☆☆
#81 [あお☆まる]
俺はテーブルの
コーヒーを一気に飲むと
作業を再開した
「とっとにかく、達也ももう三十路なんだから愛子ちゃん離しちゃだめよ?!」
…分かってるっつーの
でも中々の意地っ張りってか…なんてーか…
はぁ…アコ抱きしめてぇ
:08/12/19 02:49 :812SH :☆☆☆
#82 [あお☆まる]
:08/12/19 02:53 :812SH :☆☆☆
#83 [めぇ]
早く読みたいです!
頑張って!!
:08/12/23 17:22 :911SH :/EeP0oMg
#84 [あお☆まる]
……………………………………
【めぇ 様】
わぁ〜また、またありがとうござます(Pqε`*)
めぇ様の為に頑張って少し多めに更新しますね( ´艸`)
……………………………………
:08/12/27 03:41 :812SH :☆☆☆
#85 [あお☆まる]
達也……
会わなくなって
たったの一週間。
けど、
一緒に住み始めて
こんなに長く会わないのは初めてで……
:08/12/27 03:46 :812SH :☆☆☆
#86 [あお☆まる]
夜に隣に
体温を感じながら寝て
朝には
達也の香で目覚める
話し合って
笑いあったり
目が合って
キスしたり…
:08/12/27 03:48 :812SH :☆☆☆
#87 [あお☆まる]
すごく当たり前に
なっていた
毎日が
今では凄く
恋しい
けど…
お父さんに
認めて貰いたい
:08/12/27 03:51 :812SH :☆☆☆
#88 [あお☆まる]
達也も
認めてもらおう
って、協力してくれてる
けど、お父さんは
一筋縄では行かなくて…
「お父さん、達也さんにちゃんと会って話し聞いて?」
:08/12/27 03:56 :812SH :☆☆☆
#89 [あお☆まる]
「…んな事より愛子!このままこの家に住めばイイじゃないか」
こんな感じで
全然話しを
聞いてくれない
「…お父さん!今日達也さん来るから、ちゃんと会ってよ?」
:08/12/27 04:00 :812SH :☆☆☆
#90 [あお☆まる]
「……」
無言で
そっぽを向く
「〜〜お父さ……「愛子ぉー!買い物行って来て?」
:08/12/27 04:03 :812SH :☆☆☆
#91 [あお☆まる]
「……はーい」
愛子はそのまま
買い物に出掛けた
一人考え込むクロ
:08/12/27 04:09 :812SH :☆☆☆
#92 [あお☆まる]
※クロ=愛子パパ
:08/12/27 04:11 :812SH :☆☆☆
#93 [あお☆まる]
カタン…
クロは音がした
方向を見る
マリエがクロのお茶を
テーブルにおく
「…飲むでしょ?」
:08/12/27 04:14 :812SH :☆☆☆
#94 [あお☆まる]
「あぁ…ありがとう。」
「…クロは愛子のお嫁さん姿を見るのが夢だったんじゃないの?」
「…そうだよ。けど実際現実になるとまだ早いって気持ちになるな…」
:08/12/27 04:17 :812SH :☆☆☆
#95 [あお☆まる]
「ふふふ…。」
マリエは
クロを見ながら笑う
クロは少し
不機嫌な顔をして
マリエを見る
「……なんだよ」
:08/12/27 04:19 :812SH :☆☆☆
#96 [あお☆まる]
「クロは、愛子が大好きなんだなぁーって!本当は…もうちゃんと覚悟出来てるのよね?」
「…結婚をごねるのって最後の親父の我が儘だけど、素直にはやりたくないんだよ。……はぁー」
マリエの手を握る
:08/12/27 04:43 :812SH :☆☆☆
#97 [あお☆まる]
「…マリエの親父もこんな気分だったんかなぁ…」
「ふふふ。そうかもね」
…………………………………………………
:08/12/27 04:45 :812SH :☆☆☆
#98 [あお☆まる]
…お父さん
達也との結婚
認めてくれないのかなぁ
「はぁ……」
達也に会いたいな…
「あーこ」
やばいなぁ…
幻聴まで聞こえてきた
:08/12/27 04:50 :812SH :☆☆☆
#99 [あお☆まる]
そうボーと
思っていたら
いきなり抱きしめられる
「!!」
「無視してんじゃねーよ。こんにゃろ」
:08/12/27 04:52 :812SH :☆☆☆
#100 [あお☆まる]
「あっ、あれ?だって今日来るの夕方じゃあ…」
「…夕方まで、待てなかったんだよ。はぁ……会いたかった」
達也の
抱きしめる腕に
力が入る
:08/12/27 04:55 :812SH :☆☆☆
#101 [あお☆まる]
「……」
黙って達也に
抱きしめられる
久しぶりに嗅ぐ
達也の匂い
とっても安心する
:08/12/27 04:57 :812SH :☆☆☆
#102 [あお☆まる]
「アコ…こっち向いて」
言われたとおり
達也を見ると
両手で顔を包まれる
「たつ…や?」
:08/12/27 05:12 :812SH :☆☆☆
#103 [あお☆まる]
達也の顔が
段々近づいて来る
「!!たつ…や!ここ、家の前っっ」
「…だから?もー無理、黙ってキスされてろ。」
:08/12/27 05:15 :812SH :☆☆☆
#104 [あお☆まる]
:08/12/27 05:30 :812SH :☆☆☆
#105 [ラガ娘]
初めまして∩ω・*
@から読み始めたら止まりませんでしたっ!!
キュン死にです(∩´∀`∩)
めっちゃ好きになったんでこれからも愛読させて下さい( ̄・・ ̄)ャ
:08/12/28 12:27 :822SH :HRxzuxBg
#106 [あお☆まる]
……………………………………
【ラガ娘 様】
嬉しいですヽ(≧∀≦)ノ
@から見てくれたんですね♪
愛読だなんて…願ってもない申し込みです(Pqε`*)宜しくお願いします!
また、意見などあったら感想板に遊びに来て下さいねぇ(●`・ω・)ノ
……………………………………
:09/01/05 21:03 :812SH :☆☆☆
#107 [あお☆まる]
二人の唇が重なりかけた…その時
低い声が響き渡る
「愛子!」
……ま…さ…か……
振り向く
やはり声の主は
愛子パパ…
:09/01/05 21:06 :812SH :☆☆☆
#108 [あお☆まる]
「愛子!ほら、中に入るぞ!」
手を引っ張り
愛子を中へ促す
「パパ!ま…待っ」
:09/01/05 21:09 :812SH :☆☆☆
#109 [あお☆まる]
引っ張られて行く
愛子を後ろから
抱きしめる
「なっ!愛子を離せ」
「…離しません」
:09/01/05 21:13 :812SH :☆☆☆
#110 [あお☆まる]
「…約束します。
愛子さんの笑顔を曇らせる事なく幸せにすると。
だから…愛子さんを俺に下さい。俺には愛子さんが必要なんです。
…だから…決して愛子さんを離しません」
「…達也」
:09/01/05 21:18 :812SH :☆☆☆
#111 [あお☆まる]
それはまるで
二度目の
プロポーズみたいだった
お父さんは
手をそっと離して
こちらを見ずに
「…約束だぞ」
:09/01/05 21:23 :812SH :☆☆☆
#112 [あお☆まる]
そう言うと
一人家に戻って行った
「…結婚許してくれたのかな?」
「きっとね…」
二人で微笑み合う
:09/01/05 21:25 :812SH :☆☆☆
#113 [あお☆まる]
「…さっきの続き」
そう言って
いつもの笑顔を
浮かべると
唇を重ねてくる
久々に
重なり合った唇は
懐かしくて
甘くとても幸せだった
:09/01/05 21:30 :812SH :☆☆☆
#114 [あお☆まる]
その後家に入り
結婚の話を両親にした
お父さんは少し
涙ぐんでて
ちょっぴり
照れ臭そうだった
晴れて二人に
結婚の許しを貰った
:09/01/09 10:33 :812SH :☆☆☆
#115 [あお☆まる]
久しぶりに
二人で家に帰る
「はぁ…一安心だな」
手を繋いでいない手で
ネクタイを緩める
「そうだね」
:09/01/09 10:35 :812SH :☆☆☆
#116 [あお☆まる]
「早く帰って、アコの手料理食いてぇ…」
達也…可愛い
思わず笑う
そんな私の顔を
微笑みながら見る
「…うん。やっぱ隣にアコが居なくちゃな」
:09/01/09 10:38 :812SH :☆☆☆
#117 [あお☆まる]
その言葉に
ますます笑顔になる
「わぁ〜久しぶりの我が家だぁ!」
:09/01/09 10:41 :812SH :☆☆☆
#118 [あお☆まる]
「やっぱり、我が家が1番!だね!…よっし。冷蔵庫何があるかなぁ〜」
と冷蔵庫を
開けて中を見ていると
達也に後ろから
抱きしめられる…
「たっ達也?」
:09/01/09 10:43 :812SH :☆☆☆
#119 [あお☆まる]
「…やっぱり飯やめ」
「へぇ?……きゃっ!」
問い掛けるまもなく
達也に抱き抱えられて
ベットに下ろされる
「…達…也?」
:09/01/09 10:45 :812SH :☆☆☆
#120 [あお☆まる]
そのまま
愛子に跨がる達也
無言でネクタイをはずす
「ご…ご飯は…?」
:09/01/09 10:46 :812SH :☆☆☆
#121 [あお☆まる]
「ご飯よりアコ食いたい。」
「……食べ物じゃありません…」
「抵抗してもダメだからね?俺かなり我慢してたんだから。」
そう言って
怪しい微笑みを浮かべる
:09/01/09 10:49 :812SH :☆☆☆
#122 [あお☆まる]
「たつ……んっ」
言い返す暇もなく
唇を塞がれる
「ん…。たつ…や…」
「…アコ…」
:09/01/09 10:53 :812SH :☆☆☆
#123 [あお☆まる]
達也の
久しぶりに聞く
掠れた声
こんな余裕がない
達也も
掠れたセクシーな声も
歪む顔や体の重みも
全部全部
私だけが知ってる
私だけのもの…
:09/01/09 10:56 :812SH :☆☆☆
#124 [あお☆まる]
頭を撫でられる
感触で目を開ける
:09/01/09 10:59 :812SH :☆☆☆
#125 [あお☆まる]
目を開けると
優しい顔で微笑む達也
「起きた?」
「う…ん。あのまま寝ちゃったんだね」
:09/01/09 11:01 :812SH :☆☆☆
#126 [あお☆まる]
少し気恥ずかしくて
達也と目を合わせれない
「…寒くない?」
達也がぎゅっと
抱きしめる
「…暖かい」
:09/01/09 11:06 :812SH :☆☆☆
#127 [あお☆まる]
「アコ…照れてて可愛かったなぁ〜。久しぶりで恥ずかしかったの?」
からかう風に言うと
抱きしめてる
愛子の顔を覗き込む
「達也のばか…」
:09/01/09 11:10 :812SH :☆☆☆
#128 [あお☆まる]
達也の胸板を
軽く叩こうと手を
上げると
同時にお腹が鳴る
「……ぶはっ。」
「わっ笑わないでよっ!だって昨日何も食べなかったから……達也のせいでしょっ///」
:09/01/09 11:12 :812SH :☆☆☆
#129 [あお☆まる]
「…アコも気持ち良さそうに鳴いてたけど?」
「ばかっ!!///」
「あはははっ。…じゃあ服着て今度こそアコの久しぶりの手料理食べるかぁ!」
:09/01/09 11:16 :812SH :☆☆☆
#130 [あお☆まる]
服を来て
台所に行く
あっ…
そういえば…
「ね、達也」
:09/01/11 17:47 :812SH :☆☆☆
#131 [あお☆まる]
「ん?何?」
ソファーに座って
こちらに顔を向ける
「お店のスタッフってどうするの?私と達也だけ?」
:09/01/11 17:49 :812SH :☆☆☆
#132 [あお☆まる]
「キッチンで一人募集してて、今日面接の予定」
「そっかぁ。イイ子だといいね」
包丁を持って
料理を再開する
:09/01/11 17:52 :812SH :☆☆☆
#133 [あお☆まる]
「店もそーだけど…結婚式の準備もしないとな」
いつの間にか
後ろにいた達也に
抱きしめられる
「悪いな。店のオープンと重なってゆっくり結婚式の話も出来なくて」
:09/01/11 17:54 :812SH :☆☆☆
#134 [あお☆まる]
後ろを振り返って
達也を、抱きしめる
「ううん。達也の夢も私の夢も叶うんだもん。私…幸せだよ!」
顔を上げると
優しい顔で見つめる
達也の瞳に出会う
重なる唇
:09/01/11 17:58 :812SH :☆☆☆
#135 [あお☆まる]
私は瞳を閉じて
幸せを噛み締めていた
:09/01/11 17:59 :812SH :☆☆☆
#136 [あお☆まる]
さてと……
「達也、ここのレイアウトどうする?」
達也と私のお店で
オープン準備
:09/01/11 18:01 :812SH :☆☆☆
#137 [あお☆まる]
「店のレイアウトは厨房以外はアコに任せるよ」
“任せてる”
その言葉が嬉しかった
「分かった!任せて」
:09/01/11 18:03 :812SH :☆☆☆
#138 [あお☆まる]
私はケーキの事とか
専門的な事は
全く分かんないから
こーいう風にでも
達也の役に立てる
それだけでも
嬉しかった
:09/01/11 18:06 :812SH :☆☆☆
#139 [あお☆まる]
カランコロン
お客さんが
入って来るはずがない
店内に鈴の音が響く
振り向くと
高校生くらいの
金髪が特徴的な男の子が
立っていた
:09/01/11 18:09 :812SH :☆☆☆
#140 [みぃちゃん]
:09/01/12 01:10 :W51CA :NtDz48UY
#141 [あお☆まる]
……………………………………
【みぃちゃん】
アンカーありがとうございます!
……………………………………
:09/01/12 04:04 :812SH :☆☆☆
#142 [あお☆まる]
mmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmm
久しぶりにアコと達也を描いてみたら、誰?(゚言゚)
って感じになってしまいました(´_ゝ`)
心の強さにに自信のある人だけ見て下さい。
mmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmao★maru
イチャこき中の二人 [jpg/22KB]
:09/01/12 04:09 :812SH :☆☆☆
#143 [た]
主さんの小説大好きですx
最初からファンです!
これからも頑張って下さい~
絵も楽しみにしてます
:09/01/15 04:21 :auSH37 :wPpnI4Pk
#144 [あお☆まる]
……………………………………
【た 様】
最初からのファン?!(・□・ノ)ノうわぁ〜〜〜プレミアです♪♪←?
私の小説好きって言って頂けて、素直に嬉しいです(〃ω〃)
>>1 良かったら感想板遊びに来て下さいね☆
…………………………………… :09/01/19 04:29 :812SH :☆☆☆
#145 [あお☆まる]
わぁ…金髪だ…
凄く美少年だなぁー
高校生…だよね?
学ランだし
「あ…の?」
怖ず怖ずと
男の子に話しかける
:09/01/19 04:31 :812SH :☆☆☆
#146 [あお☆まる]
「…バイトしたいんだけど」
あぁ!面接の子かな?
「達也!面接の子来た」
厨房から達也が出て来る
:09/01/19 04:33 :812SH :☆☆☆
#147 [あお☆まる]
「?今日の面接予定は女の子のはずだけど…」
首を傾げる達也
「俺、ここで働きたいんだ。何でもするから雇ってくれ!」
:09/01/19 04:35 :812SH :☆☆☆
#148 [あお☆まる]
勢いよく
頭を下げる男の子
すると
又、入口の鐘が鳴る
「……それは困る。だってここの募集って確か、一人でしょ?私、面接に来たんですが」
そう淡々と喋る女の子
凄く白くて綺麗な子だ。
:09/01/19 04:40 :812SH :☆☆☆
#149 [あお☆まる]
「あぁ、深沢 美幸さんだね?…って事でゴメンなー募集は一人なんだよ」
「おい、美幸ってやつ!俺にここ譲ってくれよ!俺…他の所じゃ嫌なんだよ、此処がいいんだ!」
男の子はそう言うと
女の子の両肩に
手をのせる
:09/01/19 04:46 :812SH :☆☆☆
#150 [あお☆まる]
女の子は冷静に
男の子の手を退ける
「私は譲る気はない」
辺りに
微妙な空気が流れる
「…達也…」
:09/01/19 04:48 :812SH :☆☆☆
#151 [あお☆まる]
達也を見ると
片手を腰に当てて
もう片手で頭を、抱えていた
そして何か思いついた様に顔をあげる
「よし。決めた!」
:09/01/19 04:51 :812SH :☆☆☆
#152 [あお☆まる]
「何…を?」
「二人共とる。美幸ちゃんは経験者だから厨房。君は未経験だろ?だからホール担当。いい?アコ」
男の子がバッと
私を見る
その瞳はキラキラしてて
“ダメ”だなんて
………とても言えない
:09/01/19 04:55 :812SH :☆☆☆
#153 [あお☆まる]
こうして
アルバイトが二人に
決まった
厨房:深沢 美幸さん
25歳
ホール:田口 遊馬
16歳
賑やかになりそう
:09/01/19 04:58 :812SH :☆☆☆
#154 [あお☆まる]
……………………………………
【訂正とお詫び】
すっごく今更ですが
間違いが発覚(゚言゚)!!
