人生の案内板
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#101 [幸]
『この人を知ってますよね?』
そう警察の人が言いながら
一枚の写真を出した。
その写真は可愛らしい笑顔の少年の写真だった
しかし、その少年に違和感を感じた
:08/12/20 23:21 :W53H :fuNbPEIo
#102 [幸]
…どこかで見たことのある顔。
私はまじまじと見た。
すると警察の人が
『障害の持った弟を殺害
した兄貴の写真だよ』
と、不機嫌な顔して言った。
私はその警察の人を
不快に感じたままもう一回
その写真を見た
:08/12/20 23:23 :W53H :fuNbPEIo
#103 [幸]
確かに、こういう顔していたな。
そう感じ、ゆっくり首を
縦に動かした。
:08/12/20 23:24 :W53H :fuNbPEIo
#104 [幸]
『やはりあなたか。』
警察がそう呟くと
周りにいた先生が険しい顔をして、
話を聞いた
:08/12/21 11:25 :W53H :4/aH5P5A
#105 [幸]
『あなたは殺人犯を
警察から逃がそうとした…』
驚いた。
なぜそのような話になるのか?
私はそんなつもりで
おにぎりをあげたんじゃない!!
しかし、心で叫ぶだけでは
相手には伝わらず。
警察の話はさらに続いてく。
:08/12/21 11:53 :W53H :4/aH5P5A
#106 [幸]
『相手が殺人犯だと
分かりながらも
おなかすかせていたからといって
おにぎりを差し上げ…『違います。』
私は最後まで話を聞かずそう言った
その声は男よりも低く
恨みもこもっていた
:08/12/21 11:57 :W53H :4/aH5P5A
#107 [幸]
はぁ、と警察はため息をした
そして
『じゃあなんで野郎に
飯をあげたんだぁ!?』
大きな声で怒鳴った。
なぜそんなに怒鳴るのか?
結局はあの子は自主したじゃないか
なんで私が怒られなきゃならないんだよ
:08/12/22 15:04 :W53H :CJ9uPbk2
#108 [幸]
私は何も悪いことしていない
悔しい。
なんて悔しい。
『この子は優しい子
なんです。』
優しい声が聞こえた
この声は、私の親しみがある先生の声だ。
:08/12/22 15:20 :W53H :CJ9uPbk2
#109 [ちきん]
凄く惹き付けられました…!どんな展開になるか凄く楽しみです。
頑張ってください(*´∇`*)
:08/12/22 15:27 :P01A :5DxdqBxA
#110 [幸]
『この子は人殺しとか
関係なく、困ってる人
を見かけたら
助けてしまうんです』
……先生…
この声が私の憎しみにそまった心が
綺麗に流れた。
:08/12/22 15:34 :W53H :CJ9uPbk2
#111 [幸]
>>109サン
ぁりがとうござぃますx
頑張らせて頂きます
:08/12/22 15:35 :W53H :CJ9uPbk2
#112 [幸]
『そもそも、なぜあなた達は
この子を怒鳴るんですか?
この子はそんなに悪いことなど…』
気がつけば当たりが
暗くなっていた。
校長室の窓は小さいせいか
暗くなっていたなど
気づかなかった
:08/12/22 15:40 :W53H :CJ9uPbk2
#113 [幸]
『………』
警察の人は何か言いたげな顔をしたが、
また不機嫌な顔に戻った
『今日の所は失礼します
しかし、またあなたに尋ねたいことがありますので
またご協力お願いします』
:08/12/22 15:42 :W53H :CJ9uPbk2
#114 [幸]
そう言い、ドアを激しく閉めた。
何がしたかったの?
そんな疑問しかなかった
ほとんどの先生たちは呆れていた
:08/12/22 15:46 :W53H :CJ9uPbk2
#115 [幸]
『お前は間違ってないよ』
私が一人で帰ろうとした時
最も親しみのある先生がそう言った
『なぜ……?』
私は小さな声で聞いた
:08/12/22 15:48 :W53H :CJ9uPbk2
#116 [幸]
『お前この前あの少年を
助けたいって言ったよな?
