真実のカツオ
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#180 [ゆー]
『あわびさんか‥俺は、カツオだよ』
あわびさんはカツオ君か‥と呟きながらコーヒーを口に含んだ。
『あの時のカツオ君の言葉‥嬉しかった』
俺が、ん?って顔をしてると、あわびさんはクスっと笑って
『泣きたきゃ泣け‥って、泣いている理由を聞かないで‥ただそう言って見ず知らずの私なんかに暖かいマフラーをかけてくれた‥』
俺は急に恥ずかしくなって
『‥思ったこと言っただけ』
と目をそらして素っ気なく言った。
:08/12/07 14:44
:W52S
:ADv4H.fE
#181 [ゆー]
『‥カツオ君は、コーヒーに似ているわ‥』
‥コーヒー?
俺がまた、首をかしげていると、あわびさんは続けて言った。
『コーヒーのように苦くて大人な感じなんだけど、ふとした時に甘くなる‥ミルクや砂糖を加えれば加えるほど、カツオ君の優しさは引き立つ‥みたいな』
‥俺には難しくてあまり理解できなかったが、悪い気はしなかった。
『じゃあ‥あわびさんは雪だね』
:08/12/07 14:48
:W52S
:ADv4H.fE
#182 [ゆー]
俺は降ってきた雪を指差して言った。
『雪みたいに白くて小さく‥すぐに溶けてしまいがちで儚くもろいが‥その存在は大きいんだよ‥』
あわびさんは
『雪みたいに早く溶けてなくなりたいよ』
と呟いたが、俺は聞こえないふりをした。
:08/12/07 14:52
:W52S
:ADv4H.fE
#183 [ゆー]
『‥それに、私は存在感ないしさ‥』
‥悪いね、あわびさん。
俺の中ではアンタの存在はあり得ない程、大きさを増してんだよ。
俺がコーヒーだと言うなら、コーヒーの湯気でアンタを暖めてやるよ‥溶けないように包んでやるよ‥
:08/12/07 14:55
:W52S
:ADv4H.fE
#184 [ゆー]
でも、今の俺にはそんな言葉をかけられる余地はない。
『私‥いけないことしてるの‥上司に‥危ないことされてるのを‥先輩に見られて‥脅されて‥
それで‥』
‥ははーん、上司に出世されてほしいなら俺と一夜をすごせみたいなことを言われてんのをマスオ兄さんに見られたのね?
:08/12/07 14:58
:W52S
:ADv4H.fE
#185 [ゆー]
『‥会社やめないの?』
俺は、あわびさんを見つめて言った。
『無理だよ‥私のお母さんがその上司に頼んで私を働かせてくれてるの‥お母さんの努力を無駄にできないよ‥』
『一週間‥時間くれない?』
あわびは、驚いていたが、次の俺の言葉に更に驚きを隠せないようだった。
:08/12/07 15:02
:W52S
:ADv4H.fE
#186 [ゆー]
『一週間で、そいつら二人があわびさんに手を出さないようにしてやるよ‥』
あわびさんは、目を丸くしたが次の瞬間に
『アハハハ!無理だよぉ、でもありがとうね‥カツオ君みたいな子どもに、こんな話聞かせちゃって‥ゴメンね』
あわびさんは帰る支度をしていた。
俺はその手をつかみ
『それまで毎日、この場所に、この時間で会おう』
‥俺は伝票を持ち、二人分のコーヒー代を払って外へ出た。
:08/12/07 15:07
:W52S
:ADv4H.fE
#187 [ゆー]
一旦休憩
:08/12/07 15:07
:W52S
:ADv4H.fE
#188 [我輩は匿名である]
めちゃくちゃカツオカッコいいっす
頑張って!
:08/12/07 16:58
:P905i
:☆☆☆
#189 [我輩は匿名である]
書いて
:08/12/07 18:22
:W61T
:8kAcZtUc
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