人生の案内板
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#210 [幸]
なんで…!!
なんでわからないの?
私は頭良いって言われてきたのに。
なんで彼を救う方法を
考えられないの!?
自分を責めたい。
初めて思った。
私って…馬鹿なんだ。と
:08/12/30 11:30 :W53H :aR7PgfF2
#211 [幸]
学力がよくたって…
アイデアが浮かばなかったら
意味がないんだよね。
ははは…そうか……
だからなぜT大学に行って
何を勉強するのかも
わからなかったんだ。
:08/12/30 11:33 :W53H :aR7PgfF2
#212 [幸]
悔しい……
悔しい…!!!
私はその場にしゃがみこんだ。
涙がたくさん出てきた。
周りからどういう目で
見られてるかな?
変な人って思われてるのかな?
:08/12/30 11:35 :W53H :aR7PgfF2
#213 [幸]
ああ…そうか。
障害者って健常者から
‘変な人’って思われてるんだ。
だからその兄弟の彼の
ことも変だって、断定
するんだ。
はは…なんて虚しい。
悲しい。悔しい…。
:08/12/30 11:37 :W53H :aR7PgfF2
#214 [幸]
私は人目気にせずに泣いた。
すると、私の目の前に
ハンカチが出てきた。
私はびっくりして顔をあげた。
すると、優しい男の顔
が現れた。
:08/12/30 11:39 :W53H :aR7PgfF2
#215 [幸]
『……//』
恥ずかしかった。
思いっきり泣いてる顔を
しかもアップで…。
私はハンカチを取り、
『借ります。』
と言い、ハンカチを使った。
:08/12/30 12:11 :W53H :aR7PgfF2
#216 [幸]
男は私の髪を撫でながら
優しく微笑んだ。
何かに許された気がした。
何に?
わからないが、そんな気がした。
:08/12/30 12:13 :W53H :aR7PgfF2
#217 [幸]
私は立ち上がり、
優しい顔の男を見た。
私は男の優しさに吸い込まれそうだった。
すごい心が暖かい。
私は思わず笑ってしまった。
すると男は、私の顔を
一時見、歩いていってしまった。
:08/12/30 12:17 :W53H :aR7PgfF2
#218 [幸]
『あのぉっ、すみません!!』
大声で叫んだつもりだったが
聞こえなかったのか、
男は一度も振り返らず
そのまま歩いていってしまった。
ハンカチ…どうしよ。
:08/12/30 12:19 :W53H :aR7PgfF2
#219 [幸]
そのハンカチには、
独特な匂いがした。
柔らかく、私を包み込む
優しい匂い。
家に着いても私は
ハンカチから手放さなかった。
勉強するときも
かぎたくなったら
ハンカチをかいでいた。
:08/12/30 12:23 :W53H :aR7PgfF2
#220 [幸]
変態だ。私。
でもその匂いをかがないわけにはいかなかった。
私は予備校に行ってないので
わからない問題があったら、
学校に行き先生に聞いていた。
:08/12/30 12:30 :W53H :aR7PgfF2
#221 [幸]
私がだいたい学校に行く時間と
あの男に会った時間が同じだ。
だから少し早く家を出、
初めて会った場所で
ハンカチを持って待っていた。
しかし、ほぼ毎日来ても
なかなか男と会わなかった。
:08/12/30 12:53 :W53H :aR7PgfF2
#222 [幸]
夏休みの終わりの頃。
私はいつも通りの生活をしてた
流れてあった、あるニュースに
目が入った。
‘え―7才の女の子が
実の母親に殺害されました。
その女の子は小学校で
特別学級に通っており
母親は育てるのに
疲れたと述べていました’
:08/12/30 13:00 :W53H :aR7PgfF2
#223 [幸]
障害者……胸が痛かった。
最近、こんな事件ばかりだ。
健常者と共生なんて
できないのかな。
悲しくなってきた。
:08/12/30 13:02 :W53H :aR7PgfF2
#224 [幸]
あの少年はどうなったのかな?
私は学校に行ってから警察署に寄った。
私は彼と面会はせず、
彼の担当の警察の人に
話を聞いた。
:08/12/30 13:04 :W53H :aR7PgfF2
#225 [幸]
『彼はどうなるんですか?』
『一応、人殺したからね。』
『そんな…彼は母親の
ために…』
『相手は殺人犯だぞ?