●結婚まで半年
●オープンまで三ヶ月
でお願いします。今更すみまそん(σ_σ;)
……………………………………
:09/01/19 05:28 :812SH :☆☆☆
#155 [あお☆まる]
それから二ヶ月後
美幸ちゃんと
遊馬くんに働いてもらう
オープンはまだだけど
準備などを合わせて
オープン一ヶ月前から
店に来てもらう事にした
:09/01/23 22:56 :812SH :☆☆☆
#156 [あお☆まる]
美幸ちゃんは、
年上なだけあって
凄く大人。
美人だし魅力的な人
「深沢、ちょっと」
達也は美幸ちゃんと
ケーキなどの相談
ちょっと…嫉妬
:09/01/23 23:00 :812SH :☆☆☆
#157 [あお☆まる]
「おい!愛子!!」
「あ、遊馬くん…」
遊馬くんは、
若いだけあって
凄く元気な男の子。
「遊馬くん、呼び捨てじゃなくて鈴木さんとかさ……」
:09/01/23 23:04 :812SH :☆☆☆
#158 [あお☆まる]
「えぇ〜〜〜だって、そんな歳変わんないだろ?さん付けなんて堅苦しい」
「…私、23歳なんだけど」
「ぷはっ!愛子って童顔なぁ!!」
「遊馬くんは犬みたい」
:09/01/23 23:07 :812SH :☆☆☆
#159 [あお☆まる]
「あぁ!よく言われる!」
笑顔で答える遊馬くん
少し拗ねて
意地悪言ったのに
笑顔で返されちゃった…
本当に犬みたい
思わず笑ってしまった
:09/01/23 23:10 :812SH :☆☆☆
#160 [あお☆まる]
「………」
ん?何か、
遊馬くん顔が赤い?
「遊馬くん?」
「!」
「顔赤いけど…」
「な、何でもねぇーよ!ってそれより、コレどーすんだよ」
:09/01/23 23:14 :812SH :☆☆☆
#161 [あお☆まる]
「あぁ…コレね。こっちに飾ろうかなーって」
遊馬くんと二人で
ホール関係って
決まった時は
ちょっと不安だったけど
うまくやってけそう!
:09/01/23 23:18 :812SH :☆☆☆
#162 [あお☆まる]
:09/01/23 23:20 :812SH :☆☆☆
#163 [あお☆まる]
「ふぅ…」
ちょっと疲れたなぁ
って思ってたら
達也がケーキと紅茶を
運んできた
「休憩しよ」
:09/01/24 17:54 :812SH :☆☆☆
#164 [あお☆まる]
「うん!遊馬くーん!休憩だって」
外の掃除中の
遊馬くんを呼びに行く
まだまだ寒い2月だから
鼻が少し赤くなってる
「ごめんね?寒い?」
「…平気」
:09/01/24 17:58 :812SH :☆☆☆
#165 [あお☆まる]
「達也がケーキと紅茶用意してくれてるから、早く中入ろう!」
「ケーキ?!」
ケーキ好きなのかな?
何か、尻尾が見える
「おい!愛子!早く行くぞっ!ケーキ、ケーキ」
「ふふ…はいはい。」
:09/01/24 18:03 :812SH :☆☆☆
#166 [あお☆まる]
何か、ペット……
じゃない
弟が出来たみたい
無邪気で、可愛いな
:09/01/24 18:04 :812SH :☆☆☆
#167 [あお☆まる]
「うっわぁ〜〜〜〜〜〜すっげぇ!!!!」
遊馬くんの目が輝く
確かに凄い。
色とりどりの美味しそうなケーキが並ぶ
「店に出すやつの試作品。感想聞かせて」
:09/01/24 18:12 :812SH :☆☆☆
#168 [あお☆まる]
「そっかぁ!この中から店に出すの決めるんだね」
「そーゆう事!」
「うっめぇーー!!」
「うめぇーだけじゃ、感想にならない。試食の意味がないわ。」
:09/01/24 18:17 :812SH :☆☆☆
#169 [あお☆まる]
そっそっか…
ただ食べて美味しい
だけじゃダメだよね…
「なんだよ!美味いってのも感想の一つだろ!」
「…微妙な味も分からない人に意見求めても無駄だったみたい」
「おい!深沢!買うお客さんだって専門的な事考えて買う訳じゃないんだ。素直な感想だって意味はあるよ。遊馬、ありがとな」
:09/01/24 18:30 :812SH :☆☆☆
#170 [あお☆まる]
「深沢、味の事は俺らで決めていこう。な」
「…はい。すみませんでした」
俯く美幸ちゃんの頭を
軽く撫でる達也
美幸ちゃん
少し言い方はキツイけど
一生懸命な子なんだな
けど少し嫉妬しちゃう
:09/01/24 18:37 :812SH :☆☆☆
#171 [あお☆まる]
あの手が、
触れたり撫でるのは
私だけだと
勝手に思ってたから…
結局私は
ケーキの感想も
意見も出せなくて
改めて
自分のふがいなさに
落ち込んだ
:09/01/24 18:41 :812SH :☆☆☆
#172 [あお☆まる]
私はちゃんと
達也の役に立ててる?
:09/01/24 18:43 :812SH :☆☆☆
#173 [x漣x]
最初から読ませてもらいました「
楽しいです
感動涙ぽろり的なmx 続きが楽しみです 頑張って下さいII
:09/01/24 20:42 :W61CA :Qxt1XKuk
#174 [あお☆まる]
【漣 様】
……………………………………
コメントありがとうございますヽ(≧∀≦)ノ
最初から見て下さったみたいで!嬉しい限りです(つ∧`。)
こんな私を引き続き応援してくれたら嬉しいです!またコメント下さい♪
>>1 感想板
……………………………………
:09/01/26 00:38 :812SH :☆☆☆
#175 [あお☆まる]
「はぁ…」
「…何ため息ついてんの?」
「あ…遊馬くん」
私知らないうちに
ため息ついてたんだ…
「ううん。なんでもない」
:09/01/26 00:41 :812SH :☆☆☆
#176 [あお☆まる]
「ふーん…」
俯く私に
遊馬くんが鼻を摘む
「へ?ゆっ遊馬くん?」
「鼻に汚れ!ほら、」
:09/01/26 00:44 :812SH :☆☆☆
#177 [あお☆まる]
「あっ本当!」
遊馬くんの指先は
黒く汚れてた
「な?」
そう言って
得意気に
その指で鼻を擦る
:09/01/26 00:50 :812SH :☆☆☆
#178 [あお☆まる]
「あっ…」
遊馬くんの
鼻の下が黒く汚れる
「遊馬くん、鼻っ!あはは。」
遊馬くんの鼻を
刺して笑う
:09/01/26 00:53 :812SH :☆☆☆
#179 [あお☆まる]
遊馬くんを見ると
優しく微笑んでいた
「…?」
「うん。愛子はさ、笑顔のがいーよ!」
「…え」
:09/01/26 00:55 :812SH :☆☆☆
#180 [あお☆まる]
「よし!ここ終わったら今日はもう帰れるんだろ?」
「あ…うん。」
「早く終わらせて帰ろーうぜ!」
「うん。」
:09/01/26 00:57 :812SH :☆☆☆
#181 [あお☆まる]
もしかして…
遊馬くん、わざと?
私を元気づけるために?
…うん。
少し元気でた
オープンに向けて
頑張らなきゃね!
:09/01/26 01:02 :812SH :☆☆☆
#182 [奈緒]
<Div Align="center">1から先生シリーズ
今までの全部読みました…!
ドSな先生に胸キュンです!笑
でも個人的にわ番外編の方で
一樹に惚れました//笑
絵も想像通りで…。
スッカリ小説のファンに…笑
これからも自分のペースで
頑張って書いてください!
めちャくちャ楽しみにしてます!笑
:09/01/26 06:17 :N701i :KiMzo7dQ
#183 [あお☆まる]
【奈緒 様】
……………………………………
コメント&ご愛読ありがと
うございます!(人μωμ)
おや、一樹ファン?! …かなり貴重ですよぉー笑
これからも、応援お願いし
ますねぇ!是非感想板にも
遊びに来て下さい(≧∀≦)ノ
……………………………………
:09/01/26 16:57 :812SH :☆☆☆
#184 [あお☆まる]
片付けが終わって
達也に報告しに
厨房に入る
「達也…」
「…なに?」
達也…
何か、機嫌悪い?
「あの、片付け終わったから遊馬くん帰していい?」
:09/01/26 18:02 :812SH :☆☆☆
#185 [あお☆まる]
「うん。アコも帰っていいから」
「え…?でも」
「居ても、してもらう事ないし。帰ってて」
「…分かった」
…達也?どうしたの?
私が、ケーキ食べた時
意見言えなかったから?
:09/01/26 18:06 :812SH :☆☆☆
#186 [あお☆まる]
「…じゃあ、先帰るね」
達也はこちらを見ず
後姿のまま手を振った
その背中がとても
冷たく感じた
「愛子…?」
:09/01/26 18:09 :812SH :☆☆☆
#187 [あお☆まる]
振り向くと
そこには、心配そうに
見つめる遊馬くん
「…あ、もう帰っていいって!帰ろうか!」
「…おう。歩いて帰るなら、一緒に帰ろうぜ」
:09/01/26 20:49 :812SH :☆☆☆
#188 [あお☆まる]
「あ…でも。」
「外、結構暗いし!な!じゃあ、店長さんお先に」
「…お疲れ様」
結局一度も
達也はこっちを
振り返り向く事はなかった
:09/01/26 20:53 :812SH :☆☆☆
#189 [あお☆まる]
遊馬くんと
二人っきりの帰り道
私の瞼には
冷たい達也の背中
「なぁ、愛子!」
「え?何…?」
:09/01/26 21:00 :812SH :☆☆☆
#190 [あお☆まる]
「愛子って、店長と結婚してんの?」
「…結婚はしてない。けど、もう少しでする予定だよ」
「ふーん…。上手く言ってないの?」
「な、なんで?」
:09/01/26 21:09 :812SH :☆☆☆
#191 [あお☆まる]
遊馬くんに
図星をつかれた気がして
思わず、
伏せてた顔を上げる
と、遊馬くんの
真剣な瞳と目が合う
その瞳から
逃げれないでいると
遊馬くんの手が
愛子の頬に延びる
:09/01/26 21:13 :812SH :☆☆☆
#192 [あお☆まる]
「ど、どうしたの?!」
「こっちの台詞だよ。愛子、さっきと同じ顔してるよ」
…手が頬に触れる
思わず胸が鳴る
達也の手じゃやないのに
:09/01/26 21:17 :812SH :☆☆☆
#193 [あお☆まる]
【 訂正 】
……………………………………
×じゃやないのに
○じゃないのに
美幸と遊馬描いてみました
良かったら見てみて下さい
……………………………………
美幸と遊馬(犬) [jpg/26KB]
:09/01/26 21:20 :812SH :☆☆☆
#194 [あお☆まる]
「愛子…」
真剣な瞳が近づく
金縛りにあったみたいに
体が動かない
何か喋らなきゃ…
そう思ってたら
不意に、頬の手が遠退く
:09/01/28 23:34 :812SH :☆☆☆
#195 [あお☆まる]
「さ、寒いから早く帰ろうっか!」
顔をあげると
そこには、
いつもの犬みたいな
笑顔の遊馬くん
…何か、一瞬何時もの
遊馬くんじゃない気がしたのは
気のせい…かな?
:09/01/28 23:38 :812SH :☆☆☆
#196 [あお☆まる]
遊馬くんとわかれて
家に帰るけど、
やっぱり達也はいない
「…ただいま」
暗闇にこだまする声は
妙に響いて
余計寂しくなった
:09/01/28 23:43 :812SH :☆☆☆
#197 [あお☆まる]
…………………………………………
「よし。今日は終りにすか。」
「はい。でわ、お先に」
出て行きそうな
美幸の腕を、掴む
「あ、おい。遅くなったから送ってくよ」
:09/01/29 00:11 :812SH :☆☆☆
#198 [あお☆まる]
「…でも」
「女の子は素直に男に甘えればいーんだよ。ちょっとまってて、戸締まりしてくる」
「…はい」
達也が居なくなった厨房で美幸は
達也に掴まれた腕を
微かに微笑みながら
見つめていた
:09/01/29 00:15 :812SH :☆☆☆
#199 [ラガ娘(∩ω・*)]
:09/01/29 14:36 :822SH :sRqBsWDc
#200 [あお☆まる]
【 ラガ娘 様 】
……………………………………
嬉しいです(Pqε`*)
気になりますか?
私の罠に引っ掛かって
ますねぇ(´_ゝ`)笑
これからも応援
お願いします!!(人μωμ)
……………………………………
:09/01/30 02:32 :812SH :☆☆☆
#201 [あお☆まる]
「お待たせ。じゃあ行こうか!」
「…はい。」
…………………………………………………
家に着くと
部屋の明かりが
まだ消えずに付いていた
:09/01/30 02:35 :812SH :☆☆☆
#202 [あお☆まる]
アコ…
まだ起きてるのか?
玄関の鍵を閉めて
居間に向かうと
愛子がテーブルに
俯せになった状態で寝ていた
テーブルには
手付かずの料理が
ラップをかけた状態で
キレイに並んでいた
:09/01/30 02:38 :812SH :☆☆☆
#203 [あお☆まる]
「…待ってたのか」
愛子の頭を
起こさない様に
優しく撫でる
そしてそのまま
割れ物を扱う様に
そっと抱き抱えると
寝室に運ぶ
寝室のベットに寝かすと
愛子が寝返りをうつ
:09/01/30 02:41 :812SH :☆☆☆
#204 [あお☆まる]
達也は愛おしむ様に
愛子の頭を撫でる
「ん……つ…や」
起きたか?
顔をそっと覗き込むと
寝言だったのか
笑いながら
口を動かしていた
:09/01/30 02:45 :812SH :☆☆☆
#205 [あお☆まる]
「…クス。何か食べてんのか?幸せそーに…」
寝ている愛子の頬に
キスを一つ落とすと、
ベットに入り
愛子を抱きしめる
「…はぁ。俺も相当、独占欲強いよな…」
:09/01/30 02:47 :812SH :☆☆☆
#206 [あお☆まる]
今日、アコを呼びに
ホールに出た時
アコと遊馬が
はしゃいでたのを見て
嫉妬した
だって…
あの笑顔は
俺にだけに見せる
俺だけの笑顔だと
思ってたから
:09/01/30 02:52 :812SH :☆☆☆
#207 [あお☆まる]
それに…あいつ
遊馬は
アコが好きだ
まぁ、まだ
好きじゃないにしろ
アコを女として見てる
:09/01/30 02:54 :812SH :☆☆☆
#208 [あお☆まる]
俺はアコの婚約者だし
気にしなけりゃいい
俺達の間に
他人が入る隙間なんて
ないんだし
けど…たったこれだけで余裕がなくなるなんて
俺もまだまだだな…
:09/01/30 02:57 :812SH :☆☆☆
#209 [あお☆まる]
……………………………
「う〜ん」
目を開けると
目の前には達也の顔
あれ…?私昨日…
もしかして、
達也が運んでくれたの?
:09/01/30 17:14 :812SH :☆☆☆
#210 [あお☆まる]
すっぽりと
達也の腕の中に
納まったまま
しばらく、
達也の寝顔を見ていた
…幸せ。
昨日の不安が
溶けていく気がした
:09/01/30 17:17 :812SH :☆☆☆
#211 [あお☆まる]
達也の寝顔が
あんまり可愛いから
思わず、キスを落とす
おでこに、頬に、
そして、唇に…
すると、
達也の頬に添えていた
手が掴まれる
:09/02/02 01:04 :812SH :☆☆☆
#212 [あお☆まる]
「そんなに、キスされたら俺我慢出来ないよ?」
妖しく笑う達也
頬が一気に赤く染まる
「おっ、起きてたの?」
「あんなに情熱的なキスされたら…ね?」
:09/02/02 01:07 :812SH :☆☆☆
#213 [た]
あげ><
:09/02/04 23:51 :auSH37 :mGcl1qTU
#214 [ゆう]
更新してください(>_<)ャ
:09/02/10 20:34 :912T :qsbPCPqw
#215 [純麗]
あげ(o>ω<o)
:09/02/11 23:29 :N905i :JpIfd3No
#216 [ちくわ]
待ち遠しい‥
:09/02/12 16:15 :N02A :L2HxpS2M
#217 [しぃ]
メッチャはまりました
ホントに達也さんみたいな男性がいたら惚れちゃいますね
私も愛子ちゃんになりたい
作品頑張って更新してください
待ってますよ
:09/02/12 21:52 :SH904i :5C9kmkX6
#218 [あお☆まる]
……………………………………
>>213 【た 様】
あげありがとうヽ(≧∀≦)ノ
>>214 【ゆう 様】
ちょこっと更新します!良かったら見て下さいね。
>>215 【純麗 様】
あげ、ありがとうございます!(゚∀゚*)
>>216 【ちくわ 様】
お待たせしました!
>>217 【しぃ 様】
楽しんで頂けて光栄です(人μωμ)あんな、変態くんでよければ…差し上げます!笑
…………………………………… :09/02/13 02:10 :812SH :☆☆☆
#219 [あお☆まる]
>>212 「もっもう!起きてるなら、起きてるって言ってよ」
「えー?だってアコからキスしてくるの珍しいから、されてたかったんだよ」
そう言うと、
抱きしめられる
:09/02/13 02:14 :812SH :☆☆☆
#220 [あお☆まる]
「…昨日、遅かったの?」
「うん。メニューの事とか話してたら結構遅くなった」
「そっか…」
その後、
暖かい布団から出て
今日も達也の車で
お店に向かう
:09/02/13 02:17 :812SH :☆☆☆
#221 [あお☆まる]
車に乗った時に
少し覚える違和感
座席の位地が
昨日と違う……
昨日、この車に、
美幸ちゃんを乗せたの?
