先生の言うとおりB
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#501 [あお☆まる]
「はっはい。もしもし」
『あ、愛子ちゃん?』
「どうしたんですか?」
『いやーメールで仲直りしたって来たから良かったと思って!』
:09/04/17 12:47 :812SH :☆☆☆
#502 [あお☆まる]
あ…それで
何か私たちって
大勢の人に
支えられてるんだね…
自然に笑みが零れる
『でも、本当に良かったぁ!』
:09/04/17 12:53 :812SH :☆☆☆
#503 [あお☆まる]
自分の事の様に
嬉しがる麗子
ふと疑問が浮かんだ
今回の原因の一つ
“オレンジのファイル”
あの中身…麗子さんは
知ってるのかな?
:09/04/17 12:55 :812SH :☆☆☆
#504 [あお☆まる]
「あの…」
『ん〜?なに??』
「結局、あのオレンジのファイルってなんだったんでしょうか?」
…沈黙
ファイルの事を
口に出した途端、
麗子は口を閉ざした
:09/04/17 13:04 :812SH :☆☆☆
#505 [あお☆まる]
麗子さんは
何か知ってるの?
私には
言えない事なのかな…
「…私が知ったらマズイ事なんですか?
でも、美幸ちゃんと達也は何もないですよね?」
:09/04/17 13:06 :812SH :☆☆☆
#506 [あお☆まる]
『勿論!あの二人が何がある訳じゃなくて…
んー…愛子ちゃんはまだ知っちゃダメって言うか』
「知っちゃダメ…?」
『と、とにかく!
いずれ分かるから…
その事は触れないで』
:09/04/17 13:09 :812SH :☆☆☆
#507 [あお☆まる]
そう言われ
無理矢理
自分を納得させて
麗子さんとの
電話を切った
私が知っちゃダメ?
でもいつかは
分かるみたいだし
:09/04/17 13:11 :812SH :☆☆☆
#508 [あお☆まる]
気にならない
って言ったら嘘になる
だって、少なからず
今回の喧嘩の
要因ではある訳だし
でも、麗子さんも
心配ないって言ってたし
:09/04/17 13:13 :812SH :☆☆☆
#509 [あお☆まる]
教えてもらえる日まで
楽しみにして
おこうかな……?
:09/04/17 13:14 :812SH :☆☆☆
#510 [あお☆まる]
心の中で
そう思っていると
ふわりと
シャンプーの匂い
後ろを振り向くと
同時に抱きしめられる
:09/04/17 13:45 :812SH :☆☆☆
#511 [あお☆まる]
目の前にあるのは
何も着てない達也の胸板
達也は腰にだけ
タオルを巻いた状態で
愛子を抱きしめている
「たっ達也?!」
「…待ってたのにな」
:09/04/17 13:48 :812SH :☆☆☆
#512 [あお☆まる]
耳元でそう囁くと
体を少し離し
愛子の顔を覗き込む
お風呂から
上がったばかりで
髪が濡れている
その姿がセクシィーで
頭がクラクラしそうだ…
:09/04/17 13:50 :812SH :☆☆☆
#513 [あお☆まる]
:09/04/17 13:51 :812SH :☆☆☆
#514 [あお☆まる]
「かっかっ風邪ひくよ?」
「大丈夫。アコに温めてもらうから」
「…え?」
気付くと
達也の笑顔を
床に仰向けの状態で
見ていた
:09/04/22 00:30 :812SH :☆☆☆
#515 [あお☆まる]
あ…れ…
押し倒された…?