なぜそう思った?』
先生は優しい顔で聞いた
私は下を向いていた顔を上げ
まじまじと先生の顔を見た
:08/12/22 15:53 :W53H :CJ9uPbk2
#117 [幸]
先生は女みたいに高い声だ。
顔や体は男なのに。
『…分かりません
ただ、気付いたら
おにぎりを買ってたんです
気付いたらあの少年に
あげてたんです。
頭で何も考えてなかった
気付いたら、そんな行動をとってた。
私、何事も考えてから
行動しろ。と母から
言われていたのに
あの時だけ…
何も考えず……。』
:08/12/22 15:59 :W53H :CJ9uPbk2
#118 [幸]
ゆっくりと話した。
先生は最後まで私の顔を見て
聞いてくれた
『それはね、あなたが
本当に守りたいと思ったからだよ』
『えっ!?
初めて出会ったのに!?』
『好きとか、嫌いとか関係なく、
ただ、その少年を守ってあげたいって、
強く思ったからだよ』
:08/12/22 16:04 :W53H :CJ9uPbk2
#119 [幸]
私が……?
なんで?
『お前はそういう奴だからじゃん?』
先生はそう言い、私の頭を撫でた
そして私は先生と別れ
家に向かった。
:08/12/22 20:38 :W53H :CJ9uPbk2
#120 [幸]
私は家に着き、家事をした。
そして夜ご飯の準備をし、
いただきます
と、手を合わせて挨拶をし、食べ始めた
ただいま
と父さんが帰ってきた
:08/12/22 20:41 :W53H :CJ9uPbk2
#121 [幸]
私は学校であった事を
父さんに相談した
すると、父さんは
何かを思い出すように
語りだした
『お前の母さんはなぁ
そういう警察の人、
嫌いそうだなぁ。』
:08/12/22 20:49 :W53H :CJ9uPbk2
#122 [幸]
『母さんが?』
『ああ、お前の母さんは
なんだろうな…正義感がある人だったよ
イジメとか見かけると
イジメられてる人を
助けようとする人だよ
でもさぁ、イジメって
人生に一度は必ず見かけるだろ?』
:08/12/22 20:51 :W53H :CJ9uPbk2
#123 [幸]
私は黙って父さんの話
を聞いた
『母さんと同じ仕事場
でイジメにあってる子
がいたんだ。
特別仲は良くなかったが
嫌いではない人だったらしくてな
お前も知ってると思うけど
お母さん、頭よくないだろ。
だからその子がイジメられてることに気づかなかったんだ。』
:08/12/22 20:55 :W53H :CJ9uPbk2
#124 [幸]
『それって、頭良い
悪い関係なくない!?』
『……お母さんは大学
まで進学してないだろ
昔は大学進学っていったら
たいしたもんだったんだよ
だから、お母さんは
イジメのことを知らなかった
自分を責めていた』
私はたまらない気持ちになった
:08/12/22 20:57 :W53H :CJ9uPbk2
#125 [幸]
さらに、父さんは語り続ける
『その子は……自殺を
したんだ
まぁ、命には大事なかったが
その子は仕事を止めた』
母さん…
私は無性に母さんを抱きたかった
でも、その母さんは今はいない。
:08/12/22 21:00 :W53H :CJ9uPbk2
#126 [幸]
『“私が…気づいてやれなかったからだよね
なんで私は馬鹿なんだろう
頭…悪すぎだよ”
って母さんが付き合っていた
俺にそう言った。
俺はイジメた奴が悪い
って言ったけど…
やっぱりそういう事に
気づく事は頭悪い奴
はそう簡単に気づかないと思う
って……
頭が良いなら、早く
その子の気持ちを察して
助けられる
だから…今まで教育熱心だったんだよ』
:08/12/23 12:58 :W53H :qB6pGs66
#127 [幸]
『お前は母さん似だな
そういう性格がそっくりだ』
父さんはそう言うと、
ビールをグッと飲んだ
仕事の終わりにはビールが似合う
と笑い、私の顔を見た
『お前も、優しい人間になったな』
と、父さんが私の頭を撫でた
:08/12/23 23:53 :W53H :qB6pGs66
#128 [幸]
『父さん…』
『なんだ?』
『私、弱い人っていうか…
人の気持ちを察してあげられる
人間になるっっ』
きっと
“何になりたい?”
