人生の案内板
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#251 [幸]
私はL大学のことが気になった。


家事を終わらせ、パソコンで
L大学について調べた。


L大学は心理学の名門校だ。
心理学部だけ偏差値が高い。

⏰:09/01/06 00:19 📱:W53H 🆔:chY9fFUg


#252 [幸]
T大学と同じくらいだ。結構意外だ。



‘何学部なの?’

私はかけるにメールを送信した。


‘文学部だよ
一応小説家を目指してる’


と来た。

⏰:09/01/06 00:21 📱:W53H 🆔:chY9fFUg


#253 [幸]
小説家!?
凄い…と思った同時に
夢があるんだぁ、という
関心を持った。



そのメールの下の文に

‘かなちゃんは?
夢とかあるの?
K校だからありそう(笑)’


と書かれてあった。

⏰:09/01/06 00:23 📱:W53H 🆔:chY9fFUg


#254 [幸]
…ない。
ただ、こういう大人になりたいだけで
なりたい職業なんてない。



‘ないよ。早く見つけなきゃ!!’


と、送信。

⏰:09/01/06 00:25 📱:W53H 🆔:chY9fFUg


#255 [幸]
‘別に焦る必要ないよ
なりたいじゃなくて
興味のある職業とかないの?’




と、来た、


私はそのメールにすごく
励まされた。
また、別の観点から職業を
探すということに気づいた。

⏰:09/01/06 00:27 📱:W53H 🆔:chY9fFUg


#256 [幸]
私はメールを止め、
自分の興味を探した。


何が好きかな?
国語!?
いや、国語から職業探すの大変だろ。


いざ自分の興味は?
と聞かれると、なかなか答えられないもんだ。

⏰:09/01/07 23:57 📱:W53H 🆔:mOdiFZ8M


#257 [幸]
…そういえば
あの少年、心理学を
学びたいって言ってたな。
心理学ってなんだろ?



インターネットで調べてみるのも、
なかなかいい答えが見つからない。


そうだ。
L大学のオ―プンキャンパスに行こう。

⏰:09/01/08 00:00 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#258 [幸]
私は早速L大学の
オ―プンキャンパスの日程を調べた。




えっ……
もう、終わっちゃった…?


少しショックを受けた。

⏰:09/01/08 00:02 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#259 [幸]
夏休みも終わり2学期が始まる。



私は始業式当日早起きをし、
英語を勉強した。
そして朝ご飯を食べながら
テレビを見た。


星座占いが場面に出てきた

⏰:09/01/08 00:07 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#260 [幸]
‘てんびん座のあなた
2つの選択肢をちゃんと考えてから
選ぶようにしましょう!!’



私は腹が立ち、リモコンで
テレビを消した。

⏰:09/01/08 00:10 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#261 [幸]
テレビなんかに私の気持ちが
わかるか!!
こんな占い信じるか!!
信じてるから当たるもんなんだよ。
所詮、占いはそんなもんさ。



そう思い、家を出た。

⏰:09/01/08 00:11 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#262 [幸]
『鮎川!!』


歩いていると後ろから
声がした。


この声は…
『こっ小早川君!?』



『久しぶりだな。
祭り以来?』

⏰:09/01/08 00:12 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#263 [幸]
『そだね。』

『今月の模試、必ず
鮎川に勝つからな!!』


『こっちだって負けないよ』



元気のいい会話だった。
前まではこんなスラスラ
話せなかったのに。

⏰:09/01/08 00:14 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#264 [幸]
『最近、小早川君
みょうにかなに近づこうとしてない?』



教室に入った瞬間、
ちなみにそう言われた。

『だって、私のこと
ライバル視してるし。』
普通に答えると、
ちなみは驚いた顔をした。

⏰:09/01/08 00:16 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#265 [幸]
『な、なによ?』

『かな、もう好きじゃなくなったの?』



はい!?
私ちなみに、小早川君のこと
好きなんて言ったっけ?
いや、絶対言ってない!!

『…好きなんて言った?』


焦りながらも、
なんとかそう聞いた。

⏰:09/01/08 00:18 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#266 [幸]
『だいたい、かなの顔を見れば
わかるよ〜』



『そ、そう?』

私ってそんなに顔にだすタイプ?


『もう勉強一筋になったのか?
それか他に好きな人が…?』


ちなみはニヤニヤしながら聞いた。

⏰:09/01/08 00:20 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#267 [幸]
ちなみに好きな人と言われた時
脳裏に浮かんだのは
かけるだった…。

待て!!待て。私。
夏祭りのとき、小早川君が好きだって
思ったじゃん!!


もしかして…二股!?
私が!?


