人生の案内板
最新 最初 全
#219 [幸]
そのハンカチには、
独特な匂いがした。
柔らかく、私を包み込む
優しい匂い。
家に着いても私は
ハンカチから手放さなかった。
勉強するときも
かぎたくなったら
ハンカチをかいでいた。
:08/12/30 12:23 :W53H :aR7PgfF2
#220 [幸]
変態だ。私。
でもその匂いをかがないわけにはいかなかった。
私は予備校に行ってないので
わからない問題があったら、
学校に行き先生に聞いていた。
:08/12/30 12:30 :W53H :aR7PgfF2
#221 [幸]
私がだいたい学校に行く時間と
あの男に会った時間が同じだ。
だから少し早く家を出、
初めて会った場所で
ハンカチを持って待っていた。
しかし、ほぼ毎日来ても
なかなか男と会わなかった。
:08/12/30 12:53 :W53H :aR7PgfF2
#222 [幸]
夏休みの終わりの頃。
私はいつも通りの生活をしてた
流れてあった、あるニュースに
目が入った。
‘え―7才の女の子が
実の母親に殺害されました。
その女の子は小学校で
特別学級に通っており
母親は育てるのに
疲れたと述べていました’
:08/12/30 13:00 :W53H :aR7PgfF2
#223 [幸]
障害者……胸が痛かった。
最近、こんな事件ばかりだ。
健常者と共生なんて
できないのかな。
悲しくなってきた。
:08/12/30 13:02 :W53H :aR7PgfF2
#224 [幸]
あの少年はどうなったのかな?
私は学校に行ってから警察署に寄った。
私は彼と面会はせず、
彼の担当の警察の人に
話を聞いた。
:08/12/30 13:04 :W53H :aR7PgfF2
#225 [幸]
『彼はどうなるんですか?』
『一応、人殺したからね。』
『そんな…彼は母親の
ために…』
『相手は殺人犯だぞ?
そんなこといちいち
受けとめていたら私たちだってやっていけないよ。』
:08/12/30 13:08 :W53H :aR7PgfF2
#226 [幸]
『あなたの気持ち、
わからなくもないよ?』
『彼をそこまで追い詰めたのは
彼の周りにいた大人の
せいですよ!?』
私の声は震えていた。
警察の人は困っていた。
:08/12/30 13:14 :W53H :aR7PgfF2
#227 [幸]
『あなた、あの少年に
おにぎりを渡したんですよね?』
警察の人は困ってた顔から
何かをひらめいた顔に
変化した。
『はい…』
『あなたなら、心を開いて
くれるかもしれない。』
:08/12/30 13:17 :W53H :aR7PgfF2
#228 [幸]
『しかし、以前面会した時
かまわないでと言われた
ばかりなんです。
嘘だと感じるのですが…』
『はい、私どももそう思います。
私もあの時いたんです。
しかし彼、私と話す時
よりあなたと話す時の
方が話しやすいと思うのです。』
:08/12/30 13:21 :W53H :aR7PgfF2
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194