先生の言うとおりB
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#401 [あお☆まる]
「もう…クロは親バカなんだから……」
そう言うマリエは
優しく微笑んでいる
ふと気配を感じ
後ろを振り向くと
愛子が立っていた。
:09/03/29 23:04 :812SH :☆☆☆
#402 [あお☆まる]
「あ…ごめん。聞くつもりはなかったんだけど」
「いいのよ。お父さんがヒートアップしてただけだから。」
マリエは隣の椅子を
ポンポンと叩くと
愛子に隣に座る様に
優しく促す
愛子はそれに答えて
そっと隣に座る
:09/03/29 23:07 :812SH :☆☆☆
#403 [あお☆まる]
隣に座った
愛子の頭を優しく
抱き寄せる
そしてとても優しい声色で話し掛ける
「ねぇー愛子。ここは愛子の家なんだから好きなだけ居ていいのよ」
「…うん」
:09/03/29 23:09 :812SH :☆☆☆
#404 [あお☆まる]
「それと、お母さん達は愛子が出した答えなら、どんな答えでも応援する。」
「…うん」
「けどね、後悔だけはしないように。ね?」
「…はい」
:09/03/29 23:11 :812SH :☆☆☆
#405 [あお☆まる]
その返事を聞いたマリエは優しく微笑むと
軽く愛子の背中を叩く
「じゃあ、ほら寝なさい!お父さんに捕まったら寝れないよ〜」
おちゃらけた口調に
思わず笑う愛子
「うん。捕まる前に寝るね!おやすみ」
:09/03/29 23:14 :812SH :☆☆☆
#406 [あお☆まる]
「はい。おやすみ!」
お母さんと話して
私にはちゃんと
暖かい帰る場所があるんだって
そう思えたら
少しだけ
心が軽くなった
:09/03/29 23:18 :812SH :☆☆☆
#407 [あお☆まる]
………………………………………………
「はぁ〜〜〜〜〜〜」
まだ開店前の店内に
遊馬の溜息が響く
「……いくら開店前だからって気を抜きすぎ…」
冷ややかに
遊馬に注意する美幸
:09/03/29 23:21 :812SH :☆☆☆
#408 [あお☆まる]
「だってよー今日も愛子来ないんだろ?つまんねぇーーー」
口を尖らせる遊馬
「…そんなに好きなくせに馬鹿みたい。応援して、偽善者ね…」
:09/03/29 23:23 :812SH :☆☆☆
#409 [あお☆まる]
「…俺は、あいつの、愛子の笑顔が好きなんだ。けど俺じゃダメなんだよ…。俺の好きな笑顔は達也さんの隣にいる時の笑顔なんだ。だから俺じゃダメなんだ!」
「何よ…それ。叶わない恋なんてますます馬鹿みたい」
「誰に馬鹿みたいって思われたっていーんだ。俺はあいつが幸せそーに笑ってれば。だからあいつには幸せになってもらわないと…」
:09/03/29 23:43 :812SH :☆☆☆
#410 [あお☆まる]
そう言う遊馬の顔に
嘘偽りはなかった
「馬鹿みたい…」
そう言い残すと
美幸は厨房に消えていく
:09/03/29 23:47 :812SH :☆☆☆
#411 [あお☆まる]
まさかの、奇跡の、一日“二回更新”でした。笑
美幸主役のプチ短編挟みますので本編は少しお休みです!
