人生の案内板
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#600 [幸]
『自分の話してる声が
聞こえないから
どのくらいの音量で話せばいいか
わからないんだよ。
それでもかけるは試そうとしたけど
余計にだめで…
さらには精神的な問題で
話せなくなったんだ…。』
風が強い日だった。
窓がその強い風のせいで泣いていた。
:09/02/06 01:01 :W53H :Li7Rh2v.
#601 [幸]
>>592すみませんホホ
手話の読みとり方
ではなく、
口パクの読みとり方でしたm(_ _)m
:09/02/06 01:05 :W53H :Li7Rh2v.
#602 [幸]
あと2日でセンター試験に迫った。
私はそれまで、一生懸命勉強した。
かけるは初詣の日以来
どこか私には不自然な態度をとっていた。
メールでは普通なのに…。
でも、だからといって
落ち込んでる暇はない。
と、いうより私は
その悲しみを勉強にぶつけていた。
:09/02/06 01:23 :W53H :Li7Rh2v.
#603 [幸]
学校は、もう1月の始業式から
家庭研修で休みだ。
私は週に2、3回は
じじさんの所で勉強をしていた。
かけるの綺麗な音楽を聞くために。
しかし本当はかけるに会うために…。
:09/02/06 01:25 :W53H :Li7Rh2v.
#604 [幸]
今日は家で勉強。
明日じじさんの所に行って
本番を迎えよう!!
そう思い、勉強に励んだ。
翌日。
:09/02/06 01:27 :W53H :Li7Rh2v.
#605 [幸]
『おっ?頑張ってますね〜』
と、じじさん。
『明日なんで。』
辺りを見回すがかけるの姿は
見えなかった。
『あの、かけるは?』
恐る恐る聞いてみた。
:09/02/06 01:29 :W53H :Li7Rh2v.
#606 [幸]
『なんか、大学の教授と
面談だから来れないって。』
『えっ…そうですか…。』
まじ‥‥
かなりショック。
:09/02/06 01:31 :W53H :Li7Rh2v.
#607 [幸]
私はその夜、早めに寝ようと思い、
いつもより早くベッドに行った。
〜♪〜♪
メール着信音。
この着信音はかけるからだ…。
私は急いでメールを見た。
動画つきだった。
:09/02/06 01:52 :W53H :Li7Rh2v.
#608 [幸]
再生……。
かけるが手話で話してる動画だった。
‘ちゃんと勉強しとるか?
本当は今日渡したかったけど
教授に呼ばれて渡せなかった。
明日、早起きしたら渡すから。
じゃあ、明日は頑張れよ!
おやすみ’
:09/02/06 01:56 :W53H :Li7Rh2v.
#609 [幸]
……『ありがとう…』
嬉しい…なんでこんなにも
嬉しいのだろう。
かける、本当にありがとう。
‘動画ありがとう!
まじ頑張る!
だから明日早起きしてほしいな〜’
そう送信して、眠った。
:09/02/06 01:59 :W53H :Li7Rh2v.
#610 [幸]
翌朝、玄関の所に行くと
ス―パ―の袋がぶら下がっていた。
袋の中身はキットカットと
ホッカイロと手紙だった。
感謝しろよ
手紙の内容はそれだけだった。
:09/02/06 02:01 :W53H :Li7Rh2v.
#611 [幸]
2日間の試験を終え、
次の日学校で自己採点をした。
『かな〜!』
『ちえみ!!』
『かな、大丈夫?
かなの場合、センターだめだったら…』
ちえみは聞きずらそうに聞いてきた。
:09/02/06 02:04 :W53H :Li7Rh2v.
#612 [幸]
『大丈夫!!』
私はそう断定した。
だって、父さんの手作り弁当と
兄さんのポッキーと
かけるのキットカットが
あったからだもん!!
先生と面談をし、
センターの点数を大学に
速達した。
:09/02/06 02:07 :W53H :Li7Rh2v.
#613 [幸]
『お疲れ様』
早速、じじさんの所へ行った。
そこに、かけるもいた。
『ありがとうございます!!』
私はそう答えた。
:09/02/06 02:09 :W53H :Li7Rh2v.
#614 [幸]
‘結果はいつ?’
『まだ先だよ』
‘輸送?’
『電話だよ。』
かけるはソワソワしていた。
そのせいでじじさんに怒られていた。
‘なんでお前はそんなに
冷静なんだ?
俺は一般だったけど
そんな冷静じゃなかったぞ’
:09/02/06 02:12 :W53H :Li7Rh2v.
