人生の案内板
最新 最初 全
#101 [幸]
『この人を知ってますよね?』
そう警察の人が言いながら
一枚の写真を出した。
その写真は可愛らしい笑顔の少年の写真だった
しかし、その少年に違和感を感じた
:08/12/20 23:21 :W53H :fuNbPEIo
#102 [幸]
…どこかで見たことのある顔。
私はまじまじと見た。
すると警察の人が
『障害の持った弟を殺害
した兄貴の写真だよ』
と、不機嫌な顔して言った。
私はその警察の人を
不快に感じたままもう一回
その写真を見た
:08/12/20 23:23 :W53H :fuNbPEIo
#103 [幸]
確かに、こういう顔していたな。
そう感じ、ゆっくり首を
縦に動かした。
:08/12/20 23:24 :W53H :fuNbPEIo
#104 [幸]
『やはりあなたか。』
警察がそう呟くと
周りにいた先生が険しい顔をして、
話を聞いた
:08/12/21 11:25 :W53H :4/aH5P5A
#105 [幸]
『あなたは殺人犯を
警察から逃がそうとした…』
驚いた。
なぜそのような話になるのか?
私はそんなつもりで
おにぎりをあげたんじゃない!!
しかし、心で叫ぶだけでは
相手には伝わらず。
警察の話はさらに続いてく。
:08/12/21 11:53 :W53H :4/aH5P5A
#106 [幸]
『相手が殺人犯だと
分かりながらも
おなかすかせていたからといって
おにぎりを差し上げ…『違います。』
私は最後まで話を聞かずそう言った
その声は男よりも低く
恨みもこもっていた
:08/12/21 11:57 :W53H :4/aH5P5A
#107 [幸]
はぁ、と警察はため息をした
そして
『じゃあなんで野郎に
飯をあげたんだぁ!?』
大きな声で怒鳴った。
なぜそんなに怒鳴るのか?
結局はあの子は自主したじゃないか
なんで私が怒られなきゃならないんだよ
:08/12/22 15:04 :W53H :CJ9uPbk2
#108 [幸]
私は何も悪いことしていない
悔しい。
なんて悔しい。
『この子は優しい子
なんです。』
優しい声が聞こえた
この声は、私の親しみがある先生の声だ。
:08/12/22 15:20 :W53H :CJ9uPbk2
#109 [ちきん]
凄く惹き付けられました…!どんな展開になるか凄く楽しみです。
頑張ってください(*´∇`*)
:08/12/22 15:27 :P01A :5DxdqBxA
#110 [幸]
『この子は人殺しとか
関係なく、困ってる人
を見かけたら
助けてしまうんです』
……先生…
この声が私の憎しみにそまった心が
綺麗に流れた。
:08/12/22 15:34 :W53H :CJ9uPbk2
#111 [幸]
>>109サン
ぁりがとうござぃますx
頑張らせて頂きます
:08/12/22 15:35 :W53H :CJ9uPbk2
#112 [幸]
『そもそも、なぜあなた達は
この子を怒鳴るんですか?
この子はそんなに悪いことなど…』
気がつけば当たりが
暗くなっていた。
校長室の窓は小さいせいか
暗くなっていたなど
気づかなかった
:08/12/22 15:40 :W53H :CJ9uPbk2
#113 [幸]
『………』
警察の人は何か言いたげな顔をしたが、
また不機嫌な顔に戻った
『今日の所は失礼します
しかし、またあなたに尋ねたいことがありますので
またご協力お願いします』
:08/12/22 15:42 :W53H :CJ9uPbk2
#114 [幸]
そう言い、ドアを激しく閉めた。
何がしたかったの?
そんな疑問しかなかった
ほとんどの先生たちは呆れていた
:08/12/22 15:46 :W53H :CJ9uPbk2
#115 [幸]
『お前は間違ってないよ』
私が一人で帰ろうとした時
最も親しみのある先生がそう言った
『なぜ……?』
私は小さな声で聞いた
:08/12/22 15:48 :W53H :CJ9uPbk2
#116 [幸]
『お前この前あの少年を
助けたいって言ったよな?
