人生の案内板

『だいたい、かなの顔を見れば
わかるよ～』

『そ、そう？』

私ってそんなに顔にだすタイプ？

『もう勉強一筋になったのか？
それか他に好きな人が…？』

ちなみはニヤニヤしながら聞いた。

ちなみに好きな人と言われた時
脳裏に浮かんだのは
かけるだった…。

待て!!待て。私。
夏祭りのとき、小早川君が好きだって
思ったじゃん!!

もしかして…二股!?
私が!?

そう考える度に
あの占いが頭の中に蘇ってくる。

『お～い。
かな、大丈夫かぁ？』

『…ちなみ、私二股かも。』

『はぁ？』

私はかけるのこと、
夏祭りに小早川君と同行
したことをちなみに話した。

『…匂いって、あんた
犬か？』

ちなみの第一声はそれだった。

そして、
『でも私、かなはその
かける君の方が好きだと感じる。
かける君のことを話す時
嬉しそうだし。
小早川君のことは…
なんだろ、先生って感じに聞こえる。』

と、言われた。

それは言えてるかも。
私も納得してしまった。
気づいたらかけるのことを考えてる。
…一目惚れってやつ？

『そ～いや、ちなみは？』

私たちは、恋愛話で盛り上がった。

『陸ったらひどいんだよ？』

…どうやら陸君はベ―ジェクト病ではなかったらしい。

ちなみが勉強ばかりだから
恋に関わる心理テストをしたらしい。

そして、それがこれか。
これは心理テストって言えるのか？

まぁ陸君、無事でよかったよ。

…心理テスト…
そうか、それだけで人の心が分かるんだ!!

やばい!!
おもしろい!!

私は始業式が終わった後
資料室へ向かった。

そこに、私の親しみのある先生がいるからだ。

『先生～？高城先生!?』

３回目でやっと返事がした。
声の高い、男の先生が
やってきた。

私は心理学について話してみた。

『心理学に興味を持ったか～』

先生は困った顔をした。

『鮎川、お前は馬鹿じゃない、
心理学で最も有名な大学
調べたろな？』

『Ｌ大でしょ？
なんで？そこの大学やばいの？』

『ん～お前も知ってると思うが
うちの高校は進学校なの。
そんなＬ大に合格したって
なんの得にもならないんだよ。』

『でも心理学部は凄いじゃん!!』

『大学生からすればな。
だが中学生の受験生が
Ｌ大に合格って格下
だと思われるだろ!!』

先生の言い方に憤りを感じた。