:09/03/29 23:51 :812SH :☆☆☆
#412 [あお☆まる]
*初恋*
:09/03/30 00:12 :812SH :☆☆☆
#413 [あお☆まる]
初恋って叶わない
誰かがそう言ってた
そもそも私は
恋なんか
しない人種だって
そう思ってたのに…
:09/03/30 00:14 :812SH :☆☆☆
#414 [あお☆まる]
街から少し
外れた道を歩く
ふとある建物に気付き
立ち止まる
最近までなかった
その建物には
“近日オープンにつき
厨房スタッフ募集”
と言う張り紙があった
:09/03/30 00:18 :812SH :☆☆☆
#415 [あお☆まる]
調度、働いていた
洋菓子店を
色恋沙汰に巻き込まれ
先日辞めたばかりだった
もともと恋愛には
興味のない美幸
だが綺麗なその容姿と、冷たい性格のせいで
関係のない
色恋沙汰に巻き込まれやすかった
:09/03/30 00:21 :812SH :☆☆☆
#416 [あお☆まる]
チラシを下まで見ると
“連絡先”の所に
……………………………
鈴木 達也【店長】
愛子【副店長】
TEL ******
……………………………
とあった
…夫婦経営か…
:09/03/30 00:25 :812SH :☆☆☆
#417 [あお☆まる]
美幸は次の職場を
ここに絞った
理由は簡単だ
夫婦でやってるなら
前みたいに
色恋沙汰に巻き込まれて
面倒な事にはならない
そう思ったからだった
:09/03/30 00:27 :812SH :☆☆☆
#418 [あお☆まる]
すぐに電話をして
面接の約束をとりつけた
そして面接当日
店に行くと
何やら揉めていた
私の他に
働きたい人がいるらしい
:09/03/30 00:31 :812SH :☆☆☆
#419 [あお☆まる]
面倒だな…
そう思いながら
その金髪の男の子に
意見すると
店長らしき人が
意外な言葉を発する
「二人共採用!」
:09/03/30 00:33 :812SH :☆☆☆
#420 [あお☆まる]
その発言に
ビックリしたものの
それよりももっと
ビックリした事が起きた
恋愛無関心の
この私が…
まさか……
一目惚れするなんて
:09/03/30 00:35 :812SH :☆☆☆
#421 [あお☆まる]
一目惚れするなんて…
:09/03/30 00:37 :812SH :☆☆☆
#422 [あお☆まる]
>>420 の続きはスルーで
>>412-421二回目更新分
今日は久々の大量更新でした♪
でわ、オヤスミなさい!
良かったら感想下さいね
>>1 感想板
:09/03/30 00:42 :812SH :☆☆☆
#423 [あお☆まる]
それは
不思議な感覚で
初めての感情だった
初めて、けど
この芽生えたものが
“恋”だと
すぐに分かった
:09/04/05 00:14 :812SH :☆☆☆
#424 [あお☆まる]
達也さんと一緒に
仕事をこなす毎日…
ふとする仕草や
声や笑顔
全てが私を狂わす
毎日、毎日
貴方に惹かれていく
:09/04/05 00:19 :812SH :☆☆☆
#425 [あお☆まる]
好きになれば
なるほど
貴方があの子を
どれだけ
好きなのかが分かる
毎日貴方を見てるから
:09/04/05 00:22 :812SH :☆☆☆
#426 [あお☆まる]
馬鹿よね
色恋沙汰を避けて
ここに来たのに
貴方に…
恋してしまうなんて
:09/04/05 00:23 :812SH :☆☆☆
#427 [あお☆まる]
そして事件が起こる
あの子が
達也さんから預かってた
ファイルに気付く
私と達也さんの
二人だけの秘密だった
:09/04/05 00:25 :812SH :☆☆☆
#428 [あお☆まる]
だから言わない。
そんな私を見て
あの子は私に言う
「…達也が好き?」
その時、遊馬が厨房に
愛子を呼びに入る
:09/04/05 00:28 :812SH :☆☆☆
#429 [あお☆まる]
馬鹿な子…
そんな事を聞いて
どうするの?
私の気持ち…
あなたに
言ってどうなるの?
だって…あの人は
貴女が好きなのに
:09/04/05 00:31 :812SH :☆☆☆
#430 [あお☆まる]
そう思ったのに
口が勝手に動く…
言わなくて良いのに
きっと私は
あの子に嫉妬して
意地悪したかったんだ
:09/04/05 00:33 :812SH :☆☆☆
#431 [あお☆まる]
「私、達也さんの事好きです」
そう言うと
遊馬くんが私に
怒鳴り出す
あの子の肩が震える
なんで?
なんで不安になるの?