なぜそう思った?』
先生は優しい顔で聞いた
私は下を向いていた顔を上げ
まじまじと先生の顔を見た
:08/12/22 15:53 :W53H :CJ9uPbk2
#117 [幸]
先生は女みたいに高い声だ。
顔や体は男なのに。
『…分かりません
ただ、気付いたら
おにぎりを買ってたんです
気付いたらあの少年に
あげてたんです。
頭で何も考えてなかった
気付いたら、そんな行動をとってた。
私、何事も考えてから
行動しろ。と母から
言われていたのに
あの時だけ…
何も考えず……。』
:08/12/22 15:59 :W53H :CJ9uPbk2
#118 [幸]
ゆっくりと話した。
先生は最後まで私の顔を見て
聞いてくれた
『それはね、あなたが
本当に守りたいと思ったからだよ』
『えっ!?
初めて出会ったのに!?』
『好きとか、嫌いとか関係なく、
ただ、その少年を守ってあげたいって、
強く思ったからだよ』
:08/12/22 16:04 :W53H :CJ9uPbk2
#119 [幸]
私が……?
なんで?
『お前はそういう奴だからじゃん?』
先生はそう言い、私の頭を撫でた
そして私は先生と別れ
家に向かった。
:08/12/22 20:38 :W53H :CJ9uPbk2
#120 [幸]
私は家に着き、家事をした。
そして夜ご飯の準備をし、
いただきます
と、手を合わせて挨拶をし、食べ始めた
ただいま
と父さんが帰ってきた
:08/12/22 20:41 :W53H :CJ9uPbk2
#121 [幸]
私は学校であった事を
父さんに相談した
すると、父さんは
何かを思い出すように
語りだした
『お前の母さんはなぁ
そういう警察の人、
嫌いそうだなぁ。』
:08/12/22 20:49 :W53H :CJ9uPbk2
#122 [幸]
『母さんが?』
『ああ、お前の母さんは
なんだろうな…正義感がある人だったよ
イジメとか見かけると
イジメられてる人を
助けようとする人だよ
でもさぁ、イジメって
人生に一度は必ず見かけるだろ?』
:08/12/22 20:51 :W53H :CJ9uPbk2
#123 [幸]
私は黙って父さんの話
を聞いた
『母さんと同じ仕事場
でイジメにあってる子
がいたんだ。
特別仲は良くなかったが
嫌いではない人だったらしくてな
お前も知ってると思うけど
お母さん、頭よくないだろ。
だからその子がイジメられてることに気づかなかったんだ。』
:08/12/22 20:55 :W53H :CJ9uPbk2
#124 [幸]
『それって、頭良い
悪い関係なくない!?』
『……お母さんは大学
まで進学してないだろ
昔は大学進学っていったら
たいしたもんだったんだよ
だから、お母さんは
イジメのことを知らなかった
自分を責めていた』
私はたまらない気持ちになった
:08/12/22 20:57 :W53H :CJ9uPbk2
#125 [幸]
さらに、父さんは語り続ける
『その子は……自殺を
したんだ
まぁ、命には大事なかったが
その子は仕事を止めた』
母さん…
私は無性に母さんを抱きたかった
でも、その母さんは今はいない。
:08/12/22 21:00 :W53H :CJ9uPbk2
#126 [幸]
『“私が…気づいてやれなかったからだよね
なんで私は馬鹿なんだろう
頭…悪すぎだよ”
って母さんが付き合っていた
俺にそう言った。
俺はイジメた奴が悪い
って言ったけど…
やっぱりそういう事に
気づく事は頭悪い奴
はそう簡単に気づかないと思う
って……
頭が良いなら、早く
その子の気持ちを察して
助けられる
だから…今まで教育熱心だったんだよ』
:08/12/23 12:58 :W53H :qB6pGs66
#127 [幸]
『お前は母さん似だな
そういう性格がそっくりだ』
父さんはそう言うと、
ビールをグッと飲んだ
仕事の終わりにはビールが似合う
と笑い、私の顔を見た
『お前も、優しい人間になったな』
と、父さんが私の頭を撫でた
:08/12/23 23:53 :W53H :qB6pGs66
#128 [幸]
『父さん…』
『なんだ?』
『私、弱い人っていうか…
人の気持ちを察してあげられる
人間になるっっ』
きっと
“何になりたい?”
