人生の案内板
最新 最初 🆕
#71 [幸]
『なぁ…』
彼が仰向けになりながら
細い声を出した


『俺をどうするつもりだ?』
『…警察の所に行かせる』

私にはそれしかできない

⏰:08/12/10 14:02 📱:W53H 🆔:Ji6xjSfs


#72 [幸]
『…行きたくない…』

彼の声は子どものような声だった
多少つっぱりな口調の方がまだましだった

そのような声を聞かされると
すごく耳の奥まで滲みてくる。

⏰:08/12/11 02:19 📱:W53H 🆔:XQUbQhts


#73 [幸]
しかし相手は殺人犯
そんなことを言ってはいられない


『なんで?』

その代わり理由を聞きたかった



彼はつぶらな瞳で私を見、
弱々しく言った。

⏰:08/12/11 02:21 📱:W53H 🆔:XQUbQhts


#74 [幸]
『俺の話、聞いてくれねーし
信じてもくれない。
しょせん警察は殺人犯となったら
そういう態度を取る奴らばっかだ』



その弱々しい声の裏には
憎しみも含んでいたように聞こえた


『じゃあ、こうしよう
私が警察の人に伝えてあげる


私はわざと元気な声で言った
もう、彼のその弱々しい声を
聞きたくなかったからだ

⏰:08/12/11 02:26 📱:W53H 🆔:XQUbQhts


#75 [幸]
『何やってんだ?』



ザッザッと足音が近づいてくる
誰だろう?
私はそれしか思わなかったが
彼は驚いた顔をしていた

近づいてくる度にだんだん顔が見えてくる

⏰:08/12/11 02:29 📱:W53H 🆔:XQUbQhts


#76 [幸]
『あっ……お前…』
その言葉を聞いてやっと分かった

警察の人だ。
彼は逃げようとためらったのか、
足がピクッと動いた。
しかし諦めたかのように
警察の方へゆっくり足を動かした



『例の男性、発見しました』

⏰:08/12/11 02:31 📱:W53H 🆔:XQUbQhts


#77 [幸]
その警察は無線機でそう言った。



『この方をどうするんですか?』
私は彼の前に立ち、
そう聞いた。

『君はその子と、どういう関係なの?』

と、逆に聞かれた

⏰:08/12/11 02:33 📱:W53H 🆔:XQUbQhts


#78 [幸]
『なんでもありません』
彼は私を手でどかし
そう言った。
そして警察の人がまた連絡を取ってる間に

『お礼はちゃんと言う
だが、これ以上つっこむな』


そう私に言い
警察の人と一緒にゆっくりと
闇の中へ消えていった。

⏰:08/12/12 15:25 📱:W53H 🆔:HRrnrFEE


#79 [幸]
私は彼の言う通り
それ以上何も言わず
彼が警察の人と一緒に
闇の中へ消えていった
後ろ姿をただ見ていた。



私は何とも言いようのない思いで
しぶしぶと家に向かった

⏰:08/12/12 18:46 📱:W53H 🆔:HRrnrFEE


#80 [幸]
家に着いて風呂へ入った。
その後はテレビを見ながら
勉強した。
今日のこの時間だけ
みたいのがあるからだ

⏰:08/12/12 18:47 📱:W53H 🆔:HRrnrFEE


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194