達也さんは
あんなに貴女をおもっているのに…
:09/04/05 00:38 :812SH :☆☆☆
#432 [あお☆まる]
私の中に
黒い闇が広がる
あの子はズルイ
愛情をあんなに貰って
不安になるなんて…
あの子は
私が1番欲しい愛を
貰ってるのに…
:09/04/05 00:43 :812SH :☆☆☆
#433 [あお☆まる]
遊馬くんに
肩を掴まれる。
痛い…
私の気持ちも
知りもしないで
なんで…
あの子ばっかり
:09/04/05 00:45 :812SH :☆☆☆
#434 [あお☆まる]
達也さんが来て
あの子は走って行った
その後を
遊馬くんが追う
辛そうな顔の達也
:09/04/05 00:47 :812SH :☆☆☆
#435 [あお☆まる]
私は何をしてるんだろう
あの人を傷つけて
あの子を傷つけて
1番…
自分が傷ついてる
:09/04/05 00:49 :812SH :☆☆☆
#436 [あお☆まる]
その日以来
あの子は店に来ない
元気のない達也さん
笑顔のない遊馬くん
それは更に私を
傷ついてる
:09/04/05 00:51 :812SH :☆☆☆
#437 [あお☆まる]
「はぁ〜〜〜〜〜」
長い深い溜息が
開店前の店内に響く
「いくら開店前だからって気を抜きすぎ」
「だって今日も愛子来ないんだろ?」
私のせい…
ズキンと心が痛む
:09/04/05 01:03 :812SH :☆☆☆
#438 [あお☆まる]
「…そんなに好きなくせに馬鹿みたい。応援して、偽善者ね…」
完全な八つ当たり
それに対して
笑顔で、あの子が幸せなら良いだと言う
その笑顔には
嘘偽りは一つもなかった
:09/04/05 01:07 :812SH :☆☆☆
#439 [あお☆まる]
「馬鹿みたい…」
そう言うと
厨房の中に入る
厨房に入ると
達也が心配そうに
近寄ってくる
:09/04/05 01:08 :812SH :☆☆☆
#440 [あお☆まる]
「美幸、どうした?
大丈夫か??」
その言葉で
自分が泣いてるのに
初めて気付く
「…私っ……うっ」
:09/04/05 01:10 :812SH :☆☆☆
#441 [あお☆まる]
馬鹿ね…
最初から分かってた
あの人は
あの子が好き
:09/04/05 01:12 :812SH :☆☆☆
#442 [あお☆まる]
分かってたじゃない
遊馬くんは
愛子さんの事が
好きだって
けど…
私も好きだったの
:09/04/05 01:13 :812SH :☆☆☆
#443 [あお☆まる]
達也さんに
「二人共採用」
そう言われた時の
貴方の……
遊馬くんの
笑顔を見た時から
私は、ずっと、
遊馬くんが好きだった
:09/04/05 01:15 :812SH :☆☆☆
#444 [あお☆まる]
あの子は
私の憧れてる
達也さんの愛情も
私の初恋の
遊馬くんの愛情も
全部、全部持ってる
それなのに
不安だなんて……
:09/04/05 01:17 :812SH :☆☆☆
#445 [あお☆まる]
だから
悔しかった…
けど、
そんなの
間違いだった
だって、
だれも幸せになってない
:09/04/05 01:19 :812SH :☆☆☆
#446 [あお☆まる]
「達也さん…」
「ん?」
「愛子さんが居ないと…仕事に身が入ってなくて…迷惑です。今すぐ愛子さん迎えに行って下さい。愛子さん…きっと待ってますよ?」
目を見開く達也
:09/04/05 01:24 :812SH :☆☆☆
#447 [あお☆まる]
「愛子さん…オレンジ色のファイル気にしてましたよ?きっとそれで不安になってるんです」
達也はそれを
聞くと肩を落とす
「……そうか。俺もまだまだだな…。悪い。ちょっと行って来る」
そう言うと
上着を手に店を飛び出る
:09/04/05 01:28 :812SH :☆☆☆
#448 [あお☆まる]
その姿を見ていると
遊馬くんが
厨房に入って来る
「…お前も馬鹿じゃん。達也さんの事好きなんだろ?いいのか?」
「…別に。早く愛子さんに店に戻って来てもらわないと、あんたがサボるからよ」
:09/04/05 01:34 :812SH :☆☆☆
#449 [あお☆まる]
「あぁ!そっか!」
そう言って
笑う遊馬くんの笑顔は
初めてみた
笑顔と一緒で
私はまた貴方に恋をした
:09/04/05 01:36 :812SH :☆☆☆
#450 [あお☆まる]
【初恋は叶わない】
誰かが言ってた
遊馬くんにした初恋は
やっぱり
叶わなかった…
:09/04/05 01:38 :812SH :☆☆☆
#451 [あお☆まる]
けど、
また貴方に恋をする
ね…
また芽生えた
貴方へのこの恋は
きっと叶うわね
:09/04/05 01:42 :812SH :☆☆☆
#452 [あお☆まる]
だって
これは…
二度目の恋だから
初恋*END
:09/04/05 01:43 :812SH :☆☆☆
#453 [あお☆まる]
:09/04/05 01:48 :812SH :☆☆☆
#454 [あお☆まる]
美幸に言われた。
愛子は、
“オレンジのファイル”
を気にしてたって
気付いてないと
思ってたのに
:09/04/06 20:56 :812SH :☆☆☆
#455 [あお☆まる]
もしかしたら
美幸と毎日
残って
仕事してたのも
本当は気にしてたのか?