と、聞かれたらこう答えるだろう
私のこの気持ちは誰にも負けない
:08/12/23 23:55 :W53H :qB6pGs66
#129 [幸]
『いいことじゃないか』
父さんはそう呟き、
また私の頭を撫でた
:08/12/23 23:56 :W53H :qB6pGs66
#130 [幸]
翌日。
学校に行く時だった。
駅に募金をしている大人がいる
『盲導犬の〜……
目の不自由な方のために……
ご協力お願いします』
途切れ途切れであったが
私はすぐに反応し、
募金をしている方へ目を向けた。
:08/12/23 23:59 :W53H :qB6pGs66
#131 [幸]
お金を入れる箱に
“障害者”と書かれてある
文字に目が入った。
気づかなかった…
こんな近くに障害があるなんて
そうだよ…
普通の顔をしてる障害者
だっているんだよ。
健常者と全く変わらない
:08/12/24 00:02 :W53H :5tzWFXiw
#132 [幸]
私は障害者と健常者は
顔が違うと思っていた
だってダウン症とか、
そうでしょ?
本で調べたんだから。
しかし、身体障害者とか
目、耳の不自由な人は
一見、健常者と変わらないんだよ
:08/12/24 00:05 :W53H :5tzWFXiw
#133 [幸]
こんなことを言ったら
差別になるかもしれないけど
この人は健常者と少々
違うと区別できる人は
健常者もその人に対して
優しく接しなくてはいけない
だって障害を持っているんだもの。
色んな面で不自由を感じているに違いない
だったらその気持ちを察して、
接した方がいいでしょ?
:08/12/24 00:08 :W53H :5tzWFXiw
#134 [幸]
私はボ〜ッと立っていた
すると、
『あなた、何してるの?
どいてあげなさいよ』
と、募金をしている大人に言われた
“何をしてる”って…?
私は疑問に思ったまま
言われた通りどいた。
:08/12/24 00:11 :W53H :5tzWFXiw
#135 [幸]
『いや〜ありがとね』
後ろからおじさんの声がした
おじさんは杖を持っていた
そして、その杖を黄色のブロックに当てながら
歩いて行った。
『すみません』
私はそう言った。
するとおじさんは後ろを振り返り
私に可愛い顔でニコッと笑ってくれた
:08/12/24 00:13 :W53H :5tzWFXiw
#136 [幸]
あのおじさん、
“ありがとね”って言ったよね?
なぜ?
私が悪いのに。
この黄色のブロックは
唯一目の不自由な人が
歩ける限られた範囲内
なのに。
そこを邪魔をしたのは私
なぜあのおじさんは
わざわざお礼を言ったのか?
:08/12/24 00:16 :W53H :5tzWFXiw
#137 [幸]
身近にいないと思っていた
障害者のことを。
でも違う。
そんなことない
私が視界に入れさせなかっただけだ
身近にいるのに、
私は……
一気に暗い気持ちになった
暗い気持ちのまま
学校へ向かった
:08/12/24 00:19 :W53H :5tzWFXiw
#138 [幸]
『かな〜!』
教室に着くと、ちなみ
が走ってきた
『どうしたの?』
『この前の判定Aだったの』
ちなみが嬉しそうにそう言った。
『まじで?よかったじゃん!
ちなみは何学部だっけ?』
:08/12/24 00:23 :W53H :5tzWFXiw
#139 [幸]
『かなが目指してる学部
より低いけど医学部だよ』
低いって……(笑)
まぁT大は医学部は他の学部より低い
『ちなみってさぁ、
夢とかあるの?』
私は興味津々で聞いた
:08/12/24 00:25 :W53H :5tzWFXiw
#140 [幸]
『うん、看護婦さん
私ナイチンゲール
みたいな、看護婦さん
になりたいんだぁ
勉強もして、より早く
治るように治療してあげたいの』
嬉しそうに言うちなみを見て
羨ましいと思った
“夢”があるんだぁ。
だからT大を目指してるんだぁ。
私は?
:08/12/24 00:27 :W53H :5tzWFXiw
#141 [幸]
私は…
なりたい職業なんてない。
どうすればいいの?
どうやって決めるの?
そう考える度に
あの少年に言われた事
が脳裏に浮かぶ。
しかし鐘が鳴った途端に
私は、はっと我に返り
席に座った
:08/12/24 20:35 :W53H :5tzWFXiw
#142 [幸]
『もうすぐ夏休みだ!