と、聞かれたらこう答えるだろう
私のこの気持ちは誰にも負けない
:08/12/23 23:55 :W53H :qB6pGs66
#129 [幸]
『いいことじゃないか』
父さんはそう呟き、
また私の頭を撫でた
:08/12/23 23:56 :W53H :qB6pGs66
#130 [幸]
翌日。
学校に行く時だった。
駅に募金をしている大人がいる
『盲導犬の〜……
目の不自由な方のために……
ご協力お願いします』
途切れ途切れであったが
私はすぐに反応し、
募金をしている方へ目を向けた。
:08/12/23 23:59 :W53H :qB6pGs66
#131 [幸]
お金を入れる箱に
“障害者”と書かれてある
文字に目が入った。
気づかなかった…
こんな近くに障害があるなんて
そうだよ…
普通の顔をしてる障害者
だっているんだよ。
健常者と全く変わらない
:08/12/24 00:02 :W53H :5tzWFXiw
#132 [幸]
私は障害者と健常者は
顔が違うと思っていた
だってダウン症とか、
そうでしょ?
本で調べたんだから。
しかし、身体障害者とか
目、耳の不自由な人は
一見、健常者と変わらないんだよ
:08/12/24 00:05 :W53H :5tzWFXiw
#133 [幸]
こんなことを言ったら
差別になるかもしれないけど
この人は健常者と少々
違うと区別できる人は
健常者もその人に対して
優しく接しなくてはいけない
だって障害を持っているんだもの。
色んな面で不自由を感じているに違いない
だったらその気持ちを察して、
接した方がいいでしょ?
:08/12/24 00:08 :W53H :5tzWFXiw
#134 [幸]
私はボ〜ッと立っていた
すると、
『あなた、何してるの?
どいてあげなさいよ』
と、募金をしている大人に言われた
“何をしてる”って…?
私は疑問に思ったまま
言われた通りどいた。
:08/12/24 00:11 :W53H :5tzWFXiw
#135 [幸]
『いや〜ありがとね』
後ろからおじさんの声がした
おじさんは杖を持っていた
そして、その杖を黄色のブロックに当てながら
歩いて行った。
『すみません』
私はそう言った。
するとおじさんは後ろを振り返り
私に可愛い顔でニコッと笑ってくれた
:08/12/24 00:13 :W53H :5tzWFXiw
#136 [幸]
あのおじさん、
“ありがとね”って言ったよね?
なぜ?
私が悪いのに。
この黄色のブロックは
唯一目の不自由な人が
歩ける限られた範囲内
なのに。
そこを邪魔をしたのは私
なぜあのおじさんは
わざわざお礼を言ったのか?
:08/12/24 00:16 :W53H :5tzWFXiw
#137 [幸]
身近にいないと思っていた
障害者のことを。
でも違う。
そんなことない
私が視界に入れさせなかっただけだ
身近にいるのに、
私は……
一気に暗い気持ちになった
暗い気持ちのまま
学校へ向かった
:08/12/24 00:19 :W53H :5tzWFXiw
#138 [幸]
『かな〜!』
教室に着くと、ちなみ
が走ってきた
『どうしたの?』
『この前の判定Aだったの』
ちなみが嬉しそうにそう言った。
『まじで?よかったじゃん!