#615 [幸]
かけるはそう聞いた。
『自信あるから。』
私は自信満々に答えた。
そして結果発表の日がきた。
家には誰もいない。
1人で見る。
自信満々とは言え、
やはり緊張はするもんだ。
:09/02/06 02:14 :W53H :Li7Rh2v.
#616 [幸]
私は深呼吸をすると
一気に開けた。
合格
の字が見えた。
:09/02/06 02:15 :W53H :Li7Rh2v.
#617 [幸]
いやったぁぁぁ!!
私は早速、父さんに電話、
兄さんにメールを送った。
そしてじじさんとかけるには
この紙を見せに行った。
:09/02/06 02:16 :W53H :Li7Rh2v.
#618 [幸]
『よかったね!』
『おめでとう』
この言葉が返ってきた。
学校にも報告し、父さんと一緒に
手続きをした。
:09/02/06 02:18 :W53H :Li7Rh2v.
#619 [幸]
ここまで、順調だったのに…。
不幸は突然訪れる。
人は誰だって、人生最後まで
幸せなはずがない。
それはそうだ…。
でも、納得できない!
私たち人間はどうしても
他人との幸せを比べてしまう生き物だからだ。
知能があるだけ、そうしてしまうのだ。
:09/02/06 02:21 :W53H :Li7Rh2v.
#620 [幸]
>>614すみませんホホ
『電話だよ』
ではなく
『そうだよ』
ですm(_ _)m
:09/02/06 09:41 :W53H :Li7Rh2v.
#621 [幸]
2月の中旬だった。
とある、普通のニュースを見ていた。
学校はもう休み。
受験には無事合格したので
朝はゴロゴロしていた。
「昨年の7月。
障害を持っていた弟を
殺害容疑で兄が逮捕されたんですが
精神的ショックを受け、
記憶を失っていた母親が
昨晩、自白したということが
明らかになりました。…」
:09/02/07 00:28 :W53H :jdZX7Qp2
#622 [幸]
えっ……?
私はある程度家事をしてから
警察署に向かった。
警察署の前は報道陣でいっぱいだった。
:09/02/07 00:30 :W53H :jdZX7Qp2
#623 [幸]
私はどうしていいか分からず
その場にずうっと立っていた。
『鮎川さん…?』
私の名が呼ばれたので
振り返ってみた。
そこには、あの時の
雰囲気のいい警察官がいた。
:09/02/07 00:33 :W53H :jdZX7Qp2
#624 [幸]
『あの少年は!?』
私はすぐに聞いてみた。
『あの少年の母親が…
あなたと話したいそうだ。。。
いいかね?』
『なっ…なぜ?』
『それは…話したときに
聞いてみるがいい。』
そう言い残し、私の前から消えた。
:09/02/07 00:36 :W53H :jdZX7Qp2
#625 [幸]
おそらく…あの時のお礼かな?
私はあまり深く考えなかった。
私はあまりにもの、
かけるへの思いに
あの少年のことを助けたいという気持ちを
忘れていたことに気づいた。
:09/02/07 00:38 :W53H :jdZX7Qp2
#626 [幸]
私って、口だけの女だ……。
その日の夜、
かけるからあの少年の話しを切り出した。
メールだと話しが長くなるので
次の日に会うことになった。
:09/02/07 00:40 :W53H :jdZX7Qp2
#627 [幸]
翌日。
会う場所は……
初めて出会った場所だった。
『かける!』
‘やぁ。’
かけるはどう思ったのかな?
そしてこれからも……
:09/02/07 00:43 :W53H :jdZX7Qp2
#628 [幸]
しばらく沈黙が続いた。
『警察の人にね…
今度、少年の母親に会ってほしいって。』
私はいきなり話しを切り出した。
‘そうか…’
かけるは素っ気ない返事をした。
:09/02/07 00:45 :W53H :jdZX7Qp2
#629 [幸]
また沈黙が続いた。
いつもと違う空気が流れた。
‘会うの?’
今度はかけるから切り出した。
『そう頼まれたからね。』
するとかけるは一気に話し出した。
:09/02/07 00:47 :W53H :jdZX7Qp2
#630 [幸]
‘中途半端な優しさ
やらねー方がいい。
もし本当にその少年たちを
救いたいならよく考えてから
行動しろよ。’
『なんで…?』
‘障害を持っていた子どもの
家族だからだ。’
:09/02/07 00:50 :W53H :jdZX7Qp2
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