でも、夏こそ勉強だっ。
みんな!!志望校に向いて
効率のいい勉強をするんだぞ』
伊勢のいい担任の声。
その声がとても胸ぐそ悪くて
しょうがなかった。
:08/12/24 20:40 :W53H :5tzWFXiw
#143 [幸]
私は、T大学に入るため
この高校に来た。
じゃあ、なぜT大学に行くのか?
…お母さんが…
違う違う!!
私が入りたいと思ったから。
いつそんなこと思った?
いつ…
母さんに言われた時?
違う!!なぜ母さんが出てくる!!
:08/12/24 20:43 :W53H :5tzWFXiw
#144 [幸]
…頭がおかしくなりそうだ。
『鮎川!?』
その声にはっと気づく。
どうやら私はまた1人の世界に入ってたようだ。
『えっ?なあに!?』
:08/12/24 20:45 :W53H :5tzWFXiw
#145 [我輩は匿名である]
今一気に読みました
頑張って下さい
!
:08/12/24 22:12 :D904i :☆☆☆
#146 [幸]
>>145本当にぁりがとぅござぃますx
とても励みになります
これからも頑張らせていただきます
:08/12/26 17:25 :W53H :5QU1jOMg
#147 [幸]
『何回呼んでも無反応
だったから。』
そう言ったのはあの
小早川きいだった。
『こっ…小早川君!?』
私は自分で分かるくらいに
あたふたしていた。
:08/12/26 17:57 :W53H :5QU1jOMg
#148 [幸]
『鮎川、国語得意だったろ?
今日さぁ、またあの
レストランでやらない?』
小早川君はそう誘い
座ってる私の椅子に左手を、
私の机の上に右手を置いた。
さらに私の目線に合わせる
ように、顔を近づけた。
:08/12/26 18:01 :W53H :5QU1jOMg
#149 [幸]
か…顔近すぎ……
なんでそんなに近づくの?
私そんなに焦点づれてたのかな?
どうしよ〜
キスするときって、
こんなに近くに相手の顔
が見れるの!?
ってなんでキスっていう言葉が!?
別に小早川君とキス
しないから!!
それより、レストランって…
どうしよ〜。
:08/12/26 18:04 :W53H :5QU1jOMg
#150 [幸]
考え込んでる時、
ある声が聞こえた。
『鮎川さん、器量がよくないのに
小早川君と二人きりで
勉強とかひくわ〜。』
『本当。勉強で見返してやる!!』
もろ聞こえてんだよ!!
てめーら嫉妬か!?
コラ!!なめんなよ
心の中でそう叫んだ
:08/12/26 18:07 :W53H :5QU1jOMg
#151 [幸]
『鮎川?どうするの?』
小早川君の声に気づき
『ごめん、今日は無理なんだ』
と、とっさに言ってしまった
何言ってんだ?私。
なんで素直になれないの!?
思っていたことと、
全く逆の言葉が出てくる
:08/12/26 18:09 :W53H :5QU1jOMg
#152 [幸]
『そっか、じゃあ
今度は鮎川が都合のいい日で』
『……うん!!』
精一杯の笑顔で返事した。
すると小早川君も笑顔で返してくれた。
そして小早川君は
教室を去った。
キャーと叫びたくなる
ような笑顔だった。
あの笑顔は反則だよ。
:08/12/26 18:12 :W53H :5QU1jOMg
#153 [幸]
『かなぁ〜』
ちなみが走ってきた。
『なによ?』
私は少しだるそうにして聞いた
『ひど!!小早川君には
あんなに優しい声で話してたのに』
『そ…そんなことないよ。』
きっと。
:08/12/26 18:47 :W53H :5QU1jOMg
#154 [幸]
『かな、小早川君のこと…?』
ちなみはニヤニヤしながら聞いてきた
『…知らん!!』
『自分の気持ち、
伝えたら〜?』
『ちなみはどうなん?』
するとちなみは、
『私は無理みたい。』
:08/12/26 18:49 :W53H :5QU1jOMg
#155 [幸]
笑顔でそう言ったが
声は寂しそうだった。
無性に悲しかった。
私はちなみに、
家事が終わったら
レストランに行こうと誘った。
今度は嬉しそうな声で
返事した。
:08/12/26 18:53 :W53H :5QU1jOMg
#156 [幸]
私は家事を終え、
レストランに着いた。
約束の時間の5分前に
椅子に座った。
『かな〜。』
ちなみの声が聞こえた。
私たちは暫く、好きな
アイドルの話で盛り上がった。
そして私はドリアを、
ちなみはパスタを注文した。
:08/12/26 18:58 :W53H :5QU1jOMg
#157 [幸]
『ちなみ、何かあったの?』
私は注文してすぐそう聞いた。
ちなみは少し深呼吸をし話し出した。
『陸って知ってるよね?』
:08/12/26 23:58 :W53H :5QU1jOMg
#158 [幸]
陸…。
ちなみの彼氏。
ちなみと同じ中学で、
今は男子校に通っている。
『陸君がどうかしたの?』
『べージェクト病なの』
ちなみはとても深刻そう
に言った。
しかし、私はさっぱり
わからなかった。
:08/12/27 00:01 :W53H :nlA3ocY.
