双子の秘密
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#96 [ゆーちん]
誰だって、好きだったものが急に色褪せてしまい、好きじゃなくなることもある。


聡志には素直に『あなたへの気持ちがなくなった。』と伝えた。


『仕方ないね。今までありがとう。』と納得してくれた聡志は最後まで優しかった。

⏰:08/12/08 19:56 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#97 [ゆーちん]
中2のあの日に大人になってから、急に何もかもが苦しくなった。


聡志は好きだったけど、所詮は斗美の真似。


斗美が彼氏を作ったから私も彼氏を作った。


斗美がお洒落をするから、斗美が恋愛をするから…斗美が、斗美が、斗美が。


全部、姉の真似。

⏰:08/12/08 19:57 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#98 [ゆーちん]
私は比べられるのが嫌だと斗美が言っていた。


私も斗美と比べられるのが嫌だった。


私はもっと斗美に近付きたい。


だけど斗美は私と離れたい。

⏰:08/12/08 19:58 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#99 [ゆーちん]
どうすればお互いの願望を叶えられるんだろう。


やっぱ、どっちかが折れないと無理なのかな…。


はぁ。


何か双子って面倒ね。


比べられずに済めたら、どれほど楽しいんだろうって思う。


双子なんかじゃなかったら…。

⏰:08/12/08 20:00 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#100 [ゆーちん]
◆◇◆◇◆◇◆

秘密の始まり

◆◇◆◇◆◇◆

⏰:08/12/08 20:03 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#101 [ゆーちん]
〔斗美〕


バカな私はバカなりのバカに合ったバカな高校に入学した。


斗羽はもちろん頭のいい高校。


別に羨ましくもない。


最近じゃ、比べられても…開き直っていた。


だけどやっぱりどこか意地があって、斗羽が私に少しでも近付こうとすれば私は離れていた。

⏰:08/12/08 20:04 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#102 [ゆーちん]
「斗美どこ行くの?」

「サボり。数学嫌い。」


学校にも慣れた5月のある日。


すっかりサボり癖のついた私は教室を抜け出した。


屋上への階段をコツコツと昇る。


扉を開けると太陽が出迎えてくれた。


…気持ちいい。


ひなたぼっこに最適な日。


こんな日に教室にいるなんて勿体ないよって勉強オタクに言ってやりたい。

⏰:08/12/08 20:05 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#103 [ゆーちん]
なんとなく迷路のようになっているこの屋上は、たまにサボりに来るので、最初は迷いまくったものの今じゃナビゲーションできるくらい詳しくなった。


たまにカップルがイチャついてたりもするから、気付かれないように逃げるルートだって知っている。

⏰:08/12/08 20:05 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#104 [ゆーちん]
私はお気に入りのひなたぼっこスポットに足を運んだ。


ラッキー。


もしかして、今日は屋上貸し切りかも?


イチャつくカップルもいなければ、煙草を吸う不良もいない。


のんびり昼寝が出来る。

⏰:08/12/08 20:06 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#105 [ゆーちん]
見事に貸し切りだった屋上で私は昼寝をした。


昼寝って言ってもまだ3時間目だけどね。


30分くらい寝ただろうか。


急に寝苦しくなった。


夢から意識が戻って来る。


…ん?


隣に人の存在を感じる。

⏰:08/12/08 20:09 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


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