人生の案内板
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#720 [幸]
『鮎川さん!!』
警察官にそう言われたが
私は引き下がらなかった。
『だって可笑しいでしょ!?
周りにいた人たちだって
この親子に対して差別を
してたんですよ!?
聞いたんだから…
あの少年に…。』
:09/02/14 02:34 :W53H :v0nXhjkM
#721 [幸]
『鮎川さん……』
お母さんが泣きながら呼んだ。
するとバッグから本を
取り出した。
『この本、知ってる?』
見たことがない本だったが
作者の名前には見たことがある名前があった。
:09/02/14 02:38 :W53H :v0nXhjkM
#722 [幸]
そこには、
風見かける
と書かれてあった。
かける……?
いつ本なんて……
『この本、どうしたんですか!?』
思わず聞いてしまった。
:09/02/14 02:41 :W53H :v0nXhjkM
#723 [幸]
『この本ね、実は
販売されてないの。』
目の前が真っ暗になった。
『この小説ね、障害者の
苦悩の話しなの。
でも…内容が国民的に
良くなかったのかもね…
“障害者独立支援法”反対!!
っていう内容だったの。』
:09/02/14 02:45 :W53H :v0nXhjkM
#724 [幸]
『ちょっ……ちょっと待って下さい!!
なんで!?
それじゃあ表現の自由に反してますよ!?』
私の声は震えていた。
自分でもよくわかった。
『ましてや、難聴だったからね。
この作者。
だから余計潰せやすかったのよ。
聞いた話し、この作者は
ピアノは上手いらしいけど
プロ並みではない。』
:09/02/14 02:50 :W53H :v0nXhjkM
#725 [幸]
ちょっと腹がたったが
黙って聞いた。
『それなのに、ピアノの推薦で
アメリカで修行してこいと
大学側からも言われ
多額のお金をあげたの。
この作者のご両親、
つい最近営業に失敗して
お金に困ってたからね…。』
…かける…
私はその場で暴れたかった。
:09/02/14 02:53 :W53H :v0nXhjkM
#726 [幸]
『んで、私は知り合いに
内緒で本を印刷してって
頼んだの。』
“……馬鹿らしい…”
思わず呟いた。
:09/02/14 02:55 :W53H :v0nXhjkM
#727 [幸]
『えっ……?』
『上の連中が違法してるのに、
国民には法律を守れってか…
上の連中が守らないのも
国民が守るかって…』
:09/02/14 02:58 :W53H :v0nXhjkM
#728 [幸]
『最近の子どもは…って
よく大人は言うけど
違う……
大人がそういう汚いことをするから
子どもだって…
…悔しい…』
私はそう言いながら
何度も心の中で
かける
と叫んだ。
:09/02/14 03:01 :W53H :v0nXhjkM
#729 [幸]
『あなたが…子どもたちに
教えればいいじゃない。』
『えっ?』
『あなたが、子どもに
大人は汚い。でも
あなたたちはそういう
大人になるなって…』
私はしばらく黙り込んだ。
そして、あることを決心し、
こう話した。
:09/02/14 03:03 :W53H :v0nXhjkM
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