ちなみは何学部だっけ?』
:08/12/24 00:23 :W53H :5tzWFXiw
#139 [幸]
『かなが目指してる学部
より低いけど医学部だよ』
低いって……(笑)
まぁT大は医学部は他の学部より低い
『ちなみってさぁ、
夢とかあるの?』
私は興味津々で聞いた
:08/12/24 00:25 :W53H :5tzWFXiw
#140 [幸]
『うん、看護婦さん
私ナイチンゲール
みたいな、看護婦さん
になりたいんだぁ
勉強もして、より早く
治るように治療してあげたいの』
嬉しそうに言うちなみを見て
羨ましいと思った
“夢”があるんだぁ。
だからT大を目指してるんだぁ。
私は?
:08/12/24 00:27 :W53H :5tzWFXiw
#141 [幸]
私は…
なりたい職業なんてない。
どうすればいいの?
どうやって決めるの?
そう考える度に
あの少年に言われた事
が脳裏に浮かぶ。
しかし鐘が鳴った途端に
私は、はっと我に返り
席に座った
:08/12/24 20:35 :W53H :5tzWFXiw
#142 [幸]
『もうすぐ夏休みだ!
でも、夏こそ勉強だっ。
みんな!!志望校に向いて
効率のいい勉強をするんだぞ』
伊勢のいい担任の声。
その声がとても胸ぐそ悪くて
しょうがなかった。
:08/12/24 20:40 :W53H :5tzWFXiw
#143 [幸]
私は、T大学に入るため
この高校に来た。
じゃあ、なぜT大学に行くのか?
…お母さんが…
違う違う!!
私が入りたいと思ったから。
いつそんなこと思った?
いつ…
母さんに言われた時?
違う!!なぜ母さんが出てくる!!
:08/12/24 20:43 :W53H :5tzWFXiw
#144 [幸]
…頭がおかしくなりそうだ。
『鮎川!?』
その声にはっと気づく。
どうやら私はまた1人の世界に入ってたようだ。
『えっ?なあに!?』
:08/12/24 20:45 :W53H :5tzWFXiw
#145 [我輩は匿名である]
今一気に読みました
頑張って下さい
!
:08/12/24 22:12 :D904i :☆☆☆
#146 [幸]
>>145本当にぁりがとぅござぃますx
とても励みになります
これからも頑張らせていただきます
:08/12/26 17:25 :W53H :5QU1jOMg
#147 [幸]
『何回呼んでも無反応
だったから。』
そう言ったのはあの
小早川きいだった。
『こっ…小早川君!?』
私は自分で分かるくらいに
あたふたしていた。
:08/12/26 17:57 :W53H :5QU1jOMg
#148 [幸]
『鮎川、国語得意だったろ?
今日さぁ、またあの
レストランでやらない?』
小早川君はそう誘い
座ってる私の椅子に左手を、
私の机の上に右手を置いた。
さらに私の目線に合わせる
ように、顔を近づけた。
:08/12/26 18:01 :W53H :5QU1jOMg
#149 [幸]
か…顔近すぎ……
なんでそんなに近づくの?
私そんなに焦点づれてたのかな?
どうしよ〜
キスするときって、
こんなに近くに相手の顔
が見れるの!?
ってなんでキスっていう言葉が!?
別に小早川君とキス
しないから!!
それより、レストランって…
どうしよ〜。
:08/12/26 18:04 :W53H :5QU1jOMg
#150 [幸]
考え込んでる時、
ある声が聞こえた。
『鮎川さん、器量がよくないのに
小早川君と二人きりで
勉強とかひくわ〜。』
『本当。勉強で見返してやる!!』
もろ聞こえてんだよ!!
てめーら嫉妬か!?
コラ!!なめんなよ
心の中でそう叫んだ
:08/12/26 18:07 :W53H :5QU1jOMg
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