本当にあった×××な話
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#468 [ゆーちん]
学校は退学した。


お互いの両親は、私たちの結婚に反対しなかった。


だから、どんどん話が進んで、いつの間にか私の苗字が変わり、幸くんと同じ住所に。


左手の薬指には光るものが輝いていた。

⏰:08/12/07 20:45 📱:SH901iC 🆔:JoXzO7f2


#469 [ゆーちん]
冬を越え、春を迎えた。


温かい町を、大きなお腹で夕飯の買い物のためにのんびりと歩く今日この頃。


「由美ちゃん?」


声を掛けられて振り返ると、懐かしい顔が笑っていた。


「先輩!」


飯田先輩だった。


「え、何?妊娠したの?」


相当驚いているみたい。

⏰:08/12/07 20:45 📱:SH901iC 🆔:JoXzO7f2


#470 [ゆーちん]
「うん。もうすぐ生まれんの。男の子か女の子かはわかんないけど…早く会いたい!」

「すげーな。知らなかったし。」

「エヘヘ。てか先輩、ちゃんと進学できたの?」

「ギリギリ。」


少しカッコよくなった先輩は、大学の制服であるスーツがよく似合っていた。

⏰:08/12/07 20:47 📱:SH901iC 🆔:JoXzO7f2


#471 [ゆーちん]
「てゆーか先輩、こんなとこで何してるんですか?学校は?」


公園のベンチに座りながら黄昏れるキャラでもないのに…。


「午後から学校休みだから、これからおデートちゃん。」

「マジ?彼女できたんだ!おめでとう!」

「待ち合わせが公園とか可愛い彼女だろ?」

「アハハ!」

⏰:08/12/07 20:47 📱:SH901iC 🆔:JoXzO7f2


#472 [ゆーちん]
「先輩、大学楽しい?」

「うーん、まぁまぁかな。大学厳しいけど、支えてくれる彼女いるし?」

「惚気んなー!」

「アハハ。そういう由美ちゃんは?」

「楽しいよ?結婚生活、最高!」

「惚気んなー!」


しばらくすると、

「雅志ー!」

と言いながら女の子が駆け寄ってきた。

⏰:08/12/07 20:48 📱:SH901iC 🆔:JoXzO7f2


#473 [ゆーちん]
「れいか!」


優しくほほえむ先輩は幸せそうだった。


先輩の彼女は私に一礼し、笑いかけてくれた。


「お友達?」

「あぁ。高校の時の後輩。」

「初めまして。雅志の彼女のれいかです。」

人なつっこい先輩の彼女は、私より1つ下の高校3年生。

⏰:08/12/07 20:50 📱:SH901iC 🆔:JoXzO7f2


#474 [ゆーちん]
「はじめまして。由美です。」

「由美さん、妊娠してるんですか?」

「あ、うん。」

「触ってもいいですか?」

「いいよ。」


お腹を触るれいかちゃんは嬉しそうに笑っていた。


可愛い子。

⏰:08/12/07 20:54 📱:SH901iC 🆔:JoXzO7f2


#475 [ゆーちん]
好きだった人の彼女にお腹触られてるなんて…。


なんか笑っちゃう。


れいかちゃんは、もちろん私と先輩が過去にどうこうなんて知らないと思う。


もし知った時が来ても、先輩を嫌いにならないで。


そう願うしかできない。


「元気な赤ちゃん産んでくださいね!」

「うん、ありがと。」

⏰:08/12/07 20:55 📱:SH901iC 🆔:JoXzO7f2


#476 [ゆーちん]
「じゃあ行くか。」


先輩はれいかちゃんの手を取った。


「じゃあね。」

「由美さん、さよなら!」

「バイバイ。」


先輩とれいかちゃんは、私に背を向けて歩き出した。

⏰:08/12/07 20:57 📱:SH901iC 🆔:JoXzO7f2


#477 [ゆーちん]
幸せそうに笑い合ってる二人を見ると私まで幸せ。


先輩が卒業式に言った言葉の意味がわかる。


好きな人が幸せだと私も幸せだ。


だけどね、心のどこかでチクリと痛むものがあるんだ。


でもきっとこの痛みはイイ痛み。


私を、また1つ成長させてくれるもの。


先輩、ありがとう。

⏰:08/12/07 20:58 📱:SH901iC 🆔:JoXzO7f2


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