馬鹿だよな
良かれと思って
してた行動が
アコを苦しめてたなんて
:09/04/06 20:58 :812SH :☆☆☆
#456 [あお☆まる]
馬鹿は俺か…
一人で突っ走って
アコに
あんな辛い事言わせた…
:09/04/06 21:00 :812SH :☆☆☆
#457 [あお☆まる]
“私より他との方が
良いのかも……”
アコの所に向かう間
その言葉が頭を回ってた
:09/04/06 21:03 :812SH :☆☆☆
#458 [あお☆まる]
久しぶりに着く
アコの家は
結婚の許しをもらいに
行ったあの日より
でかく、悠然と待ち構えている様に思えた
呼び鈴を押す手が
震える
全身の神経が
指に集中していた
:09/04/09 22:55 :812SH :☆☆☆
#459 [あお☆まる]
やっとの思いで
チャイムを鳴らす
その音よりも大きく
心臓がバクバクと激しく動き、体全体に響き渡る
こんなに
緊張したことってない
呼び鈴を鳴らしてから
反応が返って
くるまでの数十秒が
とても長く感じる
:09/04/09 23:00 :812SH :☆☆☆
#460 [あお☆まる]
【…はい】
インターフォン越しに
耳に入ってきた
その声は
間違いなく
愛子の声だった
久しぶりに
聞くその声に
胸が自然と熱くなる
「アコ…か?」
:09/04/09 23:03 :812SH :☆☆☆
#461 [あお☆まる]
緊張のあまり
それしか
言葉に出来なかった
【………】
インターフォン
に出た相手は
沈黙したままだ
けどそれが
愛子である何よりの証拠
達也は言葉を続ける
:09/04/09 23:14 :812SH :☆☆☆
#462 [あお☆まる]
「出てこいよ
話しがしたいんだ。」
インターフォンは切れ
数分たつと
玄関の扉が開く
少し痩せた愛子が
姿を表す
:09/04/09 23:16 :812SH :☆☆☆
#463 [あお☆まる]
…………………………………………
【出てこいよ。
話がしたいんだ】
久しぶりに
聞く声が胸を締め付ける
:09/04/12 00:31 :812SH :☆☆☆
#464 [あお☆まる]
話し合いをしなくちゃ
そう思っていた
けど…
怖い
“要らない”
と言われてしまわないか
:09/04/12 00:33 :812SH :☆☆☆
#465 [あお☆まる]
自分に
自信が持てない私は
少しの事で
不安になってしまう
好きな人を
信用も出来ない
情けない私に
きっと達也だって
呆れてるよ…
:09/04/12 00:38 :812SH :☆☆☆
#466 [あお☆まる]
いつもよりも
重く感じるドアを
静かに開ける
久しぶりに見る
達也の姿は
やっぱり眩しくて
私は少し
達也を遠く感じた
「アコ…」
:09/04/12 00:40 :812SH :☆☆☆
#467 [あお☆まる]
達也が呼ぶ
自分の呼び名を聞いて
胸がキューと
締め付けられる
我慢しても
涙が溢れ出そうと
瞳にたまる
零れ落ちる前に
達也の腕の中に収まった
:09/04/12 00:43 :812SH :☆☆☆
#468 [あお☆まる]
愛しい人の温もりは
がんじがらめになってた
頭の中の糸を、優しく
解してくれたのか
自然と
心の声が溢れた
「……達也
会い、たかった…」
:09/04/12 00:47 :812SH :☆☆☆
#469 [あお☆まる]
優しく引き離されると
愛おしむ様に
顔を覗き込む瞳に出会う
「…アコが出てったくせに。」
そう言うと
最初の時よりも強く
抱きしめられる
:09/04/12 00:50 :812SH :☆☆☆
#470 [あお☆まる]
「…な、アコ。
俺にはアコが必要なんだ。俺から離れるなよ」
「…わ、私は…
いっつも達也に支えてもらってるのに、私は達也に何も出来ない…」
「俺はアコに支えられてるよ。」
:09/04/12 00:55 :812SH :☆☆☆
#471 [あお☆まる]
「嘘…
だって私、達也に何も出来てない。」
達也は少し
腕を緩めると
じっと愛子を見据える
「俺が夢を叶えれたのも、今こうして店で頑張れるのも全部、アコが居たからだ。
もし隣に居たのがアコじゃなくて他の誰かだったら…俺はずっと先生のまんまだったよ」
:09/04/12 01:01 :812SH :☆☆☆
#472 [あお☆まる]
私…
達也の役に立ててた?
