人生の案内板
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#30 [幸]
ぐるるるー…
お腹の音が鳴った
しかし私のお腹ではない
するとその白い物体は
私の手を放し
お腹を押さえた。
なぜだろう。
今思えばそう疑問を持つ
なぜあの時私は走って
おにぎりとジンジャエールを
買ったのだろうか。
:08/12/08 00:28 :W53H :Ut2bnqm2
#31 [幸]
『はい。はぁ…はぁ』
私はおにぎりとジンジャエール
を白い物体にあげた。
その白い物体は暫く
私の顔を見ると、最初
はためらったが、一気に
袋の中からおにぎりを
取り出し下を向きながら食べた。
:08/12/08 00:35 :W53H :Ut2bnqm2
#32 [幸]
『…うめぇ…さんきゅ』
その白い物体はそう言うと
おにぎりをぺろっと食べ
ジンジャエールをガブガブ飲んだ。
人って食べる時、
笑いながら食べるのだとばかり思っていた
しかし彼を見ると
そんなことは決してない
そう感じさせた
:08/12/08 00:38 :W53H :Ut2bnqm2
#33 [幸]
『ふー』
満腹を感じたのか、
とても幸せそうな顔で
座っていた。
私は今まで人は話しながら食べると
ご飯がおいしくなると
思っていた。
また幸せだと感じると
思っていた。
でも彼は違う。
彼は生きるためにご飯を食べ
生きるために幸せを感じる
凄く、生きるのに一生懸命なのだ。
:08/12/08 00:42 :W53H :Ut2bnqm2
#34 [幸]
『あの、もっと食べる?』
あのときの恐怖はどこ
にいってしまったのか
普通に話しをかけた。
『いや、平気だ。
わざわざすまなかった
っっー…』
:08/12/08 00:46 :W53H :Ut2bnqm2
#35 [幸]
彼は足をおさえていた
私が彼の足を見てみると
そこには痛々しくすり傷があった。
私はいつも常備している
オロナインをカバンから出した。
:08/12/08 00:48 :W53H :Ut2bnqm2
#36 [幸]
『先、水で洗って。』
私は彼にハンカチを
渡した。
『…いらねえよ
そんなもん。』
彼はそう言い、自分で
公園まで歩いて行った
ここから公園はさほど遠くない。
私も彼に付いて行った
:08/12/08 00:50 :W53H :Ut2bnqm2
#37 [幸]
私は彼が足を洗うのを
終わるのを待っていた
今まで彼がしゃがんでいたから
小さく見えたせいか、
実際立ったら大きいんだなぁ
彼は足を洗うのが終わって
私の方へ来た。
:08/12/08 01:02 :W53H :Ut2bnqm2
#38 [幸]
私はハンカチで膝から浸ってくる
水を拭いた。
そしてオロナインを塗った
『痛っ!』
『ご、ごめんなさい』
とは言いつつ塗り続けた。
:08/12/08 01:04 :W53H :Ut2bnqm2
#39 [幸]
『もういい、ありがとう』
彼はそう言い立ち上がった
『あの、』
私は疑問に持ったことを聞いた
『どうしたんですか?
家は!?』
:08/12/08 13:52 :W53H :Ut2bnqm2
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