そう自覚すると
今度は顔が
赤くなるのを感じた
「風邪ひかない様に、たっぷり温めて…ね?」
妖しく笑う達也
:09/04/22 00:44 :812SH :☆☆☆
#516 [あお☆まる]
顔が近づくと
甘いキスが降りそそがれる
久しぶりの
達也の体温を感じ
体がほてる
:09/04/22 00:48 :812SH :☆☆☆
#517 [あお☆まる]
「アコ…愛してる」
愛しい人の
甘い言葉と吐息
シャンプーの香りに
包まれながら
甘い夜は過ぎていく…
:09/04/22 00:50 :812SH :☆☆☆
#518 [あお☆まる]
『えぇっ?!結婚式場が開いてない???』
「……うん」
そうなのです
店のオープン準備とか
喧嘩したりとかで
式の準備が遅れて…
本当は、
6月に上げたかったけど
ジューンブライド
ギリギリに電話しても
空いてる訳がなかった
:09/04/23 01:24 :812SH :☆☆☆
#519 [あお☆まる]
『でもねぇーそうよね。6月は下手したら1年前に予約しなきゃ無理かもね』
電話相手は
専門学校に行ってた時の
男友達の佐藤 咲くん
今は専門学校とは
関係のない
メークの道に進んでる
:09/04/23 01:27 :812SH :☆☆☆
#520 [あお☆まる]
女系の家系で
生まれた為
男の子だけどおねぇ言葉
凄く優しくて
良い友達
『でも、なんで6月にこだわるの?やっぱりジューンブライドだから?』
:09/04/23 01:30 :812SH :☆☆☆
#521 [あお☆まる]
ジューンブライドだから
6月に式を
挙げたい訳じゃない…
6月は特別なの
6月は、プロポーズされた月だから
:09/04/23 01:32 :812SH :☆☆☆
#522 [あお☆まる]
それに、
小さい頃に
私と達也が、
結婚式を挙げた月
日にちまでは
忘れてしまったけど
6月だったのは覚えてる
:09/04/23 01:34 :812SH :☆☆☆
#523 [あお☆まる]
だから
6月に式を挙げたかった
けど…
「諦めた方がいいのかな…。」
:09/04/23 01:36 :812SH :☆☆☆
#524 [あお☆まる]
『とりあえず、私の知り合いにも当たってみるから!…あ、当日は私にメークさせてよねっ!』
「うん!お願いします」
『任せて♪綺麗にするわ!じゃあ又連絡するから、もし進展あったら電話ちょーうだいね!』
:09/04/23 01:39 :812SH :☆☆☆
#525 [あお☆まる]
うん。またね
そう返事をして
電話を切った
と同時に
後ろから達也に抱きしめられる
「電話の奴、呼ぶの?」
「え?咲くん?呼ぶよ」
:09/04/23 01:46 :812SH :☆☆☆
#526 [あお☆まる]
「咲くんね…
仲良いみたいですね」
「うん!」
「…その笑顔ムカつく」
「へっ?」
:09/04/23 01:48 :812SH :☆☆☆
#527 [あお☆まる]
達也は
抱きしめている腕に
力をこめる
「…ヤキモチ?」
後ろを向き
達也の顔を覗き込む
:09/04/23 23:15 :812SH :☆☆☆
#528 [あお☆まる]
「…うるせっ」
そう言うと
少し乱暴に唇を奪われる
「お前は俺だけ見てろ」
:09/04/23 23:16 :812SH :☆☆☆
#529 [あお☆まる]
明らかに
ヤキモチを妬いてる
達也が愛しい
「うん!」
笑顔でそう答ると
優しく頭を撫でてくれた
:09/04/23 23:18 :812SH :☆☆☆
#530 [あお☆まる]
「あ、達也の知り合いの人どうだった?やっぱり無理そう?」
「あぁー…予定埋まってるみてぇー。」
「そっか…。やっぱり6月は無理かなぁ」
:09/04/23 23:21 :812SH :☆☆☆
#531 [あお☆まる]
愛子は
達也に寄り掛かり
膝を抱き抱える
「…かもな。でも大事なのは日付じゃない。
まぁ、他のブライダル関係者にも聞いてみるよ」
「…うん。」
そうだよね
日付より私達の
気持ちが大事だよね
:09/04/23 23:25 :812SH :☆☆☆
#532 [あお☆まる]
それから色々、
ブライダル関係の
知り合いに
あたってみたけど
式場は全滅
そのうち、
達也との店も
雑誌などで取り上げられ
忙しくなった
:09/04/24 23:31 :812SH :☆☆☆
#533 [あお☆まる]
だから、
式は挙げずに
写真だけとろう
二人で
そう決めた。
本当は挙げたかったけど
仕方ないよね
:09/04/24 23:36 :812SH :☆☆☆
#534 [あお☆まる]
休みの日に
麗子さんから達也に
電話があった
「麗子さん、なんだって?」
「あー…うん。
後で話す。とりあえず今から出てくるから」
「…え?今から?」
「うん。ごめんな」
:09/04/24 23:41 :812SH :☆☆☆
#535 [あお☆まる]
でも、今日は…
思わず
達也の服の端を掴む
「…今日、写真撮りに行けないの?」
「……」
:09/04/24 23:45 :812SH :☆☆☆
#536 [あお☆まる]
今日は写真館で
ウェディングドレスを着て写真を撮る予定だった
達也はアコを
力強く抱きしめる
「…悪い。」
その苦しそうな
声を聞いて
本当の気持ちを抑え込む
:09/04/24 23:48 :812SH :☆☆☆
#537 [あお☆まる]
「私は平気、
だから行ってきて?