#159 [幸]
『目が…見えなくなっちゃうんだって。
別れようって言われちゃったぁ。』
ちなみの目には、たくさん
涙がたまっていた。
きっと、私の顔が見れないくらいに。
:08/12/27 00:55 :W53H :nlA3ocY.
#160 [幸]
『目が見えなくても、
私は陸を支えてあげたい…
別れたくない…』
たまっていた涙を
一気に流した。
ちなみは泣きながら、
苦しんでいたと思う。
この苦しみを私は
とうてい味わうことなどできない。
私はそこまで恋に溺れたことがないからだ。
:08/12/27 01:27 :W53H :nlA3ocY.
#161 [幸]
『陸の目になってあげたいのに。』
ちなみは何度もそう言った。
その涙が、何よりも
その思いが伝わってくる
:08/12/27 01:28 :W53H :nlA3ocY.
#162 [幸]
『ちなみならできるよ。
優しいじゃん?
ちなみは。』
『…ありがと……』
本気で思った。
優しさがあれば、相手にもその
優しさが伝わり、支え
になることができるって。
でも、実際は違う。
そんなこと、ただの
綺麗事だ。
そう分かったのは、
後の話になるが。
:08/12/27 01:34 :W53H :nlA3ocY.
#163 [幸]
夏祭り。
今日は年に1回の夏祭り。
勉強ばかりなので、
たまには羽でも伸ばすかぁ!!
そう思い、
中学の友達と
地元の夏祭りに行った。
:08/12/27 01:37 :W53H :nlA3ocY.
#164 [幸]
あれから、警察も来ない。
彼は一体、どうなったのだろう。
今は以前ほど、そこまで
疑問に思わなくなってきた。
:08/12/27 01:39 :W53H :nlA3ocY.
#165 [我輩は匿名である]
今日始めから一気に読みました。
この小説すっごく好きになりました
頑張って(・ω・´*)
:08/12/27 01:48 :SH905i :IVh/BtIs
#166 [幸]
>>165うわ
好きになったなんて…
めっちゃ嬉しいです
ぁりがとぅござぃますx
:08/12/27 10:01 :W53H :nlA3ocY.
#167 [幸]
『かな〜あんず!!』
中学の唯一の友達、
あきがあんずを食べたいと言った。
『食べる!』
私はそう言い、
お金を出そうとした。
:08/12/27 10:03 :W53H :nlA3ocY.
#168 [幸]
しかし、人ごみのせいで
400円を落としてしまった。
『やば…』
私はしゃがんでお金を
拾った。
すると、大きい影が
こちらに近づいてきた。
:08/12/27 10:06 :W53H :nlA3ocY.
#169 [幸]
誰……?
『はい、これで400円だろ。』
そう言って100円をくれた。
『小早川君!?』
大声で叫んでしまった。
:08/12/27 10:08 :W53H :nlA3ocY.
#170 [幸]
『おう、何?鮎川1人?』
小早川君の格好は上は
ワイシャツ、下は黒の
スーツっぽいズボンを
はいていた。
シンプルな格好がとても
似合っていた。
…かっこいい……
:08/12/27 10:10 :W53H :nlA3ocY.
#171 [幸]
『鮎川?』
はっ!!
いけない、また…
いや、今度は見とれてただけ!!
『地元の友達と…』
私は目を反らし、そう言った。
:08/12/27 10:12 :W53H :nlA3ocY.
