真実のカツオ
最新 最初 🆕
#176 [ゆー]
俺は少しの笑みを浮かべて潮吹さんに近付いた。

『また会ったね‥』

『アナタ‥この間の‥』

潮吹さんはニコっと笑ってくれた。

‥やっぱり可愛い。

⏰:08/12/07 14:25 📱:W52S 🆔:ADv4H.fE


#177 [ゆー]
『この間はありがとうね‥』

『いえ‥俺こそ余計なことをして‥』

お姉さんは、そんなことないと首を振った。

『ちょっと話さない?』

え‥―?
と戸惑うお姉さんの腕を引き、俺はさっきの喫茶店へと入った。

⏰:08/12/07 14:31 📱:W52S 🆔:ADv4H.fE


#178 [ゆー]
『すみません、いきなり‥』

俺はとりあえずお姉さんに謝った。

『ううん、私も話したかったから‥』

俺は、またコーヒーを注文した。
コーヒー二つ‥

⏰:08/12/07 14:33 📱:W52S 🆔:ADv4H.fE


#179 [ゆー]
『この間は泣いてる所見られちゃって‥格好悪かったよね、恥ずかしい』

『お姉さん、名前なんて言うの?』

もう名前は知っていたが、俺はお姉さんの口から聞きたかった。

『‥あわび』

⏰:08/12/07 14:36 📱:W52S 🆔:ADv4H.fE


#180 [ゆー]
『あわびさんか‥俺は、カツオだよ』

あわびさんはカツオ君か‥と呟きながらコーヒーを口に含んだ。

『あの時のカツオ君の言葉‥嬉しかった』

俺が、ん?って顔をしてると、あわびさんはクスっと笑って
『泣きたきゃ泣け‥って、泣いている理由を聞かないで‥ただそう言って見ず知らずの私なんかに暖かいマフラーをかけてくれた‥』

俺は急に恥ずかしくなって
『‥思ったこと言っただけ』
と目をそらして素っ気なく言った。

⏰:08/12/07 14:44 📱:W52S 🆔:ADv4H.fE


#181 [ゆー]
『‥カツオ君は、コーヒーに似ているわ‥』

‥コーヒー?
俺がまた、首をかしげていると、あわびさんは続けて言った。

『コーヒーのように苦くて大人な感じなんだけど、ふとした時に甘くなる‥ミルクや砂糖を加えれば加えるほど、カツオ君の優しさは引き立つ‥みたいな』


‥俺には難しくてあまり理解できなかったが、悪い気はしなかった。

『じゃあ‥あわびさんは雪だね』

⏰:08/12/07 14:48 📱:W52S 🆔:ADv4H.fE


#182 [ゆー]
俺は降ってきた雪を指差して言った。

『雪みたいに白くて小さく‥すぐに溶けてしまいがちで儚くもろいが‥その存在は大きいんだよ‥』
あわびさんは
『雪みたいに早く溶けてなくなりたいよ』
と呟いたが、俺は聞こえないふりをした。

⏰:08/12/07 14:52 📱:W52S 🆔:ADv4H.fE


#183 [ゆー]
『‥それに、私は存在感ないしさ‥』


‥悪いね、あわびさん。
俺の中ではアンタの存在はあり得ない程、大きさを増してんだよ。
俺がコーヒーだと言うなら、コーヒーの湯気でアンタを暖めてやるよ‥溶けないように包んでやるよ‥

⏰:08/12/07 14:55 📱:W52S 🆔:ADv4H.fE


#184 [ゆー]
でも、今の俺にはそんな言葉をかけられる余地はない。

『私‥いけないことしてるの‥上司に‥危ないことされてるのを‥先輩に見られて‥脅されて‥
それで‥』


‥ははーん、上司に出世されてほしいなら俺と一夜をすごせみたいなことを言われてんのをマスオ兄さんに見られたのね?

⏰:08/12/07 14:58 📱:W52S 🆔:ADv4H.fE


#185 [ゆー]
『‥会社やめないの?』

俺は、あわびさんを見つめて言った。

『無理だよ‥私のお母さんがその上司に頼んで私を働かせてくれてるの‥お母さんの努力を無駄にできないよ‥』

『一週間‥時間くれない?』

あわびは、驚いていたが、次の俺の言葉に更に驚きを隠せないようだった。

⏰:08/12/07 15:02 📱:W52S 🆔:ADv4H.fE


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194