写真はまた今度!楽しみにしてるから。
いってらっしゃい!」
そう笑顔で言うと
達也の背中を押す愛子
「ありがとう」
:09/04/25 00:10 :812SH :☆☆☆
#538 [あお☆まる]
達也はそう言うと
愛子のおでこに
軽く、キスをして
家から出ていく
…仕方ないよね
きっと
大事な様なんだ
:09/04/25 00:12 :812SH :☆☆☆
#539 [あお☆まる]
それから達也は
5時間くらいして
帰ってきた
そして私に
呼ばれた理由を
話してくれた
どうやら、今度開く
大塚家のパーティーで
デザートを
任されたらしい
:09/04/25 23:48 :812SH :☆☆☆
#540 [あお☆まる]
大塚家といったら
手広く商売をしていて
有名なスイーツの店も経営している
けど、麗子さんの
お父さんは
達也の才能を認めてたし
店も有名になった事での
直々の指名みたいだ
「良かったね!達也。
頑張ってメニュー考えなきゃだね」
:09/04/25 23:53 :812SH :☆☆☆
#541 [あお☆まる]
「おう!これから忙しくなるな。」
そういって
愛子の頭を撫でる達也
あ…そうか
準備とかで益々
時間なくなっちゃうな
写真は暫く
おあずけ…かな?
:09/04/25 23:56 :812SH :☆☆☆
#542 [あお☆まる]
仕方ない
そう思っても
少し残念な気持ちが
愛子をおそう
その気持ちが
知らずのうちに
顔に出ていた様で
心配そうに
達也が顔を覗き込む
:09/04/25 23:59 :812SH :☆☆☆
#543 [あお☆まる]
「アコ…?」
あ、顔に出てた?
だめだ。
せっかく達也を期待しての依頼なんだから、
成功するように気持ち
よく仕事してほしい
「ん?なに?」
笑顔で答える愛子
:09/04/26 00:03 :812SH :☆☆☆
#544 [あお☆まる]
「…ごめんな?
写真はちゃんと、この仕事が終わったら撮ろう。」
「気にしないで!
私、楽しみにしてるね」
達也は返事の代わりに
優しく抱きしめてくれた
:09/04/26 00:07 :812SH :☆☆☆
#545 [あお☆まる]
暖かいな…
私は大丈夫だよ。
強がりじゃなくて…
だから、
一生懸命頑張ってね
:09/04/26 00:09 :812SH :☆☆☆
#546 [あお☆まる]
それから達也は
麗子さんとの
打ち合わせなどで
休みの日も
滅多に家に居なくなった
けど、その間に
時間を作ってくれて
写真館で着る
ウェディングドレスを
買ってくれた…
:09/04/26 00:33 :812SH :☆☆☆
#547 [あお☆まる]
一回しか着ないし
勿体ないから
レンタルで良いと言ったけど
「色々助けてもってるし…アコ、頑張ってるからご褒美。」
と言って
いつの間にか
欲しいと言っていた
ウェディングドレスを
買ってくれていた
:09/04/26 00:36 :812SH :☆☆☆
#548 [あお☆まる]
6月25日
今日はいよいよ
大塚家のパーティー当日
これが終わったら
ゆっくり出来る
ギリギリ6月中に
写真館で写真も撮れそう
:09/04/26 00:42 :812SH :☆☆☆
#549 [あお☆まる]
少しウキウキする
気持ちを抑える様に
居間に飾られた
真新しいウェディングドレスに手を触れる
やっと…着れるんだ
:09/04/26 00:44 :812SH :☆☆☆
#550 [あお☆まる]
嬉しくて
思わず微笑んでいると
達也が部屋に入って来る
「あ、達也。もう出るんだね!頑張ってね」
:09/04/26 00:46 :812SH :☆☆☆
#551 [あお☆まる]
笑顔でそう言うと
達也に手を握られる
「何言ってんの?アコも一緒に行くんだよ」
「え…?聞いてな…い」
「言ってなかったっけ?まぁーいいや。遅れる。いくぞ」
:09/04/26 00:48 :812SH :☆☆☆
#552 [あお☆まる]
突然の事で
困惑する愛子
そんなのお構いなし
と言った感じで
愛子の手を引き
車に愛子を乗せる達也
「で、でも、私パーティーに着るドレスなんか無いよ??」
:09/04/26 00:51 :812SH :☆☆☆
#553 [あお☆まる]
「あー…大丈夫だろ。麗子いっぱい持ってるし」
「で、でも…」
「あ…俺忘れ物した!ちょっと待ってて」
達也は車に
愛子を残して家に戻る
:09/04/26 00:53 :812SH :☆☆☆
#554 [あお☆まる]
達也は
あぁ言ってるけど
大丈夫かな?