:09/02/13 02:19 :812SH :☆☆☆
#222 [あお☆まる]
…そ、そうだよね
昨日遅くまで
店にいたんだもん
女の子だし、
送って行くよね。普通
どんなにそう思っても
何故か私のモヤモヤは、
心の中に広がり
今朝、達也の腕の中で
無くなったはずの不安は
より一層大きくなる
:09/02/13 02:23 :812SH :☆☆☆
#223 [あお☆まる]
「アコ?車出すぞ?シートベルトしろ」
「あ…う、うん。」
慌ててシートベルトを
締めると、
達也が頭に手を
ポンと置く
「よく、出来ました。」
:09/02/13 02:26 :812SH :☆☆☆
#224 [あお☆まる]
そして、軽く
触れるだけのキスをして
車を走らせた
私は唇に残された
達也の温もりを確かめながら
窓から見える
流れる景色を見ていた
:09/02/13 02:29 :812SH :☆☆☆
#225 [あお☆まる]
私は達也の奥さんになるんだから…
こんな些細な事で
不安になってちゃ駄目だよね
私は…達也を信じてる
:09/02/13 02:30 :812SH :☆☆☆
#226 [ゆう]
いつでも見ますよ(o^-')b
頑張ってくださいE
:09/02/13 23:04 :912T :e.AaezQs
#227 [あお☆まる]
【 ゆう 様 】
……………………………………
見られ過ぎたら、
穴が開いちゃう(*/∀\*)笑
なんて言いつつ、かなり嬉しいです!ありがとうございます
……………………………………
:09/02/14 00:11 :812SH :☆☆☆
#228 [あお☆まる]
今日も、何時もの様に
ホールの片付けや
装飾などは
私と遊馬くん担当。
美幸ちゃんと達也は
厨房にこもってる
:09/02/14 00:13 :812SH :☆☆☆
#229 [みぃ]
いつも読んでます
更新大変だと思いますががんばってねください
:09/02/14 12:46 :830SH :e/gm8FBg
#230 [あお☆まる]
【 みぃ 様 】
……………………………………
い、癒されるぅ…(Pqε`*)
応援してくれてるのに、
更新遅くてすいません↓
今日は、元気なので、更新
頑張りまぁーすヽ(≧∀≦)ノ
……………………………………
:09/02/15 20:02 :812SH :☆☆☆
#231 [あお☆まる]
ちょっと気になる
…って、
仕事してるだけだって!
さっき信じるって
確認したばっかりなのに
…なんか駄目だなぁ
:09/02/15 20:04 :812SH :☆☆☆
#232 [あお☆まる]
「ぷっ。何それ、百面相?」
遊馬くんが
からかうように
私の顔をのぞき見る
「…へ?」
やだ。私、顔に出てた?
:09/02/15 20:06 :812SH :☆☆☆
#233 [あお☆まる]
「愛子はすぐ顔に出るな!」
「遊馬くんが鋭いんだよ」
そう言うと
遊馬くんの顔が、少し真面目な顔になる
「…愛子の事、よく見てるからね。」
:09/02/15 20:10 :812SH :☆☆☆
#234 [あお☆まる]
それって……
その時
達也の休憩コールが、聞こえた
「…えっと、行こうか?」
「…おう。」
:09/02/15 20:13 :812SH :☆☆☆
#235 [あお☆まる]
今日も、試作品と
紅茶を用意してくれた
今日こそ感想言わなきゃ
そう思ってたけど
さっきの遊馬くんが
気になって
味が分かんなかった
:09/02/15 20:16 :812SH :☆☆☆
#236 [あお☆まる]
「…どう?アコ」
達也の声で現実に戻る
感想…言わなきゃ
「とっても美味しい!」
「…本当?俺は、このショコラケーキ何か足らない気がするんだよな」
あ…間違えた…?
:09/02/15 20:20 :812SH :☆☆☆
#237 [あお☆まる]
少しの間が流れると
綺麗に黙々と
ケーキを食べていた
美幸ちゃんがフォークを置く
「これに、オレンジピールを入れて見たら味が引き締まると思います。」
:09/02/15 20:23 :812SH :☆☆☆
#238 [あお☆まる]
「あぁ、いいかもな。よし!試してみようか!」
「はい。」
美幸ちゃん…
やっぱり凄いな。
美幸ちゃんの方を見ると
少し頬を赤らめていた
……え?
美幸ちゃん…?
:09/02/15 20:25 :812SH :☆☆☆
#239 [あお☆まる]
まさか、ね…
そう思っても
またあの嫌な感情が
心を締め付ける
私って子供だな…
つくづく嫌になる。
:09/02/15 20:28 :812SH :☆☆☆
#240 [あお☆まる]
そんな時、
遊馬くんが口を開く
「えぇ〜俺もすっごい美味いと思ったんだけどなぁ!でも、オレンジピーレだっけ?それも楽しみ♪」
「あはは。遊馬は、現金なやつだなぁー。」
遊馬くんのお陰で
少し心が軽くなった
:09/02/15 20:31 :812SH :☆☆☆
#241 [あお☆まる]
隣に座る
遊馬くんを見ると
小声で
「顔に出てたぞ。」
って言われた。
あ…もしかして
落ち込んでた私に
気を使って、ああ言ってくれたの??
:09/02/15 20:35 :812SH :☆☆☆
#242 [ちくわ]
:09/02/18 22:07 :N02A :oGfFBvT.
#243 [あお☆まる]
【 ちくわ 様 】
……………………………………
毎度、更新遅いのに
上げて頂いて、あり
がとうございます!
更新、頑張りまぁー
す(●`・ω・)ノ
……………………………………
:09/02/20 01:05 :812SH :☆☆☆
#244 [あお☆まる]
なんでそんなに
優しいの?
少し泣きそうになった
私…本当に弱いな
:09/02/20 01:07 :812SH :☆☆☆
#245 [あお☆まる]
それからオープンまで
何事もなく
ただ、ただ忙しい毎日
とうとう
オープンセレモニー
当日を迎えることになった
今日は、
お世話になった人達や
親しい人だけ呼ぶ
:09/02/20 01:09 :812SH :☆☆☆
#246 [あお☆まる]
忙しさのせいか
遊馬くんのお陰か
最近は、嫌な事を
考えなくてすんだ…
けどそれは
ただ逃げてたのかも
:09/02/20 01:15 :812SH :☆☆☆
#247 [あお☆まる]
「やっほぉ!オープンおめでとう!」
「あ、麗子さん!…と?」
麗子さんの隣には
綺麗な恰好をした、
年上のかっこいい凄く紳士そうな男性
「これは、自己紹介が遅れました。私は、昔、達也さんと一緒に働いていた秀人と申します。」
:09/02/20 01:20 :812SH :☆☆☆
#248 [あお☆まる]
「あ!秀じぃ?!」
思わず、そう答えてしまった。
後から、しまった!
と口元を手で隠す
そんな私に、秀じぃは
優しく微笑む
「麗子さまに聞いていたとおり、とても魅力的なお嬢様ですね。秀じぃでかまいませんよ。そちらの呼び名の方が性に合ってます」
:09/02/20 01:25 :812SH :☆☆☆
#249 [あお☆まる]
大人な秀じぃに
思わず頬が赤く染まる
「あ、あの、達也を呼んできますね!」
厨房に行くと
話し込んでる美幸ちゃんと達也の姿
:09/02/20 01:29 :812SH :☆☆☆
#250 [あお☆まる]
達也を見る
美幸ちゃんの顔は
穏やかで見た事もないくらい可愛かった
その顔に確信する
美幸ちゃんは
達也が好きなんだ…
:09/02/20 01:40 :812SH :☆☆☆
#251 [あお☆まる]
「た、達也!」
「ん?どうした?」
「…麗子さんと秀人さんが見えてるけど…」
「お!そうか!」
そう言って
私の所に来てくれた
ほっとする自分が
とっても嫌だった…
:09/02/20 02:25 :812SH :☆☆☆
#252 [あお☆まる]
「あ…美幸ちゃんも、顔出しに来ない?」
「いえ…。私はここに。」
「分かった。じゃあ…お願いね」
私は、達也と二人で
店に戻る
「おっそいわよ!!達也、いつまで待たせる気?」
:09/02/20 02:28 :812SH :☆☆☆
#253 [あお☆まる]
「店長〜この人かなり酔ってて大変だったんすから!どうにかしてください!」
麗子さんの相手を
してくれていた遊馬くん
結構手を焼いたみたい
「遊馬くんありがとう」
こそっとお礼を言うと
いつもの笑顔で答えてくれた
:09/02/20 02:31 :812SH :☆☆☆
#254 [あお☆まる]
「ケーキ屋のオープンセレモニーで泥酔するか?普通。はぁ…。アコ、俺こいつ送ってくよ」
と言って麗子さんの
腕を持って
体を支えようとする
しかしそれを
秀人さんが止める
「…達也さん。私が麗子さまをお送りします。」
:09/02/20 02:35 :812SH :☆☆☆
#255 [あお☆まる]
「秀じい…でも」
「まだセレモニーの途中でしょ?大丈夫ですよ。“私が”麗子さまをお送りします」
にこりと笑う秀じぃ
けどその微笑みは
最初のものとは違う気がする
…あれ?
もしかして秀じいって
麗子さんを…?
:09/02/20 02:38 :812SH :☆☆☆
#256 [あお☆まる]
私のその
淡い期待が当たるのは
もう少し後の事だ
なんだか色々あったけど
セレモニーは
順調に終わっていった
明日は休みで
その次の日にいよいよ
お店のオープンになる。
:09/02/20 02:41 :812SH :☆☆☆
#257 [あお☆まる]
朝起きると
すでに横には達也は
居なかった
休みなのに
もう起きてるの?
ゆっくりと体を起こす
:09/03/03 01:25 :812SH :☆☆☆
#258 [あお☆まる]
居間に向かう
けど、達也はいない
あれ?いない?
あ、もしかして…
私は、達也がいつも
仕事をしたりするのに
使っている部屋に向かう
案の定達也の姿があった
:09/03/03 01:29 :812SH :☆☆☆
#259 [あお☆まる]
達也は何かを
真剣に書いていて
こちらには
気付いていない
なに…してるんだろう
ケーキの試作品でも
考えているのかな?
:09/03/03 01:31 :812SH :☆☆☆
#260 [あお☆まる]
そう思って、
体を動かし様子を
伺っていた私の気配に
達也は気付いて
その書いていた紙を
慌てて隠す
「あ、アコ?!」
:09/03/03 01:33 :812SH :☆☆☆
#261 [あお☆まる]
「何書いてたの?ケーキの試作とか考えてたなら、私見たい!」
その問いに、
言葉を濁す達也
「…アコは見なくていいから。気にしないで」
そう言って
その紙を見えない様に折ると、オレンジ色のクリアファイルに入れる
:09/03/03 01:37 :812SH :☆☆☆
#262 [あお☆まる]
「俺、ちょっと出てくる」
「え?何処に?」
「すぐ帰るから」
そう言って
達也は、行き先を告げず
何処かに出て行ってしまった
:09/03/04 17:17 :812SH :☆☆☆
#263 [あお☆まる]
達也はその後
確かに早く帰って来たけど
その行動は私の心に
小さな、
不安の種を植た
そんな小さな不安を
抱えたまま
いよいよ、お店の
オープンを迎える
:09/03/04 17:21 :812SH :☆☆☆
#264 [あお☆まる]
オープンは
中々のお客さんの入りで
設定していた
売り上げ目標も上げる事が出来た
「沢山お客さん来て良かったな!」
いつもの
無邪気な笑顔の遊馬くん
:09/03/06 01:08 :812SH :☆☆☆
#265 [あお☆まる]
遊馬くんの無邪気な笑顔に癒される
「そうだね。これからもっと増えればイイね」
自然と笑顔が出る
心の中が少し
温かくなっていくのを
感じた
:09/03/06 01:11 :812SH :☆☆☆
#266 [あお☆まる]
店の片付けや
レジ締めも終わり
達也を呼びに厨房に入る
すると、達也と美幸ちゃんが何か話していた
「達也…?」
:09/03/06 01:13 :812SH :☆☆☆
#267 [あお☆まる]
二人は
私の存在に気付くと
さっきまで話していた
会話をピタリとやめる…
私に聞かれたら
ダメな話しなの…?
「あの、仕事終わったんだけど…。」
:09/03/06 01:15 :812SH :☆☆☆
#268 [あお☆まる]
「そう。じゃあ、二人上がってイイよ。」
「…私、達也が終わるの待ってていい?」
そう言うと
困った様子でこちらを見る達也
「…ちょっと、美幸とケーキの事で詰めた話ししたいし、遅くなるから。先帰ってて」
:09/03/06 01:18 :812SH :☆☆☆
#269 [あお☆まる]
「…分かった」
私、上手く笑えてる?
胸がざわめく
だって…
美幸ちゃんの呼びかたが
【深沢】から、
【美幸】に変わってた
:09/03/06 01:20 :812SH :☆☆☆
#270 [あお☆まる]
ただそれだけ
けど、私には
大きな変化だよ…
「愛子?どうした?」
遊馬くんが私の顔を
覗き込む
:09/03/06 01:22 :812SH :☆☆☆
#271 [あお☆まる]
「…な、なんでも。帰ろうっか!」
「…二人はまた残るの?」
「う、うん」
遊馬くんは、ふぅーん
て言うと厨房の方を見る
「まぁイイや。帰ろうか」
:09/03/06 01:25 :812SH :☆☆☆
#272 [あお☆まる]
暗い夜道を
遊馬くんと並んで帰る
「愛子、」
「ん?なに?」
振り返ると
真剣な顔の遊馬くん
「店長と上手く行ってないの?」
:09/03/06 01:32 :812SH :☆☆☆
#273 [あお☆まる]
「…なっなんで…。
前も言ってたけど、私たち結婚するし、上手くいってなくなんてないっ」
思わず声がでかくなる
「…俺にはそうは見えない。俺は、愛子が幸せになるならイイって思ってた……けど………」
そう言うと、遊馬くんに
腕を掴まられる
:09/03/06 01:37 :812SH :☆☆☆
#274 [あお☆まる]
またあの目だ
前もこの目に捕らえられて動けなくなった
真剣な切ない瞳に
捕らえられそうになる
掴まれた腕
その手の力が強くなった時
聞き慣れた声が響く
:09/03/06 01:41 :812SH :☆☆☆
#275 [あお☆まる]
「愛子ちゃーん!」
その声に反応した様に
遊馬くんがパッと
手を離す
「れ、麗子さん。」
「あら?こないだの…」
「遊馬です。…じゃあ、用が有るみたいだし俺は先に帰るね。またね、愛子」
:09/03/06 01:47 :812SH :☆☆☆
#276 [あお☆まる]
「あ、うん。また明日ね」
そう言って
遊馬くんの背中を見送る
「…あのこ…」
「え?」
「ううん。少し…話せる?ちょっと気になる事があって」
:09/03/06 01:52 :812SH :☆☆☆
#277 [あお☆まる]
「…話し?」
「達也と、美幸って子だったけ?
その事でちょっとね…。まぁ、まずファミレスでも入ろう!ね!」
「…は、はい」
達也と
美幸ちゃんの話し?
麗子さんの顔から
あんまりよくない話しな気がする
:09/03/06 01:58 :812SH :☆☆☆
#278 [あお☆まる]
麗子さんに促され
近くのファミレスに入る
飲み物を注文して
届くまで少しの沈黙…
「お待たせしました〜」
注文した飲み物に
口をつける
:09/03/09 00:33 :812SH :☆☆☆
#279 [あお☆まる]
麗子さんを見ると
難しい顔をしている
「あの…話しって?」
こちらを見る麗子さんの
眼差しが真剣すぎて
胸が張り裂けそうになる
:09/03/09 00:35 :812SH :☆☆☆
#280 [あお☆まる]
「セレモニーの次の日って、店休みだったでしょ?」
「…昨日の事ですか?」
「そう。私、見たのよ」
その言葉に
胸が締め付けられる
…まさか
:09/03/09 00:37 :812SH :☆☆☆
#281 [あお☆まる]
「達也と、美幸ってこが一緒に歩いてるの」
嘘でしょ…?
確かにあの日、
達也は出掛けたけど
美幸ちゃんに会う為に?
「まぁ、もしかしてさ?仕事の事で会ってたのかもしれないけど…」
:09/03/09 00:40 :812SH :☆☆☆
#282 [あお☆まる]
麗子さんは
また、顔をしかめる
「…けどね、あのこ達也の事好きよ。目が恋してる目してたもの。だから、用心しなさい。」
麗子さんの言葉が
中々頭に入ってこない
達也は何の為に
美幸ちゃんに会ってたの?