側に…居ていいの?
言葉の代わりに
涙が一気に溢れ出す
「だから…そのまんまのアコで俺の嫁になればいーんだよ。」
:09/04/12 01:15 :812SH :☆☆☆
#473 [あお☆まる]
「達也…」
達也の背中に
両腕を回し
ギュッと抱きしめる
「アコは俺のだ」
「…うん」
:09/04/12 01:19 :812SH :☆☆☆
#474 [あお☆まる]
「絶対離してやんねー」
「う…っ」
“うん”と
返事をする前に
唇を塞がれる
「た…つや……」
:09/04/12 01:22 :812SH :☆☆☆
#475 [あお☆まる]
「…ちょっと黙って」
「んっ…」
休む事なく、繰り返し
熱く甘いキスを
落とされる
心の中が
満たされていくのを
感じていた…
:09/04/12 01:27 :812SH :☆☆☆
#476 [あお☆まる]
:09/04/12 01:44 :812SH :☆☆☆
#477 [あお☆まる]
久しぶりに
二人で歩く帰り道
手を繋ぎながら
ゆっくり歩く
「店も一段落したし…
式の準備しよーな」
優しく
笑いかける達也
その笑いにつられて
笑う
「うん」
:09/04/13 13:54 :812SH :☆☆☆
#478 [あお☆まる]
その日は、久しぶりに
達也に
抱きしめられながら
ぐっすりと眠れた
そして
二人で久しぶりに出勤
:09/04/13 13:57 :812SH :☆☆☆
#479 [あお☆まる]
あんな所を見せて
店にも行かなかったから
なんだか凄く
緊張する
達也はその気持ちが分かったのか
そっと愛子の手を握る
達也の体温が
緊張していた心を
ほぐしてくれる
:09/04/13 14:00 :812SH :☆☆☆
#480 [あお☆まる]
「入るよ?」
達也は、店の前で
立ちすくむ愛子を
覗き込み
少しからかう様な
笑顔を浮かべる
「う、うん…」
:09/04/13 14:02 :812SH :☆☆☆
#481 [あお☆まる]
達也が扉に手をかけ
開けようとした時
勢いよく扉が開かれる
その扉に頭を打ち付け
言葉の出ない達也
「〜〜〜!!」
:09/04/13 14:05 :812SH :☆☆☆
#482 [あお☆まる]
そんな達也をよそに
遊馬が勢いよく
愛子に、抱き着く
「あぁーいぃこぉーー」
「きゃっ!ゆっ遊馬くん」
「仲直りしたんだなぁ!良かった良かったぁ!」
:09/04/13 14:11 :812SH :☆☆☆
#483 [あお☆まる]
「…うん。ごめんね?心配かけて、店も休んじゃって」
「いーよ!いーよ!愛子が幸せな……っうおっ」
全部を言い終わる前に
達也によって
愛子から離される遊馬
「遊馬…そいつ俺の」
:09/04/13 14:15 :812SH :☆☆☆
#484 [あお☆まる]
少し苛立った様子の
達也に遊馬は
「おう!知ってる!」
と満面の笑顔を返す
呆気にとられる達也
その姿を見て
クスっと笑う愛子
:09/04/13 14:18 :812SH :☆☆☆
#485 [あお☆まる]
遊馬と達也のやりとりで
心が温かくなる
ふと人の気配を感じ
気配のした方に
目をやると
厨房から出て来た
美幸ちゃんと
目が合う
「あ…お、おはよう」
:09/04/13 14:23 :812SH :☆☆☆
#486 [あお☆まる]
「おはようございます」
休んでた事
謝らなくちゃ…
「あ、あの…「ごめんなさい」」
え…?