麗子さんの家のパーティーだなんて
規模がでかそう……
頭の中で
色々と考えていると、
トランクの閉まる音がする
:09/04/26 00:55 :812SH :☆☆☆
#555 [あお☆まる]
「お待たせ。じゃあ行こうか」
シートベルトを
締めると車を発進させる
「…何忘れたの?」
「んー?1番大事なもん」
:09/04/26 00:56 :812SH :☆☆☆
#556 [あお☆まる]
深く答えずに
車を走らせる達也
「?そっ、そっか」
「うん」
…結局
なに忘れたんだろう?
:09/04/26 00:59 :812SH :☆☆☆
#557 [あお☆まる]
忘れ物の正体が
分からぬまま
車はひたすら
パーティー会場に
向かうのだった
:09/04/26 01:00 :812SH :☆☆☆
#558 [我輩は匿名である]
かいてー
:09/04/27 23:30 :SH905i :AKHlN4og
#559 [あお☆まる]
【 匿名 様 】
……………………………………
ありがとうございます!
今から更新するので
見て下さいねー
……………………………………
:09/05/01 20:31 :812SH :☆☆☆
#560 [あお☆まる]
数十分車は走り
着いた場所は
初めてしたデート場所の
ホテルだった
「あ…ここ。ケーキ食べに来たことある…よね?」
「おう。ここ、麗子の親父の会社の傘下なんだよ」
:09/05/01 20:37 :812SH :☆☆☆
#561 [あお☆まる]
「えー!そうだったんだ!知らなかったぁー」
「行くぞ」
「あ…うん。」
久しぶりに見る
甘酸っぱい思いになる
:09/05/01 20:39 :812SH :☆☆☆
#562 [あお☆まる]
先生の眼鏡を
買った帰り道に
寄ってケーキ食べたんだよね…
この時に、初めて
先生の夢…
パテシエになりたいって
聞いたんだよね
:09/05/01 20:43 :812SH :☆☆☆
#563 [あお☆まる]
「アコー早く!」
あ、いけない
思い出に浸り過ぎた…
ホテルの入口に居る
達也に駆け寄る
:09/05/01 20:53 :812SH :☆☆☆
#564 [あお☆まる]
…あ…れ?
達也の持っている
大きな箱に目がいく
「…何それ?」
「今日の主役…
みたいなもんだよ。」
:09/05/01 21:01 :812SH :☆☆☆
#565 [あお☆まる]
:09/05/01 23:58 :812SH :☆☆☆
#566 [あお☆まる]
その箱の中身は、
深く追求はせず
そのまま達也の
歩くまま着いて行く
「愛子ちゃーーん!」
:09/05/04 17:39 :812SH :☆☆☆
#567 [あお☆まる]
ホテルのフロントに
聞き慣れた声が
響き渡る
声の聞こえた所を
見れば
ドレスアップした
麗子さんの姿があった
「あ、麗子さん」
:09/05/04 17:41 :812SH :☆☆☆
#568 [あお☆まる]
“お久しぶりです”
そう言い終わる前に
麗子に抱きしめられる
「れ、麗子さん?」
「あぁ〜ごめん、ごめん。何かこーいうのワクワクして…」
……?
そんなに楽しいパーティーなのかな?