:09/03/09 00:44 :812SH :☆☆☆
#283 [あお☆まる]
少しして
ファミレスを出る。
麗子さんは、近くに車を止めてるらしく
車で家まで送ってくれた
「…送ってくれて、ありがとうございました。」
:09/03/09 00:47 :812SH :☆☆☆
#284 [あお☆まる]
「いいのよ!可愛い愛子ちゃんの為だもの♪」
「…麗子さんったら。」
麗子さんの
おちゃめさに心が少し和む
「それじゃあ。」
車から降りようと
体をひるがえす。
:09/03/09 00:50 :812SH :☆☆☆
#285 [あお☆まる]
「…愛子ちゃん」
「?はい。」
「あの、遊馬って子…」
振り向くと
麗子さんはまた
神妙な面持ちだった
「遊馬くんがどう…?」
:09/03/09 00:52 :812SH :☆☆☆
#286 [あお☆まる]
「あの子、愛子ちゃんのこと…」
「え?」
「いや、なんでもない!あは☆気にしないでぇ〜!じゃあ、またね!」
さっきとは違って
明るいいつもの麗子さん
そのまま車は走って行った。
意味深な言葉を残して
:09/03/09 00:56 :812SH :☆☆☆
#287 [あお☆まる]
色々な言葉が
頭をぐるぐる回る
私は、無意識の様に
体をただ家に向かわせた
家に着くと
達也はまだ帰ってなく
頭の中の言葉が
私の不安を大きくさせる
:09/03/13 04:07 :812SH :☆☆☆
#288 [あお☆まる]
“私、見ちゃったのよ
達也と美幸って子が
一緒に歩いてるところ”
:09/03/13 04:09 :812SH :☆☆☆
#289 [あお☆まる]
呪文の様に
繰り返えされる
それは、私の心を
締め付ける
電気をつけることなく
暗闇の中
真意を模索していた
:09/03/13 04:11 :812SH :☆☆☆
#290 [あお☆まる]
きっと、
麗子さんの言ってた事は
本当だろう……
あの日、達也は
美幸ちゃんに合いに
家を出たんだ
なんの為に…?
仕事?
でも…仕事なら
私に言ってもいいのに
:09/03/13 04:15 :812SH :☆☆☆
#291 [あお☆まる]
胃がつねられているみたいにギュと痛み
喉の奥に何かがつっかえているみたいに
息苦しい
また、まただ
こんな気持ちに
なりたくないのに…
:09/03/13 04:18 :812SH :☆☆☆
#292 [あお☆まる]
その嫌な感覚から
逃れたくて
どんなに
思考を変えようとしても
一度芽生えてしまった
疑惑から逃げる事は出来なかった
:09/03/13 04:21 :812SH :☆☆☆
#293 [あお☆まる]
ソファーに
体育座りの状態で座る
足を、腕で抱き抱え
顔を足に埋める
何時間
そうしていたのだろう
目の前が明るくなった
:09/03/13 04:23 :812SH :☆☆☆
#294 [あお☆まる]
「…アコ…?」
びくっと肩をならした後
顔をあげる。と、
達也が愛子の顔をのぞき見る様に
腰を屈めていた
「…達也…」
「どうした?電気も付けないで…」
:09/03/13 04:26 :812SH :☆☆☆
#295 [あお☆まる]
「あ、ごめん。私ご飯の準備してなくて…今すぐ支度するから」
立ち上がる
愛子の腕を達也が掴む
「いいよ。アコ疲れてるんだろ?何か頼もう。」
:09/03/13 04:28 :812SH :☆☆☆
#296 [あお☆まる]
その日は
店屋物を頼んで
二人で食べた
結局、
美幸ちゃんの事は
聞けずに、時間だけが
過ぎていった
その間、
達也は毎日の様に
美幸ちゃんと残業してから帰ってくる
:09/03/13 04:48 :812SH :☆☆☆
#297 [あお☆まる]
達也の車に乗ると
毎回、毎回
座席が移動していて
美幸ちゃんが
乗っている形跡が
残っていて
その事実は
私を一層不安にさせた
:09/03/13 04:51 :812SH :☆☆☆
#298 [あお☆まる]
今日のピークは
終わっていて
店の中はお客様が居ない
ホールには
私と遊馬くん二人だけ
「愛子?最近なんか目の下にクマできてない?」
「え…?」
:09/03/13 04:55 :812SH :☆☆☆
#299 [あお☆まる]
「元気もないし…もしかして、マリッジブルーってやつか?!」
「……」
冗談めかしに
遊馬くんが言うけど
今の私には
笑えない冗談だった
「何があった?」
:09/03/13 04:57 :812SH :☆☆☆
#300 [あお☆まる]
遊馬くんの
真剣な瞳に捕らえられる
嘘がつけなくて
黙って俯く
そんな私の頭に
遊馬くんの手が触れる
なにも聞かずに
頭を撫でてくれている
そんな気遣いが
暖かくて
泣いちゃいそうだよ
:09/03/14 01:43 :812SH :☆☆☆
#301 [あお☆まる]
「…なんでもないの。ゴメンね!」
「そう…。ならイイ」
そう微笑む
遊馬くんの顔は
大人っぽかった…
きっと、嘘に気付いてる
けど無理に聞いてこない
そんな遊馬くんの
優しさが心地いい。
:09/03/14 01:46 :812SH :☆☆☆
#302 [あお☆まる]
「アコ」
「…達也。どうしたの?」
「ん。
ちょっと出てくるから店宜しくな。…あ、これ厨房置いといて」
そう言うと、
腰に巻いていたエプロン を愛子に渡す
:09/03/14 01:50 :812SH :☆☆☆
#303 [あお☆まる]
「分かった。いってらっしゃい」
「おう」
達也は軽く手を挙げると、店を出て行った
「ちょっと、
中に行ってくるね」
私はエプロンを置きに
厨房に向かう
:09/03/14 01:54 :812SH :☆☆☆
#304 [あお☆まる]
中に入ると
美幸ちゃんが一人
ケーキの下準備をしていた
どこと無く
気まずい気分になる
「…お疲れ様。」
「お疲れ様です。」
:09/03/14 01:57 :812SH :☆☆☆
#305 [あお☆まる]
とりあえず、
エプロン置こう…
厨房にある一角に
荷物を置く
スペースがある
愛子はそこに足を向ける
荷物置場が近づき
荷物が目視出来るまでになった所で
愛子の足が止まる
:09/03/14 02:01 :812SH :☆☆☆
#306 [あお☆まる]
これは……
愛子の目線の先には
美幸ちゃんのかばん
かばんの中には、
あの、オレンジ色のファイルが入ってあった
:09/03/14 02:04 :812SH :☆☆☆
#307 [あお☆まる]
その光景は
愛子に、
麗子さんの言っていた事が事実だと
そう言っていた
達也はやっぱり
あの日
美幸ちゃんに会ってたんだ。
だって達也
このファイルを持って帰って来なかった
:09/03/14 02:06 :812SH :☆☆☆
#308 [あお☆まる]
身動きが取れなくて
立ち尽くす
「…何、見てるんですか?」
:09/03/14 02:08 :812SH :☆☆☆
#309 [あお☆まる]
いつの間にか後ろにいた
美幸ちゃんに
思わずビクッと体を揺らす
「…あ。このファイル達也が持ってたやつだよね。中身は何なの…?」
思い切って聞いてみる
:09/03/14 02:11 :812SH :☆☆☆
#310 [あお☆まる]
美幸ちゃんは
目でファイルを確認すると、目線を愛子に戻す
「…教えられません」
「…た、達也に渡されたんでしょ?」
「……」
動悸が体ぜんたいを揺らす。
:09/03/14 02:14 :812SH :☆☆☆
#311 [あお☆まる]
「達也が…好き?」
何で…
何で聞きたくない事ばっかり…
でも言葉が止まらない
:09/03/14 02:15 :812SH :☆☆☆
#312 [あお☆まる]
「愛子〜?何サボってんだよ−……ん?」
遊馬くんが
厨房に入ってくる
遊馬くんの存在にホッとする自分がいた
「あ…ごめ…ん。今、戻るから」
:09/03/14 02:18 :812SH :☆☆☆
#313 [あお☆まる]
そう言って
体を翻そうとした時
美幸ちゃんの声が響いた
「…ですよ」
その言葉に振り向くと
美幸の瞳と出会う
:09/03/14 02:20 :812SH :☆☆☆
#314 [あお☆まる]
「達也さんの事、
私好きです。」
:09/03/14 02:22 :812SH :☆☆☆
#315 [あお☆まる]
:09/03/14 02:35 :812SH :☆☆☆
#316 [あお☆まる]
「あ…」
声が出ない
気付いてた事だった
けど、
改めて形にされると
酷く動揺する自分が居た
「お前っ!何言ってんだよ!!!」
:09/03/16 00:28 :812SH :☆☆☆
#317 [あお☆まる]
遊馬くんが
美幸ちゃんに掴み掛かる
美幸ちゃんは
顔色ひとつ変えずに
冷静に遊馬くんの腕を払いのける
「…別に。聞かれたから答えただけよ」
:09/03/16 00:30 :812SH :☆☆☆
#318 [あお☆まる]
「だからって!!」
美幸ちゃんは
遊馬くんの事を気にするそぶりもなく
じっと愛子を見据える
「…愛子さんは、達也さんを信じられないんですか?」
:09/03/16 00:32 :812SH :☆☆☆
#319 [あお☆まる]
達也の事、信じてる
でも…
100%信じてるか?
そう聞かれたら
素直に頷けない…
真っすぐ見据える
美幸ちゃんの瞳に、
嘘が付けない
ただ、私は
黙る事しか出来なかった
:09/03/16 00:36 :812SH :☆☆☆
#320 [あお☆まる]
「…達也さんに愛子さんは釣り合わないと思います」
突然はっせられた
その言葉に
頭が割れる様な衝撃がはしった
“釣り合わない”
:09/03/16 00:39 :812SH :☆☆☆
#321 [あお☆まる]
ずっと、ずっと、
心の中で抱いていた
私は、達也に相応しくないんじゃないかって
それを言い当てられ
息が苦しくなる
:09/03/16 00:41 :812SH :☆☆☆
#322 [あお☆まる]
ガンッ!!!
遊馬くんが壁を蹴る
「おい…。いい加減にしろよ?」
遊馬くんの低い声が
部屋に響く
「…遊馬くん、止めて」
「愛子、けど!」
:09/03/16 00:43 :812SH :☆☆☆
#323 [あお☆まる]
「美幸ちゃんの…言うとおりだよ。」
「はぁ?!」
「私…ずっと
心の中で思ってた。
私は達也に
必要なのか…とか、
達也だったら私なんかよりイイ人がいるんじゃないか…
私じゃない…
誰かとの方が幸せになれるんじゃないかって」
:09/03/16 00:48 :812SH :☆☆☆
#324 [あお☆まる]
「なんだよ…。
アコ、それ本気で言ってんの?」
:09/03/16 00:55 :812SH :☆☆☆
#325 [あお☆まる]
後ろから響く
低い声
振り向くと
1番聞いて欲しくなかった相手が立っていた
「た…つや…」
:09/03/16 00:56 :812SH :☆☆☆
#326 [あお☆まる]
「本気かって聞いてんだよ」
怒鳴る訳でもなく
ただただ低い冷静な声に威圧されて
何も答えられない
「…今日はもう店閉めるわ。」
:09/03/16 00:58 :812SH :☆☆☆
#327 [あお☆まる]
いたたまれなくなって
思わずその場から
逃げてしまった
「愛子!」
「…じゃあ私帰ります」
:09/03/16 01:01 :812SH :☆☆☆
#328 [あお☆まる]
■訂正■
「じゃあ私帰ります」
って台詞は無かった事にして下さい!
すみませぬ
:09/03/16 01:04 :812SH :☆☆☆
#329 [あお☆まる]
“本気で言ってんの?”
そう言った達也の顔は
怒りと悲しさにみちてた
私は何も言えなかった
ただこうして
走って逃げるしか…
:09/03/16 01:08 :812SH :☆☆☆
#330 [あお☆まる]
「きゃっ…!!」
愛子は足がもつれて
その場に倒れこむ
「愛子!!」
うずくまったまま
振り向くと
駆け寄る遊馬くんの姿
:09/03/16 01:10 :812SH :☆☆☆
#331 [あお☆まる]
「…大丈夫か?」
そう言って
目の前でしゃがみ込む
その声色は
どこまでも優しくて
涙が零れた
「…足、血が出てる。手当しに俺の家おいで」
:09/03/16 01:14 :812SH :☆☆☆
#332 [あお☆まる]
「…でも」
遊馬くんは
頬を伝う涙を
指ですくい上げると
「何心配してるの?こんな泣き虫には何もしないよ。だからおいで」
そのどこまでも
優しい笑顔に
私は
すがる様に頷いていた
:09/03/16 01:21 :812SH :☆☆☆
#333 [あお☆まる]
……………………………………………
「追い掛けなくて良かったんですか?」
「……。」
「…店、午後休みなんですよね?私帰ります」
「アコに…言った?」
:09/03/16 22:44 :812SH :☆☆☆
#334 [あお☆まる]
「言ってません。」
「そ…か。」
その言葉に
ホッとする達也
「今日予定あるのか?」
「いえ…でも、達也さんが帰りたいのかと…」
:09/03/16 22:46 :812SH :☆☆☆
#335 [あお☆まる]
苦笑いを
浮かべる達也
「気ぃつかわせたな。
その、良かったら今日も付き合えない?」
「…分かりました」
「ありがと、な。」
達也は
美幸の頭をポンポンと軽く手の平でたたく
:09/03/16 22:49 :812SH :☆☆☆
#336 [あお☆まる]
……………………………………………
「はい。愛子」
差し出されたのは
温められた
コーヒー牛乳
一口飲むと
温かさが広がる
それはまるで
遊馬くんの優しさの様な
甘くて包みこむ
そんな優しさ
:09/03/16 22:53 :812SH :☆☆☆
#337 [あお☆まる]
「美味しい。…けど、甘いね」
「俺、甘党だから」
遊馬くんはいつもの
太陽の様な笑顔を見せる
「じゃーはい。こっち向いて。」
遊馬くんに肩を持たれ
体の向きを
変えさせられる。
:09/03/16 22:56 :812SH :☆☆☆
#338 [あお☆まる]
「あ…のっ」
思わず口ごもる
すると、遊馬くんは
消毒液をちらつかせて
膝を指で指す
「これ、手当てしなきゃね。」
:09/03/17 00:10 :812SH :☆☆☆
#339 [あお☆まる]
「あっ、自分で…」
手を出す私の手を
遊馬くんが止める。
「まぁー任せてって!
…けど滲みるよ?痛いって泣かないでねぇ〜」
からかう様に言うと
消毒液を
傷口にふきかける
刺激が伝わり
傷口がヒリヒリする
:09/03/17 00:14 :812SH :☆☆☆
#340 [あお☆まる]
「…痛っ……」
「うん。ごめんね」
「…痛いよ……」
愛子の目からは
大粒の涙が零れる
遊馬くんは手当てをし終わると
静かに愛子を抱き寄せる
:09/03/17 00:17 :812SH :☆☆☆
#341 [あお☆まる]
そして
何も言わずに
優しく背中をポンポンと叩いてくれる
「愛子は泣き虫だな」
そう言って
いつもの笑顔を見せる
:09/03/17 00:20 :812SH :☆☆☆
#342 [あお☆まる]
その笑顔は
いつかの達也の様で
胸が小さくときめいた
“愛子は泣き虫だな”
:09/03/17 00:22 :812SH :☆☆☆
#343 [あお☆まる]
よく達也に言われた
けど、
いつの間にか
それじゃダメだって
大人にならなきゃ
そう……
達也を支える為に
:09/03/17 00:42 :812SH :☆☆☆
#344 [あお☆まる]
小さなヤキモチも
泣き虫だって
卒業しようって
頑張ってきた
でも…
いつだって不安だった
:09/03/17 00:44 :812SH :☆☆☆
#345 [あお☆まる]
私には
あなたは眩しいから
:09/03/17 00:45 :812SH :☆☆☆
#346 [あお☆まる]
:09/03/17 01:44 :812SH :☆☆☆
#347 [あお☆まる]
遊馬くんはずっと
何も言わないで
肩を貸してくれた
ずっと我慢して
溜めていた涙
ひととおり流し終えると
少し心が軽くなった
:09/03/18 02:30 :812SH :☆☆☆
#348 [あお☆まる]
いつまでも
肩を借りてる訳にいかない
そう思って顔を上げる
「…ごめんね。」
「いいよ。コーヒー牛乳冷えちゃったね!温めなおすよ」
:09/03/18 02:32 :812SH :☆☆☆
#349 [あお☆まる]
「ありがとう。」
温めなおしてくれた
コーヒー牛乳
やっぱり甘くて
少し笑えた
「え?何、何?」
そんな私を
不思議がる遊馬くん
:09/03/18 02:34 :812SH :☆☆☆
#350 [あお☆まる]
「ううん。…遊馬くんって優しいね。」
「……」
黙る遊馬くん
どうしたのだろう?
伺う様に
遊馬くんの顔を見る
「…誰にもって訳じゃないよ」
:09/03/18 02:38 :812SH :☆☆☆
#351 [あお☆まる]
「え…」
「俺は愛子だから助けるんだ。愛子が大切だから」
それって…
不意に
麗子さんの
言葉が頭に浮かぶ
“あの子、
愛子ちゃんのこと…”
:09/03/18 02:43 :812SH :☆☆☆
#352 [あお☆まる]
意識しない様に
そう思っても、
言葉はますます頭の中で
大きく主張し始める
それに伴って
愛子の顔は赤く染まる
「あ、の…」
:09/03/18 02:46 :812SH :☆☆☆
#353 [あお☆まる]
言葉が続かず
俯くと
遊馬くんの手が
愛子の頬に添えられる
愛子の心臓は
激しく波打つ…
「…ぷっ。」
:09/03/18 02:48 :812SH :☆☆☆
#354 [あお☆まる]
その笑いと共に
愛子の頬っぺたは
遊馬くんに
添えられたはずの手で
摘まれて伸ばされていた
「…ゆっゆうみゃくん?」
:09/03/18 02:51 :812SH :☆☆☆
#355 [あお☆まる]
「あはははっ!…ご、ごめん、ごめん!!」
遊馬くんは
笑い転げると
涙を拭きながら
いつもの調子で話す
「だって愛子…、俺が愛子の事好きって勘違いしたでしょ?俺が言った“大切”は“大切な友達”って意味だよ。」
:09/03/18 02:54 :812SH :☆☆☆
#356 [あお☆まる]
愛子は頬を
さすりながら
遊馬くんに指摘された
勘違いに気付き
先程より更に真っ赤に
頬を染める
「え…あ、そっそーだよね!あは、私どんだけ自意識過剰……」
:09/03/18 02:58 :812SH :☆☆☆
#357 [あお☆まる]
そして二人で
顔を見合わせて笑った
「…あ、そろそろ帰るね。」
「…大丈夫か?」
心配そうに
見送ってくれる遊馬くん
:09/03/18 03:00 :812SH :☆☆☆
#358 [あお☆まる]
「……うん。帰らない訳には行かないし…。傷口の手当てと、コーヒー牛乳ありがとうね!」
「おう!」
遊馬くんの優しさを
心の中で感じながら、
家を出る
家には達也が居るのだろうか…
:09/03/18 03:06 :812SH :☆☆☆
#359 [あお☆まる]
家に帰ると
暗闇が広がっていて
そこには
人の気配が感じれなかった
部屋に広がる
暗闇の様に
私の心の中にも
黒く深い闇が広がる
:09/03/26 00:09 :812SH :☆☆☆
#360 [あお☆まる]
…また
また、
“美幸ちゃん”と
一緒なの…?
