人生の案内板

か…顔近すぎ……
なんでそんなに近づくの？
私そんなに焦点づれてたのかな？

どうしよ～
キスするときって、
こんなに近くに相手の顔
が見れるの!?
ってなんでキスっていう言葉が!?

別に小早川君とキス
しないから!!
それより、レストランって…
どうしよ～。

考え込んでる時、
ある声が聞こえた。

『鮎川さん、器量がよくないのに
小早川君と二人きりで
勉強とかひくわ～。』

『本当。勉強で見返してやる!!』

もろ聞こえてんだよ!!
てめーら嫉妬か!?
コラ!!なめんなよ

心の中でそう叫んだ

『鮎川？どうするの？』

小早川君の声に気づき

『ごめん、今日は無理なんだ』

と、とっさに言ってしまった

何言ってんだ？私。
なんで素直になれないの!?
思っていたことと、
全く逆の言葉が出てくる

『そっか、じゃあ
今度は鮎川が都合のいい日で』

『……うん!!』

精一杯の笑顔で返事した。
すると小早川君も笑顔で返してくれた。

そして小早川君は
教室を去った。

キャーと叫びたくなる
ような笑顔だった。
あの笑顔は反則だよ。

『かなぁ～』
ちなみが走ってきた。

『なによ？』
私は少しだるそうにして聞いた

『ひど!!小早川君には
あんなに優しい声で話してたのに』
『そ…そんなことないよ。』

きっと。

『かな、小早川君のこと…？』

ちなみはニヤニヤしながら聞いてきた

『…知らん!!』
『自分の気持ち、
伝えたら～？』
『ちなみはどうなん？』

するとちなみは、
『私は無理みたい。』

笑顔でそう言ったが
声は寂しそうだった。
無性に悲しかった。

私はちなみに、
家事が終わったら
レストランに行こうと誘った。

今度は嬉しそうな声で
返事した。

私は家事を終え、
レストランに着いた。
約束の時間の５分前に
椅子に座った。

『かな～。』
ちなみの声が聞こえた。
私たちは暫く、好きな
アイドルの話で盛り上がった。

そして私はドリアを、
ちなみはパスタを注文した。

『ちなみ、何かあったの？』

私は注文してすぐそう聞いた。
ちなみは少し深呼吸をし話し出した。

『陸って知ってるよね？』

陸…。
ちなみの彼氏。
ちなみと同じ中学で、
今は男子校に通っている。

『陸君がどうかしたの？』

『べージェクト病なの』

ちなみはとても深刻そう
に言った。
しかし、私はさっぱり
わからなかった。