そう考える度に
あの占いが頭の中に蘇ってくる。

⏰:09/01/08 00:23 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#268 [幸]
『お〜い。
かな、大丈夫かぁ?』


『…ちなみ、私二股かも。』


『はぁ?』


私はかけるのこと、
夏祭りに小早川君と同行
したことをちなみに話した。

⏰:09/01/08 00:25 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#269 [幸]
『…匂いって、あんた
犬か?』




ちなみの第一声はそれだった。

そして、
『でも私、かなはその
かける君の方が好きだと感じる。
かける君のことを話す時
嬉しそうだし。
小早川君のことは…
なんだろ、先生って感じに聞こえる。』

⏰:09/01/08 00:29 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#270 [幸]
と、言われた。


それは言えてるかも。
私も納得してしまった。
気づいたらかけるのことを考えてる。
…一目惚れってやつ?



『そ〜いや、ちなみは?』


私たちは、恋愛話で盛り上がった。

⏰:09/01/08 00:31 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#271 [幸]
『陸ったらひどいんだよ?』



…どうやら陸君はベ―ジェクト病ではなかったらしい。

ちなみが勉強ばかりだから
恋に関わる心理テストをしたらしい。


そして、それがこれか。
これは心理テストって言えるのか?

⏰:09/01/08 00:35 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#272 [幸]
まぁ陸君、無事でよかったよ。



…心理テスト…
そうか、それだけで人の心が分かるんだ!!

やばい!!
おもしろい!!



私は始業式が終わった後
資料室へ向かった。

⏰:09/01/08 00:38 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#273 [幸]
そこに、私の親しみのある先生がいるからだ。



『先生〜?高城先生!?』

3回目でやっと返事がした。
声の高い、男の先生が
やってきた。

⏰:09/01/08 00:41 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#274 [幸]
私は心理学について話してみた。


『心理学に興味を持ったか〜』

先生は困った顔をした。

『鮎川、お前は馬鹿じゃない、
心理学で最も有名な大学
調べたろな?』

『L大でしょ?
なんで?そこの大学やばいの?』

⏰:09/01/08 00:45 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#275 [幸]
『ん〜お前も知ってると思うが
うちの高校は進学校なの。
そんなL大に合格したって
なんの得にもならないんだよ。』



『でも心理学部は凄いじゃん!!』

『大学生からすればな。
だが中学生の受験生が
L大に合格って格下
だと思われるだろ!!』



先生の言い方に憤りを感じた。

⏰:09/01/08 00:49 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#276 [幸]
『私は心理学を学びたいの!!
T大はL大より特別
よくないじゃん!!』


『お前はT大に受かる
ためにこの高校に来たんだろ!?』




凄く胸に響いた。
そうだ…T大に行くために
来たんだ……。

私は無言で資料室から出た。

⏰:09/01/08 00:52 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#277 [幸]
…夢…
私は夢なんてない。
しいて言えばT大に合格
することだなぁ。

なんてちっぽけな夢。
その先の事も考えずに。


私って…本当に馬鹿だなぁ。

⏰:09/01/08 00:55 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#278 [幸]
『鮎川…』


私が資料室から出て
廊下を少し歩くと
小早川君が立っていた。


『こ、小早川君…』
『お前、L大に行きたいの?』


予想外の質問をされた。
私は驚き何も言わずに歩こうとした。

⏰:09/01/08 17:57 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#279 [幸]
『待てよ!
なんでL大なの?
T大は?』



ここで何か言わなきゃ
前に進まないような気がした。

『わ…私、心理学を学びたいの。
だからT大止めようかなって…。』

⏰:09/01/08 17:59 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#280 [幸]
『なんだよ、それ。
みんなお前を目指して頑張ってきたんだよ!?

鮎川はいつも1番だから
俺のいや、みんなの目標なんだよ?』



小早川君の声はいつもより
低かった。
それがとても怖かった。

⏰:09/01/08 18:02 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#281 [幸]
『私ね、夢なんてない。
だからT大に行っても
何を勉強すればいいか
分からなかったの。

でも、心理学に興味を持ったの。
だから大学に行ったら
心理学を勉強したいの!!
T大よりL大の方が心理学は有名なの。
だから…』



小早川君…!?
私がまだ全部を話してないのに
気づいたら小早川君の腕の中にいた。

⏰:09/01/08 18:06 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#282 [幸]
『こっ…小早川君…?』



突然の包容に驚愕してしまった。

私はどうすればいいか分からず
ただ、ここに人が来ないようにと
祈っていた。

⏰:09/01/09 16:30 📱:W53H 🆔:lFHCHULI


#283 [幸]
『あっ…悪い…』

小早川君はそう言うと
スッと立ち去った。




…はっ初めて抱きしめられた!
あの小早川君に!?

小早川君、身長大きいから
私の顔が丁度小早川君の胸あたりだったなぁ


…かけるだったら―…?