:09/03/26 00:10 :812SH :☆☆☆
#361 [あお☆まる]
携帯が震える
画面を見ると
達也からのメールだった
:09/03/26 00:13 :812SH :☆☆☆
#362 [あお☆まる]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
件名:無題
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
麗子に捕まった。
中々帰れそうにない
今日は先に寝てて
明日、話ししよう
:09/03/26 00:15 :812SH :☆☆☆
#363 [あお☆まる]
気まずさから
逃れられる安心感と
メールの内容が
本当なのかの
不安感が
同時に押し寄せて
複雑な思いで
メールを見つめた
:09/03/26 00:18 :812SH :☆☆☆
#364 [あお☆まる]
…本当に
“麗子さん”?
追って来てはくれなかった達也
本当は、あのまま
美幸ちゃんと…
:09/03/26 00:20 :812SH :☆☆☆
#365 [あお☆まる]
麗子さんに
メールしてみようか?
でもこれで
麗子さんと居なかったら
そう思い
ディスプレイの中の
“大塚 麗子”
の文字を見つめていた
:09/03/26 00:23 :812SH :☆☆☆
#366 [あお☆まる]
時間が経ち
ディスプレイの
画面の光りが
ちょうど
消えた時に
携帯が震える
画面は
さっきまで
表示していたばっかりの
名前を
再び表示する
:09/03/26 00:27 :812SH :☆☆☆
#367 [あお☆まる]
メールを開くと
【達也ちょっと借りるよぉ!私がビシッ!!と言っておくから(`^´)/】
と言う文章だった
私は
達也の隣に居るのが
麗子さんだと
確信を持ててホッとした
:09/03/26 00:30 :812SH :☆☆☆
#368 [あお☆まる]
けど、
それと同時に
気付く
私、達也を
信用しきれてない…?
:09/03/26 00:33 :812SH :☆☆☆
#369 [あお☆まる]
あんなに
愛を確かめ合って
一生一緒に居ると
誓ったのに
その相手を
私…疑ってる
:09/03/26 00:35 :812SH :☆☆☆
#370 [あお☆まる]
私…
最低だ…
:09/03/26 00:36 :812SH :☆☆☆
#371 [あお☆まる]
……………………………
……………
ふと
時計を見る
厨房の中にある
時計の針は、
19時を指そうとしていた
「…美幸、そろそろ帰るか。送ってく」
:09/03/26 18:46 :812SH :☆☆☆
#372 [あお☆まる]
「はい。じゃあ、お願いします。」
「おう。」
二人で
店を出る支度をする
外に出て
店の鍵を締めていると
ツカツカとヒールの音。
:09/03/26 18:48 :812SH :☆☆☆
#373 [あお☆まる]
その甲高い音の
する方角に目をやる
その目線の先には
すらっとスタイルのいい
シルエットが浮かぶ
「たーつーやー」
その声で
シルエットの正体が
はっきりする
:09/03/26 18:51 :812SH :☆☆☆
#374 [あお☆まる]
「…麗子か」
「麗子か。じゃないわよ!!あんたちょっと顔貸しなさいよね!!」
「…今からか?」
そう言って
ちらっと横目で
美幸を見る
:09/03/26 18:53 :812SH :☆☆☆
#375 [あお☆まる]
その目線を追う麗子
「あ…あなた。達也、その子と今から用事でも有る訳?」
凄むように
達也に問い掛ける
「暗いから、今から送って行く。」
:09/03/26 18:55 :812SH :☆☆☆
#376 [あお☆まる]
「…達也さん、私電車で帰ります。」
「いや、送って行く。
大体俺が美幸にお願いしてるんだし。」
その会話を
聞いていた麗子が
何かを思いついた様に
ポンと手を叩く。
「私、車置いてく。達也!美幸ちゃん送るの付き合うから、その後私に付き合いなさい」
:09/03/26 18:59 :812SH :☆☆☆
#377 [あお☆まる]
「……分かったよ」
軽くため息をつきながら 承諾する
皆で車に乗り込みながら
愛子との事を思う
:09/03/26 19:03 :812SH :☆☆☆
#378 [あお☆まる]
“私じゃない
誰かとの方が−…”
そう顔を
歪ませていた愛子
いつから?
いつからそんな事
思っていたの?
:09/03/26 19:05 :812SH :☆☆☆
#379 [あお☆まる]
あんな顔を
させたい訳じゃない
あんな事
言わせたくないのに
:09/03/26 19:07 :812SH :☆☆☆
#380 [あ]
<<310-<<360
>>310->>360
失礼します。
:09/03/26 23:54 :SO903iTV :enCRVXOA
#381 [あお☆まる]
【 あ 様 】
……………………………………
アンカーありがとうござい
ます(●`・ω・)ノ
……………………………………
:09/03/27 00:14 :812SH :☆☆☆
#382 [あお☆まる]
俺はあいつを…
アコを
幸せにする為に
一人で泣かない様に
側に居ると決めたのに
:09/03/29 18:27 :812SH :☆☆☆
#383 [あお☆まる]
アコは…
俺のせいで
俺と一緒にいるせいで
苦しんでるのか?
:09/03/29 18:28 :812SH :☆☆☆
#384 [あお☆まる]
なぁ…アコ
俺は…
お前から
離れた方が
イイのかな……
:09/03/29 18:30 :812SH :☆☆☆
#385 [あお☆まる]
「ばぁーーーかじゃないのっっっ!!!!!!」
ファミレスに
麗子の怒涛が響き渡る
「…真剣に悩んでる友達に対して言う事…か?」
:09/03/29 18:39 :812SH :☆☆☆
#386 [あお☆まる]
「馬鹿だから馬鹿って言ってんのよ」
「……」
「だいたいさ?そんなに大切ならなんで美幸って子にちょっかい出してるのよ!」
麗子は興奮気味に
頼んだジュースを飲み干す
:09/03/29 18:41 :812SH :☆☆☆
#387 [あお☆まる]
「それは…」
目を伏せがちに
その訳を話し始める
………………………………………
:09/03/29 18:44 :812SH :☆☆☆
#388 [あお☆まる]
「はぁ…」
達也は
深いため息を
つきながら車を降りる
しかし…
麗子のやつ長いんだよ
早く帰って
アコと話し合いたかったのに、朝方じゃないか
:09/03/29 18:47 :812SH :☆☆☆
#389 [あお☆まる]
麗子の説教?は
あれから長時間続き
達也が開放されたのは
外が明るくなってきた
5時頃だった
家の鍵を開ける
静まり返る我が家
:09/03/29 18:52 :812SH :☆☆☆
#390 [あお☆まる]
アコは…寝たかな…?
まぁ、当たり前か
そっと
起こさない様に
静かに寝室の扉を開ける
しかし、そこには
寝ているはずの
愛しい人の姿はなかった
:09/03/29 18:56 :812SH :☆☆☆
#391 [あお☆まる]
「…?!」
急いで家中探すが
アコの姿はない
「アコ?!アコ!!」
不安のせいで
大きくなる声が 虚しく
薄ぐらい部屋に響き
返事もなく消えていく
:09/03/29 19:00 :812SH :☆☆☆
#392 [あお☆まる]
部屋を見渡すと
朝使った食器が洗われていて
朝洗濯して干していた服は
綺麗に畳まれていた
その事で愛子が
あの後
家に帰って来たのは
間違いない事実だった
:09/03/29 19:05 :812SH :☆☆☆
#393 [あお☆まる]
「アコ…
どこに行ったんだよ…」
力無くそう呟くと
ふとテーブルに置かれた
紙が目に止まる
その紙に書かれた字は
まさしく
愛子の字だった
:09/03/29 19:08 :812SH :☆☆☆
#394 [あお☆まる]
呆然とする
達也の手から
するりと紙が落ちる
その紙には
【暫く実家に帰って
これからの事を考えます
勝手な事してごめんなさい。
けど、一人になりたいです。お店の方も暫く休みます。 愛子】
と、綺麗な字で書かれていた
:09/03/29 19:19 :812SH :☆☆☆
#395 [あお☆まる]
達也は呆然と
立ち尽くしながら
麗子に言われた
『事情が事情かもしれないけど、夫婦になるって言う二人にどんな“秘密”も要らない!そのせいで取り返しのつかない擦れ違いになる事だってあるんだからね!!』
と言う言葉を
一人噛み締めていた
:09/03/29 22:47 :812SH :☆☆☆
#396 [あお☆まる]
……………………………………………
「…愛子は寝たのか?」
「ええ。」
愛子の実家では
神妙な面持ちの二人が
テーブルに座っていた
:09/03/29 22:49 :812SH :☆☆☆
#397 [あお☆まる]
「でも愛子、ちゃんと達也さんに言って来たのかしら…?」
「置き手紙して来たってたろ?ほっとけばいい」
「けど…」
「もうアイツになんかやらん!あんな大口叩いてたくせに、結婚前からこんなんじゃ思いやられる」
:09/03/29 22:51 :812SH :☆☆☆
#398 [あお☆まる]
そう言って
マリエの入れた
緑茶をすする
「マリエ、達也って奴が来ても会わせるなよ!」
怒りが
納まらない様子のクロ
「嫌です。」
:09/03/29 22:54 :812SH :☆☆☆
#399 [あお☆まる]
「嫌ですってお前なぁ…。今日の愛子を見ただろ?とても結婚前の幸せな女の顔じゃなかった」
「えぇ。疲れ切った顔だった。」
「ならっ!」
「クロ、けどね、別れる別れないを決めるのは親の私達じゃない。本人達よ?私達は静かに見守るだけでいいの!」
:09/03/29 22:56 :812SH :☆☆☆
#400 [あお☆まる]
その剣幕に敵わず
『俺は最初から気に食わなかった』と呟くと
拗ねたのか
そっぽを向くクロ
「私だって愛子を身篭った時を考えたら、クロに振り回されてた様な気がするけど?」
その言葉に
返す言葉はなく
クロはそそくさと風呂場に逃げ込む
:09/03/29 23:01 :812SH :☆☆☆
#401 [あお☆まる]
「もう…クロは親バカなんだから……」
そう言うマリエは
優しく微笑んでいる
ふと気配を感じ
後ろを振り向くと
愛子が立っていた。
:09/03/29 23:04 :812SH :☆☆☆
#402 [あお☆まる]
「あ…ごめん。聞くつもりはなかったんだけど」
「いいのよ。お父さんがヒートアップしてただけだから。」
マリエは隣の椅子を
ポンポンと叩くと
愛子に隣に座る様に
優しく促す
愛子はそれに答えて
そっと隣に座る
:09/03/29 23:07 :812SH :☆☆☆
#403 [あお☆まる]
隣に座った
愛子の頭を優しく
抱き寄せる
そしてとても優しい声色で話し掛ける
「ねぇー愛子。ここは愛子の家なんだから好きなだけ居ていいのよ」
「…うん」
:09/03/29 23:09 :812SH :☆☆☆
#404 [あお☆まる]
「それと、お母さん達は愛子が出した答えなら、どんな答えでも応援する。」
「…うん」
「けどね、後悔だけはしないように。ね?」
「…はい」
:09/03/29 23:11 :812SH :☆☆☆
#405 [あお☆まる]
その返事を聞いたマリエは優しく微笑むと
軽く愛子の背中を叩く
「じゃあ、ほら寝なさい!お父さんに捕まったら寝れないよ〜」
おちゃらけた口調に
思わず笑う愛子
「うん。捕まる前に寝るね!おやすみ」
:09/03/29 23:14 :812SH :☆☆☆
#406 [あお☆まる]
「はい。おやすみ!」
お母さんと話して
私にはちゃんと
暖かい帰る場所があるんだって
そう思えたら
少しだけ
心が軽くなった
:09/03/29 23:18 :812SH :☆☆☆
#407 [あお☆まる]
………………………………………………
「はぁ〜〜〜〜〜〜」
まだ開店前の店内に
遊馬の溜息が響く
「……いくら開店前だからって気を抜きすぎ…」
冷ややかに
遊馬に注意する美幸
:09/03/29 23:21 :812SH :☆☆☆
#408 [あお☆まる]
「だってよー今日も愛子来ないんだろ?つまんねぇーーー」
口を尖らせる遊馬
「…そんなに好きなくせに馬鹿みたい。応援して、偽善者ね…」
:09/03/29 23:23 :812SH :☆☆☆
#409 [あお☆まる]
「…俺は、あいつの、愛子の笑顔が好きなんだ。けど俺じゃダメなんだよ…。俺の好きな笑顔は達也さんの隣にいる時の笑顔なんだ。だから俺じゃダメなんだ!」
「何よ…それ。叶わない恋なんてますます馬鹿みたい」
「誰に馬鹿みたいって思われたっていーんだ。俺はあいつが幸せそーに笑ってれば。だからあいつには幸せになってもらわないと…」
:09/03/29 23:43 :812SH :☆☆☆
#410 [あお☆まる]
そう言う遊馬の顔に
嘘偽りはなかった
「馬鹿みたい…」
そう言い残すと
美幸は厨房に消えていく
:09/03/29 23:47 :812SH :☆☆☆
#411 [あお☆まる]
まさかの、奇跡の、一日“二回更新”でした。笑
美幸主役のプチ短編挟みますので本編は少しお休みです!
:09/03/29 23:51 :812SH :☆☆☆
#412 [あお☆まる]
*初恋*
:09/03/30 00:12 :812SH :☆☆☆
#413 [あお☆まる]
初恋って叶わない
誰かがそう言ってた
そもそも私は
恋なんか
しない人種だって
そう思ってたのに…
:09/03/30 00:14 :812SH :☆☆☆
#414 [あお☆まる]
街から少し
外れた道を歩く
ふとある建物に気付き
立ち止まる
最近までなかった
その建物には
“近日オープンにつき
厨房スタッフ募集”
と言う張り紙があった
:09/03/30 00:18 :812SH :☆☆☆
#415 [あお☆まる]
調度、働いていた
洋菓子店を
色恋沙汰に巻き込まれ
先日辞めたばかりだった
もともと恋愛には
興味のない美幸
だが綺麗なその容姿と、冷たい性格のせいで
関係のない
色恋沙汰に巻き込まれやすかった
:09/03/30 00:21 :812SH :☆☆☆
#416 [あお☆まる]
チラシを下まで見ると
“連絡先”の所に
……………………………
鈴木 達也【店長】
愛子【副店長】
TEL ******
……………………………
とあった
…夫婦経営か…
:09/03/30 00:25 :812SH :☆☆☆
#417 [あお☆まる]
美幸は次の職場を
ここに絞った
理由は簡単だ
夫婦でやってるなら
前みたいに
色恋沙汰に巻き込まれて
面倒な事にはならない
そう思ったからだった
:09/03/30 00:27 :812SH :☆☆☆
#418 [あお☆まる]
すぐに電話をして
面接の約束をとりつけた
そして面接当日
店に行くと
何やら揉めていた
私の他に
働きたい人がいるらしい
:09/03/30 00:31 :812SH :☆☆☆
#419 [あお☆まる]
面倒だな…
そう思いながら
その金髪の男の子に
意見すると
店長らしき人が
意外な言葉を発する
「二人共採用!」
:09/03/30 00:33 :812SH :☆☆☆
#420 [あお☆まる]
その発言に
ビックリしたものの
それよりももっと
ビックリした事が起きた
恋愛無関心の
この私が…
まさか……
一目惚れするなんて
:09/03/30 00:35 :812SH :☆☆☆
#421 [あお☆まる]
一目惚れするなんて…
:09/03/30 00:37 :812SH :☆☆☆
#422 [あお☆まる]
>>420 の続きはスルーで
>>412-421二回目更新分
今日は久々の大量更新でした♪
でわ、オヤスミなさい!
良かったら感想下さいね
>>1 感想板
:09/03/30 00:42 :812SH :☆☆☆
#423 [あお☆まる]
それは
不思議な感覚で
初めての感情だった
初めて、けど
この芽生えたものが
“恋”だと
すぐに分かった
:09/04/05 00:14 :812SH :☆☆☆
#424 [あお☆まる]
達也さんと一緒に
仕事をこなす毎日…
ふとする仕草や
声や笑顔
全てが私を狂わす
毎日、毎日
貴方に惹かれていく
:09/04/05 00:19 :812SH :☆☆☆
#425 [あお☆まる]
好きになれば
なるほど
貴方があの子を
どれだけ
好きなのかが分かる
毎日貴方を見てるから
:09/04/05 00:22 :812SH :☆☆☆
#426 [あお☆まる]
馬鹿よね
色恋沙汰を避けて
ここに来たのに
貴方に…
恋してしまうなんて
:09/04/05 00:23 :812SH :☆☆☆
#427 [あお☆まる]
そして事件が起こる
あの子が
達也さんから預かってた
ファイルに気付く
私と達也さんの
二人だけの秘密だった
:09/04/05 00:25 :812SH :☆☆☆
#428 [あお☆まる]
だから言わない。
そんな私を見て
あの子は私に言う
「…達也が好き?」
その時、遊馬が厨房に
愛子を呼びに入る
:09/04/05 00:28 :812SH :☆☆☆
#429 [あお☆まる]
馬鹿な子…
そんな事を聞いて
どうするの?