:09/05/04 17:43 :812SH :☆☆☆
#569 [あお☆まる]
麗子さんに、今日の
パーティー内容を聞こう
口を開く前に
達也が先に口を開く
「…麗子いいから。
それより、コレ」
そう言って
達也は持っていた
箱を麗子さんに渡す
:09/05/04 17:46 :812SH :☆☆☆
#570 [あお☆まる]
「あぁー。コレかぁ〜
オッケーオッケー!」
「じゃあ、アコ頼む」
「任せて♪じゃあ、
行こうか愛子ちゃん」
麗子さんに
腕を掴まれる
:09/05/04 17:49 :812SH :☆☆☆
#571 [あお☆まる]
「え?え?どこに行くんですか?準備は?」
「会場の準備は俺がしとくから、
お前は着替えしてこい」
「そーそー
会場は達也に任せて、ね!行こう〜〜!」
返事をする前に
引きずられるみたいに
一つの部屋に
連れて行かれる
:09/05/04 18:01 :812SH :☆☆☆
#572 [あお☆まる]
その扉を開けると
知った顔が
愛子を出迎える
「愛子ぉ〜〜」
「咲くん??
ど、どうしたの?!」
「メイク!
しにきちゃったぁ〜」
:09/05/04 18:06 :812SH :☆☆☆
#573 [あお☆まる]
ア然とする私を
咲くんが
大きな鏡の前の
椅子に座られる
その鏡は
まるで女優さんが
使う様な大きさで、
座るのも緊張してしまう
:09/05/04 18:08 :812SH :☆☆☆
#574 [あお☆まる]
【訂正】
×
ア然とする私を
咲くんが
大きな鏡の前の
椅子に座られる
○
ア然とする私を
咲くんが手を引き
大きな鏡の前にある
椅子に座らせる
:09/05/04 18:10 :812SH :☆☆☆
#575 [あお☆まる]
「あ、あの咲くん…?」
「はい。お喋りは終わりよ?喋ってたらメイク出来ないからねぇ〜」
「あ…はい。」
いっぱい
聞きたい事があるけど
なんとなく
聞けない雰囲気が漂い
愛子は口をつぐむ
:09/05/04 18:14 :812SH :☆☆☆
#576 [あお☆まる]
鏡を覗けば、
咲くんの手により
どんどん変わっていく
自分の姿が
映し出されていた
うわ……
メイクでこんなに
変わっちゃうんだぁ…
:09/05/04 18:18 :812SH :☆☆☆
#577 [あお☆まる]
鏡の中の
変わっていく自分を
見ていたら
いつの間に終わっていた
「はぁ〜い!
出来上がりよぉ!」
そう言って
咲くんに肩を軽く叩かれ
現実に引き戻される
:09/05/04 18:36 :812SH :☆☆☆
#578 [あお☆まる]
「きゃあ!綺麗!」
「あ、麗子さん」
「じゃあ次は
いよいよ“コレ”ね!」
そういわれて
差し出されたのは
先程麗子さんが
達也から受け取った
大きい箱だった
:09/05/04 18:40 :812SH :☆☆☆
#579 [あお☆まる]
あ…れ?
これって…
「今日の主役?」
思わず出たその言葉に
麗子さんが笑顔になる
「そーよ!開けてみて」
:09/05/04 18:41 :812SH :☆☆☆
#580 [あお☆まる]
麗子さんに
促されて箱を開ける
「……え?」
なんでコレが
ここに……
:09/05/04 18:42 :812SH :☆☆☆
#581 [あお☆まる]
箱には
さっき家で見ていた
薄いピンクの
ウェディングドレス
目の前にある
ウェディングドレス
を見ながら暫く
思考停止状態の愛子
そんな愛子の
肩を揺らす麗子
:09/05/04 18:45 :812SH :☆☆☆
#582 [あお☆まる]
「ほら、皆待ってるよ!急がないと!」
私は促されるまま
服を来て
ホテルの敷地内にある
チャペルに移動した
これって、つまり…
:09/05/04 18:48 :812SH :☆☆☆
#583 [あお☆まる]
チャペルに
一歩、また一歩
と近づく度
胸が高鳴るのを感じる
チャペルの入口には
愛子とお揃いの
ピンク色のタキシードを来た達也の姿があった
:09/05/04 18:50 :812SH :☆☆☆
#584 [あお☆まる]
達也は愛子に気付くと
一瞬だけ目をはり
すぐ柔らかく微笑む
「それじゃあ、私たちは中で待ってるね」
麗子さんは
耳元でそう言うと
咲くんと共に
白いチャペルの中に
入って行く
:09/05/04 18:53 :812SH :☆☆☆
#585 [あお☆まる]
