本当にあった×××な話
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#455 [ゆーちん]
亜紀が帰ってから、幸くんに電話で『妊娠したかもしれない。』と伝えると、『今から行く。』と言い、電話を切られた。
しばらくすると、仕事帰りの幸くんが私の部屋に来た。
「大丈夫?」
「え?」
まず私の体の心配をしてくれた幸くんに、私は驚いてしまった。
素直に嬉しかった…。
:08/12/07 20:29 :SH901iC :JoXzO7f2
#456 [ゆーちん]
「妊娠、嘘じゃないよな?」
「100パーセントかわかんないけど…たぶんそう。生理も来てないし、検査薬は陽性だった。」
「うし、じゃあ今から医者行くぞ。」
:08/12/07 20:29 :SH901iC :JoXzO7f2
#457 [ゆーちん]
あれ?
よく考えたら、こんな時間に仕事が終わるはず無いのに…。
「仕事は?」
「ん?早退。」
「え、いいの?」
「いいの。気になって仕事なんかやってられねぇし。」
言いかたはキツいけど、言ってる事は涙が出るほど嬉しかったよ。
:08/12/07 20:31 :SH901iC :JoXzO7f2
#458 [ゆーちん]
「ありがと。」
手を握り、私たちは部屋から出た。
そして車に乗り、病院へと急ぐ。
「石田さーん。」
名前が呼ばれ、診察室に。
「ここで待ってて。」
「おう。」
幸くんは待合室で待っててもらう事にした。
診察室に入り結果を聞く。
:08/12/07 20:32 :SH901iC :JoXzO7f2
#459 [ゆーちん]
「ご懐妊ですね。」
優しい笑顔の女の先生が言った。
覚悟はしていたけど、やっぱりズッシリくるものがあった。
「出産を希望ですか?」
「あ、えっと…」
どうしよう。
幸くんに『産め』とも『産むな』とも言われてない。
:08/12/07 20:33 :SH901iC :JoXzO7f2
#460 [ゆーちん]
「相手の方はなんて?」
「まだどうするかは話し合ってなくて…待合室にいるんですけど。」
「そう。じゃあちょっと呼んできて?」
先生は近くにいた看護士にそう告げた。
:08/12/07 20:34 :SH901iC :JoXzO7f2
#461 [ゆーちん]
「失礼します。」
幸くんが入ってきた。
「青木幸太さん?」
「はい。」
「座って?」
私の隣に腰掛けた幸くんの顔が見れない。
だって、もし産むなって言われたら…。
:08/12/07 20:35 :SH901iC :JoXzO7f2
#462 [ゆーちん]
「由美さん妊娠してますね。12週目でちょうど3ヵ月目です」
「そうですか。」
「どうされますか?」
「もちろん出産希望で。」
…え?
なんか…感動もクソもなかった。
あっけなく答えた幸くんに少し拍子抜け。
先生は私に優しく笑いかけてくれた。
「由美さんも、もちろん希望ですよね?」
「あ…はい!」
:08/12/07 20:36 :SH901iC :JoXzO7f2
#463 [ゆーちん]
こうして病院を後にした私たち。
車はゆっくり私の家に向かう。
帰りの車内、私たちはほとんど話をしなかった。
家につき、また私の部屋に入った。
「由美。」
「ん?」
「病院で、出産希望だって最初に言わなかったのか?」
「…うん。」
「なんで?」
「だって…幸くんが嫌だったら産めないし。」
「…なんだそれ。」
:08/12/07 20:36 :SH901iC :JoXzO7f2
#464 [ゆーちん]
「だって…」
その瞬間、フワっと幸くんの腕に包まれた。
「ごめんな。俺が最初に言っときゃ、よかったんだよな。」
「…。」
「俺と由美の子供、産んでくれる?」
「…うん。」
涙が出た。
こんな優しい幸くん、反則だよ。
ほんと悪魔みたいな天使だ。
:08/12/07 20:38 :SH901iC :JoXzO7f2
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