人生の案内板
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#192 [幸]
『わかった!!』
私は笑顔で家を出た。
警察は、あの少年をどうするつもりなのか?
そういえば、あれ以来
ニュースとか報道されてない。
:08/12/27 22:44 :W53H :nlA3ocY.
#193 [幸]
『鮎川さんですね?』
警察署に着いた。
私は警察の人たちと
一つの小さな部屋で
話した。
『あなたは、どこで
会ったんですか?』
『〇〇公園の近くの
路地裏です。』
私はあの日のことを
1から10まで話した。
:08/12/27 22:47 :W53H :nlA3ocY.
#194 [幸]
警察の人は、時々頷きながら
聞いてくれた。
この人は、きっと話を
ちゃんと理解してくれる。
そう感じた。
『あの少年がね、
なんで君が俺のこと
助けてくれたのか、
わからないって。
会ってみない?』
:08/12/27 22:50 :W53H :nlA3ocY.
#195 [幸]
『えっ?』
『自分の口から本人に
伝えた方がいいでしょ?』
何かが救われた気持ちになった。
彼に会えば、私の今までの
考えをかき消してくれるような
気がしたからだ。
なんのため勉強するか
という、難問に。
:08/12/27 22:52 :W53H :nlA3ocY.
#196 [幸]
『どうぞ。』
警察の人に案内され
前にあった椅子に座った。
あのドアの向こうに
彼が来る……
ガチャー
:08/12/27 22:53 :W53H :nlA3ocY.
#197 [幸]
彼が来た。
私はまじまじと彼の顔
を見た。
彼の顔は、あの日と同じ
目だけがギラギラしていた。
『なんで来たんだよ?』
:08/12/27 22:54 :W53H :nlA3ocY.
#198 [幸]
彼が椅子に座る当時にそう聞いた。
『私、あなたに言われてから
考えるようになった。
なんでT大学に行くのか。
またはなぜ勉強をするのか。
考えたけど、無理みたい。
私にはなりたい職業がない。
あれば、また違ってたかもしれないのに。』
:08/12/27 22:57 :W53H :nlA3ocY.
#199 [幸]
『まだ気にしてんのか?
忘れろ!!
俺は妬いてたんだ!
俺、受験なんてまだまだ
だけどK高校に行って
L大学に行って、心理学
を学びたかったんだ。
でも行きたくても
俺は無理なんだ。
金がないから…。
それなのに、夢も
学びたいこともない
あんたが大学に進学して
ずるいよ…
だったら、俺と交換しろよ。
そう思っただけだ。
だから妬いてただけなんだよ。』
:08/12/27 23:02 :W53H :nlA3ocY.
#200 [幸]
彼の声は…
震えていた。
悔しさがひしひしと
伝わってくる。
『俺のせいで、あんたが
苦しんだならごめん。
だから、もう俺にかまわなきて
いいよ。』
:08/12/27 23:04 :W53H :nlA3ocY.
#201 [幸]
ねぇ…なぜ?
なぜあなたはそんなに……
『…我慢するの?』
かまわないでって。。
そんな嘘、誰だって見破れる。
あなたは本当は…
助けてほしいくせに。
なぜ我慢するの?
:08/12/28 23:49 :W53H :rI5HnOXg
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