そんなこといちいち
受けとめていたら私たちだってやっていけないよ。』
:08/12/30 13:08 :W53H :aR7PgfF2
#226 [幸]
『あなたの気持ち、
わからなくもないよ?』
『彼をそこまで追い詰めたのは
彼の周りにいた大人の
せいですよ!?』
私の声は震えていた。
警察の人は困っていた。
:08/12/30 13:14 :W53H :aR7PgfF2
#227 [幸]
『あなた、あの少年に
おにぎりを渡したんですよね?』
警察の人は困ってた顔から
何かをひらめいた顔に
変化した。
『はい…』
『あなたなら、心を開いて
くれるかもしれない。』
:08/12/30 13:17 :W53H :aR7PgfF2
#228 [幸]
『しかし、以前面会した時
かまわないでと言われた
ばかりなんです。
嘘だと感じるのですが…』
『はい、私どももそう思います。
私もあの時いたんです。
しかし彼、私と話す時
よりあなたと話す時の
方が話しやすいと思うのです。』
:08/12/30 13:21 :W53H :aR7PgfF2
#229 [幸]
ちょっと嬉しかった。
さらに警察の人は話し出した。
『私の考えでは、あの少年は
嘘をついている。』
『はい?』
『殺したのはあの少年
ではないと思うのです。』
想像もしてなかった。
そんなこと……
:08/12/30 13:24 :W53H :aR7PgfF2
#230 [幸]
『なぜ?』
『こちらの、犯罪心理学者が
鑑定したところ、
例え母親のためとは
言えども人を殺めた時
パニクるのですが、
あの少年はそのようなことを
しなかったのです。』
私は彼と初めて話したことを
思い出そうとした。
:08/12/30 13:27 :W53H :aR7PgfF2
#231 [幸]
……
あの出来事が走馬灯の
ように頭をよぎった。
『大丈夫かね?』
警察の人の声に我に返った。
『何か思い出したら
また来てくれるかな?』
『はい…』
:08/12/30 13:30 :W53H :aR7PgfF2
#232 [幸]
警察署に出た。
また暗い気持ちになった。
そして初めてあの男と
出会った場所に足を止めた。
この時間帯にいないよね。
:08/12/30 13:36 :W53H :aR7PgfF2
#233 [幸]
:09/01/04 15:06 :W53H :7dozr8Kk
#234 [幸]
>>232つづき…
そう思い、家に帰ろうとしたとき
あの優しい匂いがぷ〜んと
匂ってきた。
胸が弾む気持ちになった。
:09/01/04 15:08 :W53H :7dozr8Kk
#235 [幸]
私は必死にあの男を探した。
ふと、あの匂いが私の前に来た。
……見つけた…。
『あっ、あの…』
声が小さいせいか、
なかなかこちらに気づかない
:09/01/04 17:55 :W53H :7dozr8Kk
#236 [幸]
『まっ、待って!!』
私はとっさにその男の腕を掴んだ。
男は驚いた顔でこちらを向いた。
……なんて綺麗な目。
見とれてしまう。
:09/01/04 17:57 :W53H :7dozr8Kk
#237 [幸]
『あっ、あのハンカチ
ありがとうございました。』
私はそう言い、ハンカチを出した。
男は微笑みながら、会釈した。
ど、どうする私?
こんな素敵な出会いは
めったにないぞ。
:09/01/04 18:00 :W53H :7dozr8Kk
#238 [幸]
このまま一気にメアド
を聞いてしまうか。
それともこの出会いは
これで終わりか!?
こんなのやだ!!
向こうから聞いてこないかなぁ。
でも向こうはそんな気ないよね。
あああ、やっぱり私から
聞いた方がいいよね
:09/01/04 18:53 :W53H :7dozr8Kk
#239 [幸]
『あの、メアド教えて
下さい!!』
うわ〜言った!!
…やっぱ無理かな。
初対面なのに教えてくれないよね。
:09/01/04 18:57 :W53H :7dozr8Kk
#240 [幸]
男の顔が赤くなったのがわかった。
そして男はバックから
ノ―トとボ―ルペンを
取り出し何か書き始めた。
‘僕は耳が聞こえません
こんな僕でもメールを
しても楽しいことないですよ’
えっ……
:09/01/04 19:02 :W53H :7dozr8Kk
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