私の“ごめんなさい”は
美幸ちゃんの
“ごめんなさい”に
掻き消された
:09/04/14 19:55 :812SH :☆☆☆
#487 [あお☆まる]
「私、意地悪しました」
その言葉に
頭がこんがらがる
「私は、達也さんの事好きです。けど、恋愛じゃない。なのに、あんな言い方しました。」
「美幸ちゃ…ん」
:09/04/14 19:57 :812SH :☆☆☆
#488 [あお☆まる]
「見てて、もどかしかったんです。だって、あんなにも達也さんに信頼されて愛されてるのに気付いてないから…。」
美幸ちゃんの言葉に
再度きづかされた
そうだね…
私なに不安になってたのかな?
こんなに愛ん貰ってたいのに
:09/04/14 20:02 :812SH :☆☆☆
#489 [あお☆まる]
「…うん。ありがとう。仕事も休んでごめんね?」
「全くです。愛子さんはこの店に必要な人なんですから…休まないでくださいね?」
そう笑った
美幸ちゃんの顔が
とっても綺麗で
思わず見とれた
:09/04/14 20:05 :812SH :☆☆☆
#490 [あお☆まる]
それと同時に
美幸ちゃんが、
言ってくれた
【この店に必要】
って言葉が
私の心に優しく
広がっていく
:09/04/14 20:08 :812SH :☆☆☆
#491 [あお☆まる]
あぁ…
私にはちゃんと
“居場所”があるんだ
その事が
何よりの自信になった
:09/04/14 20:12 :812SH :☆☆☆
#492 [あお☆まる]
今日は久しぶりに
達也も残業せず
一緒に帰った
「ふぅ〜〜!腹いっぱい」
「ふふ…いっぱい食べてたもんね?」
:09/04/16 21:33 :812SH :☆☆☆
#493 [あお☆まる]
食べ終わった食器を
台所に持っていく
茶碗を洗っていると
いつの間にか
後ろに来た達也に
抱きしめられる
「……」
「…顔真っ赤」
:09/04/16 21:35 :812SH :☆☆☆
#494 [あお☆まる]
八重歯を出しながら
笑う達也
「…だって。」
戸惑う愛子の耳に
唇をあわせる
「お風呂、一緒に入る?」
:09/04/16 23:12 :812SH :☆☆☆
#495 [あお☆まる]
「えっ?」
愛子は言葉を失い
体を硬直させる
お風呂?!
むっ無理だよ…
ただでさえ
仲直りしたてで
抱きしめ合うのさえ
気恥ずかしいのに
:09/04/16 23:18 :812SH :☆☆☆
#496 [あお☆まる]
「わっ、私洗い物終わってないから…」
それらしい理由を
つけて断る愛子
その顔はさっきより
更に、真っ赤に染まる
:09/04/16 23:22 :812SH :☆☆☆
#497 [あお☆まる]
愛子の頭上から
達也の笑い声が聞こえる
「クククッ…俺、アコの裸ならもう何回も見てるよ?今更恥ずかしいの?」
からかう様に
目を細める達也
「もっもう!いーから、早くお風呂入って来て!」
:09/04/16 23:26 :812SH :☆☆☆
#498 [あお☆まる]
「はいはーい」
そう返事をして
達也は諦めて
お風呂に向かった
その姿を確認すると
肩で息をして
ホッとする愛子
:09/04/16 23:28 :812SH :☆☆☆
#499 [あお☆まる]
洗いものを終えて
ソファーに座る
どうにか
さっきの出来事で
早くなってしまった
動悸が落ち着いてきた頃
携帯の着信音が響く
:09/04/16 23:31 :812SH :☆☆☆
#500 [あお☆まる]
その音に
ビクッと肩を揺らす
わっ、
ビックリした…
携帯を見ると
麗子さんからの電話だった
:09/04/16 23:33 :812SH :☆☆☆
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