⏰:09/01/09 16:33 📱:W53H 🆔:lFHCHULI


#284 [幸]
って。
何かけるのこと想像してんだよ?
私……。





翌日。
気が晴れないまま学校に登校した。

⏰:09/01/09 16:35 📱:W53H 🆔:lFHCHULI


#285 [幸]
確か…5時間目が始まる休み時間だった。



『鮎川!!』

うざい担任に呼ばれた。
どうやらあの少年と
警察が来てるらしい。


なぜわざわざ学校に来るんだよ?
私はそう思いながら
校長室に向かった。

⏰:09/01/09 16:37 📱:W53H 🆔:lFHCHULI


#286 [幸]
校長室に入ると、
3人の警察と少年、
高城先生と教頭先生がいた。



私は昨日のことを思い出し
高城先生の顔をあまり見れなかった。


『たびたびすみません。』

⏰:09/01/09 16:39 📱:W53H 🆔:lFHCHULI


#287 [幸]
そう言ったのは、
私が夏休みに警察署に行った
あの雰囲気のいい警察だった。

⏰:09/01/09 16:40 📱:W53H 🆔:lFHCHULI


#288 [幸]
『いえ、この度はどういう用件で?』


丁寧に聞くと、
少年が

『最後にあんたに
お礼を言いたいんだ。』
と、ギラギラした目で言った。


『最……後?』

⏰:09/01/09 16:47 📱:W53H 🆔:lFHCHULI


#289 [幸]
『ええ、この子は
田舎に預けられること
になったんだ。
精神的なこともあるし

それに親戚の人はみな……』




言葉が出なかった。

すると、
『2人で話したい。
席を空けてくれ。』


少年はそう言うと、
校長室に私と少年の2人きりになった。

⏰:09/01/09 16:50 📱:W53H 🆔:lFHCHULI


#290 [幸]
『…田舎に行くの?』


私から最初に切り出した。

『ああ。』
『なぜ?父親は?』


少年は暫く黙っていた。

⏰:09/01/09 16:51 📱:W53H 🆔:lFHCHULI


#291 [幸]
『…父親1人じゃ、
俺を育てる自信がないんだと。

だから寺のお坊さん?
みたいな人に預かって貰えるんだ。


一回、面会した時
すんげぇ感じのいい人でさぁ。』


最初はイキイキして話していたのに
最後は悲しげな口調になった。


『…私もね。あなたに
お礼言いたいんだ。』



話しをずらした。

⏰:09/01/09 16:55 📱:W53H 🆔:lFHCHULI


#292 [幸]
『お…俺に?』


少年は嬉しそうな、
驚いているような声をだした。


『私ね、興味を持つようになったの。』

『興味?』
『心理学に。』


少年は“おおっ”と
声をあげた。

⏰:09/01/09 16:57 📱:W53H 🆔:lFHCHULI


#293 [幸]
『心理学を勉強したら
人のちょっとした行動で
相手の気持ちが分かるようになるんだよ?
私、そう思うともう
ワクワクしちゃって…

まだ将来の夢は決まってないけど
興味のあるものを勉強して
それに導くような職に就きたいの。』



少年の顔が少しだけど
笑った。

私もつられて笑ってしまった。

⏰:09/01/09 17:00 📱:W53H 🆔:lFHCHULI


#294 [幸]
『…なぁ、前から聞きたかった。
なんで俺を助けたの?』

『…わかんない。』



私は笑顔で答えた。


『はっ?』

⏰:09/01/09 17:01 📱:W53H 🆔:lFHCHULI


#295 [幸]
『その質問にはまだ
答えられない。』


すると少年はふっと
鼻で笑い、

『じゃあ、また今度聞くよ。』

と言った。

⏰:09/01/09 17:03 📱:W53H 🆔:lFHCHULI


#296 [幸]
沈黙が漂った。
私は何か話そうと思ったが
なかなか話題が出てこない。



『俺…』

少年はいきなり
こう言った。

⏰:09/01/09 17:05 📱:W53H 🆔:lFHCHULI


#297 [幸]
『本当は行きたくない…
ここを離れたくない…』


少年の目には涙がたまっていた。

私はいたまれない気持ちになった。

⏰:09/01/09 17:07 📱:W53H 🆔:lFHCHULI


#298 [幸]
『こんなこと言うの
勝手だけど…
また家族揃って一緒に生きたい…

ただそれだけなのに…
当たり前のことなのに

俺が弟を殺さなければ
家族、バラバラにならずにすんだのかな?

俺は…あの時の俺は
ただ、母さんを守りたかったのに。
実際、守れてなかった…。』



『なんで、あの日殺そうと…?』


私はそう質問した。

⏰:09/01/09 17:10 📱:W53H 🆔:lFHCHULI


#299 [幸]
母さんのため…
もし、それが本当なら









弟を殺せるはずがない。
前にあの警察の人が言ってた…
この少年は殺してないかもと。

⏰:09/01/09 17:12 📱:W53H 🆔:lFHCHULI


#300 [幸]
“実際、母さんを守れてない”

少年はそう言ったよね?
殺すことによって
お母さんが救われるなど
思わないはずだ。



私は一番最初に会った
少年の話しを思い出した。

⏰:09/01/09 17:14 📱:W53H 🆔:lFHCHULI


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