私の気持ち…
あなたに
言ってどうなるの?
だって…あの人は
貴女が好きなのに
:09/04/05 00:31 :812SH :☆☆☆
#430 [あお☆まる]
そう思ったのに
口が勝手に動く…
言わなくて良いのに
きっと私は
あの子に嫉妬して
意地悪したかったんだ
:09/04/05 00:33 :812SH :☆☆☆
#431 [あお☆まる]
「私、達也さんの事好きです」
そう言うと
遊馬くんが私に
怒鳴り出す
あの子の肩が震える
なんで?
なんで不安になるの?
達也さんは
あんなに貴女をおもっているのに…
:09/04/05 00:38 :812SH :☆☆☆
#432 [あお☆まる]
私の中に
黒い闇が広がる
あの子はズルイ
愛情をあんなに貰って
不安になるなんて…
あの子は
私が1番欲しい愛を
貰ってるのに…
:09/04/05 00:43 :812SH :☆☆☆
#433 [あお☆まる]
遊馬くんに
肩を掴まれる。
痛い…
私の気持ちも
知りもしないで
なんで…
あの子ばっかり
:09/04/05 00:45 :812SH :☆☆☆
#434 [あお☆まる]
達也さんが来て
あの子は走って行った
その後を
遊馬くんが追う
辛そうな顔の達也
:09/04/05 00:47 :812SH :☆☆☆
#435 [あお☆まる]
私は何をしてるんだろう
あの人を傷つけて
あの子を傷つけて
1番…
自分が傷ついてる
:09/04/05 00:49 :812SH :☆☆☆
#436 [あお☆まる]
その日以来
あの子は店に来ない
元気のない達也さん
笑顔のない遊馬くん
それは更に私を
傷ついてる
:09/04/05 00:51 :812SH :☆☆☆
#437 [あお☆まる]
「はぁ〜〜〜〜〜」
長い深い溜息が
開店前の店内に響く
「いくら開店前だからって気を抜きすぎ」
「だって今日も愛子来ないんだろ?」
私のせい…
ズキンと心が痛む
:09/04/05 01:03 :812SH :☆☆☆
#438 [あお☆まる]
「…そんなに好きなくせに馬鹿みたい。応援して、偽善者ね…」
完全な八つ当たり
それに対して
笑顔で、あの子が幸せなら良いだと言う
その笑顔には
嘘偽りは一つもなかった
:09/04/05 01:07 :812SH :☆☆☆
#439 [あお☆まる]
「馬鹿みたい…」
そう言うと
厨房の中に入る
厨房に入ると
達也が心配そうに
近寄ってくる
:09/04/05 01:08 :812SH :☆☆☆
#440 [あお☆まる]
「美幸、どうした?
大丈夫か??」
その言葉で
自分が泣いてるのに
初めて気付く
「…私っ……うっ」
:09/04/05 01:10 :812SH :☆☆☆
#441 [あお☆まる]
馬鹿ね…
最初から分かってた
あの人は
あの子が好き
:09/04/05 01:12 :812SH :☆☆☆
#442 [あお☆まる]
分かってたじゃない
遊馬くんは
愛子さんの事が
好きだって
けど…
私も好きだったの
:09/04/05 01:13 :812SH :☆☆☆
#443 [あお☆まる]
達也さんに
「二人共採用」
そう言われた時の
貴方の……
遊馬くんの
笑顔を見た時から
私は、ずっと、
遊馬くんが好きだった
:09/04/05 01:15 :812SH :☆☆☆
#444 [あお☆まる]
あの子は
私の憧れてる
達也さんの愛情も
私の初恋の
遊馬くんの愛情も
全部、全部持ってる
それなのに
不安だなんて……
:09/04/05 01:17 :812SH :☆☆☆
#445 [あお☆まる]
だから
悔しかった…
けど、
そんなの
間違いだった
だって、
だれも幸せになってない
:09/04/05 01:19 :812SH :☆☆☆
#446 [あお☆まる]
「達也さん…」
「ん?」
「愛子さんが居ないと…仕事に身が入ってなくて…迷惑です。今すぐ愛子さん迎えに行って下さい。愛子さん…きっと待ってますよ?」
目を見開く達也
:09/04/05 01:24 :812SH :☆☆☆
#447 [あお☆まる]
「愛子さん…オレンジ色のファイル気にしてましたよ?きっとそれで不安になってるんです」
達也はそれを
聞くと肩を落とす
「……そうか。俺もまだまだだな…。悪い。ちょっと行って来る」
そう言うと
上着を手に店を飛び出る
:09/04/05 01:28 :812SH :☆☆☆
#448 [あお☆まる]
その姿を見ていると
遊馬くんが
厨房に入って来る
「…お前も馬鹿じゃん。達也さんの事好きなんだろ?いいのか?」
「…別に。早く愛子さんに店に戻って来てもらわないと、あんたがサボるからよ」
:09/04/05 01:34 :812SH :☆☆☆
#449 [あお☆まる]
「あぁ!そっか!」
そう言って
笑う遊馬くんの笑顔は
初めてみた
笑顔と一緒で
私はまた貴方に恋をした
:09/04/05 01:36 :812SH :☆☆☆
#450 [あお☆まる]
【初恋は叶わない】
誰かが言ってた
遊馬くんにした初恋は
やっぱり
叶わなかった…
:09/04/05 01:38 :812SH :☆☆☆
#451 [あお☆まる]
けど、
また貴方に恋をする
ね…
また芽生えた
貴方へのこの恋は
きっと叶うわね
:09/04/05 01:42 :812SH :☆☆☆
#452 [あお☆まる]
だって
これは…
二度目の恋だから
初恋*END
:09/04/05 01:43 :812SH :☆☆☆
#453 [あお☆まる]
:09/04/05 01:48 :812SH :☆☆☆
#454 [あお☆まる]
美幸に言われた。
愛子は、
“オレンジのファイル”
を気にしてたって
気付いてないと
思ってたのに
:09/04/06 20:56 :812SH :☆☆☆
#455 [あお☆まる]
もしかしたら
美幸と毎日
残って
仕事してたのも
本当は気にしてたのか?
馬鹿だよな
良かれと思って
してた行動が
アコを苦しめてたなんて
:09/04/06 20:58 :812SH :☆☆☆
#456 [あお☆まる]
馬鹿は俺か…
一人で突っ走って
アコに
あんな辛い事言わせた…
:09/04/06 21:00 :812SH :☆☆☆
#457 [あお☆まる]
“私より他との方が
良いのかも……”
アコの所に向かう間
その言葉が頭を回ってた
:09/04/06 21:03 :812SH :☆☆☆
#458 [あお☆まる]
久しぶりに着く
アコの家は
結婚の許しをもらいに
行ったあの日より
でかく、悠然と待ち構えている様に思えた
呼び鈴を押す手が
震える
全身の神経が
指に集中していた
:09/04/09 22:55 :812SH :☆☆☆
#459 [あお☆まる]
やっとの思いで
チャイムを鳴らす
その音よりも大きく
心臓がバクバクと激しく動き、体全体に響き渡る
こんなに
緊張したことってない
呼び鈴を鳴らしてから
反応が返って
くるまでの数十秒が
とても長く感じる
:09/04/09 23:00 :812SH :☆☆☆
#460 [あお☆まる]
【…はい】
インターフォン越しに
耳に入ってきた
その声は
間違いなく
愛子の声だった
久しぶりに
聞くその声に
胸が自然と熱くなる
「アコ…か?」
:09/04/09 23:03 :812SH :☆☆☆
#461 [あお☆まる]
緊張のあまり
それしか
言葉に出来なかった
【………】
インターフォン
に出た相手は
沈黙したままだ
けどそれが
愛子である何よりの証拠
達也は言葉を続ける
:09/04/09 23:14 :812SH :☆☆☆
#462 [あお☆まる]
「出てこいよ
話しがしたいんだ。」
インターフォンは切れ
数分たつと
玄関の扉が開く
少し痩せた愛子が
姿を表す
:09/04/09 23:16 :812SH :☆☆☆
#463 [あお☆まる]
…………………………………………
【出てこいよ。
話がしたいんだ】
久しぶりに
聞く声が胸を締め付ける
:09/04/12 00:31 :812SH :☆☆☆
#464 [あお☆まる]
話し合いをしなくちゃ
そう思っていた
けど…
怖い
“要らない”
と言われてしまわないか
:09/04/12 00:33 :812SH :☆☆☆
#465 [あお☆まる]
自分に
自信が持てない私は
少しの事で
不安になってしまう
好きな人を
信用も出来ない
情けない私に
きっと達也だって
呆れてるよ…
:09/04/12 00:38 :812SH :☆☆☆
#466 [あお☆まる]
いつもよりも
重く感じるドアを
静かに開ける
久しぶりに見る
達也の姿は
やっぱり眩しくて
私は少し
達也を遠く感じた
「アコ…」
:09/04/12 00:40 :812SH :☆☆☆
#467 [あお☆まる]
達也が呼ぶ
自分の呼び名を聞いて
胸がキューと
締め付けられる
我慢しても
涙が溢れ出そうと
瞳にたまる
零れ落ちる前に
達也の腕の中に収まった
:09/04/12 00:43 :812SH :☆☆☆
#468 [あお☆まる]
愛しい人の温もりは
がんじがらめになってた
頭の中の糸を、優しく
解してくれたのか
自然と
心の声が溢れた
「……達也
会い、たかった…」
:09/04/12 00:47 :812SH :☆☆☆
#469 [あお☆まる]
優しく引き離されると
愛おしむ様に
顔を覗き込む瞳に出会う
「…アコが出てったくせに。」
そう言うと
最初の時よりも強く
抱きしめられる
:09/04/12 00:50 :812SH :☆☆☆
#470 [あお☆まる]
「…な、アコ。
俺にはアコが必要なんだ。俺から離れるなよ」
「…わ、私は…
いっつも達也に支えてもらってるのに、私は達也に何も出来ない…」
「俺はアコに支えられてるよ。」
:09/04/12 00:55 :812SH :☆☆☆
#471 [あお☆まる]
「嘘…
だって私、達也に何も出来てない。」
達也は少し
腕を緩めると
じっと愛子を見据える
「俺が夢を叶えれたのも、今こうして店で頑張れるのも全部、アコが居たからだ。
もし隣に居たのがアコじゃなくて他の誰かだったら…俺はずっと先生のまんまだったよ」
:09/04/12 01:01 :812SH :☆☆☆
#472 [あお☆まる]
私…
達也の役に立ててた?
側に…居ていいの?
言葉の代わりに
涙が一気に溢れ出す
「だから…そのまんまのアコで俺の嫁になればいーんだよ。」
:09/04/12 01:15 :812SH :☆☆☆
#473 [あお☆まる]
「達也…」
達也の背中に
両腕を回し
ギュッと抱きしめる
「アコは俺のだ」
「…うん」
:09/04/12 01:19 :812SH :☆☆☆
#474 [あお☆まる]
「絶対離してやんねー」
「う…っ」
“うん”と
返事をする前に
唇を塞がれる
「た…つや……」
:09/04/12 01:22 :812SH :☆☆☆
#475 [あお☆まる]
「…ちょっと黙って」
「んっ…」
休む事なく、繰り返し
熱く甘いキスを
落とされる
心の中が
満たされていくのを
感じていた…
:09/04/12 01:27 :812SH :☆☆☆
#476 [あお☆まる]
:09/04/12 01:44 :812SH :☆☆☆
#477 [あお☆まる]
久しぶりに
二人で歩く帰り道
手を繋ぎながら
ゆっくり歩く
「店も一段落したし…
式の準備しよーな」
優しく
笑いかける達也
その笑いにつられて
笑う
「うん」
:09/04/13 13:54 :812SH :☆☆☆
#478 [あお☆まる]
その日は、久しぶりに
達也に
抱きしめられながら
ぐっすりと眠れた
そして
二人で久しぶりに出勤
:09/04/13 13:57 :812SH :☆☆☆
#479 [あお☆まる]
あんな所を見せて
店にも行かなかったから
なんだか凄く
緊張する
達也はその気持ちが分かったのか
そっと愛子の手を握る
達也の体温が
緊張していた心を
ほぐしてくれる
:09/04/13 14:00 :812SH :☆☆☆
#480 [あお☆まる]
「入るよ?」
達也は、店の前で
立ちすくむ愛子を
覗き込み
少しからかう様な
笑顔を浮かべる
「う、うん…」
:09/04/13 14:02 :812SH :☆☆☆
#481 [あお☆まる]
達也が扉に手をかけ
開けようとした時
勢いよく扉が開かれる
その扉に頭を打ち付け
言葉の出ない達也
「〜〜〜!!」
:09/04/13 14:05 :812SH :☆☆☆
#482 [あお☆まる]
そんな達也をよそに
遊馬が勢いよく
愛子に、抱き着く
「あぁーいぃこぉーー」
「きゃっ!ゆっ遊馬くん」
「仲直りしたんだなぁ!良かった良かったぁ!」
:09/04/13 14:11 :812SH :☆☆☆
#483 [あお☆まる]
「…うん。ごめんね?心配かけて、店も休んじゃって」
「いーよ!いーよ!愛子が幸せな……っうおっ」
全部を言い終わる前に
達也によって
愛子から離される遊馬
「遊馬…そいつ俺の」
:09/04/13 14:15 :812SH :☆☆☆
#484 [あお☆まる]
少し苛立った様子の
達也に遊馬は
「おう!知ってる!」
と満面の笑顔を返す
呆気にとられる達也
その姿を見て
クスっと笑う愛子
:09/04/13 14:18 :812SH :☆☆☆
#485 [あお☆まる]
遊馬と達也のやりとりで
心が温かくなる
ふと人の気配を感じ
気配のした方に
目をやると
厨房から出て来た
美幸ちゃんと
目が合う
「あ…お、おはよう」
:09/04/13 14:23 :812SH :☆☆☆
#486 [あお☆まる]
「おはようございます」
休んでた事
謝らなくちゃ…
「あ、あの…「ごめんなさい」」
え…?
私の“ごめんなさい”は
美幸ちゃんの
“ごめんなさい”に
掻き消された
:09/04/14 19:55 :812SH :☆☆☆
#487 [あお☆まる]
「私、意地悪しました」
その言葉に
頭がこんがらがる
「私は、達也さんの事好きです。けど、恋愛じゃない。なのに、あんな言い方しました。」
「美幸ちゃ…ん」
:09/04/14 19:57 :812SH :☆☆☆
#488 [あお☆まる]
「見てて、もどかしかったんです。だって、あんなにも達也さんに信頼されて愛されてるのに気付いてないから…。」
美幸ちゃんの言葉に
再度きづかされた
そうだね…
私なに不安になってたのかな?
こんなに愛ん貰ってたいのに
:09/04/14 20:02 :812SH :☆☆☆
#489 [あお☆まる]
「…うん。ありがとう。仕事も休んでごめんね?」
「全くです。愛子さんはこの店に必要な人なんですから…休まないでくださいね?」
そう笑った
美幸ちゃんの顔が
とっても綺麗で
思わず見とれた
:09/04/14 20:05 :812SH :☆☆☆
#490 [あお☆まる]
それと同時に
美幸ちゃんが、
言ってくれた
【この店に必要】
って言葉が
私の心に優しく
広がっていく
:09/04/14 20:08 :812SH :☆☆☆
#491 [あお☆まる]
あぁ…
私にはちゃんと
“居場所”があるんだ
その事が
何よりの自信になった
:09/04/14 20:12 :812SH :☆☆☆
#492 [あお☆まる]
今日は久しぶりに
達也も残業せず
一緒に帰った
「ふぅ〜〜!腹いっぱい」
「ふふ…いっぱい食べてたもんね?」
:09/04/16 21:33 :812SH :☆☆☆
#493 [あお☆まる]
食べ終わった食器を
台所に持っていく
茶碗を洗っていると
いつの間にか
後ろに来た達也に
抱きしめられる
「……」
「…顔真っ赤」
:09/04/16 21:35 :812SH :☆☆☆
#494 [あお☆まる]
八重歯を出しながら
笑う達也
「…だって。」
戸惑う愛子の耳に
唇をあわせる
「お風呂、一緒に入る?」
:09/04/16 23:12 :812SH :☆☆☆
#495 [あお☆まる]
「えっ?」
愛子は言葉を失い
体を硬直させる
お風呂?!
