人生の案内板
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#592 [幸]
‘そんなの、お前と会うための
口実だよ’
と話した。
ドキッと大きく心臓が動いた。
私の手話の読みとり方
間違ってないよね?
そう自分に説いきかせながら
真剣な目のかけるを見続けた。
:09/02/06 00:35 :W53H :Li7Rh2v.
#593 [幸]
‘かな…’
かけるはおそらく
指文字で手話をしたのか、
私には分からなかった。
ただかけるの後ろから
自転車のベルが鳴っていた。
:09/02/06 00:38 :W53H :Li7Rh2v.
#594 [幸]
私はとっさに
『危ない!』
と言い、かけるの二の腕を取り
精一杯の力で私の方に
引っ張った。
なんとか自転車と
ぶつからずにすんだが、
私とかけるとの距離が短くなった。
:09/02/06 00:41 :W53H :Li7Rh2v.
#595 [幸]
‘ありがと’
かけるは一歩後ろに下がり
礼を言った。
その顔はとても悲しそうだった。
‘そろそろ帰ろうか?
勉強頑張らなきゃだし。’
かけるはそう話すと歩き出した。
:09/02/06 00:43 :W53H :Li7Rh2v.
#596 [幸]
やめてよ。
そんな顔、嫌い…。
私の前では笑ってよ。
私の大好きなあなたの笑顔を見たい。
しかし、そんな私の願いは叶わず
かけるは私の家に送るまで
ずうっと、所々暗い顔をしていた。
もしかしたら、この一年、
最悪な一年になるのかもしれない…
:09/02/06 00:48 :W53H :Li7Rh2v.
#597 [幸]
『聞いたよ。
かけると一緒に初詣に
行ったんだって?』
私はじじさんの所で
勉強をしていたらそう聞かれた。
『はい…
でもその前に、
明けましておめでとうございます。』
『あっ、おめでとうございます』
新年の挨拶をした。
:09/02/06 00:53 :W53H :Li7Rh2v.
#598 [幸]
『どうだった?』
じじさんは興味津々に
聞いてきた。
『別に…。
てか!今気づいた!!』
私は思わず立ち上がってしまった。
『なにを?』
じじさんは驚いてた。
:09/02/06 00:55 :W53H :Li7Rh2v.
#599 [幸]
『かけるって、ある日
突然耳が聞こえなくなった…
てことは、しゃべれるじゃん!?』
するとじじさんは
“それか…”と呟き
アイスティ―を飲んだ。
聞いちゃいけなかったかな?
そんな雰囲気がした。
:09/02/06 00:58 :W53H :Li7Rh2v.
#600 [幸]
『自分の話してる声が
聞こえないから
どのくらいの音量で話せばいいか
わからないんだよ。
それでもかけるは試そうとしたけど
余計にだめで…
さらには精神的な問題で
話せなくなったんだ…。』
風が強い日だった。
窓がその強い風のせいで泣いていた。
:09/02/06 01:01 :W53H :Li7Rh2v.
#601 [幸]
>>592すみませんホホ
手話の読みとり方
ではなく、
口パクの読みとり方でしたm(_ _)m
:09/02/06 01:05 :W53H :Li7Rh2v.
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