双子の秘密
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#110 [ゆーちん]
「先生、知ってた?」

「知らない。」

「まだ言ってないんだけど。」

「僕、超能力でお前の言う事、先にわかるんですよ。」

「あっそ。」

「…ごめん、うそ。ふざけました。何?」


わたあめみたいな優しい風が私と先生の間を吹き抜けた。

⏰:08/12/08 20:45 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#111 [ゆーちん]
「校内禁煙なんだよー。」

「へぇー知らなかったー。」


明らかに知ってるでしょって感じの言い草。


知らないはずない。


教師なんだからさ。


こうやってふざけながら話しをする人って気楽でいいかも。

⏰:08/12/08 20:46 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#112 [ゆーちん]
「煙草吸ってサボってた、って校長にチクられたくなかったら100万円よこせ!」

「…お前の孫まで呪うからな。」

「アハハッ。」


先生の口元がキュッと上がり、笑いながら煙草のけむりを空へと吐き出した。

⏰:08/12/08 20:46 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#113 [ゆーちん]
「斗美は?」

「へ?」

「煙草、吸わないの?」

「吸わない。肌に悪いし。」

「ふーん。真面目だな。吸ってそうなイメージなのに。」

「よく言われる。」


携帯灰皿に煙草の吸い殻を入れ、煙草とライターと灰皿をポケットに直している先生。

⏰:08/12/08 20:48 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#114 [ゆーちん]
私は聞いてみた。


「私、先生に授業教わってない。」

「うん、そうねー。」

「何で私の名前知ってんの?」

「教師だもん。」

「ふーん。私のクラス全員の名前わかるの?」

「わかんねぇよ?斗美だけしか知らない。」

「だから何で私だけの名前知ってんの?」

⏰:08/12/08 20:48 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#115 [ゆーちん]
呆れ笑い混じりの質問に先生は笑顔で答えた。


「男だもん。」

「…意味、わかんない。」

「んー、わかんない?斗美の名前だけ、ちゃんと知ってるんだよ、俺。」

「どうして?」

「言ってんじゃん。俺だって男だもん。」


見つめ合いながら無言の会話をした。

⏰:08/12/08 20:49 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#116 [ゆーちん]
自惚れても、いいのかな。


いつもなら私に好意がある男が現れても動揺なんてしないけど…先生のような20代の人と付き合った事がない私は、戸惑うばかりだった。

⏰:08/12/08 20:49 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#117 [ゆーちん]
「え…あの…」

「ブッ。テンパりすぎ。」

「だって意味が…」

「バカだから意味もわかんないのか〜。残念だな。」


先生はニコッと笑い、私の肩に手を乗せ、グッと立ち上がった。


「バカだけどバカじゃないし。」

「そういう発言がバカっぽいんだよ。」

「…うるさいな、もう。」

⏰:08/12/08 20:50 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#118 [ゆーちん]
怒ったフリをすると先生は声を出して笑った。


「ハハッ。んじゃ俺は戻るねー。」

「さっさとどっか行っちゃえ。」

「可愛くねーの。バイバイ。」

「…バイバイ。」

⏰:08/12/08 20:51 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


#119 [ゆーちん]
煙草臭い中に甘い香水の匂いがした。


ほんの少しの甘い匂いを残し、先生は屋上から降りて行く。


再び一人ぼっちになった屋上で、運動場を見下ろしながら考えた。


さっきの先生が言った意味、やっぱそういう意味なのかな。


自意識過剰になってもいいのかな。


先生、私に好意持ってくれてるのかな。


だとしたら、どうすればいい?


付き合うの?

⏰:08/12/08 20:52 📱:SH901iC 🆔:xLeVnYmI


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