むっ無理だよ…
ただでさえ
仲直りしたてで
抱きしめ合うのさえ
気恥ずかしいのに
:09/04/16 23:18 :812SH :☆☆☆
#496 [あお☆まる]
「わっ、私洗い物終わってないから…」
それらしい理由を
つけて断る愛子
その顔はさっきより
更に、真っ赤に染まる
:09/04/16 23:22 :812SH :☆☆☆
#497 [あお☆まる]
愛子の頭上から
達也の笑い声が聞こえる
「クククッ…俺、アコの裸ならもう何回も見てるよ?今更恥ずかしいの?」
からかう様に
目を細める達也
「もっもう!いーから、早くお風呂入って来て!」
:09/04/16 23:26 :812SH :☆☆☆
#498 [あお☆まる]
「はいはーい」
そう返事をして
達也は諦めて
お風呂に向かった
その姿を確認すると
肩で息をして
ホッとする愛子
:09/04/16 23:28 :812SH :☆☆☆
#499 [あお☆まる]
洗いものを終えて
ソファーに座る
どうにか
さっきの出来事で
早くなってしまった
動悸が落ち着いてきた頃
携帯の着信音が響く
:09/04/16 23:31 :812SH :☆☆☆
#500 [あお☆まる]
その音に
ビクッと肩を揺らす
わっ、
ビックリした…
携帯を見ると
麗子さんからの電話だった
:09/04/16 23:33 :812SH :☆☆☆
#501 [あお☆まる]
「はっはい。もしもし」
『あ、愛子ちゃん?』
「どうしたんですか?」
『いやーメールで仲直りしたって来たから良かったと思って!』
:09/04/17 12:47 :812SH :☆☆☆
#502 [あお☆まる]
あ…それで
何か私たちって
大勢の人に
支えられてるんだね…
自然に笑みが零れる
『でも、本当に良かったぁ!』
:09/04/17 12:53 :812SH :☆☆☆
#503 [あお☆まる]
自分の事の様に
嬉しがる麗子
ふと疑問が浮かんだ
今回の原因の一つ
“オレンジのファイル”
あの中身…麗子さんは
知ってるのかな?
:09/04/17 12:55 :812SH :☆☆☆
#504 [あお☆まる]
「あの…」
『ん〜?なに??』
「結局、あのオレンジのファイルってなんだったんでしょうか?」
…沈黙
ファイルの事を
口に出した途端、
麗子は口を閉ざした
:09/04/17 13:04 :812SH :☆☆☆
#505 [あお☆まる]
麗子さんは
何か知ってるの?
私には
言えない事なのかな…
「…私が知ったらマズイ事なんですか?
でも、美幸ちゃんと達也は何もないですよね?」
:09/04/17 13:06 :812SH :☆☆☆
#506 [あお☆まる]
『勿論!あの二人が何がある訳じゃなくて…
んー…愛子ちゃんはまだ知っちゃダメって言うか』
「知っちゃダメ…?」
『と、とにかく!
いずれ分かるから…
その事は触れないで』
:09/04/17 13:09 :812SH :☆☆☆
#507 [あお☆まる]
そう言われ
無理矢理
自分を納得させて
麗子さんとの
電話を切った
私が知っちゃダメ?
でもいつかは
分かるみたいだし
:09/04/17 13:11 :812SH :☆☆☆
#508 [あお☆まる]
気にならない
って言ったら嘘になる
だって、少なからず
今回の喧嘩の
要因ではある訳だし
でも、麗子さんも
心配ないって言ってたし
:09/04/17 13:13 :812SH :☆☆☆
#509 [あお☆まる]
教えてもらえる日まで
楽しみにして
おこうかな……?
:09/04/17 13:14 :812SH :☆☆☆
#510 [あお☆まる]
心の中で
そう思っていると
ふわりと
シャンプーの匂い
後ろを振り向くと
同時に抱きしめられる
:09/04/17 13:45 :812SH :☆☆☆
#511 [あお☆まる]
目の前にあるのは
何も着てない達也の胸板
達也は腰にだけ
タオルを巻いた状態で
愛子を抱きしめている
「たっ達也?!」
「…待ってたのにな」
:09/04/17 13:48 :812SH :☆☆☆
#512 [あお☆まる]
耳元でそう囁くと
体を少し離し
愛子の顔を覗き込む
お風呂から
上がったばかりで
髪が濡れている
その姿がセクシィーで
頭がクラクラしそうだ…
:09/04/17 13:50 :812SH :☆☆☆
#513 [あお☆まる]
:09/04/17 13:51 :812SH :☆☆☆
#514 [あお☆まる]
「かっかっ風邪ひくよ?」
「大丈夫。アコに温めてもらうから」
「…え?」
気付くと
達也の笑顔を
床に仰向けの状態で
見ていた
:09/04/22 00:30 :812SH :☆☆☆
#515 [あお☆まる]
あ…れ…
押し倒された…?
そう自覚すると
今度は顔が
赤くなるのを感じた
「風邪ひかない様に、たっぷり温めて…ね?」
妖しく笑う達也
:09/04/22 00:44 :812SH :☆☆☆
#516 [あお☆まる]
顔が近づくと
甘いキスが降りそそがれる
久しぶりの
達也の体温を感じ
体がほてる
:09/04/22 00:48 :812SH :☆☆☆
#517 [あお☆まる]
「アコ…愛してる」
愛しい人の
甘い言葉と吐息
シャンプーの香りに
包まれながら
甘い夜は過ぎていく…
:09/04/22 00:50 :812SH :☆☆☆
#518 [あお☆まる]
『えぇっ?!結婚式場が開いてない???』
「……うん」
そうなのです
店のオープン準備とか
喧嘩したりとかで
式の準備が遅れて…
本当は、
6月に上げたかったけど
ジューンブライド
ギリギリに電話しても
空いてる訳がなかった
:09/04/23 01:24 :812SH :☆☆☆
#519 [あお☆まる]
『でもねぇーそうよね。6月は下手したら1年前に予約しなきゃ無理かもね』
電話相手は
専門学校に行ってた時の
男友達の佐藤 咲くん
今は専門学校とは
関係のない
メークの道に進んでる
:09/04/23 01:27 :812SH :☆☆☆
#520 [あお☆まる]
女系の家系で
生まれた為
男の子だけどおねぇ言葉
凄く優しくて
良い友達
『でも、なんで6月にこだわるの?やっぱりジューンブライドだから?』
:09/04/23 01:30 :812SH :☆☆☆
#521 [あお☆まる]
ジューンブライドだから
6月に式を
挙げたい訳じゃない…
6月は特別なの
6月は、プロポーズされた月だから
:09/04/23 01:32 :812SH :☆☆☆
#522 [あお☆まる]
それに、
小さい頃に
私と達也が、
結婚式を挙げた月
日にちまでは
忘れてしまったけど
6月だったのは覚えてる
:09/04/23 01:34 :812SH :☆☆☆
#523 [あお☆まる]
だから
6月に式を挙げたかった
けど…
「諦めた方がいいのかな…。」
:09/04/23 01:36 :812SH :☆☆☆
#524 [あお☆まる]
『とりあえず、私の知り合いにも当たってみるから!…あ、当日は私にメークさせてよねっ!』
「うん!お願いします」
『任せて♪綺麗にするわ!じゃあ又連絡するから、もし進展あったら電話ちょーうだいね!』
:09/04/23 01:39 :812SH :☆☆☆
#525 [あお☆まる]
うん。またね
そう返事をして
電話を切った
と同時に
後ろから達也に抱きしめられる
「電話の奴、呼ぶの?」
「え?咲くん?呼ぶよ」
:09/04/23 01:46 :812SH :☆☆☆
#526 [あお☆まる]
「咲くんね…
仲良いみたいですね」
「うん!」
「…その笑顔ムカつく」
「へっ?」
:09/04/23 01:48 :812SH :☆☆☆
#527 [あお☆まる]
達也は
抱きしめている腕に
力をこめる
「…ヤキモチ?」
後ろを向き
達也の顔を覗き込む
:09/04/23 23:15 :812SH :☆☆☆
#528 [あお☆まる]
「…うるせっ」
そう言うと
少し乱暴に唇を奪われる
「お前は俺だけ見てろ」
:09/04/23 23:16 :812SH :☆☆☆
#529 [あお☆まる]
明らかに
ヤキモチを妬いてる
達也が愛しい
「うん!」
笑顔でそう答ると
優しく頭を撫でてくれた
:09/04/23 23:18 :812SH :☆☆☆
#530 [あお☆まる]
「あ、達也の知り合いの人どうだった?やっぱり無理そう?」
「あぁー…予定埋まってるみてぇー。」
「そっか…。やっぱり6月は無理かなぁ」
:09/04/23 23:21 :812SH :☆☆☆
#531 [あお☆まる]
愛子は
達也に寄り掛かり
膝を抱き抱える
「…かもな。でも大事なのは日付じゃない。
まぁ、他のブライダル関係者にも聞いてみるよ」
「…うん。」
そうだよね
日付より私達の
気持ちが大事だよね
:09/04/23 23:25 :812SH :☆☆☆
#532 [あお☆まる]
それから色々、
ブライダル関係の
知り合いに
あたってみたけど
式場は全滅
そのうち、
達也との店も
雑誌などで取り上げられ
忙しくなった
:09/04/24 23:31 :812SH :☆☆☆
#533 [あお☆まる]
だから、
式は挙げずに
写真だけとろう
二人で
そう決めた。
本当は挙げたかったけど
仕方ないよね
:09/04/24 23:36 :812SH :☆☆☆
#534 [あお☆まる]
休みの日に
麗子さんから達也に
電話があった
「麗子さん、なんだって?」
「あー…うん。
後で話す。とりあえず今から出てくるから」
「…え?今から?」
「うん。ごめんな」
:09/04/24 23:41 :812SH :☆☆☆
#535 [あお☆まる]
でも、今日は…
思わず
達也の服の端を掴む
「…今日、写真撮りに行けないの?」
「……」
:09/04/24 23:45 :812SH :☆☆☆
#536 [あお☆まる]
今日は写真館で
ウェディングドレスを着て写真を撮る予定だった
達也はアコを
力強く抱きしめる
「…悪い。」
その苦しそうな
声を聞いて
本当の気持ちを抑え込む
:09/04/24 23:48 :812SH :☆☆☆
#537 [あお☆まる]
「私は平気、
だから行ってきて?
写真はまた今度!楽しみにしてるから。
いってらっしゃい!」
そう笑顔で言うと
達也の背中を押す愛子
「ありがとう」
:09/04/25 00:10 :812SH :☆☆☆
#538 [あお☆まる]
達也はそう言うと
愛子のおでこに
軽く、キスをして
家から出ていく
…仕方ないよね
きっと
大事な様なんだ
:09/04/25 00:12 :812SH :☆☆☆
#539 [あお☆まる]
それから達也は
5時間くらいして
帰ってきた
そして私に
呼ばれた理由を
話してくれた
どうやら、今度開く
大塚家のパーティーで
デザートを
任されたらしい
:09/04/25 23:48 :812SH :☆☆☆
#540 [あお☆まる]
大塚家といったら
手広く商売をしていて
有名なスイーツの店も経営している
けど、麗子さんの
お父さんは
達也の才能を認めてたし
店も有名になった事での
直々の指名みたいだ
「良かったね!達也。
頑張ってメニュー考えなきゃだね」
:09/04/25 23:53 :812SH :☆☆☆
#541 [あお☆まる]
「おう!これから忙しくなるな。」
そういって
愛子の頭を撫でる達也
あ…そうか
準備とかで益々
時間なくなっちゃうな
写真は暫く
おあずけ…かな?
:09/04/25 23:56 :812SH :☆☆☆
#542 [あお☆まる]
仕方ない
そう思っても
少し残念な気持ちが
愛子をおそう
その気持ちが
知らずのうちに
顔に出ていた様で
心配そうに
達也が顔を覗き込む
:09/04/25 23:59 :812SH :☆☆☆
#543 [あお☆まる]
「アコ…?」
あ、顔に出てた?
だめだ。
せっかく達也を期待しての依頼なんだから、
成功するように気持ち
よく仕事してほしい
「ん?なに?」
笑顔で答える愛子
:09/04/26 00:03 :812SH :☆☆☆
#544 [あお☆まる]
「…ごめんな?
写真はちゃんと、この仕事が終わったら撮ろう。」
「気にしないで!
私、楽しみにしてるね」
達也は返事の代わりに
優しく抱きしめてくれた
:09/04/26 00:07 :812SH :☆☆☆
#545 [あお☆まる]
暖かいな…
私は大丈夫だよ。
強がりじゃなくて…
だから、
一生懸命頑張ってね
:09/04/26 00:09 :812SH :☆☆☆
#546 [あお☆まる]
それから達也は
麗子さんとの
打ち合わせなどで
休みの日も
滅多に家に居なくなった
けど、その間に
時間を作ってくれて
写真館で着る
ウェディングドレスを
買ってくれた…
:09/04/26 00:33 :812SH :☆☆☆
#547 [あお☆まる]
一回しか着ないし
勿体ないから
レンタルで良いと言ったけど
「色々助けてもってるし…アコ、頑張ってるからご褒美。」
と言って
いつの間にか
欲しいと言っていた
ウェディングドレスを
買ってくれていた
:09/04/26 00:36 :812SH :☆☆☆
#548 [あお☆まる]
6月25日
今日はいよいよ
大塚家のパーティー当日
これが終わったら
ゆっくり出来る
ギリギリ6月中に
写真館で写真も撮れそう
:09/04/26 00:42 :812SH :☆☆☆
#549 [あお☆まる]
少しウキウキする
気持ちを抑える様に
居間に飾られた
真新しいウェディングドレスに手を触れる
やっと…着れるんだ
:09/04/26 00:44 :812SH :☆☆☆
#550 [あお☆まる]
嬉しくて
思わず微笑んでいると
達也が部屋に入って来る
「あ、達也。もう出るんだね!頑張ってね」
:09/04/26 00:46 :812SH :☆☆☆
#551 [あお☆まる]
笑顔でそう言うと
達也に手を握られる
「何言ってんの?アコも一緒に行くんだよ」
「え…?聞いてな…い」
「言ってなかったっけ?まぁーいいや。遅れる。いくぞ」
:09/04/26 00:48 :812SH :☆☆☆
#552 [あお☆まる]
突然の事で
困惑する愛子
そんなのお構いなし
と言った感じで
愛子の手を引き
車に愛子を乗せる達也
「で、でも、私パーティーに着るドレスなんか無いよ??」
:09/04/26 00:51 :812SH :☆☆☆
#553 [あお☆まる]
「あー…大丈夫だろ。麗子いっぱい持ってるし」
「で、でも…」
「あ…俺忘れ物した!ちょっと待ってて」
達也は車に
愛子を残して家に戻る
:09/04/26 00:53 :812SH :☆☆☆
#554 [あお☆まる]
達也は
あぁ言ってるけど
大丈夫かな?
麗子さんの家のパーティーだなんて
規模がでかそう……
頭の中で
色々と考えていると、
トランクの閉まる音がする
:09/04/26 00:55 :812SH :☆☆☆
#555 [あお☆まる]
「お待たせ。じゃあ行こうか」
シートベルトを
締めると車を発進させる
「…何忘れたの?」
「んー?1番大事なもん」
:09/04/26 00:56 :812SH :☆☆☆
#556 [あお☆まる]
深く答えずに
車を走らせる達也
「?そっ、そっか」
「うん」
…結局
なに忘れたんだろう?
:09/04/26 00:59 :812SH :☆☆☆
#557 [あお☆まる]
忘れ物の正体が
分からぬまま
車はひたすら
パーティー会場に
向かうのだった
:09/04/26 01:00 :812SH :☆☆☆
#558 [我輩は匿名である]
かいてー
:09/04/27 23:30 :SH905i :AKHlN4og
#559 [あお☆まる]
【 匿名 様 】
……………………………………
ありがとうございます!
今から更新するので
見て下さいねー
……………………………………
:09/05/01 20:31 :812SH :☆☆☆
#560 [あお☆まる]
数十分車は走り
着いた場所は
初めてしたデート場所の
ホテルだった
「あ…ここ。ケーキ食べに来たことある…よね?」
「おう。ここ、麗子の親父の会社の傘下なんだよ」
:09/05/01 20:37 :812SH :☆☆☆
#561 [あお☆まる]
「えー!そうだったんだ!知らなかったぁー」
「行くぞ」
「あ…うん。」
久しぶりに見る
甘酸っぱい思いになる
:09/05/01 20:39 :812SH :☆☆☆
#562 [あお☆まる]
先生の眼鏡を
買った帰り道に
寄ってケーキ食べたんだよね…
この時に、初めて
先生の夢…
パテシエになりたいって
聞いたんだよね
:09/05/01 20:43 :812SH :☆☆☆
#563 [あお☆まる]
「アコー早く!」
あ、いけない
思い出に浸り過ぎた…
ホテルの入口に居る
達也に駆け寄る
:09/05/01 20:53 :812SH :☆☆☆
#564 [あお☆まる]
…あ…れ?
達也の持っている
大きな箱に目がいく
「…何それ?」
「今日の主役…
みたいなもんだよ。」
:09/05/01 21:01 :812SH :☆☆☆
#565 [あお☆まる]
:09/05/01 23:58 :812SH :☆☆☆
#566 [あお☆まる]
その箱の中身は、
深く追求はせず
そのまま達也の
歩くまま着いて行く
「愛子ちゃーーん!」
:09/05/04 17:39 :812SH :☆☆☆
#567 [あお☆まる]
ホテルのフロントに
聞き慣れた声が
響き渡る
声の聞こえた所を
見れば
ドレスアップした
麗子さんの姿があった
「あ、麗子さん」
:09/05/04 17:41 :812SH :☆☆☆
#568 [あお☆まる]
“お久しぶりです”
そう言い終わる前に
麗子に抱きしめられる
「れ、麗子さん?」
「あぁ〜ごめん、ごめん。何かこーいうのワクワクして…」
……?
そんなに楽しいパーティーなのかな?