#172 [幸]
『そうなんだ。』
小早川君はニコニコ笑っていた。
なんでそんなに笑うのだろう。
あなたの笑顔を見ると
心が癒される…
『かな〜』
あきの声だ。
:08/12/27 10:13 :W53H :nlA3ocY.
#173 [幸]
『あき…』
の後ろに男性もこっちに来た。
『つばさ!?』
『きい?きいじゃないか』
…え〜と、お二人さん
は知り合いなのかな?
:08/12/27 10:15 :W53H :nlA3ocY.
#174 [幸]
『鮎川、こいつ俺と同じ中学の
つばさ。』
小早川君が丁寧に教えてくれた。
『そして私と同じ高校』
あきも丁寧に教えてくれた。
なんか、凄い出会い方。
私は心の中で笑った。
:08/12/27 10:18 :W53H :nlA3ocY.
#175 [幸]
『なあ、4人でまわらない?』
つばさ君がそう言った。
賛成と、いうことになったので
4人でまわることになった。
歩いていると、あきの
顔が赤くなっている事
に気づいた。
:08/12/27 10:21 :W53H :nlA3ocY.
#176 [幸]
は〜ん。
なるほど……
『ねえ、ごめん!あき
私トイレ行きたくなったの。
一緒についてくれない?』
私はあきの前に立ち、
そう言った。
あきはいいよと言ってくれたので
小早川君たちは時計の
下で待っててくれた。
:08/12/27 10:24 :W53H :nlA3ocY.
#177 [幸]
私とあきの2人きり。
私はあきに問いただした。
『つばさ君のこと…』 『うん…』
やっぱり。
『かな、まさかそのために?』
:08/12/27 10:25 :W53H :nlA3ocY.
#178 [幸]
『えへ』
あきの顔がみるみる赤く
なった。
かわいいやつ。
私たちは小早川君たち
の所へ戻り、
再び歩き始めた。
:08/12/27 10:27 :W53H :nlA3ocY.
#179 [幸]
……
どのタイミングで上手く
2人きりにさせるか…
私は結構悩んでた。
すると、突然右手を引っ張られた。
『あれ?かな?』
『きいもいねーし』
:08/12/27 10:30 :W53H :nlA3ocY.
#180 [幸]
2人の声が遠く聞こえた。
一方、私はまだ引っ張られていた
人ごみをさけ、誰もいない道に出た。
『鮎川…』
小早川君!?
:08/12/27 10:32 :W53H :nlA3ocY.
#181 [幸]
小早川君、ナイスだよ。
そう思った。
『悪いな、突然こんなことして。』
『ううん…』
暫く沈黙が続いた。
:08/12/27 10:34 :W53H :nlA3ocY.
#182 [幸]
『つばさのやつ、
鮎川の友達のこと…』
『え?まじ!?あきもなんだよ』
うわー両思いだったのかあ!!
小早川君と笑いあった。
彼の笑顔…好きだなぁ。
:08/12/27 10:36 :W53H :nlA3ocY.
#183 [幸]
って、何思ってんだ!?
私……。
『こんな俺だけど、
一緒にまわってくれる?』
『うん。』
嬉しいよ。小早川君。
こんなって言う、顕著
な所がもういい!!
:08/12/27 10:38 :W53H :nlA3ocY.
#184 [幸]
あなたのことが
好きです。
心の中でそう呟いた。
『ただいま〜』
って言っても誰もいない。
:08/12/27 10:40 :W53H :nlA3ocY.
#185 [幸]
夏祭りも終わり、
私は途中まで小早川君
に送ってもらった。
やばかったね。
いや、本当に。
私は部屋着に着替え
ベッドの上で携帯を持った。
:08/12/27 10:42 :W53H :nlA3ocY.
#186 [幸]
メール受信の音。
きたぁぁぁ!!
…ん?
あきだ。
私はあきからのメール
を読んだ。
最初は、途中で2人とも消える
からびっくりした
だって!!かわいい。
:08/12/27 10:44 :W53H :nlA3ocY.
#187 [幸]
そして最後の行には、
付き合ったっていう文字が…
うわぁ!!おめでとう!!
暫くあきとメールをしてた。
その内、寝てしまった。
:08/12/27 10:46 :W53H :nlA3ocY.
