人生の案内板

考え込んでる時、
ある声が聞こえた。

『鮎川さん、器量がよくないのに
小早川君と二人きりで
勉強とかひくわ～。』

『本当。勉強で見返してやる!!』

もろ聞こえてんだよ!!
てめーら嫉妬か!?
コラ!!なめんなよ

心の中でそう叫んだ

『鮎川？どうするの？』

小早川君の声に気づき

『ごめん、今日は無理なんだ』

と、とっさに言ってしまった

何言ってんだ？私。
なんで素直になれないの!?
思っていたことと、
全く逆の言葉が出てくる

『そっか、じゃあ
今度は鮎川が都合のいい日で』

『……うん!!』

精一杯の笑顔で返事した。
すると小早川君も笑顔で返してくれた。

そして小早川君は
教室を去った。

キャーと叫びたくなる
ような笑顔だった。
あの笑顔は反則だよ。

『かなぁ～』
ちなみが走ってきた。

『なによ？』
私は少しだるそうにして聞いた

『ひど!!小早川君には
あんなに優しい声で話してたのに』
『そ…そんなことないよ。』

きっと。

『かな、小早川君のこと…？』

ちなみはニヤニヤしながら聞いてきた

『…知らん!!』
『自分の気持ち、
伝えたら～？』
『ちなみはどうなん？』

するとちなみは、
『私は無理みたい。』

笑顔でそう言ったが
声は寂しそうだった。
無性に悲しかった。

私はちなみに、
家事が終わったら
レストランに行こうと誘った。

今度は嬉しそうな声で
返事した。

私は家事を終え、
レストランに着いた。
約束の時間の５分前に
椅子に座った。

『かな～。』
ちなみの声が聞こえた。
私たちは暫く、好きな
アイドルの話で盛り上がった。

そして私はドリアを、
ちなみはパスタを注文した。

『ちなみ、何かあったの？』

私は注文してすぐそう聞いた。
ちなみは少し深呼吸をし話し出した。

『陸って知ってるよね？』

陸…。
ちなみの彼氏。
ちなみと同じ中学で、
今は男子校に通っている。

『陸君がどうかしたの？』

『べージェクト病なの』

ちなみはとても深刻そう
に言った。
しかし、私はさっぱり
わからなかった。

『目が…見えなくなっちゃうんだって。
別れようって言われちゃったぁ。』

ちなみの目には、たくさん
涙がたまっていた。
きっと、私の顔が見れないくらいに。

『目が見えなくても、
私は陸を支えてあげたい…
別れたくない…』

たまっていた涙を
一気に流した。
ちなみは泣きながら、
苦しんでいたと思う。

この苦しみを私は
とうてい味わうことなどできない。

私はそこまで恋に溺れたことがないからだ。

『陸の目になってあげたいのに。』

ちなみは何度もそう言った。
その涙が、何よりも
その思いが伝わってくる

『ちなみならできるよ。
優しいじゃん？
ちなみは。』

『…ありがと……』

本気で思った。
優しさがあれば、相手にもその
優しさが伝わり、支え
になることができるって。

でも、実際は違う。
そんなこと、ただの
綺麗事だ。
そう分かったのは、
後の話になるが。

夏祭り。
今日は年に１回の夏祭り。

勉強ばかりなので、
たまには羽でも伸ばすかぁ!!

そう思い、
中学の友達と
地元の夏祭りに行った。

あれから、警察も来ない。
彼は一体、どうなったのだろう。

今は以前ほど、そこまで
疑問に思わなくなってきた。

今日始めから一気に読みました。
この小説すっごく好きになりました

頑張って（・ω・´*）

>>165
うわ
好きになったなんて…
めっちゃ嬉しいです
ぁりがとぅござぃます

『かな～あんず!!』

中学の唯一の友達、
あきがあんずを食べたいと言った。

『食べる！』
私はそう言い、
お金を出そうとした。

しかし、人ごみのせいで
４００円を落としてしまった。

『やば…』
私はしゃがんでお金を
拾った。

すると、大きい影が
こちらに近づいてきた。

誰……？

『はい、これで４００円だろ。』

そう言って１００円をくれた。

『小早川君!?』

大声で叫んでしまった。

『おう、何？鮎川１人？』

小早川君の格好は上は
ワイシャツ、下は黒の
スーツっぽいズボンを
はいていた。
シンプルな格好がとても
似合っていた。

…かっこいい……

『鮎川？』

はっ!!
いけない、また…
いや、今度は見とれてただけ!!

『地元の友達と…』
私は目を反らし、そう言った。

『そうなんだ。』

小早川君はニコニコ笑っていた。

なんでそんなに笑うのだろう。
あなたの笑顔を見ると
心が癒される…

『かな～』

あきの声だ。

『あき…』

の後ろに男性もこっちに来た。

『つばさ!?』
『きい？きいじゃないか』

…え～と、お二人さん
は知り合いなのかな？

『鮎川、こいつ俺と同じ中学の
つばさ。』

小早川君が丁寧に教えてくれた。

『そして私と同じ高校』

あきも丁寧に教えてくれた。

なんか、凄い出会い方。
私は心の中で笑った。

『なあ、４人でまわらない？』

つばさ君がそう言った。
賛成と、いうことになったので
４人でまわることになった。

歩いていると、あきの
顔が赤くなっている事
に気づいた。

は～ん。
なるほど……

『ねえ、ごめん！あき
私トイレ行きたくなったの。
一緒についてくれない？』

私はあきの前に立ち、
そう言った。

あきはいいよと言ってくれたので
小早川君たちは時計の
下で待っててくれた。

私とあきの２人きり。
私はあきに問いただした。

『つばさ君のこと…』『うん…』

やっぱり。

『かな、まさかそのために？』

『えへ』
あきの顔がみるみる赤く
なった。

かわいいやつ。

私たちは小早川君たち
の所へ戻り、
再び歩き始めた。

……
どのタイミングで上手く
２人きりにさせるか…

私は結構悩んでた。
すると、突然右手を引っ張られた。

『あれ？かな？』
『きいもいねーし』

２人の声が遠く聞こえた。

一方、私はまだ引っ張られていた

人ごみをさけ、誰もいない道に出た。

『鮎川…』

小早川君!?