:09/05/04 17:43 :812SH :☆☆☆
#569 [あお☆まる]
麗子さんに、今日の
パーティー内容を聞こう
口を開く前に
達也が先に口を開く
「…麗子いいから。
それより、コレ」
そう言って
達也は持っていた
箱を麗子さんに渡す
:09/05/04 17:46 :812SH :☆☆☆
#570 [あお☆まる]
「あぁー。コレかぁ〜
オッケーオッケー!」
「じゃあ、アコ頼む」
「任せて♪じゃあ、
行こうか愛子ちゃん」
麗子さんに
腕を掴まれる
:09/05/04 17:49 :812SH :☆☆☆
#571 [あお☆まる]
「え?え?どこに行くんですか?準備は?」
「会場の準備は俺がしとくから、
お前は着替えしてこい」
「そーそー
会場は達也に任せて、ね!行こう〜〜!」
返事をする前に
引きずられるみたいに
一つの部屋に
連れて行かれる
:09/05/04 18:01 :812SH :☆☆☆
#572 [あお☆まる]
その扉を開けると
知った顔が
愛子を出迎える
「愛子ぉ〜〜」
「咲くん??
ど、どうしたの?!」
「メイク!
しにきちゃったぁ〜」
:09/05/04 18:06 :812SH :☆☆☆
#573 [あお☆まる]
ア然とする私を
咲くんが
大きな鏡の前の
椅子に座られる
その鏡は
まるで女優さんが
使う様な大きさで、
座るのも緊張してしまう
:09/05/04 18:08 :812SH :☆☆☆
#574 [あお☆まる]
【訂正】
×
ア然とする私を
咲くんが
大きな鏡の前の
椅子に座られる
○
ア然とする私を
咲くんが手を引き
大きな鏡の前にある
椅子に座らせる
:09/05/04 18:10 :812SH :☆☆☆
#575 [あお☆まる]
「あ、あの咲くん…?」
「はい。お喋りは終わりよ?喋ってたらメイク出来ないからねぇ〜」
「あ…はい。」
いっぱい
聞きたい事があるけど
なんとなく
聞けない雰囲気が漂い
愛子は口をつぐむ
:09/05/04 18:14 :812SH :☆☆☆
#576 [あお☆まる]
鏡を覗けば、
咲くんの手により
どんどん変わっていく
自分の姿が
映し出されていた
うわ……
メイクでこんなに
変わっちゃうんだぁ…
:09/05/04 18:18 :812SH :☆☆☆
#577 [あお☆まる]
鏡の中の
変わっていく自分を
見ていたら
いつの間に終わっていた
「はぁ〜い!
出来上がりよぉ!」
そう言って
咲くんに肩を軽く叩かれ
現実に引き戻される
:09/05/04 18:36 :812SH :☆☆☆
#578 [あお☆まる]
「きゃあ!綺麗!」
「あ、麗子さん」
「じゃあ次は
いよいよ“コレ”ね!」
そういわれて
差し出されたのは
先程麗子さんが
達也から受け取った
大きい箱だった
:09/05/04 18:40 :812SH :☆☆☆
#579 [あお☆まる]
あ…れ?
これって…
「今日の主役?」
思わず出たその言葉に
麗子さんが笑顔になる
「そーよ!開けてみて」
:09/05/04 18:41 :812SH :☆☆☆
#580 [あお☆まる]
麗子さんに
促されて箱を開ける
「……え?」
なんでコレが
ここに……
:09/05/04 18:42 :812SH :☆☆☆
#581 [あお☆まる]
箱には
さっき家で見ていた
薄いピンクの
ウェディングドレス
目の前にある
ウェディングドレス
を見ながら暫く
思考停止状態の愛子
そんな愛子の
肩を揺らす麗子
:09/05/04 18:45 :812SH :☆☆☆
#582 [あお☆まる]
「ほら、皆待ってるよ!急がないと!」
私は促されるまま
服を来て
ホテルの敷地内にある
チャペルに移動した
これって、つまり…
:09/05/04 18:48 :812SH :☆☆☆
#583 [あお☆まる]
チャペルに
一歩、また一歩
と近づく度
胸が高鳴るのを感じる
チャペルの入口には
愛子とお揃いの
ピンク色のタキシードを来た達也の姿があった
:09/05/04 18:50 :812SH :☆☆☆
#584 [あお☆まる]
達也は愛子に気付くと
一瞬だけ目をはり
すぐ柔らかく微笑む
「それじゃあ、私たちは中で待ってるね」
麗子さんは
耳元でそう言うと
咲くんと共に
白いチャペルの中に
入って行く
:09/05/04 18:53 :812SH :☆☆☆
#585 [あお☆まる]
「…アコ綺麗だよ」
その言葉と共に
達也に抱きしめられる
「達也…あの…」
「なぁーに?」
:09/05/04 18:55 :812SH :☆☆☆
#586 [あお☆まる]
「今日って…」
「うん。
俺とアコの結婚式」
「……」
嬉しくて 涙が出そう
:09/05/04 18:57 :812SH :☆☆☆
#587 [あお☆まる]
「泣き虫」
「まだ、泣いてないもん」
その言葉を聞いて
達也はクスと笑うと
真剣な顔になり
体を少し離す
「今日、俺と
結婚してくれますか?」
:09/05/04 18:59 :812SH :☆☆☆
#588 [あお☆まる]
「…はい。」
涙が出るのを
我慢して
震える声で返事をする
その返事を聞くと
達也はいつもの顔で笑う
:09/05/04 19:01 :812SH :☆☆☆
#589 [あお☆まる]
暫く
見つめ合っていると
次第に顔が近づいてくる
キスに答える為に
目をつぶる
「おい。」
威嚇ともとれる
低い声に思わず
目を開く
:09/05/04 19:05 :812SH :☆☆☆
#590 [あお☆まる]
その声の主は…
「お父さん?!」
腕組みをした
仁王立ちのクロだった
「愛子〜綺麗だな!」
:09/05/04 19:07 :812SH :☆☆☆
#591 [あお☆まる]
パッと私達は
離れると
達也がお父さんに
軽く会釈する
「後は私に任せて
達也くんは中に入りなさい」
「…分かりました。
愛子、お願いします。」
:09/05/04 20:57 :812SH :☆☆☆
#592 [あお☆まる]
そういって
もう一度会釈をすると
達也はチャペルの中に
入って行った
入口の前には
私とお父さん。
微笑むお父さんに
問い掛ける
「…今日の事
お父さん知ってたの?」
:09/05/04 21:00 :812SH :☆☆☆
#593 [あお☆まる]
「あぁ。
調度一ヶ月くらい前かな
達也くんから
電話があってね。
麗子さんのホテルが使えるようになったから
6月25日に挙げますって」
「…教えてくれても良かったのに……」
少しいじけて見せると
頭を優しく撫でられて、
秘密だって言われたんだと笑って答えた
:09/05/04 21:04 :812SH :☆☆☆
#594 [あお☆まる]
そんな二人の元に
係員が駆け寄り
「もう少し、そのままでお待ち下さいね」
と言うと
忙しそうに
又消えて行った
「…」
:09/05/04 21:06 :812SH :☆☆☆
#595 [あお☆まる]
二人に沈黙が流れる
「…お願いします、か」
ぽつりと呟く
言葉の意味が分からず
お父さんを見つめる愛子
「…いやな、
愛子が小さい頃は
よく周りに“愛子をお願いします”って言ったもんだよ。
けど今度からは
逆に言われる立場になったんだな…ってな。」
:09/05/04 21:10 :812SH :☆☆☆
#596 [あお☆まる]
お父さんの目には
うっすらと涙が浮かぶ
「…お父さん」
そんなお父さんの姿を見ていたら
胸がキュっと
締め付けると同時に
お父さんに対する
色んな気持ちが溢れ出て
瞳に涙がたまる
:09/05/04 21:15 :812SH :☆☆☆
#597 [あお☆まる]
「私、お父さんの子供で良かった。
お父さん…私のお父さんでいてくれて……
ありがとう。」
「…愛子も俺の子供に産まれてくれて、ありがとう。あと…俺の夢も叶えてくれて、ありがとう」
二人で見合うと
何だか可笑しくて
二人で声を出して笑った
:09/05/04 21:19 :812SH :☆☆☆
#598 [あお☆まる]
そのうちに
係員の人が戻って来て
丁寧に歩きかたや
注意点を
説明してくれた
一通り説明が終わると
係員の人が笑顔で
チャペルの扉を開く
:09/05/06 00:23 :812SH :☆☆☆
#599 [あお☆まる]
チャペルの中は
白一色で
とても神聖に感じる
少し緊張しながら
お父さんの腕に
手を添える
チャペルに入ると
沢山の祝福してくれる
笑顔に出会う
:09/05/06 00:28 :812SH :☆☆☆
#600 [あお☆まる]
その笑顔に
胸を熱くさせながら
一歩、一歩、
噛み締め
遠くにいる
愛しい人の元へ…
:09/05/06 00:30 :812SH :☆☆☆
#601 [あお☆まる]
達也の笑顔に
出会い、
一層胸が熱くなる
溢れそうになる
それをグッと押さえる
達也の距離が近づくと
お父さんがぽつりと
「幸せになるんだぞ」
と呟いた
:09/05/06 00:35 :812SH :☆☆☆
#602 [あお☆まる]
お父さんの顔を
見つめるが
視線は合うことはなく
達也の元にたどり着く。
自分の元から去る
お父さんの
後ろ姿を横目で見ながら
“ありがとう”
と呟いた
:09/05/06 00:38 :812SH :☆☆☆
#603 [あお☆まる]
目線を達也に戻すと
優しく隣へ促される。
神父さんの言葉は
緊張していた
私の心に優しく
溶けていく
「汝は“これ”を愛し
いかなる時も“これ”を守り続ける事を誓いますか?」
:09/05/06 00:41 :812SH :☆☆☆
#604 [あお☆まる]
「誓います」
そう言う
達也の横顔は
今まで見たどれより
真剣だった
だから私も真剣に…
「誓います」
:09/05/06 00:46 :812SH :☆☆☆
#605 [あお☆まる]
その言葉を発すれば
背筋がシャンとした。
「では、指輪の交換を」
初めて付ける
左手の薬指
:09/05/06 00:51 :812SH :☆☆☆
#606 [あお☆まる]
その指輪は
とてもシンプルで
軽かったけど、
付けると
何だか重く感じられた
初めて付けた、左手に
違和感を感じながら
誓いのキス
:09/05/06 00:54 :812SH :☆☆☆
#607 [あお☆まる]
達也は
オデコに軽く口づける
私はきっと
いつになっても
このキスを忘れない
そう思った
:09/05/06 00:56 :812SH :☆☆☆
#608 [あお☆まる]
サプライズ挙式
は終わり
中庭で軽い披露宴
:09/05/06 00:58 :812SH :☆☆☆
#609 [あお☆まる]
「愛子ぉ〜〜」
抱き着いてきたのは
マナミだった
「マナミ〜!」
二人で抱きしめ合う
:09/05/06 01:00 :812SH :☆☆☆
#610 [あお☆まる]
「愛子、すっっごく綺麗!!!」
「ありがとう!」
マナミの隣に
目を移すと
子供を抱き抱える
一樹くんの姿
「おめでとう」
:09/05/06 01:02 :812SH :☆☆☆
#611 [あお☆まる]
「ありがとう。」
「お、コイツが
マナミと一樹のガキか!」
「…はい。」
子供はスヤスヤと
一樹の腕の中で
寝息をたてていた
:09/05/06 01:05 :812SH :☆☆☆
#612 [あお☆まる]
「…わぁ可愛いね。」
笑顔でそう答えると
一樹は目線を
愛子に向ける。
「…加藤、その、ごめん。」
突然の謝罪に
意味が分からなかった
:09/05/06 01:07 :812SH :☆☆☆
#613 [あお☆まる]
「え…何が?」
そう聞き返すと
気まずそうに目を伏せる
「俺、高校の時
お前に酷い事したから」
あぁ……
一樹くんはあの事を
謝ってくれてるんだ…
:09/05/06 01:10 :812SH :☆☆☆
#614 [あお☆まる]
「うん。
許すよ!だからもう気にしないでね?
一樹くんは、大事な私の親友の旦那様なんだから」
笑顔で答えると
一樹の顔が少し和らぐ
「…てか、一樹!アコはもう鈴木だ!」
:09/05/06 01:13 :812SH :☆☆☆
#615 [あお☆まる]
その達也の発言に
皆で顔を
見合わせて笑った
次に、
見事ブーケをゲットした
麗子さんの元に行く
「愛子ちゃん!
すっごく綺麗♪♪♪」
:09/05/06 01:16 :812SH :☆☆☆
#616 [あお☆まる]
「麗子、ありがとうございます。
まさか、こんな素敵な結婚式してもらえると思ってなかったです」
「本当、麗子今回は助かったよ」
「いぃーのよ!
愛子ちゃんの為だし!
なにより、ブーケ、ゲットできたしねぇ〜」
:09/05/06 01:18 :812SH :☆☆☆
#617 [あお☆まる]
そう言って
自慢げにブーケをかざす
「ま、麗子にブーケあっても意味ねぇーけどな」
そんな達也の言葉に
何故かニヤリとする麗子
:09/05/06 01:20 :812SH :☆☆☆
#618 [あお☆まる]
「まだ、
あの嘘信じてたんだ?」
「へ?嘘?」
「そ。う・そ!
だって私レズじゃないし」
その言葉に
達也は目をパチクリさせる
:09/05/06 01:23 :812SH :☆☆☆
#619 [あお☆まる]
「し、か、も
私、秀じぃと来年結婚するから☆」
「はぁああ!??
嘘だろ!嘘だよな、秀じぃ」
「本当でございます。達也さま。」
:09/05/06 01:25 :812SH :☆☆☆
#620 [あお☆まる]
どうやら
本当の事のようだ
達也は
たく、お前はいっつもいきなりだな
と言ってたけど
その顔は凄く嬉しそうだった
:09/05/06 01:35 :812SH :☆☆☆
#621 [あお☆まる]
来年は
麗子さん達の結婚式
二人出れるかな?
そう思うと
今から楽しみだった
:09/05/06 01:37 :812SH :☆☆☆
#622 [あお☆まる]
暫く皆と
談笑していると
係員の人が
大きいケーキを
運んできた
:09/05/06 01:39 :812SH :☆☆☆
#623 [あお☆まる]
「あれは…」
「スペシャルウェディングケーキだよ。行こう」
そう言うと
達也は愛子の手をひく
:09/05/06 01:42 :812SH :☆☆☆
#624 [あお☆まる]
達也にエスコートされ
ケーキの前に立つ
そのケーキは
飴細工で作られた
色とりどりの花がちりばめられ、真ん中には
キスをする
小さい子供の男女
:09/05/06 01:45 :812SH :☆☆☆
#625 [あお☆まる]
それはまるで
小さい時に挙げた
結婚式そのものだった。
「達也…これって私?」
「そう。
このケーキは俺が作った」
:09/05/06 01:48 :812SH :☆☆☆
#626 [あお☆まる]
「え…」
「愛子さん。
コレが、ファイルの中身です」
美幸ちゃんが
ケーキを指差し微笑む
「なぁ〜んかよ、
毎日二人で残ってウェディングケーキどんなのにするか計画たててたらしぃーぜ!」
:09/05/06 01:52 :812SH :☆☆☆
#627 [あお☆まる]
遊馬くんの言葉で
全ての点が線で繋がる
「…そうゆ事。
でも、アコにちゃんと相談するべきだった。
不安にさせてごめんな?」
やっぱり達也には
敵わないよ
:09/05/06 01:58 :812SH :☆☆☆
#628 [あお☆まる]
「達也、ありがとう」
だって
最後にはいつも
こんなに甘い甘い贈り物をくれるんだもん
:09/05/06 01:59 :812SH :☆☆☆
#629 [あお☆まる]
きっと
これからも私達は
不安定で
未熟で
周りに迷惑を
かけたりするんだろうな
:09/05/06 02:01 :812SH :☆☆☆
#630 [あお☆まる]
それでも
私達はきっと大丈夫
だって
一つだけ
確かなものがある
:09/05/06 02:03 :812SH :☆☆☆
#631 [あお☆まる]
あなたへの愛
:09/05/06 02:04 :812SH :☆☆☆
#632 [あお☆まる]
何も信じれなくても
この思いだけは
信じて生きていこう
:09/05/06 02:05 :812SH :☆☆☆
#633 [あお☆まる]
でももし
不安になったら
甘い飴を頂戴ね
ね…先生。
fin
:09/05/06 02:09 :812SH :☆☆☆
#634 [あお☆まる]
【あとがき】
長かった、先生シリーズも
これで本当に終わりです。
無駄に長くなってしまって
最後ダラダラになってしま
いましたが、とても書いて
て楽しかったです!
そう思えるのも、見てくれ
て支えくれた読者様のお陰です
ありがとうございました。
また別の作品を書いていく
ので良かった又お付き合い
下さい。
ありがとうございました
:09/05/06 02:13 :812SH :☆☆☆
#635 [あお☆まる]
:09/05/06 02:14 :812SH :☆☆☆
#636 [あお☆まる]
誓いのキス [jpg/31KB]
:09/05/06 02:34 :812SH :☆☆☆
#637 [みぃ]
:09/05/10 13:05 :W51CA :skpFVqas
#638 [我輩は匿名である]
あげっ
:09/06/14 20:07 :W51SA :eJ0Z3cDA
#639 [我輩は匿名である]
:09/07/27 22:44 :706P :pu5F1eIA
#640 [わをん◇◇]
↑(*゚∀゚*)↑(∩゚∀゚)∩a
:22/11/23 16:23 :Android :yR7K92nk
#641 [わをん◇◇]
:22/11/23 17:06 :Android :yR7K92nk
#642 [我輩は匿名である]
(´∀`∩)↑age↑(∩゚∀゚)∩age
:24/08/09 17:48 :iPhone :3kM8I1MU
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