人生の案内板

‘てんびん座のあなた
２つの選択肢をちゃんと考えてから
選ぶようにしましょう!!’

私は腹が立ち、リモコンで
テレビを消した。

テレビなんかに私の気持ちが
わかるか!!
こんな占い信じるか!!
信じてるから当たるもんなんだよ。
所詮、占いはそんなもんさ。

そう思い、家を出た。

『鮎川!!』

歩いていると後ろから
声がした。

この声は…
『こっ小早川君!?』

『久しぶりだな。
祭り以来？』

『そだね。』

『今月の模試、必ず
鮎川に勝つからな!!』

『こっちだって負けないよ』

元気のいい会話だった。
前まではこんなスラスラ
話せなかったのに。

『最近、小早川君
みょうにかなに近づこうとしてない？』

教室に入った瞬間、
ちなみにそう言われた。

『だって、私のこと
ライバル視してるし。』
普通に答えると、
ちなみは驚いた顔をした。

『な、なによ？』

『かな、もう好きじゃなくなったの？』

はい!?
私ちなみに、小早川君のこと
好きなんて言ったっけ？
いや、絶対言ってない!!

『…好きなんて言った？』

焦りながらも、
なんとかそう聞いた。

『だいたい、かなの顔を見れば
わかるよ～』

『そ、そう？』

私ってそんなに顔にだすタイプ？

『もう勉強一筋になったのか？
それか他に好きな人が…？』

ちなみはニヤニヤしながら聞いた。

ちなみに好きな人と言われた時
脳裏に浮かんだのは
かけるだった…。

待て!!待て。私。
夏祭りのとき、小早川君が好きだって
思ったじゃん!!

もしかして…二股!?
私が!?

そう考える度に
あの占いが頭の中に蘇ってくる。

『お～い。
かな、大丈夫かぁ？』

『…ちなみ、私二股かも。』

『はぁ？』

私はかけるのこと、
夏祭りに小早川君と同行
したことをちなみに話した。

『…匂いって、あんた
犬か？』

ちなみの第一声はそれだった。

そして、
『でも私、かなはその
かける君の方が好きだと感じる。
かける君のことを話す時
嬉しそうだし。
小早川君のことは…
なんだろ、先生って感じに聞こえる。』