#188 [幸]
翌日。
父さんが電話だぞ。
と起こした。
『まじ!?誰から?』
私は目をこすりながら
聞いた。
父さんは低い声で
『警察から』
と言った。
:08/12/27 10:47 :W53H :nlA3ocY.
#189 [幸]
あの少年のことか。
私はそう思い、
電話を代わった。
『もしもし?』
『鮎川かなさんですか?』
『はい。』
『当時の様子を伺いたいので
〇〇警察署まで来て頂けません?』
:08/12/27 14:36 :W53H :nlA3ocY.
#190 [幸]
私はしぶしぶ返事をし、
洋服に着替えた。
カレンダーをふと目に
入った。
今日は日曜日。
だから父さんがいたんだぁ。
:08/12/27 22:40 :W53H :nlA3ocY.
#191 [幸]
『あの少年のことか?』
父さんが靴ひもを結ぶ
私にそう聞いた。
『うん…』
『お前の気持ちを伝えろ。
お前は母さんと違って
頭がいい。
相手を納得できるような
説明しろよ。』
:08/12/27 22:42 :W53H :nlA3ocY.
#192 [幸]
『わかった!!』
私は笑顔で家を出た。
警察は、あの少年をどうするつもりなのか?
そういえば、あれ以来
ニュースとか報道されてない。
:08/12/27 22:44 :W53H :nlA3ocY.
#193 [幸]
『鮎川さんですね?』
警察署に着いた。
私は警察の人たちと
一つの小さな部屋で
話した。
『あなたは、どこで
会ったんですか?』
『〇〇公園の近くの
路地裏です。』
私はあの日のことを
1から10まで話した。
:08/12/27 22:47 :W53H :nlA3ocY.
#194 [幸]
警察の人は、時々頷きながら
聞いてくれた。
この人は、きっと話を
ちゃんと理解してくれる。
そう感じた。
『あの少年がね、
なんで君が俺のこと
助けてくれたのか、
わからないって。
会ってみない?』
:08/12/27 22:50 :W53H :nlA3ocY.
#195 [幸]
『えっ?』
『自分の口から本人に
伝えた方がいいでしょ?』
何かが救われた気持ちになった。
彼に会えば、私の今までの
考えをかき消してくれるような
気がしたからだ。
なんのため勉強するか
という、難問に。
:08/12/27 22:52 :W53H :nlA3ocY.
#196 [幸]
『どうぞ。』
警察の人に案内され
前にあった椅子に座った。
あのドアの向こうに
彼が来る……
ガチャー
:08/12/27 22:53 :W53H :nlA3ocY.
#197 [幸]
彼が来た。
私はまじまじと彼の顔
を見た。
彼の顔は、あの日と同じ
目だけがギラギラしていた。
『なんで来たんだよ?』
:08/12/27 22:54 :W53H :nlA3ocY.
#198 [幸]
彼が椅子に座る当時にそう聞いた。
『私、あなたに言われてから
考えるようになった。
なんでT大学に行くのか。
またはなぜ勉強をするのか。
考えたけど、無理みたい。
私にはなりたい職業がない。
あれば、また違ってたかもしれないのに。』
:08/12/27 22:57 :W53H :nlA3ocY.
#199 [幸]
『まだ気にしてんのか?
忘れろ!!
俺は妬いてたんだ!
俺、受験なんてまだまだ
だけどK高校に行って
L大学に行って、心理学
を学びたかったんだ。
でも行きたくても
俺は無理なんだ。
金がないから…。
それなのに、夢も
学びたいこともない
あんたが大学に進学して
ずるいよ…
だったら、俺と交換しろよ。
そう思っただけだ。
だから妬いてただけなんだよ。』
:08/12/27 23:02 :W53H :nlA3ocY.
#200 [幸]
彼の声は…
震えていた。
悔しさがひしひしと
伝わってくる。
『俺のせいで、あんたが
苦しんだならごめん。
だから、もう俺にかまわなきて
いいよ。』
:08/12/27 23:04 :W53H :nlA3ocY.
#201 [幸]
ねぇ…なぜ?
なぜあなたはそんなに……
『…我慢するの?』
かまわないでって。。
そんな嘘、誰だって見破れる。
あなたは本当は…
助けてほしいくせに。
なぜ我慢するの?
:08/12/28 23:49 :W53H :rI5HnOXg
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194