人生の案内板
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#309 [幸]
『ん―、例えば
耳の不自由な人がさぁ
普通に今まで通り
一定の給料を貰って
働いてたとするじゃん?
それがさぁ、給料が減らされて
しまうんだよ。』
私の胸に何か重りが乗ってるみたいな気分だった。
支援っていう法律なのに
全然支援になってないじゃん。
:09/01/16 11:51 :W53H :pMK1Q/zQ
#310 [幸]
『なんで…?』
こんなこと、授業や
参考書などに載ってるはずがない。
私が知るはずない!!
そう思ったが、
『…ニュース見てないの?』
少年にそう言われ、
気づいた。
:09/01/16 11:53 :W53H :pMK1Q/zQ
#311 [幸]
『障害者が働いている
会社に政府はお金を
余分に与えてるんだ。
ここの会社はバリアフリー
だから…みたいな…
だけど今まで通り与えてた
お金が減らされたんだ。
だから給料も減らされて…
今、“この法律を撤廃せよ”って
デモ行進がすごいじゃん?』
授業でやってなくても
テレビや新聞を見れば
分かるんだよ…。
:09/01/16 11:57 :W53H :pMK1Q/zQ
#312 [幸]
ははは…
私は世の中のこと
全然わかってないじゃん。
じゃあ、なんのために
勉強してたの?
受験するため?
じゃあ、今まで勉強してたことは
世の中に全く通用しないってことなの……?
:09/01/16 11:59 :W53H :pMK1Q/zQ
#313 [幸]
『ねぇ。』
少年が話してきた。
『なんで母さんが弟を
殺したと思ったの?』
『…そう思ったから。』
私は一切、警察の人と
話したことを言わなかった。
:09/01/18 11:41 :W53H :D39xBK4k
#314 [幸]
『証拠がないのに?』
『証拠があれば認めるの?』
『世の中そうだろ』
…やはり母親が……
暫く沈黙が続いた。
:09/01/18 11:43 :W53H :D39xBK4k
#315 [幸]
『おい、もうそろそろいいか?』
警察の声で少年は
深々とおじぎをし、
部屋を出て行った。
私たちは、少年がここから去るのを
見てるしかなかった。
:09/01/18 11:46 :W53H :D39xBK4k
#316 [幸]
『先生―…』
隣に立っていた、高城先生に
話をかけた。
『同じ人間なのに
なぜこんなに差があるのですか?』
答えがほしい…
答えが。
:09/01/18 11:48 :W53H :D39xBK4k
#317 [幸]
『簡単だよ。
それはね、平等じゃないからだよ。』
『えっ?』
高城先生は悲しそうに笑った。
丁度そこで運よく
5時間目の始まりの鐘が鳴った。
:09/01/18 11:50 :W53H :D39xBK4k
#318 [幸]
平等……
昔は身分の差別があった。
今は昔よりはそれがなくなった。
でも金持ちとの差が激しい。
それは資本主義社会だから。
じゃあ‘子供’は?
障害者の子供がいると
いないだけで
こんなにも差があるのか?
:09/01/18 11:53 :W53H :D39xBK4k
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