「…アコ綺麗だよ」
その言葉と共に
達也に抱きしめられる
「達也…あの…」
「なぁーに?」
:09/05/04 18:55 :812SH :☆☆☆
#586 [あお☆まる]
「今日って…」
「うん。
俺とアコの結婚式」
「……」
嬉しくて 涙が出そう
:09/05/04 18:57 :812SH :☆☆☆
#587 [あお☆まる]
「泣き虫」
「まだ、泣いてないもん」
その言葉を聞いて
達也はクスと笑うと
真剣な顔になり
体を少し離す
「今日、俺と
結婚してくれますか?」
:09/05/04 18:59 :812SH :☆☆☆
#588 [あお☆まる]
「…はい。」
涙が出るのを
我慢して
震える声で返事をする
その返事を聞くと
達也はいつもの顔で笑う
:09/05/04 19:01 :812SH :☆☆☆
#589 [あお☆まる]
暫く
見つめ合っていると
次第に顔が近づいてくる
キスに答える為に
目をつぶる
「おい。」
威嚇ともとれる
低い声に思わず
目を開く
:09/05/04 19:05 :812SH :☆☆☆
#590 [あお☆まる]
その声の主は…
「お父さん?!」
腕組みをした
仁王立ちのクロだった
「愛子〜綺麗だな!」
:09/05/04 19:07 :812SH :☆☆☆
#591 [あお☆まる]
パッと私達は
離れると
達也がお父さんに
軽く会釈する
「後は私に任せて
達也くんは中に入りなさい」
「…分かりました。
愛子、お願いします。」
:09/05/04 20:57 :812SH :☆☆☆
#592 [あお☆まる]
そういって
もう一度会釈をすると
達也はチャペルの中に
入って行った
入口の前には
私とお父さん。
微笑むお父さんに
問い掛ける
「…今日の事
お父さん知ってたの?」
:09/05/04 21:00 :812SH :☆☆☆
#593 [あお☆まる]
「あぁ。
調度一ヶ月くらい前かな
達也くんから
電話があってね。
麗子さんのホテルが使えるようになったから
6月25日に挙げますって」
「…教えてくれても良かったのに……」
少しいじけて見せると
頭を優しく撫でられて、
秘密だって言われたんだと笑って答えた
:09/05/04 21:04 :812SH :☆☆☆
#594 [あお☆まる]
そんな二人の元に
係員が駆け寄り
「もう少し、そのままでお待ち下さいね」
と言うと
忙しそうに
又消えて行った
「…」
:09/05/04 21:06 :812SH :☆☆☆
#595 [あお☆まる]
二人に沈黙が流れる
「…お願いします、か」
ぽつりと呟く
言葉の意味が分からず
お父さんを見つめる愛子
「…いやな、
愛子が小さい頃は
よく周りに“愛子をお願いします”って言ったもんだよ。
けど今度からは
逆に言われる立場になったんだな…ってな。」
:09/05/04 21:10 :812SH :☆☆☆
#596 [あお☆まる]
お父さんの目には
うっすらと涙が浮かぶ
「…お父さん」
そんなお父さんの姿を見ていたら
胸がキュっと
締め付けると同時に
お父さんに対する
色んな気持ちが溢れ出て
瞳に涙がたまる
:09/05/04 21:15 :812SH :☆☆☆
#597 [あお☆まる]
「私、お父さんの子供で良かった。
お父さん…私のお父さんでいてくれて……
ありがとう。」
「…愛子も俺の子供に産まれてくれて、ありがとう。あと…俺の夢も叶えてくれて、ありがとう」
二人で見合うと
何だか可笑しくて
二人で声を出して笑った
:09/05/04 21:19 :812SH :☆☆☆
#598 [あお☆まる]
そのうちに
係員の人が戻って来て
丁寧に歩きかたや
注意点を
説明してくれた
一通り説明が終わると
係員の人が笑顔で
チャペルの扉を開く
:09/05/06 00:23 :812SH :☆☆☆
#599 [あお☆まる]
チャペルの中は
白一色で
とても神聖に感じる
少し緊張しながら
お父さんの腕に
手を添える
チャペルに入ると
沢山の祝福してくれる
笑顔に出会う
:09/05/06 00:28 :812SH :☆☆☆
#600 [あお☆まる]
その笑顔に
胸を熱くさせながら
一歩、一歩、
噛み締め
遠くにいる
愛しい人の元へ…
:09/05/06 00:30 :812SH :☆☆☆
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