人生の案内板

私はなるべく大通りを
通って帰った。

玄関に誰かがいた。

『かける……？』

かけるがこっちを振り返った。

‘今日、じじさんの所
に行ったらかなさんが
来たって言われて…’

携帯でそう打たれていた。

私も携帯で打った。

『私の父さんがご迷惑
をおかけしました。』

‘娘思いのいい父親だよ’

『そうかな？』
‘ああ。’

なぜか、かけるといると
自然に笑いがこみ上げてくる。

‘テストだったからメール
できなかった。
ごめんな。’

『大丈夫だよ。』
‘本当に？’
『本当だよ!!』

なんだ…テストだったのか。
今までの私、なんだったんだ…。

『と、言うわけなんです。』

翌日、学校でさっそく
ちえみに話した。
小早川君のことを除いて。

『あんたも早とちりなんだから。』

ちえみは笑いながらそう言った。

『てか、文化祭来るの？』

ちえみがワクワクしながら聞いてきた。

文化祭……。
ここの文化祭は主に
２年生がメインだ。

３年生は受験なので…
だからカップルはよく
一緒に回っていた。

『ちえみは？』
『陸が来てくれるんだぁ!!』

幸せそうに笑うちえみ。
私もかけるに聞いてみよう!!

私はその夜、メールで
かけるに文化祭のことを言った。

‘いいよ。
高校の文化祭懐かしいな。’

と来た。
いやっったぁぁ！

私は今まで勉強と両立して手話も勉強してた。

文化祭の日までなるべく
携帯を使わないでかけると話せるようになる!!

と決めた。

文化祭当日。

『陸くん、いる!?』

私はちえみに聞いた。

『ちえみ!!』

その時、金髪の男がそう叫んで
こっちに来た。

『陸…』

ちえみは恥ずかしがっていたが
嬉しそうだった。

『あなたがかなさん？
ちえみがいつもお世話に
なってます。』

外見怖いのに、すごく
礼儀のある人でした。