人生の案内板
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#273 [幸]
そこに、私の親しみのある先生がいるからだ。



『先生〜?高城先生!?』

3回目でやっと返事がした。
声の高い、男の先生が
やってきた。

⏰:09/01/08 00:41 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#274 [幸]
私は心理学について話してみた。


『心理学に興味を持ったか〜』

先生は困った顔をした。

『鮎川、お前は馬鹿じゃない、
心理学で最も有名な大学
調べたろな?』

『L大でしょ?
なんで?そこの大学やばいの?』

⏰:09/01/08 00:45 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#275 [幸]
『ん〜お前も知ってると思うが
うちの高校は進学校なの。
そんなL大に合格したって
なんの得にもならないんだよ。』



『でも心理学部は凄いじゃん!!』

『大学生からすればな。
だが中学生の受験生が
L大に合格って格下
だと思われるだろ!!』



先生の言い方に憤りを感じた。

⏰:09/01/08 00:49 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#276 [幸]
『私は心理学を学びたいの!!
T大はL大より特別
よくないじゃん!!』


『お前はT大に受かる
ためにこの高校に来たんだろ!?』




凄く胸に響いた。
そうだ…T大に行くために
来たんだ……。

私は無言で資料室から出た。

⏰:09/01/08 00:52 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#277 [幸]
…夢…
私は夢なんてない。
しいて言えばT大に合格
することだなぁ。

なんてちっぽけな夢。
その先の事も考えずに。


私って…本当に馬鹿だなぁ。

⏰:09/01/08 00:55 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#278 [幸]
『鮎川…』


私が資料室から出て
廊下を少し歩くと
小早川君が立っていた。


『こ、小早川君…』
『お前、L大に行きたいの?』


予想外の質問をされた。
私は驚き何も言わずに歩こうとした。

⏰:09/01/08 17:57 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#279 [幸]
『待てよ!
なんでL大なの?
T大は?』



ここで何か言わなきゃ
前に進まないような気がした。

『わ…私、心理学を学びたいの。
だからT大止めようかなって…。』

⏰:09/01/08 17:59 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#280 [幸]
『なんだよ、それ。
みんなお前を目指して頑張ってきたんだよ!?

鮎川はいつも1番だから
俺のいや、みんなの目標なんだよ?』



小早川君の声はいつもより
低かった。
それがとても怖かった。

⏰:09/01/08 18:02 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#281 [幸]
『私ね、夢なんてない。
だからT大に行っても
何を勉強すればいいか
分からなかったの。

でも、心理学に興味を持ったの。
だから大学に行ったら
心理学を勉強したいの!!
T大よりL大の方が心理学は有名なの。
だから…』



小早川君…!?
私がまだ全部を話してないのに
気づいたら小早川君の腕の中にいた。

⏰:09/01/08 18:06 📱:W53H 🆔:jLrAXSwQ


#282 [幸]
『こっ…小早川君…?』



突然の包容に驚愕してしまった。

私はどうすればいいか分からず
ただ、ここに人が来ないようにと
祈っていた。

⏰:09/01/09 16:30 📱:W53H 🆔:lFHCHULI


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